多くの企業で課題とされている社内コミュニケーションの活性化。
社内のコミュニケーションは一体どうすれば活性化できるのでしょうか?
改善策の例や、施策を実施する際の注意点、他社事例をご紹介していきます。

社内コミュニケーションとは

活発な社内コミュニケーション

そもそもコミュニケーションとは、気持ちや考え方などの情報を、言葉や文字などを通して相手に伝えることを指します。

社内において気持ちや考え方などをその他のメンバーに伝えることを社内コミュニケーションと言い、業務に関する会話だけでなく、ふとした時の雑談なども社内コミュニケーションに含まれます。

社内コミュニケーションが重要視される背景

社内コミュニケーションのアンケート結果
出典:HR総研

HR総研が2022年1月に実施し225件の有効解答を得たアンケートによると、「社内コミュニケーション不足は業務の障害」と9割以上が解答しています。

しかし、「自社の社内コミュニケーションに課題あり」との回答は7割にものぼり、社内コミュニケーションは重要だと分かっているものの、社内コミュニケーションに関する課題の改善ができていない企業が多いようです。

テレワークの普及や、IT化が進み業務の際に口頭のやりとりではなく、チャットツールを活用するようになったことなどが、社内コミュニケーションに課題を感じるようになった要因と言えます。

社内コミュニケーションを活性化することによるメリット

活性化される社内コミュニケーション

社内のコミュニケーションが活性化することにより、以下のメリットがあります。

1. 社員定着率の向上

社員に働きやすい環境だと認識され、定着率が向上します。
定着率が向上することで、組織のカルチャーも醸成されやすくなります。

2. 社員満足度向上

コミュニケーションが円滑になると働く環境に心地よさを感じ、企業に対する社員の満足度も向上します。
満足度がアップすると、仕事へのモチベーションや貢献意欲も向上します。

3. 情報共有の活性化

社内コミュニケーションが活発な職場は、発言に対するハードルが低くなり、全員が発信者になります。
社員1人1人が発信者になることで情報共有が盛んになります。

4. 目的の共有

コミュニケーションが活発な環境では業務を行う目的や、新たな社内制度を取り入れる目的などの共有が頻繁に行われ、メンバーにしっかり認識されます。
目的がしっかり認識され定着することはカルチャーや一体感の醸成、目標の達成などにいい影響を与えます。

5. 顧客満足度向上

コミュニケーションが円滑に行われていると、部門間を越えて社員同士でしっかり連携を取り業務を進められます。
顧客に対しても良いパフォーマンスを発揮できるようになり、顧客満足度が向上します。

6. 企業ブランド向上

活発なコミュニケーションが行われることで、企業のカルチャーが育ちやすくなったり、社員から自発的により良い組織にするためアイディアが出てきやすくなったりします。
企業ブランドが向上することで、採用活動にも良い影響をあたえるでしょう。

7. 企業リスク最小化

何気ない会話の中や、些細なことでも状況の共有が行われることによって、トラブルを早期発見できます。

社内コミュニケーションを活性化するための改善策

社内コミュニケーションを活性化させるために改善策を行う組織

社内コミュニケーションを活性化させるためのアイディアや取り組みをご紹介します。
ぜひ参考にして新たな取り組みを取り入れ、自社の社内コミュニケーションを円滑にさせてください。

1. 社内イベント

社内イベントの実施で

  • 一体感の醸成
  • コミュニケーション機会の提供
  • 帰属意識を持ってもらう

などの効果が期待できます。
運営側が一方的に話し、社員はただその話を聞くようなイベントではなく、参加型のイベントや、社員が受け身でなく前向きに参加できるイベントにすることがポイントです。

社内イベントのおすすめ企画3つ

社内イベントのおすすめの企画を3つご紹介します。
下記のイベントは、研修やチームビルディングのためのワークショップなどを企画・運営するサービス「バヅクリ」を利用することで、プロの司会者を招いたり、社内負担を軽減したりしながら実施できます。

1. おえかきコミュニケーションワークショップ
おえかきコミュニケーションワークショップ
出典:バヅクリ

絵を描くという非日常な体験を共有することで、参加者の一体感を醸成します。
また、ただ描くだけでなく描いたものをシェアしあうことで、コミュニケーションの機会も作り出します。
描く内容を「るんるんという感情」や「地元のおすすめの場所」などと、自身のバックボーンや、価値観に関することにすることで、相互理解を深めることも可能です。

2. クイズバトル
まるでクイズ番組!?みんなで挑戦!クイズバトル
出典:バヅクリ

4択クイズや、間違い探しクイズ、合体漢字クイズなどテレビでもお馴染みのクイズを解いていくプログラムです。
チームで協力しながら問題を解いていくので参加者同士の相互理解を深めることができます。
プロの司会者が進行を務めるので、テレビ番組に出演したような気分を味わえるうえ、必ず盛り上がるイベントの実施ができます。

