「チームワークを高めたいが、何から始めればいいかわからない」そんな悩みを抱えるリーダーや人事担当者は多いのではないでしょうか。
本記事では、チームワークが低下する原因から、明日から実践できる具体的な方法10選、チームワークを高めることで得られるメリット、さらにリーダーの役割やフレームワークまで、徹底解説します。
チームワークの定義とグループとの違い

チームワークという言葉は日常的によく使われますが、「具体的に何を指すのか」「どうすれば高められるのか」を正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。まずはチームワークの定義を押さえたうえで、似た概念である「グループ」との違いも確認しておきましょう。
チームワークとは
チームワークとは、同じ集団に所属するメンバーが共通の目標に向かって連携・協力し、組織としての力を発揮することをいいます。単に人が集まった「グループ」とは異なり、「チーム」は明確な役割分担と相互補完の関係があります。
チームワークが機能している組織では、メンバー一人ひとりの力が最大限に引き出され、個人では成し遂げられない大きな成果を生み出すことができます。ビジネスが複雑化・高度化する現代において、チームワークは組織の競争力を左右する重要な要素として改めて注目されています。
チームとグループの違い
「チーム」と「グループ」は似た言葉ですが、その本質は大きく異なります。グループは単に人が集まった状態を指すのに対し、チームは共通の目標に向けて役割を分担し、互いに補完し合う関係性が成立しています。以下の表で、2つの違いを整理してみましょう。
| チーム | グループ | |
| 目標 | 共通の目標あり | 必ずしも共通目標なし |
| 役割分担 | 明確な役割あり | 個々が独立して行動することも |
| 相互協力 | 補完し合う関係 | 希薄な場合もある |
チームワーク不足のデメリットとその原因

まずはじめに、チームワーク不足の原因と、チームワークが機能しないことで起こる悪影響はどのようなものか確認してみましょう。
モチベーションの低下
チームワークが機能していないと、従業員のモチベーションが低下しやすくなります。
ただ人が集まっているだけでは意味がなく、チームの目指すべき方向性や、チーム目標を達成することの意義を伝えないとモチベーションは高まりません。
また、チームの目標を理解していても、チームの中で自分の役割が見出せないと自己効力感が欠如し、モチベーションが下がってしまいます。
ギクシャクした人間関係
チーム内の人間関係がギクシャクしているのも、チームワークが高まっていない状況といえます。
チームで集まる人材は、必ずしも馴染みのある仲良しメンバーではないので、お互いの自己開示時間をしっかり設ける必要があります。
メンバー同士の個性、考え方が理解し合えていても、業務を進める上で考え方が変わったり、意見が衝突したりする場合もあります。
その都度、コミュニケーションをとっていかなければ、チームワークは低いままとなるでしょう。
生産性の低下・サボりの出現
チームワークが高まっていないと、チームの生産性が落ちて、中にはサボるメンバーも出てくるかもしれません。
一人ひとりが高い意識をもってチームに貢献できていなければ、それはチームではなく単なる集団に過ぎません。
チーム員の役割分担が不明瞭だと、主体性を失い、お互いの仕事の進捗や取り組み方にも無頓着になります。
生産性が低く、メンバーのコミット具合に不安を感じたらチームワークの状況を見直すサインと受け止めましょう。
チームワークを高める10の方法

