「研修を実施しているのに、ハラスメントがなくならない」
「相談窓口を設置したものの、ほとんど利用されていない」
「管理職が何をハラスメントと判断すべきか迷っている」
こうした悩みを抱える人事担当者や経営者の方は多いのではないでしょうか。
厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」によると、95.2%もの企業がパワハラ対策を「実施している」と回答。
それにもかかわらず、過去3年間にパワハラを受けた労働者は19.3%、つまり約5人中1人にのぼります。
さらに、対策を進める企業の59.6%が「ハラスメントかどうかの判断が難しい」と回答しており、労働者側も「被害を受けたが何もしなかった」と答えた人が36.9%にのぼるなど、相談体制が十分に機能していない実態が浮き彫りになっています。
本記事では、こうした「形だけの対策」から脱却し、本当に効果のあるハラスメント対策を実現する方法を解説します。
【2025年最新】ハラスメント対策に関する法律と最新動向

ハラスメント対策について解説する前に、ここでは現在義務化されている法律と、2025年から2026年にかけての最新の法改正動向を整理します。
現在義務化されている法律
労働施策総合推進法(パワハラ防止法)
労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)2020年6月に大企業で施行され、2022年4月からは中小企業も義務化の対象となりました。
職場におけるパワーハラスメント防止のため、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主に義務づけられており、具体的には「方針の明確化」「相談体制の整備」「事後の迅速な対応」などが求められます。
男女雇用機会均等法
男女雇用機会均等法では、事業主に対してセクシュアルハラスメントとマタニティハラスメントの防止措置を義務づけています。
性的な言動により就業環境を害することや、妊娠・出産を理由とした不利益取扱いを禁止しており、企業は相談窓口の設置や再発防止策などの対応が必要です。
育児・介護休業法
育児・介護休業法ではマタニティハラスメントに加え、パタニティハラスメント(男性の育休取得への嫌がらせ)とケアハラスメント(介護休業取得への嫌がらせ)の防止措置が義務化されています。
育児や介護のための休業取得を理由とした不利益取扱いを禁止し、職場環境の整備を求めています。
2025年〜2026年の法改正動向
ハラスメント対策をめぐる法整備はこの1〜2年で大きく前進しています。
厚生労働省によれば、いわゆるカスタマーハラスメント(カスハラ)や求職者等へのセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)など、「ハラスメントのない職場づくり」を目的として労働施策総合推進法等の改正法(令和7年法律第63号)が2025年6月11日に公布されました。
施行時期は、原則として公布から1年6か月以内に政令で定める日とされており、一部規定は2026年4月1日施行予定です。
企業側は、今後示される省令・指針の改正内容も踏まえながら、カスハラや採用場面を含むハラスメント対応の体制整備を早めに進めることが重要になります。
また自治体レベルでも先行的な動きがあり、東京都では2025年4月1日から「東京都カスタマーハラスメント防止条例」が施行されています。
条例では、カスハラを「就業環境を害する著しい迷惑行為」と位置づけるとともに、事業者に対して手引作成等の必要な措置に努めることを求めています。
違反した場合のリスク
これらのハラスメント防止措置を怠った企業には、厚生労働大臣による助言・指導・勧告が行われます。
勧告に従わない場合は企業名が公表されるという厳しいペナルティがあり、2024年までに42社が実際に公表されました。
企業名公表は採用活動や取引先との関係にも影響を及ぼす可能性があり、企業の社会的信用を大きく損なうリスクもあります。
法律で義務化されている4つの対策

厚生労働省は、事業主が必ず実施しなければならない4つの対策を明確に定めています。
ここでは法令に基づき、事業主が必ず実施しなければならないハラスメント対策を解説します。
対策1:方針の明確化と周知・啓発
まず、企業としてハラスメントを許さない明確な方針を示す必要があります。
どのような行為がハラスメントに該当するのかを定義し、「職場においてハラスメントがあってはならない」ということを明言します。
またハラスメント行為者に対してどのような処分を行うのか、その方針と内容を就業規則等に規定しておくことが求められます。