3. オンライン焚き火
オンライン焚き火
出典:バヅクリ

画面に焚き火の映像を映しながら、悩みやこれからしたいことなどを語り合うイベントです。
焚き火にはリラックス効果があり、参加者の本音を引き出すことができます。
また、オンライン焚き火は実際に焚き火をするよりも手軽に実施できるのもメリットです。

バヅクリの社内イベント活用事例はこちら

2. 社内報

社内報を活用し、社内の状況や情報を見える化しましょう。
社内の様子がクリアになることで、コミュニケーションもスムーズになります。
また、社内報の内容が会話のきっかけになることもあります。

3. 社内SNS

社内の情報を発信するために、SNSを利用するのも1つの方法です。
一方的に情報を発信するだけでなく、コメントなどを通して双方的なコミュニケーションを取れるのがメリットです。
SNSは社外に向けても発信できるので、企業のブランディングにもなります。

4. 社員食堂

社員食堂は、従業員のコミュニケーションの場として機能します。
わざわざ会議を開くまでもない内容など、食事を取りながらカジュアルな雰囲気で意見交換でき、ざっくばらんにコミュニケーションが取れます。

5. 社内コミュニケーションツールの導入

チャットツールなどを用いることにより、社内コミュニケーションを活性化することも可能です。
業務に関わらない話をするための、雑談のトークルームを作成するのもおすすめです。

チャットツールの他に、スケジュール管理ツールやタスク管理ツールなどを用い社内の状況を見える化することで、コミュニケーションが円滑になります。

コミュニケーションツールについて詳しくはこちら

6. 1on1

1on1はしっかりと対話することができるので、今考えていることや悩み、価値観など深く相手を知ることができます。
また、周りに人がいる状況では話しにくいことや、相談しにくい話題でも話しやすいというメリットもあります。

7. 社員研修

コミュニケーションに関する社員研修を実施する組織もあります。
コミュニケーションに関する知識を得るための座学だけでも学びのある時間にはなりますが、実践形式で実際にその他の参加者とコミュニケーションを取りながら進める研修の方がより学びの深いものとなるでしょう。

コミュニケーション研修で実施したいゲームはこちら

8. レクリエーション

BBQや社員旅行などのレクリエーションを実施し、普段と違う環境に身を置くことで、業務時には曝け出すことのできない素の部分を見せることができたり、相手の知らなかった一面を知れたりします。

おすすめレクリエーション3つ

おすすめのレクリエーションの企画案を3つご紹介します。
以下のプログラムは、研修やチームビルディングのためのワークショップなどを企画・運営するサービス「バヅクリ」を利用することで、プロの司会者を招いたり、社内負担を軽減したりしながら実施できます。

1. 寿司握り体験
寿司握り体験
出典:バヅクリ

お寿司を握るという非日常な体験を共有することで、参加者の一体感が生まれます。
また、ワークショップ後も会話のきっかけになるイベントです。

2. 演劇ワークショップ
出典:バヅクリ

演劇を行うことを通し参加者がそれぞれ持つ喜怒哀楽や価値観をシェアすることで、相互理解が深まります。
「演劇」と聞くと経験者以外にはハードルが高そうだと感じるかも知れませんが、初心者でも楽しめる内容となっています。
バヅクリが企画・運営をする演劇ワークショップでは、劇団俳優からレクチャーを受けることができます。

3. マインドフルネス
相互理解マインドフルネス
出典:バヅクリ

仏教の瞑想を基にし、マサチューセッツ工科大学が宗教的要素を除いて開発したストレス軽減法であるマインドフルネス。
Google、Apple、Facebookなど多くの企業でも取り入れられています。
バヅクリのマインドフルネスワークショップの講師を務めるのはお坊さん。
自身と対話するだけでなく、感じたことや考えたことを参加者同士でシェアすることで相互理解も深まります。

9. 社内通貨

社内通貨とは、会社の中だけで利用ができる通貨のことを指します。
モチベーションの向上や社員同士のコミュニケーション活性のために導入されることが多く、通貨は社内の食堂やコンビニで利用できたり、ギフトに交換できたりする場合が多いです。

社員同士で社内通貨を送り合えるようにすることで、

  • 感謝の気持ちを伝えやすくなる
  • 相手のいいところを探すようになる

などのメリットがあります。

10. フリーアドレス制度

業務を行う際、固定の座席を決めず、それぞれが好きな場所で業務を行うフリーアドレス制。
部署に関わらず、同じプロジェクトを行うメンバーで密にコミュニケーションを取りながら業務を進められるので効率が向上します。

