どうしても対面の時と比べると、コミュニケーション量が少なくなってしまうリモートワーク。
リモートワーク下では、対面のときと比べてコミュニケーション量が減りやすいといわれています。

しかし「どんな課題が起きているのか」「何から手をつければよいのか」がわからず、施策が後回しになっているチームも少なくありません。

本記事では、リモートコミュニケーションで発生しやすい課題を整理したうえで、すぐ実践できる解決策・ツール活用・仕組みづくりまでを体系的に解説します。

リモートコミュニケーションの課題

リモートワークでは対面と異なり、意図しないかたちで情報やコミュニケーションの量が減ってしまいます。どのような課題が起きやすいのか、具体的に見ていきましょう。

3割以上が「コミュニケーションがしにくい」と回答

実際に、労務SEARCHが2024年に実施したテレワーク実態調査では、テレワーク中に「ややコミュニケーション不足を感じる」が19.0%、「コミュニケーション不足を感じる」が13.7%で、合わせて3割以上がコミュニケーション不足を感じているという結果が出ています。

同じ空間で働いていれば自然と共有されていた情報も、リモートではチャットや会議の場を設けなければ伝わりません。「聞くほどでもないかな」と思ってしまうちょっとした質問が蓄積し、業務の停滞や認識のズレにつながりやすいのです。

まずは自分のチームで「どのくらいコミュニケーションが取れているか」を可視化することが、改善の第一歩といえます。

意思疎通ができない

リモートでのコミュニケーションは、意思疎通が対面の場合よりも難しいと感じることが多いでしょう。
同じオフィスで働いていた時のように気軽に話しかけることは難しく、コミュニケーション量は少なくなることがほとんどです。

リモートコミュニケーションでは要件を決め、短くても15分程度の「会議」という形を取ることが多く、急ぎでないけれどちょっと質問したいというような事柄は、後回しにしている人や、質問しなくなった人もいるのではないでしょうか。
そのため、上司も部下が困っていることや悩みに気づきにくくなるという課題があります。

また、チャットなどの文面では細かいニュアンスを伝えられなかったり、画面越しのWeb会議では空気感が伝わりにくかったりと、対面のコミュニケーションと比べると情報量は十分なものではありません。

「きっと伝わっているはず」という思い込みが、後になってトラブルの原因になるケースも少なくありません。リモートでは、対面より意識的に「確認」の一手間を加えることが大切です。

情報格差

リモートで仕事をしていると、オフィスで仕事をしている時と比べ情報が入ってくる量が少なく、メンバーの中で情報格差が出てくる可能性があります。
オフィスで顔を合わせて仕事をしている時は、「あの人は今、調子がよくないらしい」「隣の部署でこんなことが起こったらしい」と些細な情報も入ってくるものでした。
リモートワークになり些細な情報が入って来ず、仕事に集中しやすくなったと感じる人もいる一方で、業種によってはその些細な情報が業務に関係していたことを実感する人もいるでしょう。

情報が共有されにくいことで、仕事に今まではかからなかった手間が増えたり、トラブルが起ったり、同僚と対面で働いていた時よりもよりも仕事がスムーズに進まないと感じる人もいます。

特に、新しいプロジェクトが始まったときや人員が変わったタイミングは、情報格差が広がりやすい時期です。「誰でもアクセスできる資料管理の場所を作る」ことが、情報格差を防ぐ最も手軽な施策のひとつです。

リモートコミュニケーション解決のポイント

リモートコミュニケーションの課題の解決ポイントをご紹介します。
ポイントを把握し、リモートワークでもコミュニケーションを活性化させましょう。

自分から発信を意識する

受け身ではなく、自分から発信、発言することを意識しましょう。
メンバー全員にそのような意識を持ってもらうためには、まずリーダーが積極的に発信をしたり、誰もが発信しやすい環境を作ったりしなくてはいけません。

誰もが発信、発言しやすい環境をつくるためには、日頃の関係性が重要になってきます。
オンライン上でもこまめにコミュニケーションを取る機会を作り、相互理解を深め、メンバーの心理的安全性を高めることがとても重要です。

「発言したら場の空気が悪くなった」という経験が一度でもあると、人は口を閉ざします。反対に、些細な発信にリーダーが反応を返す習慣があると、メンバーは「ここでは話してよい」と感じられるようになります。

心理的安全性についてはこちらの記事へ

雑談を意識する

リモートワークが普及しオフラインで顔を合わせる時間や、飲み会などの時間が大幅に減った今、雑談や、気軽に相談できる機会は少なくなってしまいました。
オンライン上で構わないので雑談をする機会を意識して設けるようにしましょう。

雑談など仕事の内容以外のコミュニケーションを取っている時の方が、メンバーの本心を引き出すことができます。
雑談を行なうことでメンバーのパーソナルな部分や、最近思っていることなどを知れ、相互理解が深まり、メンバーの心理的安全性を高めることができるのです。
心理的安全性を高めることで、自分から発信、発言をしコミュニケーションを活発に行なうメンバーが増えるはずです。

