- 緊急事態宣言から出社制限が続き、新入社員と既存社員のコミュニケーションが不足した
- 従来行っていた対面型のコミュニケーション施策ができず社員のつながりが希薄に
- 社員のリフレッシュにつながった
- 社員同士の顔と名前が一致して、仕事が進めやすくなった
出社率は2~4割、時差出勤や休憩時間ずらしで交流機会が減少へ
事業内容とお2人の所属する管理部教育研修の役割について教えてください
私たちKAIグループは、貝印製品の製造と販売部門から成り立ち、国内外に複数の拠点を持つ刃物のメーカーです。
自社製品としてはカミソリ、爪切り、はさみ、包丁、医療器といった刃物を提供しており、岐阜県に5つの自社工場も抱えています。
貝印は刃物が主力製品ですが、包丁以外にもキッチンばさみやピーラー、お玉、スライサーといった調理用品やビューラーや毛抜きなどの化粧小物なども含め1万点ほど展開しています。
皆さまも知らず知らずのうちに「KAIマーク」の製品を、ご自宅で使ってらっしゃるかもしれません。
私と遠藤は、KAIグループ製造・販売部門の管理部のなかで、教育研修を担当しています。
普段は社員教育を担う役割がありますが、今回はコロナ禍における社員間のコミュニケーション不足を解消するために、イベント準備を担当しました。
「バヅクリ」の導入に至るまで、どのような課題を感じていたのでしょうか?
2020年の緊急事態宣言のころから研修や出社体制の変化があり、社内交流の機会も減ったため、社員同士のコミュニケーションが不足している点に悩みを抱えていました。
コロナ禍で社員同士のつながりが弱くなっていないか経営陣も非常に心配していて、交流イベントの実施検討に至りました。
とくに2020年4月入社の新入社員は、入社後3~4日で在宅研修に切り替えとなってしまい、同期や同部門の人とまったく顔合わせをすることのない日々を送らざるを得なかったんですね。
極端な話、朝起きてから終業時間まで、一言も会話をせず終わる日もあったかもしれません。
そのため、若手社員に「社内に仲間がいるよ」と伝え、意識してもらえるようなイベントを実施したいと考えました。
コロナ禍で出社体制や研修内容は具体的にどのように変化したのでしょうか?
先ほどお話した新入社員研修は、もともと販売部門のある東京と、工場や物流拠点のある岐阜、新潟を渡り歩く内容となっていました。
複数の拠点をまわり、対面で既存社員と交流した後、5月ごろに配属するスケジュールでした。
しかし2020年は、工場見学など一切できなくなってしまったため、すべてをオンライン研修に切り替えました。といっても、オフラインで実施していた研修をどのようにオンライン化すればいいか、準備する時間もなく…。
けっきょく2020年は配属時期も6月に後ろ倒しになってしまい、満足いく対応ができなかったと記憶しています。
出社体制については、2021年12月現在も在宅勤務が続いています。緊急事態宣言中は、工場のように出社必須の部門以外は基本的に在宅勤務となります。
緊急事態宣言などが解除されている時期の出社率は6~8割です。
工場などラインで働く人は出社せざるを得ませんが、お昼休み・休憩時間のシフト制など、多数の社員が集まらないような体制を取り入れています。
細かい取り組みになりますが、社員食堂では会話厳禁、対面に座らないよう席のレイアウトも変更しています。
会社としては「社員同士のコミュニケーションを増やしたい」のに、コロナ対策上「社員同士のコミュニケーションを減らさなくてはならない」ことは、非常に心苦しいものだと思っています。
出社体制や研修のオンライン化の前は、どのような社内交流イベントを行っていましたか?
社内交流のイベントとして、製造部門では、上期・下期あわせて2回、半日ほど工場を止めて一同が集まり社員大会を実施していました。
大きな会場に集まって、その年のトピックスを話したり、成功した改善案を共有したりして、社員同士のコミュニケーションをとっていました。
その他グループでは、全員が集まる朝礼実施や、5年に1度の社員旅行、東京拠点に集まって顔をあわせて実施する研修などもありましたね。
グループ全体の帰属意識や協調、「一緒に頑張っていこう」という目線合わせを目的に、対面型の集合イベントを多く実施していたんです。
対面型のイベントで、社員同士が「久しぶり!」と声を掛け合う機会もなくなり、幹部から発表される経営方針発表も録画したものを流す方法に切り替えるしかなく、いわゆる飲みにケーションも比較的盛んな風土でしたから、この2年間はまったく社内交流イベントができていない状況です。
研修ではなく社員交流イベントと呼び、事前告知で盛り上げる
「バヅクリ」をどのように見つけて選んでいただいたのか教えてください
今回は入社10年以内の若手社員を対象として、社内コミュニケーションのイベントを実施しようと決め、インターネット検索でバヅクリさんを見つけました。
普通の研修ではなく、堅苦しさがない中で多くの社員がコミュニケーションとれるイベント題材を複数持っている点に惹かれ、話を聞こうと思いました。
バヅクリさんのさまざまなイベントテーマの中でクイズを選ばせていただいたのは、参加するメンバーが初対面同士でもクイズなら自然と楽しめると考えたためです。
クイズなら社歴や年齢問わず参加ハードルが低いですし、チーム対抗戦で行えば相互コミュニケーションもとれるので良いと思いました。
バヅクリにはどのくらいの社員が参加されましたか?
