近年、企業経営において注目されている「ダイバーシティ&インクルージョン」ですが、実際に企業で推進する際に必要なアクションや施策についてはまだ知られていないことが多くあります。

そこで本記事では、ダイバーシティインクルージョンを推進したいと思ってはいるが、具体的にどのような制度を行えばいいのか分からない、他社の事例を参考に実施することを検討したいと思っている方に、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する手順や具体例についてご紹介します。

ダイバーシティ&インクルージョンが注目を集める背景

ダイバーシティ&インクルージョンの定義

「ダイバーシティ」は「多様性」、「インクルージョン」は「包括・受容」という意味です。
「ダイバーシティ&インクルージョン」という表現は、「人材の多様性(=ダイバーシティ)を認め、受け入れて活かすこと(=インクルージョン)」となります。

企業や組織が、多種多様な人が互いの考え方の違いや個性を受け入れながら、個性や能力に応じて活躍できる環境を整え、組織としても成長するという考え方を指します。

注目を集める背景

ダイバーシティ&インクルージョンが注目を集めるようになった背景・要因としては

  • 少子化による将来的な労働人口減少懸念
  • グローバル化による企業の海外進出の増加
  • 働くことへの価値観の変化

などから、人材の確保のために外国籍の人材も含めて様々な価値観・考え方をもった人々が働けるようにする必要性が高まっていることが挙げられます。

定義や注目される背景については、こちらの記事で詳細にご説明していますので、ぜひ合わせて御覧ください。

ダイバーシティ&インクルージョンを推進するメリット

ダイバーシティ&インクルージョンの推進が企業にもたらすメリットは、

  • 優秀な人材の確保
  • 顧客ニーズの多様化に対する感応度の向上
  • 社員のモチベーション向上
  • 離職率低下、定着率向上

などが挙げられます。
組織に多様性が実現すると、様々な考え方や事情を持つ優秀な人材が集まりやすくなります。
異なるカルチャーやパーソナリティを持った人材が組織に混ざることで、従来とは異なる視点からの意見やアイデアが生まれ、事業や組織に対する良い影響が期待できます。

参考:経済産業省 令和 2 年度 新・ダイバーシティ経営企業 100 選 100 選プライム/新 100 選 ベストプラクティス集

ダイバーシティ&インクルージョンを推進する手順

ダイバーシティ推進のための会議

経済産業省が発表した「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」には、ダイバーシティを推進する実践のための7つのアクションが示されています。

ダイバーシティ2.0行動ガイドラインは、経済産業省による「競争戦略としてのダイバーシティ経営(ダイバーシティ2.0)の在り方に関する検討会」で定められました。

ここでは7つのアクションを簡単にご紹介します。

下記記事にて詳細に説明しておりますので、よろしければ御覧ください。

1. 経営戦略への組み込み

経営トップが、ダイバーシティが経営戦略に不可欠であること(ダイバーシティ・ポリシー)を明確にし、KPI・ロードマップを策定するとともに、自らの責任で取組をリードする。

ダイバーシティ2.0行動ガイドライン

2. 推進体制の構築

ダイバーシティの取組を全社的・継続的に進めるために、推進体制を構築し、経営トップが実行に責任を持つ。

ダイバーシティ2.0行動ガイドライン

3. ガバナンスの改革

構成員のジェンダーや国際性の面を含む多様性の確保により取締役会の監督機能を高め、取締役会がダイバーシティ経営の取組を適切に監督する。

ダイバーシティ2.0行動ガイドライン

3. 全社的な環境・ルールの整備

属性に関わらず活躍できる人事制度の見直し、働き方改革を実行する。

ダイバーシティ2.0行動ガイドライン

5. 管理職の行動・意識改革

従業員の多様性を活かせるマネージャーを育成する。

ダイバーシティ2.0行動ガイドライン

オンラインでも実施可能なダイバーシティ研修

出典:バヅクリ

バヅクリ株式会社が提供する、ダイバーシティ研修では、多様性を理解して成果を出せる組織をつくるための考え方・コミュニケーション手法・マネジメント手法を学ぶことができます。