また、たまたま近くにいた社員と雑談など突発的なコミュニケーションを取ることによりアイディアが浮かんだり、社内にいながら様々な人と交流を広げられたりします。

社内コミュニケーション改善施策を導入する際に重要なこと

社内コミュニケーション活性化のため施策を実行する組織

社内コミュニケーション改善策を導入する際に気をつけたいポイントは以下です。
注意点をしっかりと把握し、効果的に取り組みを実施しましょう。

1. 課題を把握する

まずは社内のコミュニケーションに関する課題を把握することが大切です。
アンケートなどを実施し、現場の声を聞くようにしましょう。

闇雲に制度を導入したり、イベントを開催したりすると、コミュニケーションの活性に思ったような効果を得られないことが考えられます。

2. メンバー全体で取り組む

1部のメンバーだけで行うのではなく、組織全体で取り組みましょう。
1部のメンバーのみで実行すると、取り組みに参加していないメンバーと距離感が生まれ、逆に社内コミュニケーションの状況が悪化してしまう可能性も考えられます。

しかし、強制的に行うことはおすすめしません。
やらされている感を感じてしまっては、取り組みに対するモチベーションが低下してしまうためです。

3. 課題に合わせた改善策を取り入れる

課題が見えてきたら、それに合わせ改善策を考えます。
また、実行する際は、実施する目的をメンバーにしっかりと周知しましょう。

4. まずは取り掛かりやすい手軽なものから始める

コミュニケーションの改善に向けた取り組みを実施する際、大きなことを行わなくても構いません。
小さなことでも取り組みやすいことからまずは始めてみることが大切です。

5. 上司から率先して挨拶をする

上司から率先して挨拶をするなど、コミュニケーションが取りやすい雰囲気や環境作りをしましょう。
組織をあげて社内コミュニケーション改善に取り組むことが決まっても、上司が率先して行動をしないような環境では、メンバーの取り組む意欲も低下してしまいます。

6. 相手の仕事内容や話している内容に関心を持つ

コミュニケーションを円滑に行うためには、発信者だけが頑張るのではなく、受け手もしっかり相手の話を聞いたり、関心をもったりしてください。

社内コミュニケーション活性化に取り組む企業事例

コミュニケーション活性化のための取り組み

最後に、社内コミュニケーションの活性化に取り組む企業の事例をご紹介します。

1. 株式会社CHINTAI

例年、全社のコミュニケーションを図る目的で、仕事以外の遊びの要素のある内容なども含めたイベントを実施していた株式会社CHINTAI。
しかし、新型コロナウイルスの影響で1つの場所に集合することが難しく、オンラインでイベントを実施することになりました。

そこで、研修やチームビルディングのためのワークショップなどを企画・運営するサービス、バヅクリを活用し社内イベントを実施。

  • 食レポ
  • おとなの図工
  • 演劇
  • グラフィックレコーディング
  • 筋トレ
  • ボイストレーニング

の6つから社員に自身でプログラムを選んでもらい参加する形を取りました。
プロのMCが進行を務めることで、オンラインでも十分にコミュニケーションを取ることができ、参加者満足度の高いイベントの開催が実現しました。

参考:本気で楽しみ交流を図ることで、業務内でのコミュニケーションが活発化

バヅクリ

2. カルビー株式会社

カルビー株式会社では、フリーアドレス制を導入しています。
役員もフリーアドレスで、部署、役職問わずコミュニケーションが取りやすい環境が作られています。

席は

  • 一人で集中して作業ができる仕切り付きの「ソロ席」
  • ソロ席よりも他者との接触を減らせる「集中席」
  • コミュニケーションの取りやすい4人掛けの席の「コミュニケーション席」

などに分かれており、業務内容によって席を選択できます。

参考:カルビーの社 “無い”(しゃない) 文化

カルビー

3. アドイノベーション株式会社

アドイノベーション株式会社では、1品100円〜のお惣菜をオフィスに常備できる置き型の社食「オフィスおかん」を導入。
ランチをしながらカジュアルな雰囲気で意見交換を行えるなど、コミュニケーションの活性化にいい影響を与えているそうです。

参考:成果を生み出す組織への大変革!従業員のパフォーマンス向上と、新しい挑戦を生み出す組織づくりの秘訣!

オフィスおかん

4. ネオキャリア

「ネオキャリア大学」という、社員の学びをサポートする取り組みを行っている同社。
営業職の社員向けのマーケティング講座などを実施しています。
講座を通し、他部署の社員とコミュニケーションを取ることで交流が深まる上に、自分の持っていないスキルを学ぶこともできます。

参考:【社員の生産性を10%アップ】社内制度の活用促進にも貢献した「ネオキャリア大学」の仕組み

HR NOTE

まとめ

従業員の満足度を向上させるためには「働きがい」だけでなく、「働きやすさ」も重要になってきます。
社内コミュニケーションを円滑にすることで、働きやすい職場となります。

社内コミュニケーションの課題を改善するためには、ただ単に施策を導入すればいいわけではなく、今回紹介したポイントに気をつける必要があります。
注意点に気をつけながら取り組みを行い、心地いい社内コミュニケーションを目指しましょう。