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経営理念の再構築と体験型研修で「勝ちチームメンタリティ」を醸成

組織の多様化に伴うエンゲージメント低下を改善した取り組みとは

株式会社ツマミナ
取締役
大和 正統
管理本部 HR部門
坂田 有里絵
課題
  • 事業規模の拡大に伴い管理職のリーダーシップが行き届かず、若手中心に明るいが自信なさげな人が増え「負けチームメンタリティ」になっていた
  • コロナ禍で業態転換を進めた結果、業務内容と人材の質のミスマッチが次々と表出し離職が急激に進んだ
  • 混沌とした状況下でマネジメント層が有効な問題解決策を打てず、エンゲージメントが低下していた
効果
  • コーチング研修・リーダー研修の実施により、管理職の部下との向き合い方や店舗作りへの意識が変化した
  • 部下がいきいきと働くようになり、エンゲージメント向上に寄与した
  • 普段関わりのない従業員同士のつながりが強まった

業態増殖とコロナ禍で顕在化した、人材の多様化とエンゲージメント低下

まずは自己紹介をお願いします。

大和さん:
取締役の大和と申します。入社したのは14年前で、現在は取締役兼管理本部長として、営業面以外のバックオフィス業務全般を担当しております。

坂田さん:
管理本部 HR部門の坂田と申します。もともと大学時代にツマミナでアルバイトをしておりました。
大学卒業後は事務職の仕事に就いたのですが、副業としてツマミナでまたアルバイトを始め、そのままツマミナに転職した、という経緯があります。
店長を経て、現在は人事・採用関係の業務を担当しております。

貴社がエンゲージメント向上に取り組むことになったきっかけは何でしたか?また、エンゲージメント向上の重要性をいつ、どのように認識しましたか?

大和さん:
大きく分けて2つあります。
1つ目は、事業規模の拡大フェーズごとの、あるべき組織の姿を描くためです。
よく「3億、10億、30億の壁」などと言われていますが、そのフェーズに応じて採用人数や人材の質、マネジメント方法を段階的に変質させていくイメージをもともと持っていて、適性検査サービスを用いて分析しながら、人材配置や採用計画の施策を行なっていました。

その中で明らかになった課題として、明るくて素直だが、少し自信なさげで遠慮がちだったり、シャイでガツガツしてない人が多く、少しキツい言葉になりますが、「負けチームメンタリティ」になっているという認識がありました。

2つ目は、業態増殖と新型コロナウイルスの流行です。
居酒屋店舗を多く抱えていたため、2020年以降はコロナ禍の影響を多大に受けました。
アルコールの提供ができなくなり、食事をメインとした業態への転換をはじめ、フランチャイズ加盟、ショッピングセンターへの店舗参入など、試行錯誤の時期でした。

そこで、居酒屋の時とは必要な人材の質が違うことが顕著になりました。
居酒屋の時に多かった、裁量の大きい仕事が好きで自ら道を切り拓いていくタイプの人だけではなく、決められたことを着実にこなせる人材が重要視されていました。

そのような業態と既存人材とのミスマッチが表出し混沌とした状態が続いたことで、エンゲージメントの低下や部署ごとの離職が急激に進んでいきました。
そのような環境で、マネジメント層も起きている問題を把握しきれていない状態にあったことが、エンゲージメント向上に取り組むこととなったきっかけと言えます。

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大和さん

具体的にどのような施策を実施していますか?また、それぞれの施策で得られた具体的な成果や変化があれば教えてください。

大和さん:
一番大きい取り組みとしては、創業20年の節目である2022年に「VISION2027」という経営理念の再構築と5年計画を立ち上げたことです。
もともとあった経営理念をよりチャレンジングなものに変更し、共通の目的を持ち、みんなで何かを成し遂げることを意識してもらうことで、負けチームメンタリティを「勝ちチームメンタリティ」にしていきたいという想いのもとVISION2027を作りました。

ミッション・ビジョン・バリューを従業員全員が自分たちのものだと思えるようにするために、IKA(Integral Keys to Ascension)という理念も設計しました。
イカというシンボルであることから、従業員への浸透も早く、この理念を定めたことで採用にも一貫性が出てきたため、こちらは良いアイデアだったと思っています。

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VISION2027とIKA

大和さん:
その後、サーベイや人事評価制度を導入し、組織の見える化を進めていきました。

エンゲージメントを向上させる過程で直面した最大の障壁は何でしたか?それをどのように乗り越えましたか?