チームワークを高めるための、具体的なアプローチ方法を10個ご紹介します。①〜③は特に基本的・即効性の高い施策です。
ビジョンと目標の共有
チームワークを高める最初のステップは、なぜチームが作られたのか背景と目標を共有することです。
チームビジョンや目標を明確化することで、チーム員のモチベーション低下を防ぎます。
ビジョンや目標を共有する際は、ただ一方的に伝えるのではなく、チームメンバーを巻き込んで一緒に作るのもおすすめです。
与えられた目標よりも、一緒に考え、言語化したほうが自分事として意識を高めやすいためです。
その他にも、次のポイントを押さえながらビジョン・目標の共有を行うと効果的です。
■ビジョン・目標共有の際のポイント
- ビジョンはエピソードを用いながら、ストーリーとして話す…印象に残りやすいため
- 目標設定は定量・定性の2軸でわかりやすく…ビジョナリーな定性目標とあわせて、数値で確認できる定量目標をセットする
- 目標設定だけでなく、目標達成時の賞賛方法も策定する…月に1度の振り返り時間の設定や、目標達成時の表彰、ご褒美なども先に設定する
② コミュニケーションの円滑化
チームワークを高めるために、コミュニケーションの円滑化は必須です。言いたいことが話せない、反論・意見を言いづらい雰囲気、コミュニケーション頻度が少ないなど、チームにはさまざまなコミュニケーション課題が想定されます。方法・量・質・タイミング・継続性の5つの観点から、自チームに必要な施策を検討しましょう。
メンバーによって適切なコミュニケーション量や手法は異なります。量を増やすことだけに意識を向けず、内容の濃いやり取りができているかどうかも定期的に確認することが大切です。
■コミュニケーションを円滑にするためのポイント
- 対面・電話・チャットなど、メンバーの特徴や希望に合わせて適切な手法を選ぶ
- 量よりも質を意識し、内容の薄いやり取りが増えていないか定期的に見直す
- 仕事中だけでなく、ランチミーティングやレクリエーションなどタイミングを変えながら対話の機会をつくる
③ 役割の明確化
チームワークを強化するには、一人ひとりの役割とかかわる範囲の線引きを明確にしなくてはなりません。チーム目標をメンバー個人の目標と業務範囲に落とし込むことで、サボり防止や生産性低下の抑制につながります。
ただ役割分担して終わりではなく、それぞれに何を期待しているか伝えることや、「なぜこのミッションを任せたのか」という背景をセットで伝えると腹落ちしやすくなります。
■役割を明確にする際のポイント
- チーム全体の目標を起点に、個人の目標と業務範囲を設定する
- 役割の背景や期待を言葉にして伝え、メンバーが「なぜ自分なのか」を理解できるようにする
- 役割が変わるタイミングや業務量が増えた際は、都度すり合わせの場を設ける
④ 心理的安全性の確保
チームワークを持続的に高めるためには、心理的安全性の確保が不可欠です。心理的安全性とは、チームメンバーが「発言しても否定されない」「失敗しても責められない」と感じられる環境のことです。性別・年齢・バックグラウンドの異なるメンバーが集まるチームほど、一人ひとりが安心して意見を言える環境づくりが重要になります。
心理的安全性が高いチームでは、メンバーが率直に意見を言えるため、問題の早期発見やアイデア創出につながります。リーダーが自ら失敗談を共有したり、異なる意見や視点を「面白い」と受け止める姿勢を示すことが、心理的安全性を高める第一歩です。
■心理的安全性を高めるためのポイント
- 会議で出た意見を否定せず、まず受け止める習慣をつくる
- リーダー自身が弱みや失敗を率先して開示する
- 発言しやすい雰囲気をつくるため、アイスブレイクや雑談の時間を意識的に設ける
⑤ チーム編成・人材配置の最適化
チームワークは、誰とチームを組むかという編成の段階からすでに始まっています。メンバーそれぞれのスキル・経験・強みを把握したうえで役割を割り当てることで、適材適所が実現し、チームとしてのパフォーマンスが高まります。
一人ひとりの能力だけでなく、価値観や働き方の志向も加味して編成を考えることが重要です。多様なバックグラウンドを持つメンバーが互いの強みを補い合える構成にすることで、チームの対応力と創造性が広がります。
■チーム編成・人材配置を最適化するためのポイント
- メンバーのスキルや強みを把握し、役割に偏りが出ないよう配置する
- 能力だけでなく、価値観やキャリア志向も考慮して編成を検討する
- 定期的に編成を見直し、チームの成長や状況の変化に合わせて柔軟に調整する
⑥ 1on1ミーティングの実施
リーダーがメンバーと定期的に1対1で話し合う「1on1ミーティング」も、チームワーク向上に効果的です。業務の進捗確認だけでなく、個人の悩みやキャリアの希望にも向き合うことで、リーダーはメンバーへの理解を深め、より適切なサポートができるようになります。
1on1はリーダーが話す場ではなく、メンバーが話す場です。メンバーの本音や状態を把握することで、チーム全体のコンディション管理にもつながります。
■1on1を効果的に進めるためのポイント
- 月1〜2回程度を目安に定期開催し、突発的な面談で終わらせない
- 業務の話だけでなく、体調やモチベーションにも目を向ける
- メンバーが話す時間を全体の7割以上確保することを意識する
⑦ チームビルディング研修の活用
チームビルディング研修は、チームワークの基盤をつくる効果的な手段です。グループワークや体験型アクティビティを通じて、職位やスキルに関わらずフラットな立場で取り組めるため、普段の業務では見えにくいメンバーの一面が自然と伝わりやすくなります。
一度きりで終わらせず、定期的に実施することで効果が持続します。研修後に振り返りの時間を設けると、日常業務への定着につながりやすくなります。
■チームビルディング研修を効果的に活用するためのポイント
- 全員参加を前提とし、特定のメンバーだけが受講する形にしない
- 研修後に「気づき」を共有する場を設け、学びをチームに還元する
- 定期的に実施し、チームの状況に応じてテーマを変えながら継続する
⑧ 意思決定プロセスの透明化
リーダーが一人で決める場面ばかりでなく、意思決定のプロセスをオープンにしてメンバー全員で話し合う機会を設けることが重要です。プロセスが透明であれば「自分もチームの一員として関わっている」という主体感が生まれ、チームワークが高まります。
特定のメンバーだけが発言する場にならないよう、リーダーはファシリテーションの役割を担いながら、全員が意見を言いやすい環境を意識的につくりましょう。
■意思決定プロセスを透明にするためのポイント
- 決定の背景や理由をセットで共有し、「なぜそう決まったか」をメンバーが理解できるようにする
- 話し合いの場では、発言が偏らないよう全員に意見を求める
- 決定後は議事録や共有ツールで全員がいつでも確認できる状態にしておく
⑨ フィードバック文化の醸成
定期的なフィードバックを通じて、メンバーが自分の役割と貢献をきちんと認識できる環境を整えることが大切です。褒める際もアドバイスをする際も、抽象的な言葉ではなく具体的な内容を言語化して伝えることを心がけましょう。
上司からのフィードバックだけでなく、メンバー同士の相互フィードバックも取り入れると、お互いの行動に目を向ける習慣がチーム全体の成長意識を底上げします。
■フィードバック文化を育てるためのポイント
- 「よかった点」と「改善点」をセットで伝えることを習慣にする
- フィードバックは人格ではなく、具体的な行動に対して行う
- メンバー同士が気軽にフィードバックし合える仕組みや機会を定期的につくる
⑩ 情報共有の仕組み化
業務の進捗や課題を可視化し、チーム全員がリアルタイムで状況を把握できる仕組みをつくることも重要です。社内SNS、チャットツール、プロジェクト管理ツールなどを活用して、情報の偏りをなくしましょう。
情報が適切に共有されることで、メンバーが迷わずに動けるようになり、チームの生産性向上につながります。ツールの導入だけで終わらせず、運用ルールをチームで決めることが定着のカギです。
■情報共有を仕組み化するためのポイント
- 「どの情報をどこに共有するか」のルールをチームで決め、全員に周知する
- 進捗や課題はリアルタイムで更新し、情報の鮮度を保つ
- ツールへの入力を習慣化するため、最初は短い確認タイムを設けるなど定着を後押しする
チームワーク強化に役立つフレームワーク