これらの方針は、経営層や管理職だけが知っていれば良いというものではありません。
社内ポータルサイトへの掲載・全社会議での説明・ポスターの掲示などを通じて、管理・監督者を含むすべての労働者に周知・啓発することが義務となっています。
対策2:相談体制の整備
相談窓口をあらかじめ定め、その窓口の連絡先や相談方法を社内で周知します。
相談窓口では、担当者が相談内容に対して適切に対応できるよう、傾聴のスキルやプライバシー保護の重要性、事実確認のやり方など、必要に応じて研修や情報提供を行なってください。
相談窓口はハラスメントが実際に発生した場合だけでなく、発生のおそれがある段階や、「これはハラスメントに当たるのだろうか」といったグレーゾーンの相談にも広く対応することが重要です。
早期の相談を促し、問題の深刻化を防ぎましょう。
対策3:発生時の迅速かつ適切な対応
ハラスメントの相談や報告があった場合、事業主は迅速かつ正確に事実関係を確認することが求められます。
相談者と行為者の双方から丁寧に聞き取りを行い、必要に応じて第三者にもヒアリングを実施します。
事実関係の確認後は、被害者と行為者に対して適正な措置を実施します。
被害者に対しては、被害者と行為者を引き離すための配置転換、被害者の心身のケア、労働条件上の不利益を回復するための措置など、行為者には就業規則に基づいた懲戒処分や、配置転換、ハラスメント防止研修の受講などを行いましょう。
そして、同様の問題が再び発生しないよう、再発防止に向けた措置を講じることも義務となっています。
職場環境の改善や研修の実施など、再発防止の取り組みを進めましょう。
対策4:プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
ハラスメントの相談者や行為者、さらには事実確認に協力した関係者のプライバシーを保護するための措置を講じましょう。
また、ハラスメントの相談をしたことや、事実確認への協力が理由で解雇や降格・減給などの不利益な取扱いをすることは禁止されています。
「相談したことが周囲に知られてしまうのではないか」「自分の不利益になるのではないか」という不安は、問題解決のハードルを上げてしまう原因となります。
就業規則にはハラスメント相談や事実確認の際は「秘密保持を徹底すること」と「不利益な取り扱いをしないこと」を明記し、全労働者に周知・啓発しましょう。
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「義務」だけでは不十分?厚労省が推奨する「望ましい取組」

法律で義務化されている4つの対策を実施することは最低限必要ですが、それだけでは十分とは言えません。
ここでは義務ではないものの、厚生労働省が積極的に実施するよう推奨している「望ましい取組」を紹介します。
各種ハラスメント(パワハラ・セクハラ・マタハラ等)の相談を一元的に受け付ける体制整備
パワハラ・セクハラ・マタハラなど、ハラスメントの種類ごとに別々の窓口を設けるのではなく、一つの窓口ですべてのハラスメント相談に対応できる体制を整えましょう。
相談者が「どの窓口に相談すべきか」迷う必要がなくなり、相談のハードルが下がるほか、
複数のハラスメントが重なって発生しているケースに包括的に対応できるというメリットがあります。
コミュニケーション活性化のための定期的な面談・ミーティングの実施
上司と部下の日常的なコミュニケーション不足は、ハラスメントを生む原因となります。
定期的な1on1ミーティングやチームでの振り返りの場を設け、小さな違和感や悩みを早期にキャッチしましょう。
「最近、業務で困っていることはないか」「チーム内の人間関係で気になることはあるか」といった問いかけが、ハラスメントを未然に防ぐことにつながります。
感情コントロールやコミュニケーションスキルアップに関する研修の実施
ハラスメントの多くは、感情的になった際の不適切な言動から発生します。
特に管理職には、部下を適切に指導する技術を身につけてもらうことが重要です。
アンガーマネジメント(怒りをコントロールする技術)研修やアサーティブコミュニケーション(相手を尊重しながら自分の意見を伝える技術)研修などを実施し、管理職や従業員のコミュニケーション能力を高めましょう。
過剰な長時間労働の是正
長時間労働が常態化している職場では、従業員もストレスがたまりやすく、感情的な言動やハラスメントが発生しやすくなります。
業務の見直しや人員配置の適正化を通じて、長時間労働を是正し、ハラスメント予防につなげましょう。
制度等(育児休業等)の周知徹底
育児休業や介護休業などの制度が従業員に十分に理解されていないと、「育休を取ると迷惑がかかる」「男性が育休なんて取れない」などの誤った認識が広がり、マタハラやパタハラにつながりやすくなります。
