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社内コミュニケーションの目標とは

社内コミュニケーションの目標を立てている様子

社内コミュニケーションの目的は、社内で適切な量・質で情報共有(コミュニケーション)を行って、事業活動をよりスムーズに進めていくことです。
社内コミュニケーションとは、社員同士が対面、メール、電話、チャットなど様々な方法で交流をして、お互いの関係性を深めながら意見や価値観を取り交わす行動を指します。

この前提をもとに考えると、社内コミュニケーションの目標は次のように定義づけることができます。

社内コミュニケーションの目標:「社内コミュニケーションの目的に従いながら取り組んで解決すべき、自社独自の目標のこと。コミュニケーションを活性化させて解決できる、事業拡大や人材の定着などに関連する自社で定めたゴールのこと」

社内コミュニケーションの目標は企業ごとに異なるため、目標達成のためのKPIも正解は一つではありません。
どのような基準が達成されれば「社内コミュニケーションがとれている」と判断するのか曖昧になりやすいため、社内コミュニケーションの目標設定とともに、評価基準も定めることが重要です。

目標設定のメリット

社内コミュニケーションの目標を正しく設定すると、次のようなメリットがあります。

1. 対策が手あたり次第にならない

社内コミュニケーションの目標を明確化すれば、取るべきアクションも設定しやすくなります。
反対に、「自社の課題がわからない」「社内コミュニケーションに取り組む目標が決まっていない」状態では、どの方向にかじ取りをすればいいかわからないため、手当たり次第の適当な取り組みのせいで効果を得られにくくなるでしょう。

2. 社内共有がスムーズになり社員に協力してもらえる

社内コミュニケーションを活性化するためには、実際にコミュニケーションを取り合う社員本人の協力が必要不可欠です。
経営層や人事だけが社内コミュニケーションの重要性を理解していても、社員が社内コミュニケーションを後回しにしてしまう企業も多いのではないでしょうか。

社内コミュニケーションになぜ今取り組むべきなのか、コミュニケーション活性化すると企業や社員にどのような効果があるかを伝えれば、社員が能動的に参加してくれるメリットがあるのです。

目標設定の方法

社内コミュニケーションの目標を設定する方法

社内コミュニケーションの目標設定方法を具体的な流れで解説していきます。

ステップ1:社内の課題を整理する

社内で抱える課題が何か、社内コミュニケーションが要因で起きている問題はあるかなど、課題を洗い出していくことから始めましょう。
経営層や人事、管理職だけでなく、全社員に聞き取り調査を行いながら問題を正しく可視化することが重要です。

●課題の例

  • 部署内でリアルタイムな情報共有ができておらず、顧客に提供すべきサービスが提供できていない
  • 社員同士の会話が少なく、お互いの強みや弱み、得意なこと、スキルが把握しあえていない。そのため、誰にも頼らず個人で仕事を進める風土となり、チーム力が発揮されない 
  • 社員同士の交流機会が少ない、社長と現場との距離も遠いため、自社の理念が浸透していないと感じる。そのため、社内に活気がなく、理念の体現にほど遠い状態と感じる など

ステップ2:社内コミュニケーションの目標を決める

ステップ1で洗い出した課題の中で、とくに改善したいものを選び、目標を定めていきます。
目標を決める際は、どのような状態が目標達成となるか明確になるよう、次の項目を埋めるように作成してみましょう。

●社内コミュニケーションの目標設定について

  • 誰が…営業部内の全メンバーが
  • いつまでに…四半期の最終日までに
  • どのような手段で…社内SNSの導入を通して
  • どのような評価基準を…1日〇〇回以上、自発的に投稿がされることを基準として
  • どういった状態にするのか…一定の投稿数を達成し、社員の満足度が前回数値のプラス3ポイントとなる状態

目標を決める際は、このように「課題」「目標」「手段」「評価基準」をセットで検討するようにしてください。

目標設定の注意点3つと対策

社内コミュニケーションのチェック

社内コミュニケーションの目標を設定する際の注意点を3つご紹介します。
それぞれの注意点に対してどのように対処すべきか、具体的なアクション例も解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 目標の優先順位をつける

社内コミュニケーションが活性化されていないため、日々悩みが尽きず困っている企業は多いです。
しかし、すべての課題を一度に解決できるわけではないため、あれもこれもと目標を増やしすぎないよう注意が必要です。

例えば、社内コミュニケーションが活性化できないため、「離職率が高い」「顧客サービスの質が悪くクレームが多い」「管理職の声掛けの仕方が悪く、縦のコミュニケーションが弱い」「営業部とバックオフィスの部門間での連携が弱くミスが多い」といった課題があるとします。

