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目次
社内コミュニケーションとは
社内コミュニケーションとは、会社の中で日々行われている社員同士の日常会話や情報共有のことを指します。
コミュニケーションとは自分の気持ち、意見、価値観などを相手に伝える行為や、双方が通じ合うことという意味を持ちます。
社内では日々、対面で言葉を交わしあったり、電話やWeb会議システム、メールやチャットなどのツールを通して伝達をしあったりする方法でコミュニケーションを取っています。
社内コミュニケーションに課題感を持つ企業は多い
HR総研の調査によると、社内のコミュニケーション不全は業務の障害になると認識している企業は全体の97%となっています。
この調査から、ほとんどの企業が社内コミュニケーションを重要視していることがわかります。
しかし、社内コミュニケーションの重要性を理解しながらも、実際に「コミュニケーションが十分に取れている」と自信を持って回答した企業は、全体のたった4%という結果になりました。
「どちらとも言えない」「あまり共有できていない」など、ネガティブに回答した企業は合計で40%です。
これらから、社内コミュニケーションが重要性とわかっているもののにもかかわらず、実際はうまく取り組めていないという企業の課題が見えてきます。
社内コミュニケーション活性化が進まない5つの理由
社内コミュニケーションの活性化が重要にもかかわらず、うまく情報共有をできていない理由を深掘りしていきましょう。
1. 人任せの組織風土と教育不足
先ほどご紹介したHR総研の調査によると、過半数以上が「組織風土・社風」にコミュニケーションの阻害要因があると回答しました。
- 管理職の意識が低く、そもそも部下との対話の必要性を感じない風土になっている
- 一方的に情報発信をするだけで、きちんと伝わっているか確認しない
- コミュニケーションスキルそのものが不足
- 気持ちの余裕がなくコミュニケーションができない
このように、「自分がやらなくても、相手が勝手に情報を取りに来てくれるだろう」という人任せの考え方がはびこり、組織全体の意識が低いことが課題となっています。
コミュニケーションに関する意識改革は、教育によって改善が必要でしょう。
2. わいがや文化の衰退や飲み会・雑談の減少
価値観の変化に加えて、新型コロナウイルスの影響もあり、対面コミュニケーションが激減していることも、社内コミュニケーションが活性化しない理由の一つです。
いわゆる「わいがや文化」「飲みニケーション」の機会が減り、オフィスで自然発生していた雑談も減少しました。
時代が変わり、コミュニケーションに対する価値観が変化することは致し方ないですが、変化に合わせた適切な対処法をとっていない点が問題ではないでしょうか。
3. デジタルツール(メール・チャット・Web会議システムなど)を使いこなせていない
ITツールに依存しすぎ、デジタルツールを使いこなせていない点が、社内コミュニケーションの阻害要因となっているケースは多々あります。
HR総研の調査によると、全体の約3割が「コミュニケーションを探しているのはITツール依存にある」と答えています。
- メールやり取りが多すぎて、対面コミュニケーション力が落ちてしまった
- メールのCCに入れておけば直接報告しなくても良いと考えてしまう
- 電話コミュニケーションの際に履歴をきちんと残さない
- 発信者のリテラシーが低くメールでは意味が伝わらない
上記のように、デジタルツールの特性を理解せず使い続けた結果、十分なコミュニケーションが取れなくなっているケースが散見されます。
直近ではメールよりもSlackやチャットワークなどのチャットツールや、Zoomを用いたWeb会議の導入が進んでおり、ツールごとの特性や注意点を抑えないとコミュニケーションを阻害する要因となってしまいます。
4. 属人的となる縦割り組織
企業のコミュニケーション不全の要因が、業務の進め方や、業務の割り振り方にある場合も多いです。
業務が極端に縦割りになっていれば、 部署や部門間のコミュニケーションをとる機会が減りますし、業務が属人的であれば同じ部署内であっても情報共有の機会は激減するでしょう。