チームワークを高めるには、フレームワークを活用すると取り組みやすくなります。代表的な2つを紹介します。
GRPIモデル
GRPIモデルは、「Goals(目標)」「Roles(役割)」「Processes(プロセス)」「Interpersonal relationships(対人関係)」の4要素からなるフレームワークです。チームがうまく機能していないとき、どの要素に問題があるかを特定し、優先して取り組むべき課題を整理するのに役立ちます。
- Goals(目標):チームの目標が全員に共有されているか
- Roles(役割):各メンバーの役割が明確になっているか
- Processes(プロセス):業務の進め方・意思決定プロセスが整備されているか
- Interpersonal relationships(対人関係):メンバー間の信頼関係が構築されているか
たとえば「なんとなくチームがかみ合っていない」と感じたとき、GRPIモデルに照らしてみると原因が見えやすくなります。目標は共有されているのに成果が出ないなら役割やプロセスに問題があるかもしれませんし、業務の進め方は整っているのにギクシャクするなら対人関係に目を向けるべきかもしれません。大切なのは「なんとなく機能していない」で終わらせず、4つの要素のどこに課題があるかを冷静に切り分けることです。
タックマンモデル
タックマンモデルは、チームが成熟していく過程を4つのステージで説明するモデルです。自分たちのチームが今どのフェーズにあるかを把握することで、その段階に合った対応が取りやすくなります。
- 形成期(Forming):メンバーが集まり、お互いを知る段階
- 嵐期(Storming):意見の対立や摩擦が生じる段階
- 規範期(Norming):ルールや信頼関係が形成される段階
- 遂行期(Performing):高いパフォーマンスを発揮できる段階
たとえば新しいチームが立ち上がったばかりの形成期には、アイスブレイクや自己紹介の機会を丁寧に設けることが優先されます。その後の嵐期では意見の対立が起きやすいですが、これはチームが成長している証でもあり、リーダーが対立を避けずに向き合うことが重要です。規範期を経てメンバー間に信頼が生まれると、指示がなくても自律的に動き互いを補い合える遂行期へと移行していきます。どのステージも飛ばすことはできず、嵐期を乗り越えたチームほど強い結束力を持つことを覚えておきましょう。
チームワークが高まることで得られるメリット

