ダイバーシティを推進するために、円滑かつ活発なコミュニケーションは必要不可欠であり、とても重要なものです。
しかし、国籍や性別など属性が異なる様々なメンバーがいる組織では、なかなか社内のコミュニケーションが活性化せず困っている場合もあるでしょう。
そこで、ダイバーシティを推進するためコミュニケーションを活性させる方法をご紹介します。
目次
ダイバーシティ経営の重要性
「ダイバーシティ」は直訳すると「多様性」という意味の言葉です。
性別、国籍、価値観など、メンバーの持つ個性や様々な属性などを活かし行う経営を、ダイバーシティ経営といいます。
ダイバーシティ2.0とは
ダイバーシティ2.0とは人材の個性や特性を活かし、付加価値を生み出し続ける企業を目指し全社で継続的に進めていくための、考え方や取り組みのことを指します。
ダイバーシティ2.0は経済産業省が推進しており、それを推し進めていくために「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」というものが設定されています。
「ダイバーシティ2.0ガイドライン」に基づき取り組みを行うことで、ダイバーシティな組織を作りあげることができるとされています。
ダイバーシティ経営のメリット
以前は、均質性・効率性を優先することが、合理的な経営戦略だとされていました。
しかし、今はそれとは真逆と言えるダイバーシティな組織になるため、多くの企業が取り組みを実施しています。
ダイバーシティ経営のメリットには以下のようなものがあります。
1. 人材の確保
現在、日本では労働力不足が進み、売り手市場となっています。
ダイバーシティ経営を進めることで、人材の母集団を拡大しより多くの労働力を獲得することができます。
また、優秀な人材はダイバーシティな環境を好む傾向もあるため、優秀な人材も獲得しやすくなります。
2. 新たなアイデアの創出
ダイバーシティな組織では女性、子育て世代、海外にルーツがある人など、様々な視点からの意見が出てくるので、新しいアイディアを創出しやすくなります。
様々なアイディアが出てくることで、イノベーションが起こりやすくなったり、より多くの顧客に寄り添ったサービスを提供できたりするようになります。
IT化が進んだことでビジネスシーンの変化は激しく、ビジネスの相手になる層も広くなりました。
様々な視点から多くのアイディアが生み出せることは企業の大きな強みだと言えます。
3. 離職率の低下によって企業価値が高まる
ダイバーシティな組織は、様々な価値観や考え方を受け入れます。
そのため従業員はありのままの自分でいることができ、働きやすい環境だと感じ離職率が低下します。
離職率が低下することでサービスのクオリティが維持できるので、顧客からの企業評価も向上するでしょう。
また、社内カルチャーの醸成もしやすくなります。
ダイバーシティ推進のメリットやポイントをさらに詳しく
コミュニケーションがダイバーシティ推進には重要
ダイバーシティな組織になることで得られるメリットから、どうして多くの組織がダイバーシティ化を目指すのか少し分かっていただけたでしょうか?
ダイバーシティな組織を目指すには様々な方法がありますが、どの取り組みを行うにしても円滑なコミュニケーションは欠かすことのできないものです。
その理由や、コミュニケーションを活性化させる方法をみていきましょう。
コミュニケーションが重要な理由
ダイバーシティな組織になるためには、様々な属性のメンバーが組織内にただ存在していればいいわけではありません。
ダイバーシティには、性別や出身国など目に見える違いを指す表層的ダイバーシティと、価値観や考え方などの違いを指す深層的ダイバーシティがあります。
目で見える多様化だけでなく、価値観や考え方の多様化を受け入れる組織でありたいものです。
表向きだけダイバーシティな組織よりも、深層的ダイバーシティを実現している組織の方が、圧倒的に従業員にとって働きやすい環境だと言えます。
そのためには、メンバーがそれぞれ持つ価値観や考え方、カルチャーなどを知り認め合う必要があります。
このような環境や文化、メンバー同士の関係性を構築していくためには、お互いを知るためのコミュニケーションの機会や、活発なコミュニケーションが必要です。
コミュニケーション活性化施策
それではここから、ダイバーシティを推進するためのコミュニケーション活性化施策をみていきましょう。
コミュニケーションの活性化の施策には大きく分けて2つあります。
施策を行う際は組織の意識調査や状況把握を行い、本当に必要な取り組みや制度を導入してください。
1. マイノリティ×マイノリティ
1つ目の施策は、組織に存在するマイノリティ同士で行う施策です。
例えば、
- 子育て世代同士のコミュニティの形成
- 海外にルーツを持つメンバー同士での交流会
- 女性メンバーによるチームの発足
などがあります。
少数派のメンバー同士でコミュニティが形成されることで、悩みを相談できたり、制度の変革を求める際などに組織に対して声を挙げやすくなったりします。
2. マイノリティ×マジョリティ
2つ目は、マイノリティにあたるメンバーと、マジョリティにあたるメンバーで行う施策です。
- 子供がいないメンバーと、子育てをしているメンバーで座談会を行う
- 海外から来たメンバーと、既存メンバーとの交流会
