いつもは富士山麓で合同合宿 それを超えるものをいかに実施するか
まず、「バヅクリ」の導入に至った背景を教えてください。
弊社では例年7月に内定を出した学生に対し、内定者同士と若手現役社員が交流する場を設けたり、第一パン工場の見学で実際のパン作りについて理解を深めてもらったりといったイベントを開いています。 10月に内定式を行った後の11月には富士山麓で2泊3日の合宿を実施し、さらに懇親を深める取り組みを行なっています。
ですが今年は、学生の安全を考えるとこのような活動を行うことが難しい。
それでも内定者の横のつながりをつくり、しかも楽しみながら交流できる場が必要だと考えたため、バヅクリを導入させていただきました。
これまでに、自社でオンラインでの内定者フォローは行なっていましたか?
今年7月に内定者フォローを目的に、内定者と若手社員をつなぐオンライン懇親会を自社で行いました。
ですが、リアルでの懇親会と比べ多くの課題も感じていました。
どのような課題を感じていたのでしょうか?
「内定者と先輩社員の交流」という目的は果たせました。
しかし、これまでのリアルでのイベントなら、懇親会の後に一緒に食事をしたり、工場見学をしたりと盛りだくさんでしたが、オンラインの交流だけだと短時間で終わってしまうので寂しいように感じました。
もっとレクリエーション性があって、参加者が楽しみながら交流できるものがいいと痛感しました。
そもそも、人事としてもオンラインで開催するイベントのための慣れない準備や運営も大変でした。
対面のイベントでも見ることができなかった、学生の個性がより濃く出ていた
今回体験したプログラムを教えてください。
今回利用させていただいたプログラムは「お絵描きコミュニケーション」です。
与えられたお題に絵を描いて答え、絵を画面上で見せながらおのおのの考え方や価値観について語り、その絵を手始めにメンバーと相互理解を深めていくという内容でした。
実際にプログラムをやってみて、いかがでしたか?
「自己紹介」「自分の喜怒哀楽」「会社に入ってからの理想的な社会人像」などのお題が出て、私も画面越しに見ていましたが、出身地などのイラストで盛り上がっていました。
喜怒哀楽の表現ではどんなときに怒るかなどで個性がとてもよく表現されていましたし、イラストの描き方からも性格が垣間見えました。
これまでの対面のイベントでは見ることができなかった、学生の個性がより濃く出ていた部分も多くあったので、良い機会になったと思っています。
オンラインイベントを行うにあたって、工夫した点はありますか?
フラットな場の空気をつくるために、人事はできるだけ画面に出るのを控えるようにしていました。
イベントの際、人事の存在が前に出てしまうと、学生が本音をさらけ出しにくくなってしまいます。
「会社の人事の人間が見ている」という意識から、内定者が少し格好を付けてしまったり、できる人と思われようと無理をしてしまったりすることもありますよね。
このイベントの目的はあくまで内定者同士のつながりを深めるためのもので、普段通り素のままで交流してもらうことが重要だと思うので。
業務面でのメリットはありましたか?
準備も本番も人事部の負担は非常に軽くなりました。
今年は35人の内定者がいましたが、3〜4人ごとにオンラインの小部屋に分け、プロの講師が仕切ってくれるため、われわれの手間はほとんどかかりません。
学生の反応はいかがでしたか?
特に地方に住む学生さんにとっては移動の必要がないので負担が軽いですし、今の学生さんはオンラインツールを使い慣れています。
採用と同様にオンラインでのイベント実施自体、全く問題なく受け入れていただけました。
今後もオンライン体験イベントは活用していきたいですか?
はい。新型コロナウイルス感染拡大が終息しても、オンライン体験イベントでの内定者フォローは検討していく予定です。
東京都小平市に本社を置く製パン会社。一般には商標の「第一パン」で知られている。「おいしさに まごころこめて」をグループ全社のモットーとし、安全で高品質な商品作りに努め、食を通じて社会の発展に貢献。