- オンラインでの内定者フォローの質を高めるノウハウがなかった
- オンラインでも雑談が生まれる心理的安全性の高い場づくりができなかった
- お絵描きを通して内定者の内面を引き出し、深い交流を促せた
- うわべのコミュニケーションではなく、自然と会話が生まれる関係性を築けた
まずは自己紹介と、会社の紹介をお願いします。
丸中さん:
人事総務部の丸中と申します。
東京海上アシスタンスは、東京海上グループの一員として、自動車保険に加入されているお客様向けのサービスを提供しています。
お客様が運転中に事故や故障に遭われた際におこなうロードサービスを主軸に、ホームアシスタンス(お客様のお住まいで生じるトラブル)、入院アシスタンス(交通事故で入院された際の各種手配など)の3種類のアシスタンスサービスを展開しています。
私は新卒で入社して今年で9年目となりまして、オペレーターを経験した後、人事総務部で採用や内定者フォローを担当しています。
竹山さん:
人事総務部の竹山です。アシスタンスコーディネーターを経験して、新卒3年目で人事総務部に異動し、今年で7年目になります。
丸中と同じく採用や内定者フォローを担当しています。
自己開示が難しいオンライン内定者フォローの質を変えるために
コロナ前に行っていた内定者フォローの内容を教えてください
丸中さん:
内定者懇親会は定期的に開催しており、全て対面で懇親会を行っていました。
特に12月の懇親会は福岡支店の内定者にも品川本社まで来てもらい、役員からの挨拶や内定者同士の自己紹介のコンテンツを実施していました。
3月には保険知識や配属先の知識を身につける内定者研修も実施しています。
採用人数は例年品川が10名、福岡5名の規模で、今年度は品川8名、福岡5名の内定となっています。
オンラインに切り替えたのはいつからでしたか?
丸中さん:
2020年度の内定者は、コロナウイルスの感染拡大の影響により、3月の内定者研修を一旦中止としました。
その後もコロナの影響を受けて、2021年度の採用活動と内定者フォローは完全にオンラインに切り替えていきました。
オンラインの内定者フォローを外部に委託しようと思ったきっかけは何でしたか?
丸中さん:
感染リスクもありますし、なかなか対面でフォローを継続するのは難しいと思いました。
内定者フォローをオンラインに切り替えたものの、今までと同じような質でカリキュラムが実施できているかと言うと、なかなか自信がもてなかったんです。
コロナ禍で入社された方の中には、「同期のモチベーションを下げるのでは」と危惧して、入社後もなかなか自分の気持ちを話せない方も多く、そこをフォローしたいと考えていました。
何か活用できるサービスはないか探し始め、昨年のHRカンファレンスに参加したときにバヅクリのサービスを知りました。
サービス説明の中で、オンラインならではの会話の種の作り方やポジティブな空間づくりをする方法について、会話を掘り下げる空間づくりでの「心理的安全性」の重要性などの話を聞いてピンときたんです。
バヅクリさんが仰るとおり、オンラインでも心理的安全性が高まれば、表面的な会話に終わらずにそれぞれが自己開示をしてくれるのでは?と考え、試してみたいと思いました。
丸中さん
お絵描きを通して内定者の新たな一面を引き出せた
「バヅクリ」の導入時は、どんなことを期待しながらプログラムを選びましたか?
丸中さん:
双方向のコミュニケーションが実現できるプログラムを選ぶよう意識しました。
私たちが今までおこなっていたものは、「自己紹介書をつくってきてください」など、一方的な問いかけになりがちだったためです。
さまざまなユニークなプログラムの中でも、絵を使うコミュニケーションは新しいと思い目を引きました。
また、当社の仕事はお互いの顔が見えないコールセンターの仕事なので、入社後も活かせる部分があるのではと考えて決めました。
竹山さん:
新卒入社してから、部署は変わっても新卒同期との関係、絆は今でも大事だと実感しています。
コロナ禍で同期と話せないという悩みを持っている若手社員も多いので、皆さんが悩んでいることを気軽に同期に話せる関係性作りを後押しするようなコンテンツを選ぼうと考えました。
参加者の反応はいかがでしたか?