120名ほどに声掛けをして、90名ほどが参加となりました。声掛けする際は、研修ではなく「社員交流イベント」という言葉を使って告知し、業務優先で良いと伝えています。
対象人数がやや多かったので、1人ひとり個別に日程調整をすることは避けました。
結果的に100名近い人数に参加してもらえましたが、「できれば次回は個別に希望日程を選んでエントリーしたい」という声もあがっています。
この点は、前向きに改善したいですね。
ちなみに社内告知は、社内Web掲示板で社内通達を出す方法で実施しました。
弊社には社内Web掲示板に社員一人ひとりが「意見・提案・報告」を行う「週報」という仕組みがあるのですが、週報のなかで「バヅクリを管理部で体験してきたよ」「今度は社員みんなでやるから楽しみにしていてね」などの報告があがっていたので、社員がイベントを楽しみに待っていてくれた点は成功ポイントです。
イベントに参加した方々の反応はいかがでしたか?
イベント後は、参加した社員から「リフレッシュできた」「楽しかった」といった声を週報でたくさん見ることができました。
その他にも、書面上で社員の名前は知っていたけど、顔と名前が一致していなかった人と会話できてよかったという感想もありました。
イベント時のグループワークはランダムにメンバーを組み合わせたのですが、組んだメンバー全員が初対面だったため、「今後、仕事しやすくなるのを期待している」というコメントもあって嬉しいですね。
入社年次が若い人ほど、社員のことを知れて良かったと感じてくれたようです。
クイズのコンテンツ内容やMCについて感想はありましたか?
MCの奥井淳志さんは、参加者みんな絶賛していましたね!アンケートのほとんどで「MCが良かった」と感想をもらっています。
クイズの中身は、なるべく社員みんなに共通したテーマを出題しようという意見があったので、「新社長の人となり」に絡めたクイズを取り入れました。
社内報のコラムをクイズの情報源とすることで、終わった後に「ここに載っていたんだ」と確認もでき、社内報をあらためて見てもらうきっかけにもなったと思います。
一部の先輩社員から、自社製品のマニアックな問題を出して欲しいという声もあったので、今後のイベント題材として検討していきたいと思います。
今後ともぜひ「バヅクリ」をご活用していただきたいのですが、何か要望などはありますか?
全体的にとても満足していますが、クイズは個人戦ではなく、始めからグループでディスカッションしながら答える形式で良かったかもしれませんね。
やはり後半に実施した、チーム戦のほうが、社員同士でわいわい盛り上がっていたようなので、次回以降ご相談できたら嬉しいです。
改めて、お2人から感想をお伺いできますか?
遠藤さん:
岐阜と東京、大阪、名古屋と離れた拠点の社員が参加できて、和気あいあいとした雰囲気で実施できたのが良かったと思います。週報でもたくさん、リフレッシュできたという感想があり、私たちも嬉しく思っています。
齋藤さん:
第一の目標であった社員交流は達成できたと思っています。
今後は、参加者から「もっとこんなことをやりたい」とリクエストも増えてくると思うので、次回以降のイベントもしっかりと企画を練り、相談しながら進めていきたいです。
週報をみた経営陣から「良いイベントだったようだね」とのコメントもいただくことができましたし、引き続きバヅクリを利用できたらと思っています。
社内研修とは異なり、雰囲気をガラッと変えて非日常感を演出するには、さまざまなスキルや仕掛けが必要だと思います。
私たちですべて行ってしまうと、どうしても日常になってしまうので、こういった社員交流イベントは外部サービスをうまく活用して進めていきたいなと思います。
この度はありがとうございました!
貝印ブランドとして、カミソリ、爪切り、はさみ、包丁、医療器など刃物を中心に製造・販売している。
カミソリ、爪切りなど調理用品や衛生用品などの製造・販売