コミュニケーションを取らないと仕事が進められないような仕組みにするなど、組織のあり方そのものを変えていく必要があります。
5. 適切でないコミュニケーション施策の実施
社内コミュニケーションがうまくいってない要因が、メール依存や飲み会文化の現象、管理職に対する教育不足や組織の業務分担・仕組みにあるにもかかわらず、 多くの企業が適した改善策を行っていないことも課題と言えます。
社内コミュニケーションが進まない要因が、メールやチャット、デジタルツールの使い方にあるのであれば、これらのツールを使う際の注意点や、ポイントを研修するなどの対策が必要なはずです。
ほとんどの企業がコミュニケーション不全の防止・抑制策として、社内報やレクリエーションを上げています。
社内報やレクリエーションの施策が悪いのではなく、自社の課題に合った適切な対策が取れていないのが大きな課題ではないでしょうか。
社内コミュニケーションを活性化することによるメリット
社内コミュニケーションの活性化を阻害する要因を理解したところで、改めて社内コミュニケーションを活性化することによる企業のメリットを確認しましょう。
まず、情報が適切に共有されるようになれば、業務がスムーズに進むようになります。
社員同士の「言った・言わない」問題が解消されるのでケアレスミスも減少し、仕事を進める際に必要な情報が、正しいタイミングで共有されるようになるため生産性も高まります。
業務のスピードアップ、業務の質向上、提供サービスの質向上などが回り出せば、働く社員の満足度が高まり離職率は低下します。
良い人材が定着するようになれば、企業ブランドは高まり、事業の大きな発展が期待できるでしょう。
もちろん、社内コミュニケーション以外の課題にも継続的に取り組む必要がありますが、社内コミュニケーションの改善は、企業に多くのメリットをもたらします。
社内コミュニケーションを活性化するための施策と企業事例
社内コミュニケーションを活性化することで得られるメリットや、活性化がうまくいかない理由を理解したうえで、具体的なコミュニケーション施策を見ていきましょう。
1. 社内コミュニケーションツールの導入
社内コミュニケーションツールの導入によって、コミュニケーションの質・量を高める方法です。
社内コミュニケーションには、メールよりもスピーディーにやり取りができるチャットツールや、社員同士のスケジュールを可視化するスケジュール共有ツール、必要な情報をクラウド上でリアルタイムに共有するグループウェアなどが挙げられます。
ツールごとの特徴や使用目的を理解しないと、社内コミュニケーションを活性化させられないため注意が必要です。
企業事例
きらぼし銀行
3000名規模となり、社員の顔と名前が一致しない課題を解決するためにコミュニケーションツールを導入しました。
コミュニケーションツール上で社内コミュニティ立ち上げや勉強会などを進め、社内コミュニケーションを活性化させた事例です。
2. 社員研修
「社内コミュニケーションの重要性を管理職が理解していない」「そもそも正しいコミュニケーションとは何かわかっていない」といった悩みを抱える企業は、社員研修で基礎知識を深めると良いでしょう。
社内コミュニケーションについて座学で学んだ後、ワークショップを通してコミュニケーション方法を身に付けていくことが可能です。
企業事例
社名非公開・BtoCサービス業(100名以下)
社内コミュニケーションの活性化のために、大手研修会社インソースのコミュニケーション研修を活用した事例です。
参加者の声を引用してご紹介します。
- コミュニケーションに対する姿勢など、今まで気にしてなかったことについて自分の甘えた部分が沢山あったので、気づかされる事が多く大変勉強になりました。
- 改めて学んだ事、新しく知れたことがあるので非常に勉強になりました。今日学んだ事をしっかり身につける為に1日1日成長していきたいです。
- 普段聞くことのない、「話し方」だけでなく「聴き方」についてもワークを通して勉強できたので、大変ためになりました。
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3. レクリエーション
遊びを交えながら、レクリエーションを通して社内コミュニケーションを活性化させる方法です。
