新型コロナウイルスの流行や働き方改革の影響で、テレワーク導入やビジネスのオンライン化が続いています。
新入社員研修にも一部をオンラインで実施する企業も見られ、階層問わずオンライン研修を導入するケースが増えています。
今回は管理職や中間管理職といったマネジメント向けのオンライン研修をテーマに取り上げます。
マネジメント研修の目的やよくある課題をおさらいし、おすすめのオンラインマネジメント研修を5つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マネジメント研修とは?
マネジメント研修とは、部下を抱えるようになった新任マネージャーや部長、課長といった管理職を対象とした研修です。
管理職とは、組織のメンバーに指示を出し、業務進捗や目標の達成度などを管理する立場を指します。
一般的には、「主任、係長、課長、次長、部長、本部長」または「リーダー、マネージャー、ディレクター、ゼネラルマネージャー、バイスプレジデント」などが管理職または中間管理職にあたります。
日本語の役職 | 英語の役職 |
本部長、事業部長など | バイスプレジデント/ゼネラルマネージャー/ディレクター |
部長、次長、課長 | マネージャー |
係長、主任 | リーダー |
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マネジメント研修の目的
マネジメント研修の目的は、部下の管理や育成を適切に行いながら、事業目標を達成できる管理職を育てることです。
管理職・マネジメントラインは、経営層と一般社員の間に立ちながら、両者の意見の落としどころを作り橋渡しを行う役割を持ちます。
経営層が事業目標への強いコミットや経営理念への共感を求めたとしても、一般社員は「給与を挙げて欲しい」「働きやすい環境がほしい」など自分本位となり、両者の思いにズレが生じるのは自然なことです。
そこで、管理職は双方の立場を理解し、それぞれが1つの方向を向いていけるようコントロールしなくてはなりません。
管理職が橋渡しの役割を果たすためには、次のようなスキル習得が求められます。
- 経営視点、リーダーシップ
- 経営理念やビジョン理解
- 一般社員の立場の理解、モチベーションコントロール
- 一般社員への指導、育成
- 自組織のチームビルディング強化
- 職場の雰囲気を作る力 など
こういったスキルを身に付けることが、マネジメント研修の目的となります。
マネジメント研修の種類
マネジメント研修の実施方法は、「公開型研修」「個別研修(e-learning)」「集合研修(社内研修)」3つに分けられます。
それぞれの特徴と、メリット・デメリットについて比較してみましょう。
1. 公開型研修(社外研修)
公開型研修とは、研修会社が実施する社外研修やセミナーを受講するスタイルを指します。
メリット:他の企業や他部署から参加する方と交流できる場合は、視野を広げることができます。対面式はワーク形式の研修を行う
デメリット:1回につき1人数万円の費用がかかる場合もあり、費用が大きくなりやすいです。
2. 個別研修(e-learning)
個別研修の代表的なものにe-learingがあります。
e-learningは個々が好きなタイミングで研修受講ができ、苦手な項目は繰り返し視聴もできるため利便性が高いです。
メリット:全国各地どこからでも参加できます。研修会社の受け放題プランを活用すれば、研修企画の工数や月々の研修費用を削減できます。
デメリット:受け身かつインプット中心の受講スタイルのため、研修のおかげで行動変容が起きたか判断しづらい場合もあります。
3. 集合研修(社内研修)
自社で研修テーマや内容を企画して、社員を集めて行うスタイルです。
メリット:自社で研修内容を自由に決められるため、事業内容に合った研修実施ができます。また、社外研修に参加するより費用をおさえやすいです。
デメリット:研修に関するノウハウがなく、研修企画や研修当日の講師役などを自社で用意できない場合もあります。
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マネジメント研修はオンライン化が進んでいる
研修会社が実施する公開型研修、自社で行う集合研修ともに、テレワーク下でも実施できるようにとオンライン化する企業が増えています。
