バヅクリ株式会社は、2023年~2026年の新卒498名を対象に、内定企業に対する意識調査を行い、内定承諾の決め手や内定企業に求めていること、同期や先輩社員との関わりが企業を選ぶ際に与えている影響などを明らかにしました。

本記事では、アンケート調査の結果を一部ご紹介します。
※本記事の最下部に調査レポート全文のダウンロードリンクがあります。

調査の背景

近年、新卒採用市場は、優秀な人材の獲得競争が激化しており、各社が独自の採用戦略を強化しています。昭和・平成の頃と比較して、企業と従業員の関係性がフラット化し、働き方やキャリアに対する価値観が多様化しています。こうした変化を踏まえ、現代の学生が求める働き方を理解し、時代に合った採用戦略を展開することが、採用成功のカギとなります。

本調査は、このような状況を背景に、20代新卒の入社決定に影響を与える要因を明らかにし、企業がより効果的な採用活動を行うためのヒントを提供することを目的として実施しました。

調査結果のポイント

  1. 51.4%が、2社以上の企業から内定を得ている
  2. Z世代の約30%が同期/先輩社員の「人柄」で内定承諾する企業を決めている
  3. 内定者の3人に1人が「先輩社員/同期との交流」を求めている
  4. 自分のやりたいことを実現できるイメージが強く湧くことで入社意欲が高まる
  5. 内定辞退の理由トップは「社員や社風に合わないと感じた」
  6. 内定者の約70%が「同期/先輩社員との交流」を魅力に感じ、入社を決めている

調査結果

1. 内定承諾の決め手について「労働条件」と「同期/先輩社員の人柄」が約30%とほぼ同じ割合に

就職活動を行った2023卒〜2026卒(予定)498名に対し「就職活動期間中に、内定・内々定をもらった社数を教えてください」という質問を行ったところ、複数内定を獲得した学生が全体の51.4%を占め、学生の半数以上が複数の選択肢を持っていることが明らかになりました。

そのうちの、複数内定獲得の経験者248名を対象に、「内定を承諾する決め手はなんでしたか?」という質問を実施したところ、最も大きな割合を占めたのは「給与や勤務地などの条件が一番優れていたから」(34.7%)という回答でした。経済的な安定やワークライフバランスを重視する傾向が、Z世代の特徴として改めて浮き彫りになりました。

それに次いで高い割合を示したのが、「内定者の同期とのコミュニケーションや人柄が魅力的だったから」(33.9%)、「先輩社員とのコミュニケーションや人柄が魅力的だったから」(29.8%)という回答でした。仕事内容だけでなく、働く仲間との人間関係を重視する傾向は、Z世代の新たな特徴と言えるでしょう。

一方で、従来重視されていた「会社のミッション、ビジョンへの共感」(14.9%)、「会社のネームバリュー」(11.3%)といった項目は、低い割合にとどまりました。

Z世代は、企業の知名度や安定性だけでなく、企業の社会貢献、働き方、そして自らの価値観との一致を重視し、多角的な視点から入社先を選んでいることが分かります。

2.内定者の3人に1人が、「先輩社員/同期との交流会」を求めている

「内定承諾を迷った際に、どのような機会があれば決めやすくなると思いますか?」という質問をしたところ、最も多かったのが「先輩社員とのコミュニケーションや人柄を知れる懇親会や交流会」(34.3%)、それに次いで高い割合を示したのが、「事業内容、ビジョン、福利厚生などの詳しい説明を聞ける説明会」(33.9%)「同期とのコミュニケーションや人柄を知れる懇親会や交流会」(33.1%)という回答でした。

この結果から、企業説明会や選考プロセスだけでなく、先輩社員との交流を通じて、企業文化や仕事内容をリアルに知りたいというニーズが高いことが明らかになりました。

3.内定辞退理由のトップは「社員や社風に合わないと感じた」が18.1%

「内定を辞退することを決めた理由について最も当てはまるものを教えてください。」という質問をしたところ、最も多かったのが「社員や社風に合わないと感じた」(18.1%)でした。また、「勤務地、給与などの条件が合わなかった」 (16.4%)「より志望度の高い会社から内定をもらった」(12.5%)が上位に挙げられました。入社後のイメージや待遇面、他社との比較が主な辞退理由であることが明らかになりました。

4.内定者の約70%が「同期/先輩社員との交流」を魅力に感じ、入社を決めている

「同期とのつながり/交流があることは、入社の決定にどの程度影響しましたか?」という質問をしたところ、19.1%が「非常に影響した」、50.4%が「ある程度影響した」と回答、69.5%が同期とのつながり/交流があることに影響を受けたという結果になりました。

そのうちの、影響をうけた内定者160名を対象に、「同期とのつながり/交流があることが、入社の決定に影響した理由を教えてください。」という質問を実施したところ、最も大きな割合を占めたのは「同期と話すことで会社や仕事に対する不安が解消されたから」(58.1%)という回答でした。

同期との交流を通じて、会社や仕事に関する具体的な情報を入手したり、共通の悩みを共有したりすることで、不安を解消し、安心して入社を決断したいと考えていることがわかります。

「先輩社員とのつながり/交流があることは、入社の決定にどの程度影響しましたか?」という質問をしたところ、19.4%が「非常に影響した」、49.3%が「ある程度影響した」と回答、68.7%が先輩社員とのつながり/交流があることに影響を受けたという結果になりました。

そのうちの、影響をうけた内定者156名を対象に、「先輩社員とのつながり/交流があることが、入社の決定に影響した理由を教えてください。」という質問を実施したところ、最も大きな割合を占めたのは「先輩社員の話を聞いて会社や仕事に対する不安が解消されたから」(55.8%)という回答でした。

先輩社員との直接的なコミュニケーションを通じて、企業文化や働き方をリアルに感じることで自身の不安を解消し、社会人としてスムーズなスタートを切りたいといったことが考えられます。

まとめ

本調査の結果から、20代新卒の入社決定において、同期や先輩社員とのコミュニケーションが重要な役割を果たしていることが明らかになりました。

企業は、入社前に内定者同士や先輩社員との交流機会を設けることで、内定承諾率の向上や入社後の定着率向上、組織の活性化に繋げることができます。

調査概要

  • 調査期間:2024年10月28日〜31日
  • 調査対象:最終卒業年が2023年〜26年(予定)の20代男女
  • 調査方法:WEBアンケート調査
  • サンプル数:498名

調査結果の全文ダウンロードはこちらから

「内定承諾の決め手アンケート調査結果 〜Z世代新卒が求める内定者フォローとは〜」の調査結果レポート全文は以下から無料でダウンロードができます。