リモートワークが一般的なものとなる一方で、「仕事とプライベートの境目がなくなる」「社内のコミュニケーションが希薄になる」など、メンタル面の課題を抱える社員が増えています。
社員のストレスケアを含むメンタルヘルスマネジメント(心の健康管理)について、どのようにストレス状況を把握して改善施策に取り組むべきか、悩む人も多いのではないでしょうか。

本記事ではリモートワーク下におけるストレスチェックの方法やストレスケアの方法、またいきいきとした職場づくりを行うための知識を学べるメンタルヘルスマネジメント検定について解説します。

メンタルヘルスマネジメントとメンタルマネジメント

メンタルヘルスマネジメントを行なっている組織

ここではメンタルヘルスマネジメントとメンタルマネジメントの違いについて解説します。

メンタルヘルスマネジメントとは

メンタルヘルスマネジメントとは、働く人のメンタルがマイナス方向に進まないように職場環境の改善やストレス緩和施策を行うなど、心の健康面におけるサポートを行うことです。

メンタルヘルスマネジメントの目的は、労働者が仕事で自身の能力を発揮できるような活気のある職場にすることにあります。
メンタルヘルスマネジメントは経営陣や人事部門が主体となって行われます。

メンタルマネジメントとは

メンタルヘルスマネジメントとは、モチベーションを維持するための自己コントロールや自己管理のことです。
トップアスリートや各分野の第一線で活躍する人たちなど、高いモチベーションを維持する必要がある人たちにとって、メンタルマネジメントは必要不可欠なものとなっています。

メンタルマネジメントによってモチベーションをよりポジティブな方向へ導くことで、自分のポテンシャルを最大限に発揮できます。

メンタルヘルスマネジメントとメンタルマネジメントの違い

メンタルマネジメントは自らのパフォーマンスを最大に引き上げるという目的があります。
一方でメンタルヘルスマネジメントは、労働者のメンタルがマイナス方向に向かないようにするという目的を重視して心のサポートを行います。

ストレスチェックの方法

ストレスチェックを実施する組織

働く人のストレス状況を把握するには、いくつかの方法があります。
ここではストレスを感じやすい人や組織の特徴、ストレスチェックにおすすめのサービスを紹介します。

ストレスを感じやすい人や組織の特徴

ストレスチェックの方法を確認する前に、ストレスを感じやすい人や組織について解説します。

1. 完璧主義

「会議に使う資料の細かい部分まできちんと整えないと気が済まない」「仕事の進捗が想定よりも良くなく、苛立ちを覚える」など、自分が思う理想に対して現実が追いついていないことにフラストレーションを感じる人がいます。
そのような完璧主義の人は、他者の仕事のやり方や自分自身の仕事ぶりに対してストレスを抱えやすくなります。

2. 責任感が強い

周囲からの期待に対して「自分がなんとかしなければ」と考えたり、何か失敗やミスがあったときに「自分のせいだ」と考えるような責任感の強い人も、仕事のプレッシャーからストレスを感じやすくなる傾向があります。

3. 心配性

心配性で周囲の目線が気になる人は、他者からの評価に対して過度に反応してしまう傾向があり、仕事でストレスを抱えがちです。

4. 断ることが苦手

断ることが苦手な人も、「自分のキャパシティ以上の仕事を引き受けてしまう」「気乗りしない飲み会に参加し続ける」といった状況に陥りやすく、仕事量や職場の人間関係においてストレスを生みやすい傾向にあります。

5. 組織としての理念や方向性がない

社員間で組織の理念や方向性が共有されていない組織では、上司や経営陣の言葉に一貫性がなくその場の意見に振り回されるなど、コミュニケーションの不和が起きやすいです。
そのため組織全体がストレスフルな環境になりやすくなります。

6. 仕事量が多い

仕事量や仕事の性質が、本人の力量に対して見合っていないものが多くなると、ストレスの多い環境になりやすいです。

7. 社内環境が悪い

インターネット環境が悪い、椅子などが自分の体に合わない、騒音でうるさいなど、オフィス環境が整っておらず仕事に集中できない場合、働いている人のストレスは溜まりやすくなります。

8. 役職ごとの責任や役割が示されていない

役職ごとの責任や役割が明確に示されておらず、トラブルやミスが生じた際に誰が責任を持つのかが不明な職場の場合、働く人は萎縮してしまい、業務でストレスを感じやすくなります。

9. 職員間のトラブルを上司が調整しない

職員間のトラブルを解決するのは上司の仕事の一部です。
上司がトラブル解決の対応を怠っていると、部下は上司を信頼できなくなり、自分の中に不満を溜め込んでしまうためストレスを感じやすくなります。

ストレス状況をどのようにチェックしていくべきか

社員のストレス状況を把握するには、定期的なコミュニケーションやヒアリングが重要です。
ここでは社員のストレスチェックの方法を紹介します。

1on1

1on1とは、上司と部下が1対1で行う定期的な面談のことです。
上司は部下の話を聞いて適切なフィードバックを行うとともに、本人の仕事の悩みやストレスの状況を聞き出します。