「雑談しよう」と声がけするより、「一緒に何かをやる」という体験を設計する方が、自然なコミュニケーションが生まれます。ゲームやワークショップはそのための有効な手段のひとつです。

オンライン会議などツールを活用する

チャットやメールなど文面だけでのコミュニケーションは手軽ですが、情報量が少なくなってしまいます。文面だけでは微妙なニュアンスや本心を伝えることは難しく、受け手も相手の真意を掴めないことが多くあります。

リモートでのコミュニケーションは、Web会議システムを利用するなどツールを活用しましょう。オンライン上でも顔を合わせることで、リモートワーク中でも実際に会ったような感覚になり、相手との距離が近く感じられます。

テキストで完結しようとすると、相手の受け取り方次第でトラブルになることがあります。大事な話ほどビデオ通話で直接話す、というルールをチームで共有しておくと効果的です。

心理的安全性を高めるために…

雑談をする機会を設ける他に、ゲームなどを通して心理的安全性を高めることができます。
「雑談をしましょう!」と時間を設けた際、身構えてしまう人がいることも考えられます。

ゲームをするなど何か共通の目的を持つことで、仕事以外のコミュニケーションが生まれる場を作りやすくなり、楽しく盛り上がった雰囲気は素の状態や本音を引き出せます。

心理的安全性を高めるゲームはこちらの記事から

おすすすめサービス「バヅクリ」
バヅクリ
出典:バヅクリ

バヅクリ株式会社が運営するバヅクリでは、豊富な研修プログラムに加え、お絵かきやマインドフルネス、オンライン焚き火など、非日常的な「遊び」を一緒に体験することで、相互理解を深める機会を提供しています。
また、遊びを通して自身のビジョンを描いたり、仕事にも繋がる学びを得られたりと、業務にも活かせる体験が多く用意されています。

オンライン会議などツールを活用する

チャットやメールなど文面だけでのコミュニケーションは手軽ですが、情報量が少なくなってしまいます。
文面だけでは微妙なニュアンスや本心を伝えることは難しく、受け手も相手の真意を掴めないことが多くあります。

リモートでのコミュニケーションは、Web会議システムを利用するなどツールを活用しましょう。
オンライン上でも顔を合わせることで、リモートワーク中でも実際に会ったような感覚になり、相手との距離が近く感じられます。

リモートワークに取り入れたいコミュニケーションツールはこちらから

リモートワークをうまくやるための仕組みや方法

リモートワーク下でコミュニケーションを活性化させるポイントを知ったところで、続いてさらに具体的にどのようなアクションをすればいいのかをご紹介していきます。

同じ時間に働くようにする

同じ時間帯に作業をすることで一体感を生むことができます。
また、チャットなどで連絡するタイミングも掴みやすいのもメリットです。
使用しているチャットツールに、オンライン中、離席中などステータスを表示すると、さらにコミュニケーションを取るタイミングを掴みやすくなります。
また、一言好きな文章を設定できるチャットツールもあるので、作業に集中したい際は「○時まで集中作業」などと記載するといいでしょう。

また、リモートワークではメンバーの勤務状態を管理するのが難しく、短時間勤務、または逆に長時間勤務になりやすい傾向にあります。
チャットツールや勤怠管理ツールを活用し、リモートワークでも勤怠管理を行なうようにしてください。

コアタイムの設定がない組織でも、「午前中は全員オンライン」などの緩やかなルールを設けるだけで、チームの一体感が生まれやすくなります。

 誰でも資料にアクセスできるようにする

オフィスにいるときは資料室に行けば自由に資料を見れたり、同僚に見せてもらうことができたりと、多くの資料に誰でもアクセスしやすい状態でした。
しかし、リモートワークではそのようにはいきません。
共有されていない資料があることで、メンバー内で情報格差が生まれます。

リモートワークでは情報格差をなくすため、資料はオンライン上で管理し、メンバーならだれでもアクセスできる環境を整えましょう。
情報を整理し共有することで、新しいプロジェクトを始める際など、資料の送信や、情報共有をする手間が省け、スピード感もアップします。

その他、誰がどのような作業や案件を担当しているかなどもクリアにすると、チームで働いているという認識を持つことに繋がります。

Google DriveやNotionなど、無料から使えるクラウドツールは多くあります。「どこに何があるか」を全員が迷わず分かる状態を作るだけで、日々のコミュニケーションコストは大きく下がります。

チャットツールで気軽に質問できる環境を整える

オフィスで仕事をしているときは「ちょっといいですか」と気軽に話しかけられ、話しかけるタイミングを見つけるのも簡単でした。
しかし、リモートワークではそのように気軽に話しかけることがなかなかできません。

