テレワークの普及や働き方改革により、商談や会議をオンラインのプレゼンテーション形式で行う機会が増えた人も多いと思います。
「オンラインプレゼンだと対面で行なっていたようにうまくいかない」という悩みを抱えていませんか?
今回はそんな悩みに役立つ、オンラインプレゼンと対面のプレゼンの違いや、オンラインプレゼンのコツ・準備の仕方をご紹介します。
また最後に、オンラインプレゼン力の向上に役立つサービスやツールもご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
目次
オンラインプレゼンと対面プレゼンはここが違う
それではまず、オンラインプレゼンテーションと対面でのプレゼンテーションの違いについて見ていきましょう。
オンラインプレゼンと対面でのプレゼン、それぞれの違いを知ることで、プレゼンする際に注意したい点や、改善したい点が明確になるかもしれません。
人柄・感情が伝わりにくい
コミュニケーションを取る際、相手に与える印象の割合は、表情からの情報が55%を占めると言われており、これは「メラビアンの法則」と呼ばれています。
どんな言葉で話すかや、どんな声で話すかよりも、表情や身振りの「非言語コミュニケーション」が相手に好印象を与えるには重要になってくるのです。
カメラをオンにしていると表情や身振りを見せることはできますが、画面を通すことでオフラインの場合よりも相手に伝わる情報は少なくなります。
そのため、人柄や感情が相手に伝わりづらくなり、相手に好印象を持ってもらえることも難しくなります。
視覚情報が制限される
これまでの営業シーンを想像してみると、相手のオフィスへ訪問した際には、エントランスやオフィス、商談ルームの空気感、相手の温度感や名刺など、様々な要素から情報を得ることができていました。
しかし、オンラインだと情報を感じ取れるのは上半身と背景からだけになります。
温度感がなかなか伝わらない上に、話をはじめるきっかけとなる「オフィスがきれいですね」などの雑談の話題を見つけることも難しいため、話の盛り上がりにも欠けるでしょう。
また、オンラインでのコミュニケーションは話を聞いていて気が散りやすい、飽きてしまうなどの欠点もあります。
オンラインプレゼンのコツと作成までのステップ
オンラインプレゼンと、対面でのプレゼンの違いがわかったところで、オンラインプレゼンを成功させるためのコツと、準備する上で押さえておいてほしいポイントをご紹介していきます。
オンラインプレゼンにはそれを作る4つの要素があります。
その要素とは
1. 全体の構成、ストーリー
2. 資料
3. 機材や通信環境
4. 発表(話し方)
です。
それぞれの段階で押さえておきたいポイントや注意してほしいことを見ていきましょう。
Step1. ストーリーの全体構成を考える
まずは、そのプレゼンはどのようなストーリーで、どのようなゴールに向かうのかを決めましょう。
目的・ゴールがはっきりしないプレゼンは、聞き手の満足度や集中力を下げたり、理解を妨げたりします。
Step1_1. 聞き手に反応を求めるシーンを作る
次にその流れの中で、一方通行のプレゼンにならないよう、聞き手に質問するシーンを設けるなど、相手に反応を求める場面を作るようにしましょう。
最後にまとめて質問や感想を募ってもいいですが、聞き手の集中力を維持するという目的がある場合、セクションの間に都度、質問や感想を求めるといいでしょう。
その際、プレゼンの前に質問を募るタイミングをアナウンスしておくとスムーズに進みます。
Step1_2. スライド10枚程度でおさめられる長さに
プレゼンにPowerPointなどのスライド資料を用いる際は、10枚程度でおさめるのがおすすめです。
1つの話題や、1枚のスライドにつき、話す長さは5分程度でおさめるのがベターです。
先ほどもご紹介したように、オンラインプレゼンは対面でのプレゼンより聞き手が飽きてしまう、気が散ってしまうものですから、だらだらとプレゼンが続き相手が飽きてしまわないようにしましょう。
メリハリをつけるのが重要になります。
Step2. 資料作成
流れを決めたら資料の作成に入ります。
Step2_1. 1スライド1メッセージが基本
スライドを利用する場合、1スライドにつきメッセージは1つになるように気をつけましょう。
1つのスライドに伝えたいことを込めすぎると、その場面で何が言いたいのか聞き手に明確に伝えることが難しくなるためです。
これはオンラインプレゼンだけでなく、対面の場合のプレゼンでも使える基本の考え方です。
Step2_2. 印象に残るキーメッセージを
そのプレゼンのキャッチフレーズとなるような、キーメッセージがあると相手の印象に残るプレゼンになるでしょう。
キーメッセージは13字以内がおすすめです。
長すぎず、パッと覚えられるものにしてください。
また印象に残る資料を作る方法の1つとして、アニメーションなど動きのあるものを用い、視覚的に印象的な資料を作るのもおすすめです。
Step2_3. 資料内のグラフなどは大きめに
資料内の挿入資料やグラフは大きめに作成しましょう。
手元に資料があれば細かい部分まで確認できますが、オンラインプレゼンの場合、画面上で資料を見ることが多くなります。
その場合拡大ができず、図が小さすぎると細部まで見ないことがあるためです。
Step3. 機材や通信環境
資料の作成が終わったら次は、機材や通信環境の整備です。
準備したものがしっかり相手に届けられるように通信環境を整えましょう。
Step3_1. スムーズな通信ができるように準備を
まず忘れてはいけないのがWi-Fi環境の整備です。
回線に不具合が起こった場合、次に繋ぐことのできる予備の回線もあると安心です。