大和さん:
やはり、コロナ禍での休業ですね。
飲食・サービス業ということもあり、人と会って話すことが好きな人が多いです。
休業せざるを得ない状況で、みんなで集まることもできない時期はどうすることもできず、それが不調や離職の原因にもなっていました。

コロナ禍を経て、やはり密に集まることを大事にしていきたいということで、そういった機会を増やしていきました。

夜から日の出にかけて山に登る「登山部」や、泊まりがけで自社の養鶏場で労働し、生産者の立場になってミッションを再確認する「うみやま合宿」といった活動を年に4回ほど行うようになりました。
ちなみに、登山部の部長は私が部長を勤めています(笑)

坂田さん:
私も登山部に2回ほど参加しましたが、普段関わることのない人たちでも、話をしながらキツい体験を一緒に共有することで、協力しあう心が生まれ、一致団結につながりました。

うみやま合宿でも、仕事への向き合い方についてなど、日常業務の中ではできないような会話が生まれ、あまり関わる機会のない後輩たちとのつながりが増えました。

大和さん:
もう1つ、プレーヤーからマネージャーへの意識転換がうまくできなかったり、リーダーシップを持つ感覚が薄かったりと、主体性が弱い人が取り残されているという課題がありました。
エンゲージメントサーベイ等の結果から、このフェーズにおいては支援型のリーダーシップを養い、ひとりひとりがリーダーシップを持つことが必要だと結論付けました。
そこでバヅクリさんとのお取り組みにつながってきます。

先進的で受講者を惹きつける研修内容と講師の力量に感銘

バヅクリを知ったきっかけと、第一印象を教えてください。

大和さん:
営業電話をいただいたのがきっかけです。
第一印象は、非常に先進的なイメージを持ちました。
人材育成・組織開発関係の本を読んでいる中で、理想の組織開発像があったのですが、バヅクリにはそれに近い考え方やコンテンツがありました。

コーチング研修でWeb検索すると、1960年代に理論をベースとした昔ながらの研修スタイルが多いと感じます。
その点バヅクリさんの研修は、シリコンバレーでGoogleさんが実施しているようなものに近い新しさを感じました。

導入する決め手となったポイントは何ですか?

大和さん:
体験会を実施いただき、先ほど話したようなポイントを改めて実感できたのが決め手です。

ただ正直、体験会の前から前向きでした。
他社は考えておらずバヅクリさん一択だったと思います。

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坂田さん

研修内容はいかがでしたか?

坂田さん:
非常に良かったと感じています。
中でも一番感銘を受けたのは講師の惹きつけ力です。

言葉は良くないかもしれませんが、一般的な研修は一方的に話を聞くだけで眠たくなってしまい、あまり身に入らないものも少なくありません。
ですが、バヅクリさんの講師(笹木純子さん)は話し方にメリハリがあり、受講者を飽きさせない惹きつける話し方をずっとされていると感じました。

グループワークが多く、構成も洗練されていると感じました。
ワークも考えやすい内容で、同じ店舗以外のメンバーとの関わりが自然に生まれるようなテーマで議論ができました。

私自身も研修をする立場でもあるのですが、「笹木先生みたいになりたい!」と思いました(笑)

実施した研修
コーチング研修 〜部下への傾聴と接し方で個人を活かすスキルを身につける〜
リーダー研修 〜具体的な目標設定とチーム運営で成果創出と部下育成を実現〜

大和さん:
私も、ウケが非常に良かったと感じています。
やはり、使い古されたありきたりな研修とは違い、雰囲気自体が明るくおしゃれでした。
コンテンツだけでなく、雰囲気や話し方、言葉選びなど周りの要素が良かった点が、自発的な発言を促進させる要因になっているのではないかと考えられます。

坂田さん:
1回目に実施したコーチング研修で、受講後に取った参加者向けアンケートで出てきた「わかりづらい部分があった」という一部の声も、次回のリーダー研修では改善されていて、そういった姿勢も素晴らしいと感じました。
私が登壇した直近の社内研修でも、内容を理解できたかのフィードバックまで心がけるようになりました。

研修内容が日常業務に活かされ、部下との向き合い方に変化

研修の前後で変化は見られましたか?