制度の内容と取得方法を定期的に周知するだけでなく、実際に取得した事例を社内で共有し、利用しやすい雰囲気を醸成しましょう。
他社の労働者や求職者からのハラスメントにも配慮した対応
自社の従業員だけでなく、取引先の担当者や求職者に対しても、ハラスメントが発生しないよう配慮することが推奨されています。
たとえば、採用面接での不適切な質問を防ぐためのマニュアル整備や、取引先とのやり取りにおけるルール設定など、ハラスメントを起こさないための対策を実施しましょう。
【実践編】形骸化させないハラスメント対策7ステップ

ここでは、形骸化させないハラスメント対策を社内で進める際の具体的なステップを解説します。
Step1:トップメッセージの発信
ハラスメント対策は、経営トップのコミットメントがないと形骸化してしまいます。
まずは経営トップが「ハラスメントを許さない」方針を明確に宣言しましょう。
宣言する際には「なぜハラスメント対策が必要なのか」「どのような職場を目指すのか」といった経営者の想いを伝えると、従業員の意識も変わります。
社内報や全社会議、メールなどを通じて、経営トップのメッセージを全従業員に届けましょう。
Step2:就業規則・社内規程の整備
就業規則や社内規程に、どのような行為がハラスメントに該当するのか定義を示し、禁止事項として明記しましょう。
さらに、ハラスメント行為を行った者に対する懲戒処分の内容も具体的に規定します。
訓告、減給、降格、懲戒解雇など、行為の程度に応じた処分を定めておくことで、抑止力が働きます。
Step3:相談窓口の設置と周知
次に相談窓口を設置しましょう。
相談窓口は、人事部門やコンプライアンス部門などが担当する社内窓口と、弁護士や社会保険労務士、専門機関などに相談できる外部窓口の併設が望ましいとされています。
相談方法も、電話、メール、対面、オンラインなど複数用意することで、相談しやすい環境を作りましょう。
厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」によると、約7割以上の企業が相談窓口を設置しており、ハラスメント対策として最も多く実施されています。
窓口担当者には、相談対応のスキルやプライバシー保護の重要性について、定期的に教育を行うことも忘れてはいけません。
Step4:管理職・全社員向け研修の実施
厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」では、研修の実施は約6割以上の企業が行なっている一般的なハラスメント対策です。
管理職には「指導とパワハラの境界線」「適切なマネジメント手法」を学んでもらい、全社員向けには「ハラスメントの種類」「相談窓口の利用方法」「被害を受けたときの対応」を伝えるなど、階層別に研修を設計するとより効果的です。
また、単に知識を伝えるだけの座学ではなく、実際に発生し得るグレーゾーン事例を用いたディスカッションやロールプレイを取り入れるのもおすすめです。
Step5:実態把握のためのアンケート調査
職場の実態を正確に把握するため、ハラスメントに関する無記名アンケートを定期的に実施しましょう。
年1回程度の頻度で、ハラスメントの有無、職場環境、相談窓口の認知度などを調査します。
「過去1年間にハラスメントを見聞きしたことがあるか」「相談窓口の存在を知っているか」「職場のコミュニケーションは円滑か」といった質問を通じて、潜在的な問題を探り、改善につなげましょう。
Step6:発生時の対応フローの整備
実際にハラスメントが発生した場合の対応手順を、あらかじめ明文化しておくことが重要です。
相談受付から事実確認・被害者への対応・行為者への対応・再発防止まで、一連の流れを明確にしておきましょう。
対応フローは関係部署で共有し、実際に発生した際にスムーズに動けるよう、定期的にシミュレーションを行うことも重要です。
また実際にハラスメント相談があった際には、関係者のプライバシー保護を徹底するように周知しましょう。
Step7:効果検証と継続的改善
ハラスメント対策は一度実施すれば終わりというものではなく、継続的に取り組む必要のある施策です。
相談件数の推移やアンケート結果を定期的に分析し、施策の効果を検証しましょう。
たとえば「研修後に相談件数が増えた」という場合、これは必ずしも悪い兆候ではなく、むしろ従業員の意識が高まり、相談しやすい環境ができつつあるとも考えられます。
一方で「相談件数がゼロ」という状態の場合は、本当にハラスメントがないのか、それとも相談しにくい雰囲気があるのか、慎重な見極めが必要です。
PDCAサイクルを回して改善を続け、形骸化しないハラスメント対策を行いましょう。