竹山さん:
今回は参加者が男性5名、女性8名で、絵を描くことに苦手意識を持っている方もいました。
最初はものすごく緊張している様子でしたが、講師の方が場をあたためてくれて、「〇〇さんに質問してあげてね」という具体的な指示もいただけたので、徐々に打ち解けることができたようです。
後半には、「もうすぐ入社式だね、緊張するね」といった雑談が自然に生まれていたので安心しました。
また、お絵描きがテーマのため「正解がない」と、講師が伝えてくださり、内定者の皆さんが安心してくれたのもポイントだったと思います。
ここでは失敗しても大丈夫という心理的安全性を醸成してくださったのは良かった点です。
丸中さん:
お絵描き発表後の最初の雑談は、初めの方はあまり盛り上がらなかったんです。
正直なところ、「もっとみんな雑談できるでしょ」と高を括っていたことにハッとさせられました。
今回、第三者としてプログラムに参加することで、オンラインでの雑談の生まれにくさ、難しさに改めて気付けたのは良かったです。
ただ、講師の方の促しで、その後は自然と空気がほぐれていきました。
今回は福岡、品川拠点の内定者が入り混じって参加いただきましたが、最終的に「拠点をこえて同期とコミュニケーションがとれて嬉しかった」「皆のことを知ることができて心があたたかくなりました」という感想が多く寄せられました。
竹山さん:
実施後、アンケートをとったところ、皆さんに「満足」を選んでもらえました。
具体的な感想としては、「自分の知らない一面を発見できた」「ほかの参加者の描いた絵の説明を聞いて刺激を受けた」「同期の仲間の個性や性格を詳しくしることで、自分の一面を知れた」など、前向きなコメントを多数いただいています。
丸中さん:
私たちが想像していた以上に、内定者の皆さんがいろんなことを真剣に考えていることや、表現力豊かな点に気づかされ、大変驚きました。
無意識のうちに、内定者の方の可能性を決めつけていたことに気付きましたし、今後は可能性を伸ばしていけるよう意識していきたいと思います。
準備期間~運営までの負担は軽減できましたか?
丸中さん:
今までは約2時間のコンテンツでゲームやワーク形式のものを企画する際は、「このゲームは遊びになってしまうかも」と懸念視して、結果としてゲーム形式のものを避けてきました。
ずっとビジネス研修しか挑戦できていなかったので、今までと系統の違う内定者フォローを実施できて良かったと思います。
企画の際も、大きな負担はなく進められました。
竹山さん
今後、採用や内定者フォローで取り組んでいきたいことを含めて、最後に一言お願いします。
丸中さん:
今回描いた絵は捨てずにとっておいてね、と内定者の皆さんにお伝えしています。
これから入社して様々な困難に直面し、入社時の気持ちを忘れてしまうときもあると思うのですが、1年目、2年目のフォローアップ研修や面談時などの節目で、その絵を見ながら「今はどんな気持ちになった?」と変化を確認できるようにしたいんです。
内定者、新卒の皆さんは同期や周囲と自分を比べる傾向が多い印象です。
まわりと比べるのではなく、過去の自分自身と向き合って、変化や成長を感じてもらうために、今回のお絵描きを活用していきたいと思っています。
竹山さん:
最後のワークでは、「理想の社会人を描く」というテーマだったのですが、私たちの想像以上に、お客様や同期に対して真剣に考えていることがわかりました。
入社後、社会人になって壁にぶつかることもあると思いますが、その絵を見返して初心を忘れないよう、私たちもフォローしていきたいと思っています。
東京海上グループのロードアシスタンスを実施する会社。
東京海上グループの一員として、保険会社から委託を受け、自動車事故その他お客様の日常のトラブルに対して、アシスタンス・サービスを提供。