パーソル総合研究所の2021年調査によると、2020年度にオンライン研修を取り入れた企業の割合は75%となっています。
企業規模別に見ると、2000名以上を抱える大企業では80%以上が積極的にオンラインの集合研修を導入しています。
また、研修目的別にオンラインの有無を聞いたところ、部長研修や役職研修、リーダーシップ研修といったマネジメントライン向けの内容は半数以上がオンライン実施となりました。反対に、対面で実施するものは若手や新卒向けのものが多いです。
オンライン研修は、対面よりもスケジュールの調整がしやすかったり、離れた場所から複数のメンバーが参加できたりするため、利便性が高いです。
しかし、オンライン研修の中でもe-learningで学習目標を8割以上達成した企業は3割ほどと少なく、オンライン集合研修のほうが効果につながっているという声もあります。
どういった研修がオンラインに適切なのか見極めながら、効率良く研修をオンライン化していくことが重要と言えるでしょう。
マネジメントラインのよくある課題/おすすめの研修テーマ
マネジメント研修の最終目的は、部下を適切に管理・指導して、事業目標を達成に導ける管理職を輩出することです。
この目的を達成するために、管理職は具体的にどんなスキルを身に付ければ良いのでしょうか。
マネジメントラインのよくある課題を例として挙げながら、マネジメント研修におすすめの研修テーマをあわせてご紹介します。
1. チームビルディングが弱い
マネジメントのよくある課題として、自分の所属チーム・組織のチームワークが弱いという点が挙げられます。
部下を1人ずつ指導することができたとしても、チーム員同士が助け合い、強みを引き出しあうといったチームビルディングが不足していれば、大きな業績は達成できません。
マネジメントラインはチーム作りの手法を熟知し、散らばっている個それぞれに役割を与え、進むべき方向を明確にしなくてはなりません。
マネジメント研修のおすすめテーマ
- チームビルディング研修…組織の役割や、部下同士の相互理解を強化する
- オーナーシップ(当事者意識)研修…組織の中にある自分の役割を自覚し、チームのために働きかける力を養う
バヅクリのチームビルディング研修の内容はこちらの資料をダウンロードいただくことでご覧いただけます。
おすすめの研修サービス
バヅクリ
150種類以上のオンラインプログラムを用意する、チームビルディング強化に役立つ研修サービスです。
管理職になりたての方から新入社員まで楽しみながら参加ができ、チームのコミュニケーション醸成にも効果的です。
2. 部下の育成・目標管理ができない
部下の個性や強み、弱みを1人ひとり把握し、それぞれの目標計画を立てて予定通りに進んでいるか管理する力が弱いという課題です。
管理職になりたての頃は、自分の目標は達成できるけど部下に目標達成させることができなかったり、部下の面倒を見すぎて自分自身の業務がおざなりになったりするケースは多いでしょう。
部下の育成や目標管理をスムーズに行うためには、ティーチング、コーチングといったスキルの習得や、部下と信頼関係を築くためのコミュニケーション力の習得が重要です。
マネジメント研修のおすすめテーマ
- ティーチング、コーチング研修…部下への教育、指導を行うスキル
- コミュニケーションスキル研修…部下の考えを引き出したり、信頼関係を強化したりする
- 目標管理研修…目標管理の意義や部下の目標設定方法を学ぶ
おすすめの研修サービス
Schoo
定額制で7000本以上の研修動画が見放題となるオンラインサービスです。
複数のテーマの中から管理職に必要な内容をパッケージ化しているため、対象者にあわせてカリキュラムを柔軟に組み替えることが可能です。
管理職向けのパッケージには、「新任マネージャー研修パッケージ」や「組織運営研修パッケージ」などがあります。
https://schoo.jp/biz/theme/manager/
3. リーダーシップがない
マネジメントにリーダーシップがないため、高い業績目標を達成できないという課題もよく聞かれます。
マネジメントに必要なリーダーシップとは、必ずしも「チームの先頭に立って強く引っ張っていく力」とは限りません。
多様性が重要視されている昨今では、大きな経営ビジョンを打ち出して共感をもとにチームを誘導するビジョン型リーダーシップや、個々と対話を繰り返していくコーチ型リーダーシップなども注目されています。
