昨今の環境によりテレワークが導入された組織も増えていますが、その際に問題になることの一つとして挙げられることが、社員同士のコミュニケーションの減少です。
コミュニケーションの減少は、社員のエンゲージメントや生産性にも影響が出てしまいます。
こうした状況の中で、オンラインでの部下や上司とのコミュニケーションのとりかたについて知りたいと思われている方も多いと思います。
そこで本記事では、そんなお悩みにお答えすべく、オンラインでのコミュニケーションのコツや活用できるサービスについてご紹介します。
目次
オンラインによるコミュニケーション問題が多くの企業で発生
6〜7割以上の企業でコミュニケーションの課題が生じている
テレワークを実施している企業の社員に対する調査では、コロナ禍によるテレワーク浸透により上司部下間のコミュニケーションにやりづらさや不満を感じる社員は6割以上に登るという結果がでています。
またこちらの調査では、オンラインでのコミュニケーションが市民権を得る中での社内コミュニケーション課題を感じている企業は7割を超えています。
さらに別の調査では、 テレワーク中の部下の管理で管理職が不安視していることが明らかになっており、仕事や業務の進捗管理、評価・教育、コミュニケーション不足によるメンタル管理などへの不安が挙げられていました。
このように、多くの企業や社員が、オンライン環境でのコミュニケーションに何らかの問題や不満、不安を抱えています。
オンラインにおけるコミュニケーションが難しい理由
オンラインでの業務環境においてコミュニケーションが問題となる理由には、言語化が求められる、表情がわからない、テンポがつかめないなどがあります。
今までテキストでのコミュニケーションをメインで行ってこなかった人にとっては、チャットやメールのテキストのみで意思疎通することは非常にハードルが高くなります。
また、人間は無意識のうちに、表情などのノンバーバルな情報から実に多くの判断を行っているため、それらの情報が欠落してしまうオンラインでは普段よりコミュニケーションの難易度が上がります。
こうした理由から、オンラインでのコミュニケーションは対面よりも難しく、多くの企業で問題が生じています。
オンラインコミュニケーションのコツ
それでは、オンライン環境でスムーズにうまくコミュニケーションを取るためにはどうすればよいのでしょうか。すぐに実践できるちょっとしたコツをお伝えします。
1. 意識的にアイスブレイクを行う
オンラインでは、対面より意識してアイスブレイクを行うとよいでしょう。
アイスブレイクとは、研修や会議の前に緊張をほぐす目的で行われる手法で、会議の前に簡単な雑談や、初対面の場合は自己紹介などをして場を和ませ、リラックスした雰囲気を作ることができます。
特に最近では、一度もオフラインで会ったことがない相手とオンライン会議でコミュニケーションするケースも増えてきているため、従来よりも丁寧に、特に最初は長めに時間をとると効果的です。
2. 会話とチャットの併用
オンライン環境でのコミュニケーションツールとして多くの企業で導入が進んだのがチャットツールです。今までは電話かメールでのみやりとりしていたが、今回始めてチャットを使ったという方もいらっしゃると思います。
チャットは、各々の都合のいいタイミングで送信できるため、電話に比べると業務のじゃまになりにくく、メールよりも気軽に利用できるため非常に便利なツールです。
しかし一方で、短文になりやすく字面だけ見ると冷たい印象を与えてしまいやすいという欠点もあります。
そのため、チャットのみでコミュニケーションするのではなく、朝会など毎日1回程度口頭でコミュニケーションを取る時間を設けたり、週次の定例MTGではオンライン会議の時間を設けたりと、会話とチャットを併用してコミュニケーションを取っていくことが重要です。
3. チャットの返信は早く
チャットへの返信スピードも重要な要素です。相手の姿が見えない分、チャットへの応対があまりに遅くなると、自分のことを後回しにされているのではないか、と無用な疑念と不安を与えてしまうことになりかねません。
もちろん、毎回即座に返信することは現実的ではありませんが、なるべく早く返信することを心がけるだけで心象も違ってきますし、コミュニケーションも円滑となります。
もし返事が遅くなった場合は、一言謝意を添えて返信すると、相手に悪い印象を持たれませんのでオススメです。
4. 絵文字やスタンプを積極的に用いる
上記で、チャットでのコミュニケーションの短所として、短文になりやすく字面だけ見ると冷たい印象を与えてしまいやすいという点を挙げました。
これに対する解決策の一つとして、絵文字やスタンプを利用するという方法があります。
同じ文書でも、句読点がない場合とビックリマーク、絵文字がある場合では、テキストから得られる印象が随分と違ってきます。
考えすぎる必要は全くありませんが、相手がどのように受け取るかなど、思いやりの心を持って絵文字を添えたり、スタンプで返信することでコミュニケーションがグッと円滑になります。
オンラインコミュニケーションに役立つツール
それでは、オンラインコミュニケーションに役立つツールはどのようなものがあるのかご紹介します。
WEB会議
WEB会議のツールとしては、主なものとしてZOOM、GoogleMeet、Microsoft Teamsなどがあります。
