「部下の積極性を引き出したい」
「活発な意見が飛び交うチームを作りたい」
など、社員のモチベーションを高めるのに苦労している経営者や人事担当者も多いのではないでしょうか。
社員の継続的なモチベーション向上のために重要なのが、「内発的動機付け」です。
この記事では職場における内発的動機付けのポイントを、具体例とともに解説します。
目次
内発的動機付けとは
内発的動機付けとはどんなものかを知ることで、従業員の長期的なモチベーション向上を図ることができます。
ここでは内発的動機付けとはそもそもどんなものなのかについて解説します。
内発的動機づけの定義
内発的動機づけとは、本人の内なる興味・関心・欲求から生まれるモチベーションのことです。
例えば仕事をする理由として「仕事が楽しいから」「自分のスキルを高めるため」という言葉を挙げる人は、内発的動機付けに基づいて仕事をしている状態と言えます。
内発的動機付けと対比される概念として、報酬・懲罰といった外部要因によってモチベーション向上を図る「外発的動機付け」があります。
内発的動機付けについて詳しく知りたい人はこちらの記事もご覧ください
内発的動機付けの要素
内発的動機付けの中には、いくつか種類があります。
内発的動機付けを生かした組織づくりを行う際は、社員一人ひとりに対して内発的動機付けの中のどの動機が強いのかを見極める必要があります。
ここでは内発的動機付けの具体的な要素を解説します。
1. 達成したい
目標やプロジェクトを達成したいという動機です。
この動機がある人は物事に対するチャレンジ精神が旺盛で、自発性も高く、また粘り強く努力することができます。
この動機は、アスリートや経営者、科学者など、ハイパフォーマンスを発揮する人によく見られる性質です。
若くから成果を残す人たちにも、このような達成意欲の高い人が多くいます。
2. 独立性(自主性)
自分の仕事やプロジェクトに対して責任を持って行動したいという動機です。
他者の力を借りたり、支配を受けたりせず、自力で物事を動かしたいという思いが強い人が多く、仕事を責任持って遂行する力を持っています。
独立性の動機を持つ人が多い職業として、フリーランス、クリエイター、経営者、職人などがあります。
3. 尊敬や名声
周りの人から尊敬の眼差しを受けたり、実績を評価されたりなど、自分自身や自身のアウトプットが優れていると認められたいという動機です。
そのような人たちは自分の知識や能力を他者に共有するため、無償で周囲を手伝うことが多いと言われています。
政治家や芸能人、経営者など、多くの人から注目される職業の人はこの動機を持っていることが多いです。
4. 権威
その組織や集団における中心人物となり、他者に影響を与え、導きたいという動機です。
部下に指示をしたり、プロジェクトを管理したりすることも得意で、より大きな組織を率いることで満足感を得られます。
権威を動機に持つ人として、自らリーダーを望む人や昇進意欲の高い人などが挙げられます。
5. 人との交流
人と交流することそのものや、他者に貢献をすることで満足感を得る人もいます。
このような人は進んでチームに協力したり、ボランティア活動に参加したりすることも多いです。
ホテルや観光業界・医療・看護系など、人と接する機会が多い職業にこの動機を持つ人が多くいます。
6. 安定性
過度なリスクやスリル、変化を好まず、安定した収入の元で心理的・身体的安全性を望むタイプです。
非常に落ち着いた性格であり、慎重で真面目・責任感が強い人が多いのが特徴です。
会社選びにおいて職場環境や福利厚生、会社の信頼度を重視する傾向にあります。
安定性を動機に持つ人は、公務員や士業などに多く見られます。
7. 公平さ
自分や周りの人が公平に扱われることに動機付けされるタイプです。
公平さを動機に持つ人は、特別扱いやエコひいきを嫌う傾向にあり、会社の評価や社会的な立場などの不公平さを許さない人も多いです。
多くの場合、一定の手順に従って進めるような仕事が得意な傾向にあります。
内発的動機付けはエンゲージメント向上に繋がる
仕事へのやりがいや働きやすさなど、内発的動機付けは従業員のエンゲージメント向上に欠かせない要素です。
それでは、従業員のエンゲージメントを向上させるためには他にどんな打ち手が必要になってくるのでしょうか。