アンケート

「上司に直接自分のストレスについて話すのが難しい」という社員も多くいます。
そのような場合は、ストレスチェックのための調査シートやアンケートなどを導入し、悩みを打ち明けやすい環境を用意しましょう。

ストレスチェックサービスの導入

「1on1でどのように部下のストレス状況を引き出したらいいのか分からない」
「質問項目の企画が難しい」
など、社内のリソースだけでストレス状況の把握を行うのが難しい場合は、ストレスチェックサービスを利用するのも一つの手です。
ストレスチェックサービスには、ストレスチェックアンケートの自動集計や未受験者への催促メールなど、ストレスチェック実施の負担をサポートする機能が多くあります。

またストレスチェック実施後は、産業医との連携や判定基準の選定、高ストレス者への対応など、さまざまなことを行う必要があります。
ストレスチェックサービスを利用することで、上記のような複雑な業務も円滑に行うことが可能です。

おすすめのストレスチェックサービス

ストレスチェッカー

【料金】0円〜
【URL】https://stresschecker.jp/
【内容】
ストレスチェッカーとは、株式会社HRデータラボが提供するストレスチェックサービスです。
官公庁や大手上場企業などを含む4000社以上の導入実績があるサービスです。
無料でストレスチェックができ、有料のWEB代行プランや紙プランでは専任コンサルタントによる提案を受けられます。

ジンジャーワーク・バイタル

【料金】月額料金:300円/ユーザー
【URL】https://hcm-jinjer.com/workvital/
【内容】
ジンジャーワーク・バイタルとは、jinjer株式会社が提供するストレスチェックサービスです。
週に一度従業員にアンケートを行い、従業員のコンディション変化を定点観測できます。
アンケートの回答結果は自動的に集計・分析され、コンディションに大きな変化があった際にはシステムが検知してお知らせします。

ウインテック
【料金】0円〜
【URL】https://www.win-smile.com/
【内容】
株式会社ウィンテックが提供するストレスチェック専門のアウトソーシングサービスです。
経験豊富なスタッフがストレスチェックを実施し、実施準備から労基署の報告までをサポートします。
受検方法はWEB・マークシート・併用から選べるなど、さまざまな業種、職種、規模の事業所に対応したストレスチェックサービスです。

ストレスケアの方法

ストレスケアの方法

厚生労働省による「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、さまざまな方向からアプローチすることで適切にメンタルヘルスケアができるとしています。
ここでは従業員のストレスケアの方法として、ラインケアとセルフケアを紹介します。

ラインケア

ラインケアとは、職場のライン上にいる直属の上司などの管理・監督者が主体となって行うケアを言います。
具体的には、職場環境の把握と改善、部下からの相談対応、職場復帰支援などがラインケアにあたります。

ラインケアを行うには、管理・監督者が部下の異変にいち早く気付けるかが重要です。
症状によっては産業医への相談を促すなど、適切かつスピーディーな対応が求められます。

ラインケアを行うための管理職向けメンタルヘルス研修についてはこちら

セルフケア

セルフケアとは、社員一人ひとりがメンタルヘルスについて学び、自分に合ったストレス解消法を見つけてストレスケアを行う方法です。

社員のセルフケアを促すために企業ができるサポートとして、自身のメンタル状況を把握できる機会や、セルフケアを効果的に行うための知識の提供などがあります。

セルフケアをサポートするオンライン研修プログラム

オンラインストレスケア研修
出典:バヅクリ

バヅクリ株式会社が提供する「オンラインストレスケア研修」は、自分の心の癖を理解した上で、ストレスになりやすい要因を分析し、その対処方法について考えていくプログラムを提供しています。

研修の最後には、学びを通した行動変容を確実なものとするために、参加者同士の相互コミットメントの時間も設けています。

社員のストレスケアにお悩みの方は活用してみてはいかがでしょうか。

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定を実施する組織

ラインケア、セルフケアをより効果的に行うためには、正しい知識が重要です。
職場のメンタルヘルス・マネジメントについて学べる検定試験として「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」があります。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験では、高度な専門知識や臨床的技術ではなく、メンタルヘルスに関する基礎的知識や、対処方法について学ぶことができます。

ここではメンタルヘルス・マネジメント検定の種類を紹介します。

メンタルヘルスマネジメント検定の種類

Ⅰ種(マスターコース)

Ⅰ種(マスターコース)は、人事労務管理スタッフや経営幹部が対象となります。
自社の人事戦略・方針を踏まえた上で、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる状態を目標にしています。

Ⅱ種(ラインケアコース)

Ⅱ種(ラインケアコース)は、管理監督者(管理職)が対象の検定試験です。
部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができます。

Ⅲ種(セルフケアコース)

Ⅲ種(セルフケアコース)は、一般社員が対象の検定試験です。
自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができることを目標にしています。

まとめ

ストレスケアマネジメントを行うためには、ストレスに対して正しい知識を身に付ける必要があります。

近年、ストレスチェックの方法はサービスを用いてより簡単かつ正確に実施できるようになっています。

より効果的なストレスチェックを行いたい方は、本記事で紹介したストレスチェックサービスを利用するのがおすすめです。

経営資源の一つである「ヒト」を大事にするためにも、上記のサービスを活用しながら社員のストレスケアを効果的に行っていきましょう。