どういったリーダーシップを身に付ければ良いのか、自組織に必要なリーダー像はどのようなものか、マネジメント研修で考え、習得していくことをおすすめします。
マネジメント研修のおすすめテーマ
- リーダーシップ研修…リーダーの定義、リーダーに必要なスキル、さまざま種類のリーダーシップを学ぶ
- チームマネジメント研修…チームをマネジメントするとはどういうことか意味を理解する、マネジメントに必要なリーダーシップとは何か学ぶ
おすすめの研修サービス
JMAマネジメントスクール
リーダーの役割を再考したい、組織の心理を探りたいといった管理職向けのオンライン研修です。
組織に与える力学が、社員の心にどんな影響を与えるかといった心理面アプローチや理論から学び、最終的に「どういったリーダー像を目指すべきか」と、変革後の姿を考える内容です。
https://school.jma.or.jp/products/detail.php?product_id=100234
グロービズオンライン・スクール
3か月間全6回にわたり、オンラインでMBAプログラムを学べるビジネススクールです。
管理職に必要不可欠なリーダーシップや人材マネジメントの基礎を始め、マーケティングや経営戦略、ファイナンス基礎などを身に付けます。
https://gce.globis.co.jp/service/ol/
4. 経営視点が不足している
マネジメントとしての意識が足りず、部下と友だち感覚で付き合ってしまったり、責任感を持てなかったりするという課題も多いです。
中間管理職や新任リーダーなどに対し、「そもそもマネジメントとは何なのか」「管理職に求められる要素、役割とは何か」を基礎から学ぶことで、経営視点を養う必要があるでしょう。
マネジメント研修のおすすめテーマ
- 管理職研修(意識改革)…管理職の役割を理解し、責任感や覚悟を醸成する
- マネジメントスキル研修…マネジメントに必要なスキルを体系的に習得する
- 業務マネジメント・組織マネジメント研修…業務を進める際の適切な指示方法やリスクマネジメントを学ぶ。組織目標の立て方や浸透のさせ方を学ぶ
おすすめの研修サービス
インソース
大手研修会社が提供するマネジメント研修です。
「組織」「業務」「ヒト」の3つのマネジメントポイントから、VUCA時代に合った新しいマネジメント視点までマネジメント論を学びとれる点が特徴です。
インソースは対面の公開型研修を豊富に揃えていますが、多くの研修パッケージをオンライン化しているため、希望にあわせて使い分けできます。
https://www.insource.co.jp/kanrisyoku/management-top.html
マネジメント研修のポイント
マネジメント研修を効果的に実施するポイントをご紹介します。
1. マネジメントのスキルを把握する
マネジメントのスキルと言っても、その種類は多岐にわたり、対象者によって教育すべきスキルやレベルは異なります。
他の階層向け研修と同様に、対象者に必要なスキルは何か把握することから始めましょう。
2. 研修フォローを仕組み化する
どんなに濃密な研修時間を過ごせても、人間の記憶は一定期間過ぎると薄れていくものです。
研修で得た情報が新鮮なうちにアウトプットできる機会を提供したり、少し時間を置いてから研修内容をおさらいしたりするなど、研修フォローの流れを仕組み化するのもポイントです。
3. 研修後の行動報告をセットで行う
多くの研修はインプット型となるため、研修後の成果が見えづらい場合があります。
インプット型研修を行った後、研修で学んだことを活かして業務に落とし込み行動するよう指導し、行動した内容を報告させると効果的でしょう。
まとめ
管理職や中間管理職といったマネジメントラインは、経営層と現場の一般社員をつなぐ重要な役割を担っています。
マネジメントのスキルアップは企業の成果に直結するため、この記事を参考にぜひマネジメント研修に取り組んでいってください。
また、マネジメント研修を始め、さまざまな階層向けの研修はオンライン化が進んでいます。
オンライン研修が初めての方は、今回ご紹介した代表的なオンライン研修サービスを活用し、効率的かつ効果的な研修導入を進めていただければ幸いです。
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