- 障害を持つメンバーとその他のメンバーとのレクリエーション
などがそれに当たります。
その他に、従業員と経営陣や組織の運営陣のコミュニケーションもマイノリティ×マジョリティのコミュニケーションになります。
自分にはない価値観や考え方を知り、お互いを理解するきっかけになります。
様々な価値観や考え方、個性を知り、認め合うことで多くの人が働きやすい組織になります。
その他のダイバーシティ推進の方法
その他の方法をいくつかご紹介していきます。
1. ワークライフバランスの充実
ワークライフバランスの充実もダイバーシティの推進に繋がります。
女性、子育てをしているメンバー、1人親世帯など、様々な人が自分が理想とする働き方で働けるように、組織側は制度の制定をしたり、福利厚生を導入したりしましょう。
2. 研修プログラムの活用
ダイバーシティ研修を行うのも1つの方法です。
座学でダイバーシティに関する知識を得ることはもちろん大切ですが、話を聞くだけの研修は受講者が受け身になってしまい、学びが深いものとならない可能性もあります。
その他の参加者とディスカッションをしたり、実際にダイバーシティな環境を体験したりする研修を実施することで、自分ごととして物事に向き合うことができるでしょう。
おすすめの研修プログラム
おすすめの研修プログラムをご紹介します。
以下のプログラムは研修やチームビルディングのためのワークショップを企画・運営するサービス「バヅクリ」を利用して実施することができます。
バヅクリは、その他の参加者とコミュニケーションを取りながら行うプログラムが多いのが特徴です。
バヅクリを利用することで、その道のプロを講師として招き実施できるうえに、企画から運営までをお任せできるので、社内負担を90%も削減できます。
①オンラインダイバーシティ研修
研修内で、様々なワークをしながら
- 統計学的多様性
- 認知的多様性
- ダイバーシティ&インクルージョン
- シナジーコミュニケーション
などについて学びます。
ただ話を聞くだけの研修ではなく、その他の参加者とコミュニケーションを取りながら進めていく研修です。
オンラインで行うことによりどこにいても同じ研修を受講できるので、居住地などに関わらず、格差なく研修を実施できるのも魅力です。
②おえかき
絵を描くということを通して相互理解を深められるワークショップです。
「ワクワクという気持ち」や「自分にとって仕事とは」など、自分の価値観や内面に関することをテーマに絵を描き、それをシェアすることで相互理解を深められます。
童心に帰り無心で絵を描くことは大人になっても意外と楽しいもので、「楽しい」という感情は参加者の素の状態を引き出してくれます。
また、絵を描くという非日常な体験を共にすることで、一体感を醸成することもできます。
③多様性・相互理解ワークショップ
様々な価値観があることを、
- 自分自身のことを振り返るワーク
- お互いのいいところや得意なことを褒め合うワーク
- メンバーの個性を活かし新規事業を考えるワーク
などを通して学んでいきます。
相互理解を深めることでダイバーシティの推進ができるだけでなく、すれ違いがちになるオンラインでのコミュニケーションも円滑に行えるようになります。
ダイバーシティ推進を行う企業の取り組み事例はこちらから
おすすめのダイバーシティ研修
最後に、ダイバーシティ研修を提供しているおすすめのサービスをご紹介します。
研修の実施や、ダイバーシティに関する知識・ノウハウが社内に十分にない場合は、他社サービスを利用し研修を実施することをおすすめします。
バヅクリ
研修や、チームビルディングのためのワークショップなどを企画・運営するバヅクリは、その他の参加者とコミュニケーションを取りながら行う研修が多いのが特徴です。
相互理解を深められるプログラムが多数用意されており、ダイバーシティの推進に特化した研修も提供されています。
司会や講師はその道のプロが行うので、盛り上がる研修やしっかりコミュニケーションを取れるワークショップを作り上げてくれます。
参加者満足度は97%を誇り、企画から運営までをお任せできるので85%社内負担をカットできます。
パーソル総合研究所
組織のコンサルティングや、人材育成などを行うパーソル総合研究所では
- 推進部門向け
- 管理職向け
- 女性向け
- 全社向け
などターゲットに合わせたダイバーシティ研修を提供しています。
研修内容は自社に合わせてカスタマイズすることが可能です。
状況把握や意識調査の後、カルチャーの醸成やビジネスへ好影響を与えることを目指します。
https://rc.persol-group.co.jp/learning/stratified/diversity/
ダイバーシティ研修の事例やサービスについて詳しくはこちら
まとめ
ダイバーシティな組織を目指し、コミュニケーションを活性させる施策には大きく分けて
- マイノリティ×マイノリティ
- マイノリティ×マジョリティ
の2つのパターンがあります。
ダイバーシティ推進のため、コミュニケーションを活性化させる取り組みを行う場合は、社内の意識調査や状況把握をしてから、本当に組織に必要な取り組みを行ってください。
また、ダイバーシティ研修やワークショップを実施するためのノウハウが社内に十分にない場合は、社外サービスを活用することをおすすめします。