そこでチャットで上司に気軽に相談できたり、話しかけたりできる環境を作りましょう。
何でも書き込みをしていい雑談チャンネルを作ることがおすすめです。
もちろん人にあまり聞かれたくない内容は、個人チャットを利用してください。

チャットで雑談を行いやすい環境にするためには、日頃からチャットや、チャット以外でのコミュニケーションを重要視しなくてはいけません。
また、週に1回、チャットに今週頑張ったことや、メンバーに感謝したいことなどを書き込むようにすることで、チャットで発信しやすい環境が作れる上に、チームに一体感も生まれます。

チャンネルを作るだけでは使われないことがほとんどです。リーダー自身が最初に「今日のランチはこれでした」などと投稿する、という小さな習慣がチームの雰囲気を変えます。

リモートコミュニケーションに役立つツール

ここからは、リモートワーク下でのコミュニケーション活性化に実際に活用できるツールのカテゴリを紹介します。自社の課題に合ったものを選ぶ際の参考にしてください。

ビジネスチャットツール

SlackやChatworkなどのビジネスチャットツールは、メールより気軽にリアルタイムに近いスピードで連絡を取り合える点が特長です。チャンネルをテーマ別・プロジェクト別に分けることで、情報が整理されて誰でもアクセスしやすくなります。

Web会議システム

ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議システムは、表情や声のトーンなど非言語情報を含めたコミュニケーションが可能で、テキストだけでは伝わりにくいニュアンスを補えます。特にチームの重要な意思決定や感情的なやり取りが予想される場面では、ビデオ通話を選ぶことで誤解を防ぎやすくなります。

ドキュメント・情報共有ツール

NotionやGoogle Driveのようなクラウドドキュメントツールを活用すると、議事録・マニュアル・進捗状況などをリアルタイムで共有できます。「あの資料どこにある?」というやりとりが減るだけで、1日の中での無駄なコミュニケーションコストが大幅に下がります。

さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

管理職・人事が取り組みたいコミュニケーション施策

ツールを整えるだけでなく、組織としての仕組みや文化をつくることがリモートコミュニケーション活性化の根本です。管理職・人事が主導して取り組みたい施策を紹介します。

1on1ミーティングの定期実施

リモート環境では、部下の状態変化に気づきにくくなります。「最近元気がないな」「何か悩んでいそうだな」という気配を、オフィスなら自然と感じ取れましたが、リモートではそのきっかけ自体がありません。

週1回15〜30分の1on1を設けることで、上司が部下の状態を継続的に把握できる仕組みが生まれます。業務の進捗確認だけでなく、「最近どう?」という雑談的な入りから始めると、部下が本音を話しやすくなります。

1on1は「詰める場」ではなく「安心して話せる場」として設計することが大切です。上司が話す割合を減らし、部下が7割話せる場になると、コミュニケーションの質が大きく変わります。

オンラインイベント・チームビルディングの活用

業務外のコミュニケーションの場を意図的に作ることも、リモートチームの結束力を高めるうえで効果的です。オンライン上でも、ゲームや共同作業を通じて自然な交流が生まれます。「業務の文脈ではない体験を一緒にする」ことが、チームの心理的安全性を高めるもっとも手軽な方法のひとつです。

たとえば、月1回のオンライン懇親会や、ウェルビーイング系のワークショップを取り入れているチームでは、日常の業務チャットでの発言量が増えたという報告もあります。メンバーのパーソナルな側面を知ることで、テキストの印象だけで判断してしまいがちな誤解も減りやすくなります。

コミュニケーションルールの明文化

リモートチームでは、「何をチャットで伝えるか」「どんなときにビデオ通話を使うか」「返信はいつまでに行うか」といったコミュニケーションのルールが明文化されていないと、メンバーによって対応がばらばらになり、不公平感やストレスが生まれます。

コミュニケーションガイドラインを作成し、チームで共有することで、誰もが同じ前提で動けるようになります。ルールは厳格に管理するためのものではなく、「この場ではこうするとスムーズ」という共通認識として運用するとうまくいきます。

たとえば「重要な意思決定はビデオ通話で」「進捗はチャットで毎朝共有」「返信は翌営業日中に」といったシンプルなルールから始めると、チームへの定着もしやすくなります。

 まとめ

コミュニケーション不足が課題になるリモートワークですが、ツールを利用したり、日頃からの関係性をしっかり構築することで、オンラインでもコミュニケーションを活性化させることができます。

オンラインでもコミュニケーションを活性化させるためには、まず心理的安全性の高い、素の状態をさらけ出せるチームを作ってください。それが、オンラインでもコミュニケーションが活発なチームの土台となります。

本記事で紹介した施策は、すべてを一度に導入する必要はありません。「雑談チャンネルを作る」「1on1を週1回設ける」など、小さな一歩から始めることで、チームの雰囲気は確実に変わっていきます。継続しやすい仕組みを選び、まずひとつ試してみてください。