バヅクリ

ローパフォーマーを「なんとなく放置」しない組織を作る

感覚と属人対応から脱却。定義・分析・仕組みで、ローパフォーマー対応を仕組み化

ローパフォーマーを「なんとなく放置」しない組織を作る
大手IT会社
課題
  • 評価が低い社員への対応を、管理職個人の「感覚」に任せていた
  • 育成すべきか代謝を促すべきかの判断軸がなかった
  • 毎年同じ問題が繰り返されるが、どこから手をつけるべきかわからない
効果
  • 過去と将来性の2軸でローパフォーマーを定義し、対応方針を類型化
  • 現場の実態が人事に見えるようになり、問題が起きる前に動けるようになった
  • 管理職が「動けない」状態から脱却。判断基準の言語化で、現場が自走し始めた

ローパフォーマーの問題は見えているが「次の一手」が打てない

評価制度はすでに整備されており、成果評価の結果も蓄積されていました。しかし「評価が低い社員に対して、組織としてどう関わるべきか」という方針が曖昧なまま、管理職個人の裁量に委ねられている状態でした。

育成で対応すべきなのか、役割を変えるべきなのか、それとも代謝を促すべきなのか。その判断軸がないため、人事部門も管理職もどう動いていいかわからない。結果として「問題が起きてから対処する」後手の対応が続いていました。

また、ローパフォーマーが発生する構造的な原因にも着手できておらず、毎年同じ課題が繰り返される悪循環も見られました。

まず「定義」から。感覚に頼らず仕組みで判断する

バヅクリが提案したのは、以下の4ステップによる段階的な支援です。初期フェーズでは①②を集中的に実施します。

① ローパフォーマーの定義づけ② ローパフォーマーの発生原因分析③ キャリア開発マップの作成④ アンラーニングの促進

4つのステップで「対応できる組織」をつくる

ステップ①:2軸でローパフォーマーを定義する

「ローパフォーマー」の定義があいまいなまま対応を始めると、必ず管理職や人事の間で判断がばらつきます。そこでまず、以下の2軸で「一次定義」を設計しました。

パフォーマンス軸(過去〜現在の視点):成果評価において一定の基準を下回っている状態

ポテンシャル軸(未来の視点):能力評価において、現在の等級に求められる水準に対して価値力・影響力が乖離している状態

どちらかに該当する場合をローパフォーマーの「仮認定」とし、次の二次定義でより詳細に場合分けします。

定義だけで終わらない。3つの対応パターンまで設計する

ローパフォーマーを特定したあと、「どうするか」の方針が決まっていなければ、現場は結局動けません。バヅクリでは定義の設計と並行して、該当した人材に対する対応パターンを以下の3つに類型化し、それぞれの判断基準と進め方まで設計します。

① 改善期待を込めてキャリア促進

育成によって改善可能性がある人材に対しては、成長の道筋を示しながらキャリア開発を促進します。本人が「どこへ向かえばよいか」を具体的にイメージできる支援を設計します。

② 社内の役割変更や再アサイン

現在の等級・役割とのミスマッチが主因の場合は、本人の強みが活かせる別の役割や部署へのアサインを検討します。「能力がない」のではなく「配置が合っていない」ケースも少なくないためです。

③ 代謝促進(労務的なリスクも踏まえ詳細に設計)

育成コストや組織への影響を総合的に判断し、代謝を促すべきと判断した場合は、労務リスクも考慮しながら段階的なプロセスを設計します。感情的・属人的な判断ではなく、定義に基づいた客観的なプロセスとして運用できる形を整えます。

7つのローパフォーマー判断基準を設計

「未来の視点」における改善可能性の評価には、以下の7項目を活用します。「変えづらい資質か」「育成コストが許容範囲外か」「チームワークへの悪影響があるか」の3観点で各項目を評価し、2つ以上の○がついた場合をローパフォーマー条件に含むべきとしました。

マインド基準(特に重視)