バヅクリHRの研究所では、エンゲージメントに関するアンケート調査を実施し、エンゲージメントを高める要素、施策、取組事例などをまとめました。
下記からダウンロードできますので、エンゲージメント向上施策にぜひお役立てください。
【資料概要】
- エンゲージメントサーベイに関する調査結果
- エンゲージメントを高める3要素
- エンゲージメントを高める打ち手
- エンゲージメント向上施策
- エンゲージメント向上施策に関する注意点
- エンゲージメント向上取り組み事例
- まとめ
ビジネスにおいて「内発的動機付け」が求められる背景
かつて、ビジネスでは報酬や昇進などの外発的動機付けによるマネジメントが一般的でした。
しかし今日、会社経営において内発的動機付けを持たせる仕組みづくりは欠かせないものとなっています。
ここではビジネスにおいて内発的動機付けが求められる背景を解説します。
従業員の精神衛生を高めつつ、成果に繋げることが出来るため
近年、過重労働や職場の人間関係によるストレスが原因で精神疾患を発症する人が増え、社会問題になっています。
そういった背景から、「従業員の精神衛生を高めること」に力を入れる企業も多いです。
「内発的動機付け」は仕事の質が高まると同時に個人の精神衛生にも良い影響を与えられるため、組織運営において重要な要素になっています。
能動的に考える従業員の育成に役立つため
近年、テレワークの普及など、働き方が大きく変わりました。
常に同じオフィスにいる環境下とは違い、テレワークをベースにした働き方では従業員のセルフマネジメントや「自分で考えて業務を進めること」が重要になります。
従業員を能動的に活動させるためには外発的動機付けだけでは不十分なため、「内発的動機付け」の必要性が高まっています。
ビジネスにおける内発的動機づけの具体例
ここではビジネスにおける内発的動機付けの具体例を解説します。
実際のシーンで生かせる例もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 得意分野に応じて仕事内容を振る
社員の得意分野を把握し、得意分野に応じて仕事を振ることで、社員は自分の特性を活かして仕事を行うことが可能です。
自分の得意な仕事をしているため成果が出る可能性も高く、自信や充実感を得ることができます。
また自分の持っているスキルを余すことなく発揮できるため、仕事への意欲が高まります。
2. 公平な評価とフィードバックを行う
公平さを大事にしている人にとって、公平な評価とフィードバックは非常に大切なモチベーションの源泉です。
評価やフィードバックを行う際には、その評価になった理由を明確に示すようにしましょう。
評価やフィードバックをポジティブに受け止めることができれば、さらに成長したいという思いにつながります。
また結果そのものに対する評価だけではなく、プロセスも含めて評価とフィードバックを行うことで、「きちんと見てくれている」という安心感を得られます。
3. 振った仕事に裁量権を与える
仕事の裁量権が与えられることで、自分の仕事や意思決定に対して責任感が生まれます。
また自分で考えて行動する機会が増えるため、自発的に取り組むようになります。
さらに、何かを成し遂げた際には達成感を得やすくなるため、モチベーションがアップします。
モチベーション研修ならバヅクリ
多くの企業が「部下のモチベーションを高めるのは上司の仕事」と捉えています。
しかし、バヅクリのモチベーション研修では、上司にモチベーションを高めてもらうのではなく、自分のモチベーションを自分で高めるための思考や行動を学び、実践できるようになることを目指します。
新入社員や若手社員を中心に、20代後半から30代まで、モチベーションを高めたい人におすすめのプログラムです。
まとめ
内発的動機付けを積極的に取り入れることで、従業員のモチベーションを高めることができるため、生産性が向上します。
さらに仕事に対して熱意があると、ワークエンゲージメントも高まるので離職率が低下することもあります。
部下のモチベーション管理にお悩みの方は、ぜひ指導のなかに内発的動機付けを取り入れてみてはどうでしょうか。
バヅクリでは内発的動機付けの方法や、きっかけを研修・ワークショップで提供しています。