いずれも使いやすく、オンライン会議をするための機能は十分に揃っていますので、自社が導入している他のツールとの相性などを考えて決めると良いでしょう。
チャットツール
チャットツールは、Chatwork、Slack、トークノート、LINE WOKSなどがあります。
ChatWorkは日本のビジネス事情に考慮して開発されており、機能性や使いやすさの点で優位性があります。
Slackは、様々な外部ツールと連携できたり、エンジニアが好んで利用するツールとなっていて、本格的にテレワークの導入やDXを推進していく際にオススメです。
LINE WORKSは、スマートフォンコミュニケーションアプリのLINEと画面構成や操作性に共通項が多く、ITリテラシーが高くない方でも利用しやすくなっており、導入のハードルが低いことが特徴です。
WEB会議ツールやチャットツールについて詳しくはこちら
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスサービスは、oVice、Oasis、Remottyなどがあります。
バーチャルオフィスとはオンライン上の仮想空間オフィスをつくり、そこで社員がコミュニケーションを実現するものです。
「人がいる存在感」「雑談」などの、実際のオフィスにおける自然な形に近いコミュニケーションが取れるようになっています。
また、手軽にオンラインでコミュニケーションを促進するサービスとして、オンラインチームビルディングサービス「バヅクリ」があります。
バヅクリでは、テレワークで失われがちな“社員同士のつながり“、”オフコミュニケーション“、”部門横断的な接点“を、アソビを通じたワークショップで創り出し、モチベーションとエンゲージメントを向上させることができます。
オンラインコミュニケーションの活性化におすすめサービス「バヅクリ」
バヅクリのプログラムの一部をご紹介
1. 演劇ワークショップ
劇団俳優がファシリテーションする演劇を通じて、お互いの喜怒哀楽、考え方、価値観を理解してつながりを生むプログラムです。主義主張が異なる登場人物を演じるという寸劇ワークショップを行います。
2. 感謝感激雨あられ
普段は直接本人には恥ずかしくて言えない感謝の気持ちをみんなで投稿し合う、zoomのチャット機能を使ったワークショップです。「ありがとう」という気持ちを表に出すことで、感謝の輪が循環する強い組織を創ることができます。
短時間でオンライン上でチームビルディングを実現させます。
3. お互いを知れるオンライン焚き火
癒やし効果やリラックス効果が得られる「焚き火」をオンラインで囲んで、参加者同士が本音で語り合うプログラム。
やりたいこと、不安に思っていること、悩みを共有することで、参加者同士の相互理解とモチベーションを高めることができます。普段の会話の中では出てこない心の内を焚き火で引き出し、本音で腹を割って対話する場を創ることができます。
オンラインによるコミュニケーション活性化に成功した事例
THE SUNTORY UN!ON
THE SUNTORY UN!ONが、飲み会に代わる新たなコミュニケーションとしてオンラインでのチームビルディングプログラムを導入した事例です。
リモートワークによる人間関係の希薄化や、個人の仕事効率のみを重視する雰囲気を改善することに成功しています。
中堅層や定年間近のメンバーも年代関係なくオンラインでの交流が実現し、良好な人間関係が構築されることで個人だけでなくチーム全体の効率化も実現しました。その結果、普段の業務を円滑に進めることができるようになりました。
参考:飲み会に代わる新たなコミュニケーションの形をオンラインで
バヅクリ
ディップ株式会社
2000名超の全社オンライン会議を実施したディップ株式会社の事例です。
単純にコンテンツをオンラインで流すだけではなく、同じタイミングで、参加者皆で同じケーキを食べたり、会社のロゴ入りのオリジナルグラスやドリンクを配り、一緒に乾杯して飲むという「体験の共有」を意識することで、オンラインでも十分に参加感を味わうことができたということです。
参考:2,400人参加のオンライン社員総会。決断の中心にはいつでも「人」があった
ourly magazine
株式会社エン・ジャパン
バーチャルオフィスを活用した株式会社エン・ジャパンの事例もあります。テレワークによるコミュニケーション不足の解消を目的としてバーチャルオフィスを導入しました。
事業部をまたぎ、風通しのいいコミュニケーションを活性化すべく、バーチャル本社内は社員が自由に行き来できる仕組みにしました。
アバター(アイコン)で お互いの存在を感じられることがバーチャルオフィスの大きな利点となっています。
en soku! by enjapan
まとめ
コロナ禍で、オンライン環境下での部下とのコミュニケーションは従来の対面を前提としたコミュニケーションと比較すると格段に難易度が高くなっています。
しかし、テクノロジーの変化も相まって、働き方が多様になる未来が想定される以上、オンラインを前提とした働き方やコミュニケーションのとり方に対応していく必要があるでしょう。
また業務におけるコミュニケーションだけでなく、業務以外でのコミュニケーション活性化も、業務へ好影響を与えるため、業務外コミュニケーションのためのツールの導入やイベントの実施もおすすめです。
オンラインでもコミュニケーションがしっかりととれるような環境の構築を進めていきましょう。