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目次
そもそも心理的安全性とは?
そもそも、心理的安全性とは何を指すのでしょうか?
心理的安全性の意味や、注目されるようになった背景をご紹介していきます。
心理的安全性が注目されている背景
心理的安全性とは、1999年ハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授により提唱された概念です。
元は「サイコロジカル・セーフティ(psychological safety)」という言葉で、日本で翻訳された際、「心理的安全性」と言われるようになりました。
この言葉が注目されるようになったのは、2012〜2015年の間グーグル社が行った「プロジェクトアリストテレス」というプロジェクトの結果報告によって。
このプロジェクトで生産性の高いチームに必要な要素や、作り方を調べていたグーグル社が「心理的安全性が組織の生産性を向上させることに繋がる」と発表しました。
心理的安全性とは、他者からの反応に怯えたり、羞恥心を感じたりすることなく、自然体の自分をさらけ出すことができる状態のことを指します。
あの行動がチームの心理的安全性を低くしている?
心理的安全性は「不安」によって低下するとされ、
- 無知と思われる不安
- 無能と思われる不安
- 邪魔をしているのではないかという不安
- ネガティブと思われるのではないかという不安
という4つの不安で脅かされるとエドモンドソン教授は提唱しています。
心理的安全性を低下させる具体的な行動は
- 上司が部下のことを尊重しない
- メンバーの発言を真摯に聞こうとしない
- チーム編成がうまくできていない
- 質問をしたり、失敗をしたらバカにされる、怒られる
などが挙げられます。
あなたの行動がチームメンバーの心理的安全性を低下させていないか振り返ってみましょう。
そのようなつもりがなくとも、チームメンバーを不安にさせる行動や発言をしている可能性もあります。
心理的安全性が低いとパフォーマンスが低下する
コロナ渦によるリモートワークが増えたことでコミュニケーション量が減少し、上司や同僚に不安を感じる、つまり心理的安全性が低い状態の会社員が多い中、2023年5月からは出社に切り替わった企業も多いかと思います。
しかし、対面の業務になったからと言って、すぐに心理的安全性が高まるというよう単純な問題ではありません。
心理的安全性が低いとパフォーマンスにどの程度影響を及ぼすのか、また不安が解消されることでどのような効果が期待されるかについて検証しました。
調査結果は下記からダウンロードできますので、心理的安全性向上の施策にぜひお役立てください。
心理的安全性が高いことによるチームへのメリット
注目されている心理的安全性という言葉ですが、一体、心理的安全性が高いことによってどのようなメリットを受けられるのか見ていきましょう。
心理的安全性が高い=自然体の自分をさらけ出すことのできる環境にあるのは、以下のようなメリットです。
メンバーの生産性が向上する
グーグル社の研究結果でも発表された通り、メンバーの生産性が向上します。
人間関係に無駄な緊張感がなくリラックスして業務に取り組め、質問することや助けを求めることもしやすくなるためです。
心理的安全性の低い環境では、失敗をしたりトラブルを起こしたりした場合、そのことによって「怒られるのではないか」「無能と思われるのではないか」という不安が起こり、その事象を隠そうとします。
問題の早期発見を行うためにも、チーム内の心理的安全性を高めておく必要があります。
メンバーのチームへの定着率が高まる
困った時に助けを求めやすい職場や、協力するカルチャーがある職場は、メンバーは働きやすいという印象を持ちます。
その印象によりチームへのエンゲージメント(愛着・帰属意識など)がアップし、離職率の低下、チームへの定着率の上昇に繋がります。
チームへのエンゲージメントが高まるということは、仕事への積極性も向上するでしょう。
エンゲージメントとは?詳しくはこちら
新しいアイディアやチームの改善が生まれやすくなる
ありのままの姿を見せることができ、何を言ってもメンバーは受け止めてくれると思える、心理的安全性の高いチームでは、発言することへのハードルが下がりアイディアの交換が盛んになります。
また、心理的安全性の高い環境はコミュニケーションが生まれやすく、何気ない会話からイノベーションが起こることもあるでしょう。
心理的安全性を高めることで、重要な意見を得るための機会損失を防ぐことができるのです。
盛んな意見・情報の交換や、イノベーションの発生はチームの生産性の向上や、発展を加速させます。
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チームの心理的安全性を測る方法
多くのメリットが得られることが分かった心理的安全性の高い環境ですが、今の自分のチームは、心理的安全性が高いのか低いのか気になってくるものです。
そこで、チームの心理的安全性を測る方法をご紹介します。
心理的安全性を測る方法として、エドモンドソン教授が設けた以下の7つの質問に答えてみてください。
エイミー・エドモンドソン氏の7つの質問
- チーム内でミスを起こすと、よく批判をされる
- チームのメンバー内で、課題やネガティブなことを言い合うことができる
- チーム内のメンバーは、異質なものを受け入れない傾向にある
- チームに対して、リスクが考えられるアクションを取っても安心感がある
- チーム内のメンバーにヘルプを出しづらい
- チーム内で自分を騙すようなメンバーはいない
- 現在のチームで業務を進める際、自分のスキルが発揮されていると感じる
質問番号 | 答えが「はい」の場合 | 答えが「いいえ」の場合 |
1, 3, 5, | 心理的安全性が低い | 心理的安全性が高い |
2,4,6,7 | 心理的安全性が高い | 心理的安全性が低い |
ポジティブな回答が多いほど、心理的安全性は高いと言えます。
チームの心理的安全性を高めるには?