【種類別】押さえておくべき対策ポイント

ハラスメントの種類によって、押さえておくべきポイントは異なります。
ここでは主要なハラスメントごとに、注意すべき対策のポイントを解説します。
パワハラ対策のポイント
パワハラには6つの類型(身体的攻撃、精神的攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害)があります。
これらの類型を具体例とともに社内で周知し、「どのような行為がパワハラに該当するのか」を共通認識として持ってもらいましょう。
また管理職向けには「指導とパワハラの境界線」を理解してもらう研修が必須です。
業務上必要な指導とパワハラの違いは「指導の目的が正当か」「方法が相当な範囲内か」「人格を否定していないか」とされています。
ケーススタディを行いながら適切な指導方法を学んでもらいましょう。
セクハラ対策のポイント
セクハラには、性的な言動への対応により不利益を受ける「対価型」と、性的な言動により就業環境が害される「環境型」があることを周知し、どちらもセクハラに該当することを明確に伝えましょう。
また、セクハラは異性間だけでなく、同性間やLGBTQへの言動も対象になることを伝え、多様な性のあり方を尊重する職場づくりを推進しましょう。
カスハラ対策のポイント(法改正により義務化に向けた整備が進行)
カスタマーハラスメント(カスハラ)については、2025年6月11日に公布された労働施策総合推進法等の改正により、事業主による防止措置の整備が進められています。
施行時期は政令で定める日とされており、今後はカスハラ対策も企業にとって重要なコンプライアンス課題となる見込みです。
まず重要なのは、「どのような行為をカスハラと判断するのか」を社内で明確にすることです。
厚生労働省が公表している「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」などを参考に、暴言・威嚇・過度な要求・長時間拘束といった行為を具体的に定義し、対応方針を整理しましょう。
また、現場の従業員が一人で対応を抱え込まないよう、複数名対応のルール化やエスカレーションフローの整備が重要です。
加えて、カスハラ被害を受けた従業員に対するメンタルヘルスケアや、産業医・外部相談窓口との連携体制を整えておくことも、実効性のある対策につながります。
就活ハラスメント対策のポイント(法改正を踏まえた対応強化が必要)
採用活動におけるハラスメントについても、2025年6月に公布された改正法により、求職者等へのセクシュアルハラスメント防止に向けた事業主の対応が明確化されました。
今後は、従業員だけでなく、就職活動中の学生や求職者も保護される対象であることを前提に、採用プロセス全体を見直す必要があります。
厚生労働省が公表している「就活ハラスメント防止対策企業事例集」を参考に、自社に合った対策を検討してください。
たとえば、ハラスメント防止のために採用担当者は可能な限り2名以上で対応し、密室での面接を避けることが推奨されています。
また、求職者向けの相談窓口を設置し、その連絡先を採用ページなどで公開しておくことも有効です。
社内向けの啓発では、トップメッセージや研修を通じて、就活生も保護されるべき対象であることを伝えましょう。
多くの企業が悩む「ハラスメント対策の課題」と解決のヒント

ここでは厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」のデータをもとに、ハラスメント対策を進める中で多くの企業が共通して直面する主な課題と解決のヒントを紹介します。

課題1:「ハラスメントかどうかの判断が難しい」(59.6%)
ハラスメント相談はグレーゾーンの事例が多く、担当者が判断に迷うケースが少なくありません。
「ハラスメントかどうかの判断が難しい」は、ハラスメント対策を進める企業が最も多く挙げる課題となっています。
解決策:グレーゾーン事例を用いたケーススタディ研修の実施
「これはハラスメントか、それとも適切な指導か」といった微妙なケースを題材に、参加者同士でディスカッションする研修を実施しましょう。
正解が一つではないケースについて複数の視点から考えることで、判断力が養われます。
解決策:判断基準を明文化したガイドラインの作成
ハラスメントの裁判例や過去の相談事例を参考に、ハラスメント判断ガイドラインを作成しましょう。
「このような場合はハラスメントに該当する可能性が高い」といった基準を示すことで、担当者の判断をサポートできます。
課題2:「管理職の意識が低い/理解不足」(23.8%)
管理職の意識が低いと、部下からの相談を軽視したり、自身がハラスメント行為者になったりするリスクがあります。