人種や性別などを元にした「統計学的多様性」のほか、考え方・捉え方などの違いである「認知的多様性」についても学びます。
また、多様な人材を登用するだけに終わらず、個々の違いを受容しながらひとつの組織としての力を発揮する「ダイバーシティ&インクルージョン」や、意見の相違から目をそらさず、建設的な相互理解を推進する「シナジーコミュニケーション」など、一歩進んだ「ダイバーシティ研修」を提供しています。
対面・オンラインでの実施が可能です。

6. 従業員の行動・意識改革

多様なキャリアパスを構築し、従業員一人ひとりが自律的に行動できるよう、キャリアオーナーシップを育成する。

ダイバーシティ2.0行動ガイドライン

7. 労働市場・資本市場への情報開示と対話

一貫した人材戦略を策定・実行し、その内容・成果を効果的に労働市場に発信する。
投資家に対して企業価値向上に繋がるダイバーシティの方針・取組を適切な媒体を通じ積極的に発信し、対話を行う。

ダイバーシティ2.0行動ガイドライン

ダイバーシティ&インクルージョンを推進する際のポイント

多様性を理解する

経営者や社員が、多様性とはなにかを理解することが重要です。
一般的に多様性と聞くと、国籍や性別の違いをイメージしがちですが、年齢や価値観、考え方や宗教、家庭事情や障害の有無など多岐にわたります。

様々な要因で、様々なものの見方や考え方があるということを理解することがダイバーシティの推進の第一歩となります。

法律・制度を把握する

ダイバーシティ&インクルージョンを推進する上で、関連する様々な法律・制度を理解することが必要となります。
例えば女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法、障害者雇用促進法、高年齢者雇用安定法などがあります。

経営姿勢と関連した全社的な取り組みを行う

ダイバーシティ2.0行動ガイドラインに記載された7つのアクションの1つ目でも触れていますが、明確に経営トップや経営層がダイバーシティへ取り組む姿勢を示すことや、KPIの設定、ロードマップを整理と開示など、経営と結びつけた取り組みを行う必要があります。

会社全体が得られるメリットをはっきりとさせる

ダイバーシティ&インクルージョンの推進においても、その意味や得られるものを社員がきちんと理解する必要があり、そのためにはメリットを明確に打ち出し、伝えることが重要です。

「生産性が向上して業務時間が減少する」「既存社員の働き方が柔軟になる」などの具体的メリットを説明するのがよいでしょう。

ダイバーシティ推進に取り組む企業事例

株式会社ローソン

株式会社ローソンは、2013年に「ダイバーシティの推進に関する方針」を明確に打ち出し、ウェブサイトなどを通じて女性管理職比率やワーキングマザー率、外国人社員比率など、ダイバーシティに関する積極的な情報開示を開始しました。
社長をトップとして「ダイバーシティ推進役員」を配置し、ヒューマンリソース管掌直轄の「ヒューマンリソースステーション」と連動し、必要となる制度設計・運用・登用などを行っています。

参考)

参考:経済産業省「平成26年度 ダイバーシティ経営企業100選 ベストプラクティス集」

株式会社ファーストリテイリング

株式会社ファーストリテイリングは、2020年3月に、多様性をグローバルに推進していくため、海外拠点の担当執行役員とダイバーシティ推進チームから成る「グローバル・ダイバーシティ・リーダーシップチーム」を設置しました。
意識向上のための啓発活動や研修の実施といったグローバルでの取り組みに加え、現地の状況に合わせたさまざまな施策を実行しています。

参考:多様性の尊重

FAST RETAILING

株式会社千葉銀行

株式会社千葉銀行では、「人材育成の一層の充実」を第12次中期経営計画へ明文化し、経営課題として強く認識するとともに、頭取の積極的なコミットメントによる推進を行っています。
女性活躍促進に向け「職域拡大」「人材育成」「環境整備」の一体的展開や、女性活躍サポートチームによる丁寧な面談などの取り組みがなされました。

参考)

参考:経済産業省「平成26年度 ダイバーシティ経営企業100選 ベストプラクティス集」

まとめ

ダイバーシティが推進した組織

最近はダイバーシティだけではなく、インクルージョンの要素も合わせたダイバーシティ&インクルージョンの推進が重要になってきています。
これからダイバーシティ&インクルージョンの推進を検討している企業や担当者の方は、今回ご紹介した他社事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。

ダイバーシティ&インクルージョン推進徹底解説セミナー動画

ウェルビーイングを達成する方法として、組織のダイバーシティを促進することが考えられます。
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