原因は「社内コミュニケーションができていないから」の一つだったとしても、改善すべきテーマが「人材の定着率」「サービス内容」「管理職の育成」「部門を超えた連携」と複数にまたがっている場合は、どこから改善すべきか優先順位をつけるほうが得策でしょう。

いきなり全てを改善しますと言われても、忙しい現場社員の理解を得られず、返ってやる気を削ってしまう可能性も高いです。

対策

欲張って複数の目標をかかげず、取り組みの優先順位をつけましょう。

2. 長期スパンで取り組む

社内コミュニケーションに関する問題は、1日~1週間といった短期間で効果が出るものばかりではありません。
社内コミュニケーションは半永続的に行われる企業活動のため、複数の数値を計測し続けて、中長期的な変化を観察する必要があります。

例えば社内イベントを1回実施して、その日の数時間は盛り上がったとしても、1週間後~1か月後には自発的な会話が生まれなくなっているケースも多々あります。
社内コミュニケーションの目標だけでなく、イベントなど各施策の実施目的を繰り返し伝え、反復して効果検証を行うのが大切です。

対策

目標の納期は、1か月~3か月先ないし、1年先など中長期的に計測するようしましょう。

3. 曖昧な評価基準を設定しない

3つ目の注意点は、評価基準を曖昧にしないことです。
例えば、「社員同士が良好な関係を築く」と目標設定した場合、その良好な関係性はどのように計測するのでしょうか?

「良好な関係」といった単語は、うっかり使ってしまいがちですが、抽象度が高く解釈が属人的になるため要注意です。
もし「社員同士が良好な関係を築く」と掲げたい場合は、次のような定量化できる指標を作成し、言葉の解像度をあげるようにしてください。

「社員同士が良好な関係を築く」を目標にした場合

  • Slackの雑談チャンネルに、自発的な発言が1日x回以上行われること
  • 社員のシャッフルランチが形骸化せず、週1度のペースで運営されていること
  • 前回アンケートの「他部署連携ができているか」の質問に対して、10段階中7以上の評価が全体の過半数を超えること など
対策

社内コミュニケーションの目標が明確であっても、評価基準が曖昧だと意味がないため、数値で測れる基準を複数設定するようにしましょう。

具体的な目標設定事例

社内コミュニケーションの目標の具体例

社内コミュニケーションの目標は、必ずしも大きなものである必要はありません。
今すぐ実践できる小さな目標、中長期的に改善していく大きな目標に分けて、バランスよく設定していくと良いでしょう。

中長期スパンで取り組む大きな目標の例

中長期的に取り組む目標設定の際は、労働生産性や顧客満足度など、事業全体にかかわるテーマで設定をすると良いでしょう。

  • 企業全体の労働生産性(時間あたりの売上/利益)の向上
  • 特定の部門の労働生産性(時間あたりの売上/利益)の向上
  • 顧客満足度(CS)の向上
  • 顧客クレーム数の削減
  • 社員満足度(ES)の向上
  • 離職率の削減
  • 特定の部署の離職率削減
  • パワハラやコンプライアンス違反などトラブル数の削減
  • 時間外労働の削減

日々取り組む小さな大きな目標の例

大目標を定めたら、それぞれの大目標に紐づく形で、日々の業務に取り入れられる小さな目標を決めていきます。
ただし、いきなり全部を実施する必要はありません。
先ほど注意点でご紹介した通り、自社にとってもっとも優先すべき項目から、可能な範囲で進めていきましょう。

目標例

「時間外労働の削減」
  • 上司、部下間の1on1を週1回に義務付けて、部下の業務量を把握する
  • 朝礼でその日の業務目標をシェアして、進捗遅れの社員をフォローしあう
「離職率の削減」
  • 月に1度、必ずオンラインの遊び系イベントを実施して、仕事以外の会話の後押しをする
  • 週に1度、社員で感謝しあう施策を実施し、互いを認め合いながら関係構築を図る
「顧客満足度(CS)の向上」
  • 顧客クレームが入った際の正しい対応法を身に付けるため
  • 技術部の開発進捗や課題を営業部に理解させて協業体制を構築する

このように、大きな目標に紐づけながら小さな目標を設定していき、それぞれの目標に合った施策を検討していくと良いでしょう。
具体的な施策事例は次の記事もあわせて参考にしてみてください。

まとめ

目標設定し向上する社内コミュニケーション

社内コミュニケーションに取り組む際に、正しい目標設定は必要不可欠です。
自社の課題を丁寧に言語化し、優先順位をつけて、計測しやすい目標を決めていくことで、取り組みの効果が得られやすくなるでしょう。

社内コミュニケーションに役立つツールや、施策例などの情報はたくさんありますが、安易に他社事例を真似するのは危険です。
なぜ今、社内コミュニケーションに取り組むべきなのか、企業にとって必要なことは何か、一つずつ整理していくと良いでしょう。