解決策:管理職向け研修の定期実施
管理職向けの研修を年1回以上の頻度で実施し、指導とパワハラの境界線や適切なマネジメント手法を学んでもらいましょう。
新任管理職には必ず受講してもらうルールを設けるのも有効です。
解決策:評価項目に「ハラスメント防止への取組」を組み込む
管理職の人事評価項目に、「ハラスメント防止への取り組み」や「部下とのコミュニケーション」を加えることで、意識を高めることができます。
評価と連動させて、管理職の行動変容を促しましょう。
課題3:「発生状況を把握することが困難」(23.8%)
ハラスメントは表面化しにくい上に、置かれた立場によって感じ方が異なるため、実際に何が起きているのか把握しづらいという課題があります。
解決策:無記名アンケートの定期実施
無記名のアンケート調査を定期的に実施すると、潜在的なハラスメントを発見しやすくなります。
アンケートは匿名性を確保し、従業員が本音で回答しやすいようにしましょう。
解決策:外部相談窓口の活用
「社内の窓口には相談しにくい」という従業員が多い場合は、外部の専門機関に相談窓口を委託することで、相談のハードルを下げられます。
外部窓口で受けた相談は、個人情報に配慮しながら社内にフィードバックしてもらう仕組みを作りましょう。
課題4:「相談窓口が利用されない」
相談窓口を設置したものの、ほとんど利用されていないという企業は少なくありません。
ここでは相談者を増やす取り組みとして有効なものを紹介します。
解決策:窓口の存在を定期的に周知
窓口の設置を一度告知しただけでは、時間の経過とともに忘れられてしまいがちです。
定期的に、社内メールやポータルサイト・ポスター掲示などで窓口の存在を周知し続けましょう。
解決策:相談しても不利益にならないことを明確に伝える
「相談したら評価が下がるのではないか」「報復されるのではないか」という不安で相談できないという人もいます。
就業規則やトップメッセージで、相談者に不利益を与えないことを明確に伝え、安心して相談できる環境を作りましょう。
解決策:相談方法を複数用意(対面・電話・メール・オンライン)
対面での相談に抵抗がある人のために、電話、メール、オンラインフォームなど、複数の相談方法を用意しましょう。
ハラスメント対策の効果|取り組むメリットとは

ハラスメント対策は、法令遵守やリスク回避のためだけに行うものではなく、適切に取り組めば企業にとって多くのメリットがあることが明らかになっています。
ここでは厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」のデータに基づき、ハラスメント対策のメリットを解説します。
ハラスメント対策を進めることによる副次的効果
ハラスメント対策を進めたことで企業が感じた副次的効果として「職場のコミュニケーションが活性化する/風通しが良くなる」(39.1%)が最も多く、次に「会社への信頼感が高まる」(34.7%)が続きました。
このように、ハラスメント対策はハラスメントの予防・対策以外にも、職場環境や会社との信頼関係が高まる効果があります。
また、勤務先がハラスメント対策に「積極的に取り組んでいる」「取り組んでいる」と回答した人は、「職場の生産性や働きやすさが改善されている」と回答した割合も顕著に高くなりました。
従業員も、ハラスメント対策が職場環境の改善に役立っていることを実感している人が多いようです。
つまり、ハラスメント対策は単なるリスク管理にとどまらず、組織全体のパフォーマンスを高めるための重要な経営施策の一つと言えるでしょう。
まとめ
ハラスメント対策は形だけの研修や利用されない相談窓口だけでは効果は期待できません。
さらに、2025年から2026年にかけて、カスタマーハラスメントや就活ハラスメントについても、防止措置の整備が進められており、企業には施行を見据えた早めの準備が求められます。
法律で義務化されている4つの対策(方針の明確化、相談体制の整備、発生時の対応、プライバシー保護)を確実に実施するほか、厚生労働省が推奨する「望ましい取組」にも積極的に取り組みましょう。
ハラスメント対策を進めることで、職場のコミュニケーションが活性化したり、会社への信頼感が高まったりといった副次的効果も期待できます。
これらのメリットを実感するためにも、対策を形骸化させず、PDCAサイクルで継続的に改善していくことがハラスメント対策のポイントです。
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診断結果をもとに、優先すべき対策が明確になります。
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