  1. ラストマンシップ(やり抜く力・自責思考)
  2. 誠実性
  3. 社会・顧客志向
  4. コラボレーション力
  5. 忍耐力(ストレスマネジメント)

スキル基準

  1. 職務の正確な理解(⇔職務の矮小化)
  2. 自己改善力

なぜこの7項目か

この7項目は、人材要件における「マインド・ポータブルスキル」の各要素を以下の3観点で評価し、2つ以上該当するものを選定しています。

  • 変えづらい資質か(パーソナリティ>スキルの観点):パーソナリティはスキルと異なり変えにくいことが、AMO理論や成人発達理論など複数の理論で実証・提唱されています
  • 育成コストが許容範囲外か(上司の視点):上司や人事が育成するのにコストがかかりすぎる場合、組織として継続的に面倒を見ることが現実的でなくなります
  • チームワークへの悪影響があるか(同僚・後輩の視点):その資質が育たないことで周囲に悪影響が及ぶ場合、軋轢により対応がさらに困難になる可能性があります

上位5項目はこの3観点すべてに明確に該当するマインド基準であり、特に優先度が高いと判断しました。残る2項目(職務の正確な理解・自己改善力)はスキル基準ですが、チームや組織への影響が大きいことから追加しています。

ステップ②:管理職アンケートで発生原因を分析する

定義が決まったら、次は実態把握です。人事データだけでは見えない「現場での行動の実態」を把握するため、管理職向けのアンケートを設計・実施します。

アンケートの設計において特に重視したのは、「育成支援のためのもの」という位置づけを明確にすることです。評価・処遇には直接使用しないことを明記し、回答者が安心して実態を回答できる環境を整えました。

案内文のポイントは3つです。

  • 「業績や評価が上がりづらい方への支援を検討するため」と位置づける
  • 評価・処遇決定への直接活用はしない旨を明記する
  • 所要時間(最大2時間)・期間(2週間)を明示して協力を求める

ステップ③:キャリア開発マップの作成

原因分析で「育成で対応すべき」と判断した人材に対しては、単に「もっと頑張ろう」では変わりません。本人が「自分はどこへ向かうべきか」を具体的にイメージできるキャリア開発マップを作成し、成長の道筋を可視化します。

マップには現在の等級・役割における期待値と現状のギャップ、習得すべきスキルや行動変容のポイント、目標となるロールモデルや到達水準を盛り込みます。上司との1on1や評価フィードバックの場でこのマップを使うことで、「何をどう変えれば評価が上がるか」が管理職・本人の双方に伝わりやすくなります。

ステップ④:アンラーニングの促進

ローパフォーマーの多くは、「能力がない」のではなく「過去に有効だった習慣や思考が現在の環境にフィットしなくなっている」ケースが少なくありません。そのため、新しいことを学ぶ前に**「古い習慣・思い込みを手放す(アンラーニング)」プロセス**が必要になります。

バヅクリでは、アンラーニングを促すワークショップや研修を設計・実施します。自分の行動パターンを振り返り、「なぜその行動が有効でなくなったのか」を本人が腹落ちして理解することで、学び直しへの抵抗感が下がり、行動変容が起きやすくなります。単なるスキル研修ではなく、マインドセットの更新から始める点がバヅクリのアプローチの特徴です。

「何をもってローパフォーマーか」の問いに、一緒に答えを出す

本プロジェクトにおいてバヅクリは、ローパフォーマーの定義設計から原因分析の枠組み構築、管理職アンケートの設計・分析まで、人事部門と伴走しながら進めます。「何をもってローパフォーマーとするか」という最も難しい問いに対して、HR理論と各社の実態をすり合わせながら、現場で使える基準を一緒につくります。

2フェーズ目以降は、キャリア開発マップの作成やアンラーニング促進の研修・ワークショップ設計へと発展させ、「ローパフォーマーが生まれにくい組織」の構造づくりを支援します。

大手IT会社
業種

通信

導入規模

約3,000名