続いて、心理的安全性はどのように高めることができるのか、その方法をご紹介します。
今すぐ取り入れられる簡単なものばかりです。
心理的安全性を成り立たせる要素は
- 話しやすさ
- 助け合い
- 挑戦
- 新奇歓迎
の4つであると言われており、その中でも最も重要で、その他の3つの要素の土台になると言われているのが「話しやすさ」です。
「話しやすさ」があってこそ、「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」の文化がチームの中で生まれます。
話しやすさを高めるための具体的な施策とは
それでは、心理的安全性を作り上げる上で1番大切な「話しやすさ」は、どのように作りだせばいいのかをご紹介していきます。
今日からぜひ実践してみてください。
メンバーの話を自ら聞く姿勢を示す
リーダーはもちろん、メンバーの1人1人が、発言者の話を真摯に聞く姿勢を示しましょう。
誰も話を聞いてくれないような環境や、発言を頭ごなしに否定されるような環境では、誰も自然体の自分をさらけ出し本音で話をする気になりません。
相手に話を聞いていることを伝えるための聞き手の動作は、
- 体を相手の方に向ける
- 相手を見る
- 相槌を打つ
など、基本的なことですが、意外とできていないことも多いものです。
少しの動作で話を聞いていることを相手に伝えチームの心理的安全性を高めることができる一方で、相手の方を向いていないなど些細なことでも心理的安全性を低下させている可能性があるのです。
発言する機会を均等に与える
リーダーや司会者は、発言する機会を均等に与えるように注意してください。
1部の人だけ発言をしたり、議論を行なったりしていると、その他の人が当事者意識を持ちにくくなります。
また、それが続くと「自分の意見は求められていない」「チームに必要とされていない存在だ」というように感じることもあるでしょう。
疎外感を覚えたメンバーは、自然体の自分で本音を話すことをしなくなります。
心理的安全性が高い環境だとしても、自ら発言をするのは苦手だというメンバーもいるでしょう。
司会者が1人ずつ意見を求めたり、順番に意見を言ったりするなど1人1度は発言の機会を与えるようにするといいでしょう。
メンバーみんなで話し合いを行なっているという空気感ができます。
上司が部下を尊重する
上司は威圧的な態度を取るのではなく、部下を尊重するようにしましょう。
自分と異なる意見が出た場合も、否定をしたり、抑制しようとしたり、話を聞かなかったりしてはいけません。
もし、そのような態度を上司が取った場合、部下は本音で話すことやアイディアを共有することを億劫に思うようになります。
部下は自分や現場の意見が尊重されたり、アイディアを取り入れてくれる環境だと、さらにチームに貢献しようとする意識や、アイディア・意見を発信しようとする意識を持つになるでしょう。
メンバー発言・行動に対してポジティブな反応を示す
メンバーの発言や行動に否定から入るのではなく、ポジティブな反応を示すことが大切です。
まずは、どのような発言でも一度受け止めてみてください。
しかし、その発言や行動がチームに不安を与えたり、建設的ではないと感じたりする場合は異論を唱えることも必要となります。
反対意見を伝える場合も発言を受けいきなり「でも」「間違っている」と否定から入るのではなく、「なるほど」「○○という部分がよかった」「自分にはない考え方だった」などとワンクッション置くだけで、議論の雰囲気や質が変わってきます。
チームの編成自体を見直す
チーム内の話しやすさを求めた際、時には、チームの編成自体を見直す必要もあるでしょう。
年齢・性別・その人のバックボーンなど、様々な要素から1番生産性の高いメンバーの組み合わせを選ぶようにしましょう。
そのためには、メンバー1人1人のパーソナリティーをしっかり把握することが求められます。
普段のコミュニケーションも重要になってくるのはもちろん、研修やゲームを通し相互理解を深めていくのも1つの方法です。
相互理解を深め、心理的安全性を向上させるゲームや研修についてはこちら
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心理的安全性を高める際に注意したいこと
「話しやすさ」を得ることを目的とした、心理的安全性を高めるための方法をご紹介しましたが、心理的安全性の高いチームは、ただ仲がいいチームという訳ではありません。
メンバーが安心して自然体の自分をさらけ出していて、信頼関係や相互理解があるからこそ異論も唱えられるのが、心理的安全性の高いチームです。
「相手を否定しない」「一度は意見を受け止める」ということは、「異論を唱えない」「議論をしない」ということではありません。
心理的安全性の高いチームを目指していたのに、馴れ合いの関係になってしまっていたということにならないよう注意してください。
まとめ
生産性の高いチームを構築していくためには必要不可欠な要素と言っても過言ではない「心理的安全性」。
心理的安全性を構築するため1番重要な土台となる要素の「話しやすさ」のあるチームをまずは目指しましょう。
そのために行うことは、決して難しいことではなく今すぐにでも取り入れられることばかりです。
ぜひできることを今日からチャレンジしてみてください。
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