また、オンラインプレゼンの間はスムーズに通信するために、使用しないアプリなどは閉じておくようにしましょう。
PCへの負荷が高いアプリなどを開いたままだと、映像や音声の乱れの原因になることも考えられます。
Step3_2. 聞き手のミュート設定を忘れず
参加者が多い場合は特に、音声の不具合が起こらないよう聞き手のミュート設定を忘れないようにしてください。
ホスト側が聞き手の設定をミュートにしてもいいですが、あらかじめ発言しない時はミュートにするようにアナウンスをしておくことをおすすめします。
Step3_3. 5分前にはルームを立ち上げる
ミーティングルームの立ち上げは5分前に行うのがいいでしょう。
ぎりぎりに立ち上げると参加者は、時間通りにプレゼンが始まるのか不安を抱いてしまいます。
Step4. 発表
最後は、発表する際の注意点です。
Step4_1. 話すときはカメラ目線で
話すときはカメラ目線で、身振り手振りを交えながら発表してください。
オンラインプレゼンと対面のプレゼンの違いでも話した通り、オンラインプレゼンではなかなか感情や人柄が伝わりません。
少しオーバーだと思ってもそれがちょうどいいのです。
Step4_2. 聞き手にアクションを求める
プレゼン中は自分が話すことに一生懸命になってしまいがちですが、相手の集中力が切れないように質問をするなど、忘れずに相手に反応を求めましょう。
あまりにも人数が多く発言で反応をしてもらうのが難しい場合は、スタンプを押してもらうなど、チャットツールを活用するのも1つの方法です。
また都度、気になったことや質問をチャットに書き込んでもらってもいいでしょう。
その場合、話してはこまめにチャットに書き込みがないかチェックしてください。
オンラインでのプレゼン力向上につながるサービス・アプリ
最後に、オンラインでのプレゼン力向上におすすめのサービスやアプリをご紹介します。
1人でオンラインプレゼンの練習をしていても、技術の向上にやはり限界があるものです。
プロからのレクチャーを受けたり、印象に残りやすい資料を作るためにアプリを利用したり、便利なツールやサービスを取り入れ工夫をしましょう。
講座・研修編
1. アナウンサーが教えるプレゼンワークショップ 〜相手の心を動かす!〜(バヅクリ)
多くの遊び体験をプロデュースしてきたバヅクリ株式会社が運営する、チームビルディングサービスのバヅクリ。
200種類以上あるの講座の中には、オンラインプレゼンに役立つものも。
プレゼンのワークショップでは、伝えることのプロであるアナウンサーから、オンラインで相手に伝えることのコツ、発声法、表現方法などを学べます。
学んだことを踏まえ、ワークの最後には自己紹介を行います。
遊びをプロデュースしてきた同社のサービスらしく、随所にアソビの要素が入れ込まれているので、楽しみながら学ぶことができる講座になっています。
2. 初めてのオンラインプレゼンテーション研修(株式会社インソース)
講師派遣型の研修事業や、ビジネスパーソンの育成、事業の支援をするための様々な取り組みを行う株式会社インソースが運営している、オンラインプレゼンのための研修です。
この研修では、
- 自社の魅力を伝える方法
- お客さまのニーズの探り方
- 現場で使える商談トークのシナリオの作り方
の3つを学び、その後実際に、自社のサービス・商品について実際にセールストークの作成を行います。
ただオンラインでのプレゼン技術の向上だけでなく、受注率向上につながる情報収集の仕方など、直接成果に繋がる技術も学べます。
https://www.insource.co.jp/bup/bup-sales-presentation.html
アプリ編
3. SlideShare
SlideShare(スライドシェア)はスライド資料共有サイトで、全世界からプレゼン資料が投稿されています。
数多くの資料の中からプレゼン資料のお手本を探すことができ、無料で利用できるのも魅力です。
「人気」「ビジネス」「不動産」などのカテゴリ別で資料を探せ、内容からデザインまで勉強になることばかりです。
日本語の資料を探したい場合は、検索キーワードを日本語で打ち込んでください。
4. Googleスライド
Googleドライブの自動保存、共有、共同編集などの機能がそのまま使えるプレゼンテーション・アプリのGoogleスライド。
凝ったデザインの資料作成には向かないかもしれませんが、資料を取り込んでオンラインで共有したり、メンバーと共同編集したりする際には便利なアプリです。
スマートフォンや、タブレットからの利用も可能。
無料で利用できます。
https://www.google.com/intl/ja_jp/slides/about/
5. Prize NEXT
アニメーションのような動きのあるプレゼン資料を作りたいならPrize NEXTがおすすめ。
従来の紙芝居型のプレゼンテーションツールではなく、全体図から1つ1つのトピックを深掘りしてくような動線で、質疑応答の際に該当のページを探し出しやすいというメリットも。
またビデオオンにすることで、資料の中に自分の顔を映し出しプレゼンすることも可能です。
まとめ
オンラインプレゼンは、思っているよりも感情や伝えたいことが伝わりづらいと考えましょう。
そのため、
- 印象に残る資料作り
- メリハリのあるプレゼンを心がけだらだら話を続けない
- 身振り手振りを用いて話す
- 相手に反応を求める場面を作る
- プロの指導や、ツールを利用する
などの点に注意たり、取り入れてみてください。
オンラインプレゼンでも工夫をすれば、対面の際と同様に、場合によってはそれ以上に、相手に伝えたいことを伝えられるようになるでしょう。