坂田さん:
これまでは研修を受けても、その内容を店舗での日常業務に活かすことが難しいと感じていましたが、バヅクリの研修はその点が大きく改善されたと感じています。

コーチング研修・リーダー研修ということで、管理職である店長・料理長を中心に受けていただいたのですが、部下との向き合い方や店舗作りへの意識の変化が見られました。

個人的に、1on1で部下の日頃の悩みや相談を聞く姿勢がまだ不十分ではないかと思っていました。
ですが、今回の研修を受けていただいた店長・料理長の元で働く部下がいきいきと仕事をしている姿が明確に見えるようになったので、面談でのフィードバックや普段の接し方に変化があったと感じています。

想定していなかった良い点はありますか?

坂田さん:
従来の研修と比べて、参加率が高かったです。
「絶対受けてもらおう」と思っていたので、私がいつも以上にアナウンスをしたという理由もありますが、こんなに参加率が良かったのは初めてです。

また、グループワークの際、あえて関わりのない人同士でグループを組んだのですが、想像以上に話が盛り上がり、「この人はこんな考えを持っているんだ!」と、今まで見えなかった部分が見えました。

エンゲージメントを持続的に向上させるために、貴社が実践していることはありますか?日々の業務の中で意識していることや、定期的に実施していることがあれば教えてください。

大和さん:
社員インタビューなどを掲載する社内新聞や、毎月選出するMVPとGoodActionを発表するwikiのようなコンテンツ、経営理念を落とし込んだ7種類のイカのカードを贈り合うiCard(イカード)など色々な施策を継続的に実施しています。

体験系だと、先ほどお話したうみやま合宿の他にも採用強化の施策として、つながりの強い農業高校や調理師系の学校など、卒業生が母校に挨拶に行くようなイベントも実施しています。

坂田さん:
実業系の高校は特に絆が強いようで、先生と卒業生が涙を流しながら抱き合う感動の再会…ということもあります。

日本一・世界一にも挑戦

エンゲージメント向上に向けて、今後取り組んでいきたい課題や展望についてお聞かせください。

大和さん:
従業員の視野を広げるために、他県の同業他社店舗に1週間ほど送り込む交換留学や、近隣の居酒屋さんとの1日交換留学なんかもどんどん実施していきたいです。
フットワークを軽くしつつ、いろんな刺激を受けられる機会を作れれば良いと思います。
また、あえて昔ながらの社員旅行を企画したり、人とのつながりは今後も大切にしていきたいです。

他にも、ISO30414(人的資本に関する情報開示のガイドライン)を飲食業界で最初に取得したいという野望もあります。
まだ飲食業界では誰も取得してないので、うちが先駆けになれれば良いなと。

また先日、仲良く交流させていただいている長野県の鰻屋さんが宇宙飛行士に宇宙で初めてうなぎを食べさせたという面白い話を聞きました。
「すごいな!」と感心すると同時に負けてられないというジェラシーも感じました(笑)
このように、日本一や世界一となるような称号を獲れる挑戦をしていきたいです。

もう1つ大事にしているのは、ツマミナという船に乗っている船員のみんなが圧倒的当事者意識を持ち、主体的に動ける組織になることです。
そういう意識を育てる施策や文化を大切にしていきたいです。

株式会社ツマミナ

福岡県福岡市を中心に飲食店を運営する企業。のどぐろとイカ活き造りの専門店「博多 魚蔵」、うなぎ屋「博多 藤う那」、焼き肉屋「天神黒毛流 焼肉 参星」など、地元九州の食材にこだわった多数店舗を展開。

事業内容

外食事業・飲食店の展開

導入規模
従業員数:600名(パートアルバイト含む)
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