テレワーク中の企業でも実施しやすいオンラインレクリエーションのサービスも増えているため、社外サービスも活用しながら取り組むことをおすすめします。
企業事例
三井住友海上火災保険株式会社
コロナ禍で対面での交流会が実施できず、新入社員同士のコミュニケーション不足に陥っていたため、若手が興味を持ちやすいレクリエーションの施策を実施した事例です。
同社は、オンラインに特化したチーム強化サービスであるバヅクリを活用し、「おとなの図工」「マインドフルネス」「筋トレ」「演劇」「グラフィックレコーディング」「プレゼン」「クイズ」といったユニークなレクリエーションを実施しています。
三井住友海上火災保険株式会社の事例について詳しくはこちら>>>
4. 1on1
「管理職のコミュニケーションに対する意識を変化させる」「部下のコミュニケーションに対する価値観を知る」など、個別にじっくり向き合いたい場合は、1on1がおすすめです。
ただし、目的を決めずに1on1を始めると逆効果となる可能性が高いため注意が必要です。
企業事例
デル株式会社
中途入社者に対して、オンボーディング時から入社後まで継続的に1on1を実施することで、マネージャーとメンバー間のコミュニケーションを強化している事例です。
1on1の中で、キャリアプランやプライベートの話まで対話形式のコミュニケーションを実施し、中途者の離職率は5%と非常に低い結果となっています。
5. 社内SNS
社内の縦・横・ななめのコミュニケーションを強化する方法として、社内SNSを活用する方法があります。
ただし、「コミュニケーションが人任せになっている」など、社員の意識が低い状態で社内SNSを始めると、投稿数が少なく、盛り上がらないまま失敗するケースもあります。
「対面で行っていたコミュニケーションの代替として行う」「特定の部署間での情報共有を強化するために行う」など、事前に社内SNSを導入する目的を決めることが大切です。
企業事例
社名非公開・老舗旅館
創業90年以上の老舗旅館では、社内コミュニケーション不足により、お客様のクレーム情報などが共有しきれていない点が課題でした。
社内SNSを導入し、紙媒体での情報共有をデジタル化したことで、フロントとサービス係の間でのコミュニケーションがスピード・質ともに高まりました。
本記事では施策例と企業事例を単独でご紹介しましたが、こちらの記事では「1対1のコミュニケーションの活性化」「社内全体でのコミュニケーション活性化」「ユニークなコミュニケーション活性化方法」など、カテゴリ別で事例を紹介しています。
あわせて参考にしてみてくださいね。
社内コミュニケーションを活性化させる注意点
社内コミュニケーションを活性化させるためには、「自社の課題にあわせて施策を選ぶ」という意識が重要です。
多くの企業では「社内コミュニケーションの対策を行おう」と考えてはいますが、取り組み方が適切ではないため、活性化につながっていないのです。
もし皆さんの企業が、社内コミュニケーションの重要性の理解度が低ければ、社内の情報共有の重要性を理解させるワークショップや教育研修が必要です。
また、 コミュニケーションの重要性が分かっているものの、デジタルツールを使いこなせないのであれば、各ツールの特徴や使い方、注意点などを研修しなければなりません。
飲み会や、社内での対面イベントを重視してきた企業であれば、それに代わるオンラインのコミュニケーション施策を検討する必要があるでしょう。
社内コミュニケーションを活性化させるためには、大前提として自社の課題がどこにあるか整理をし、施策を実施する目的を明確化するよう注意するようにしましょう。
まとめ
社内コミュニケーションに取り組めば、業務がスムーズに進むようになり、サービスの質向上や従業員満足度のアップなど多くのメリットがあります。
社内コミュニケーションが大切と理解しているにも関わらず、いまいち活性化できていないと悩んでいる方は、本記事を参考に「なぜ活性化ができていないのか」原因を整理してみてください。
自社の課題がわからないまま、やみくもに対策を行っても、十分な効果は得られません。
社内コミュニケーションに取り組む目的、現状課題を丁寧に整理したうえで、適切な対応策をとっていきましょう。