チームワークが高まることで得られるメリットを、改めて3つご紹介します。
1. 生産性の向上
チームワーク力が高まると、企業の生産性の向上が期待できます。
一人に仕事を任せた場合、納期までに終わらなかったり、期待した成果を出しきれなかったりしたときリカバリーが難しいです。
チームで仕事をする体制が整えば、万が一誰かが失敗したとしても、他のメンバーで補い合うことが可能です。
2. 個人では達成し得ない目標を達成できる
チームワークの考え方は、「1+1=2」ではなく、「1+1=10」というように、1人ひとりの力を最大化していくものです。
個人に仕事を任せるよりも、チームに仕事を与えたほうが、より大きな目標達成が可能になります。
3. 変化に対応し最適なアウトプットを出せる
チームワークの高い組織は、変化に柔軟に対応することが得意です。
一人では限界がありますが、多様なスキル・バックグラウンドをもったメンバーが集まれば、さまざまな課題に対してアイデアを出し合い、スピード感をもって対処できるでしょう。
チームワークの鍵を握るリーダーの役割とは

チームワークを高めるには、チームのリーダーに重要な役割があります。
多様な価値観をもった人材が集う場で、メンバーの意思統一を図り、全体の進捗管理を押し進めるリーダーは必要不可欠です。
従来は、メンバーから信頼されることや、チームの心理的安全性を保つために取り組むことがリーダーの役割の一つでしたが、昨今では新たなリーダーシップの形も着目されています。
新たなリーダーシップの形
昨今、着目されているリーダー像として、オーセンティックリーダーシップとサーバントリーダーシップがあります。
それぞれのリーダーシップの形を、簡単に解説します。
オーセンティックリーダーシップとは、「自分らしさ」を大事にしながら、型にはまらない手法でアプローチするリーダーシップです。
従来の「リーダーはこうあるべき」という一つの考えにこだわらず、その人が良いと思った手法で、自分自身の価値観でチームを率いる考え方です。
また、サーバントリーダーシップは、「サーバント=使用人、奉仕者」という意味にあるように、メンバーの味方として強く支援していく形のリーダーシップです。
強く引っ張っていく一匹狼のようなリーダーではなく、メンバー一人ひとりに寄り添い、他者支援のスタンスでチームを統一していくリーダーが注目されています。
チームワークを高める際のキーパーソンとなるリーダーについて、リーダーシップの在り方から考え直してみてはいかがでしょうか。
チームワークを高めるイベントを開催しよう

チームワークを高めるために、イベントやワークショップを開催することもおすすめです。
その時間を通し、チームの目的やビジョンが共有されたり、円滑なコミュニケーションの土台となる良い人間関係や深い相互理解がつくられたりします。
チームワークを高めるためのイベントにおすすめなプログラムは以下です。
研修やワークショップを企画・運営するサービス・バヅクリを活用し、社内負担を削減しながら実施することも可能なプログラムです。
1. オンライン焚き火

画面に焚き火の映像を映し、参加者同士が悩みなどを語り合うワークショップです。
焚き火はリラックス効果があり、本音を引き出します。
2. オンライン謎解き脱出ゲーム

今いる場所から、謎を解くことで脱出を目指すゲームです。
また、バヅクリが提供する脱出ゲームは謎を解くことだけでなく、「仲間を作ること」も脱出の条件となります。
従来の脱出ゲームは、クイズを解くことに夢中になりすぎて無言になってしまう、初心者が参加しにくい、などの課題がありましたがコミュニケーションが取れるポイントを多く取り込み、しっかりとチームワークを向上させられるプログラムとなっています。
また、プロのMCが司会を務めるので臨場感があり、イベントに没頭できます。
3. クイズ
まるでTV番組に出演しているような非日常な気分を味わいながら楽しめるプログラムです。
チームメンバーと共に力を合わせクイズを解くことを通し、コミュニケーションの機会を提供できることに加え、その他の参加者の意外な一面や、考え方のクセを知ることができます。
まとめ

チームワークを高めていけば、企業の生産性アップや業務効率化が期待できますし、不確定要素の多い現代に適応することが可能です。
チームワークを強化するためには、チームワークに紐づく課題を理解し、自チームに不足している要素は何か、一つずつ洗い出す必要があるでしょう。
チームワークを高めるキーパーソンとなるリーダーの在り方も再考しながら、自社のチームについて見直してみて下さい。
本記事でご紹介した10の方法やフレームワークを参考に、まずは自チームが今どのフェーズにあるかを把握するところから始めてみましょう。チームワーク向上に向けた第一歩として、バヅクリのチームビルディングプログラムもぜひご活用ください。

