女性の社会進出が進み、女性が活躍するための仕組みや制度を整えている企業が増えています。
しかし、新たに女性活躍のための制度を取り入れたい企業の担当者の中には、何から始めれば良いのか、自社ではどんな取り組みができるのか悩む人も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、実際に女性が活躍する企業の取り組み事例を紹介します。
自社に取り入れる制度の参考にしてください。

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日本企業における女性活躍 理想と現状

活躍する日本人の女性社員

女性が活躍している企業の事例を紹介する前に、日本企業における女性活躍の理想と現実について解説します。

女性活躍の世界基準と比べて

世界経済フォーラム(WEF)が2021年に発表した、国別の男女格差を数値化した「ジェンダーギャップ指数」調査によると、日本は世界156か国中120位でした。
この順位は主要先進7か国(G7)の中では最下位であり、他のG7の国と比較すると政治分野と女性の管理職の少なさが目立っています。

実際に、西洋諸国や先進国における女性管理職や役員の比率は40パーセント前後なのに対し、日本では10.7パーセントと非常に低い数値に留まっています。

女性の社会進出が進み、働く女性は増えているものの、管理職や役員などの意思決定をおこなう地位につく女性はまだまだ少ないと言えるでしょう。

日本企業の現状

そもそも、なぜ女性活躍推進に力を入れる企業が増えているのでしょうか?
その背景には少子高齢化に伴う労働人口の減少があります。

日本はこれから慢性的な人手不足が起こると言われており、2014年と比較して2030年には1千万人の人材が不足するというデータもあります。

そこで、女性をはじめとしてより多くの人が働きやすく、活躍できる組織を作る必要があります。

女性活躍の課題

活躍する女性のビジネスパーソン

日本企業の女性が社会で活躍するために、乗り越えなければならない壁とはどんなものなのでしょうか?
ここでは女性活躍の課題を解説します。

ワークライフバランスとの両立が難しく、昇進に積極的ではない女性が多い

女性活躍の課題の一つに、昇進して管理職になると、ワークライフバランスの取れた働き方を実現しにくくなることが挙げられます。

厚生労働省が調査した「令和4年度 男女共同参画社会に関する世論調査」によると、「育児や介護、家事などに女性の方がより多くの時間を費やしていることが、職業生活における女性の活躍が進まない要因の一つだ」という意見について、84.0%の人が「そう思う」と回答しました(「そう思う」の割合38.0%と「どちらかといえばそう思う」の割合46.0%との合計)。

現状、女性は家庭において家事・育児の仕事量が男性よりも多いことが多いため、昇進することで仕事と家事・育児の両立が難しくなることを避ける傾向があると考えられます。

出産・育児の制度が整っていない

女性活躍の課題の一つに、出産・育児の制度を整えていない企業があることが挙げられます。

1992年の「育児休業法」(1995年からは「育児・介護休業法」)施行以来、日本では出産・育児と仕事を両立するための法制度が整えられてきました。
また2010年には、当時約6割の女性が第一子の出産前後で離職していたこと、また男性の育児休業取得率が1.56%と一向に増加していないという社会の現状を変えるため、子が1歳2ヵ月に達するまでの間に最長1年間の育児休業を取得することができる「パパ・ママ育休プラス」制度の創設も行われました。
このように法整備は進んでいる一方で、現場の人手不足などを背景に産休・育休の取得がしにくい企業も依然としてあります。

また産休・育休復帰後も、子どもの体調不良やイベントを理由に休みが必要になることが度々起こります。
しかし、そういった突発的な休みが発生することを折り込んで女性の受け入れ体制を整えている企業はまだまだ少ないです。

その結果、女性が産後に育児とフルタイム出勤を両立させることが困難な状況が生まれています。

女性管理職のロールモデルが少ない

政府はかつて、「2020年までに女性管理職の割合を30%に引き上げる」という目標を掲げていました。
しかし2021年の帝国データバンクの調査によると、企業における女性の管理職の割合は平均8.9%と大きく下回っています。

原因として、管理職候補である総合職の中途採用求人が少ないこと、女性は就業継続期間が男性と比べ短くなってしまいがちなため、採用されるハードルが上がってしまっていることが挙げられます。

このように、女性が管理職になるための教育機会が少なく、女性管理職が周りにあまりいないことが、女性管理職への挑戦が難しくなっている一つの要因です。

女性活躍を目指す企業が打つべきエンゲージメント向上施策とは

前述の通り、制度の未整備等により女性が活躍する機会が失われているのが現状です。
女性活躍に関する施策を含め、従業員のエンゲージメントを向上させるためにはどんな打ち手が必要になってくるのでしょうか。

バヅクリHRの研究所では、エンゲージメントに関するアンケート調査を実施し、エンゲージメントを高める要素、施策、取組事例などをまとめました。

下記からダウンロードできますので、エンゲージメント向上施策にぜひお役立てください。

【資料概要】

  1. エンゲージメントサーベイに関する調査結果
  2. エンゲージメントを高める3要素
  3. エンゲージメントを高める打ち手
  4. エンゲージメント向上施策
  5. エンゲージメント向上施策に関する注意点
  6. エンゲージメント向上取り組み事例
  7. まとめ

女性活躍のためのポイント

女性活躍の環境

ここでは女性が社会で活躍できる環境を整備するための具体的なポイントを解説します。

1. 労働時間・労働方法の見直し

女性が仕事と家庭の両立を図るために、働く時間や時間帯を柔軟に選択・調整できる仕組みを整えましょう。
従来の「出社必須」「フルタイム勤務のみ」という枠組みだけではなく、時短勤務やテレワーク、フレックスタイム制の導入を進めることで、女性が働きやすい環境を整えることができます。

2. 女性従業員の育成

キャリアと家庭をうまく両立しているロールモデルやメンターの存在は、その職場で働く女性にとってモチベーションにつながることもあります。
そのような女性の先輩社員や女性管理職を増やすことで、女性たちが会社の制度や仕組みづくりに参画しやすくなり、働きやすい職場づくりがより加速するでしょう。

3. コミュニティの形成

企業内で、女性同士のコミュニティを作ることも有効です。

そのようなコミュニティがあると、女性ならではの悩みや問題を共有できるため、知見の共有や素早い問題解決につながります。
また、お互いに悩みを相談しあう中で、キャリア形成やワークライフバランスに関わる問題が解決されることもあります。

女性がキャリアについて語るためのコミュニティづくり支援に有効なワークショップなどもあります。もしご興味がありましたらこちらよりダウンロードください。

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女性向けのキャリアデザイン研修なら、バヅクリ!

ここではバヅクリの女性向けキャリアデザイン研修のおすすめを紹介します。

①女性のためのおうちとシゴトを語り合うワークショップ

女性のためのおうちとシゴトを語り合うワークショップ
出典:バヅクリ

女性ならではのキャリアの悩みは、家族や異性の同僚に話しても理解されない、話しづらいと感じることもあるでしょう。

このワークショップは女性のみが参加して、ライフワークバランスについて対話を行い、不安の解消や悩みの解決を目指します。
参加可能なのは女性だけなので、アットホームな雰囲気の中、安心して参加することができます。

働き方にまつわる不安の解消だけではなく、つながり作りや仲間意識の醸成にも効果的なワークショップです。

②女性向けキャリアデザイン研修

女性向けキャリアデザイン研修
出典:バヅクリ

「女性向けキャリアデザイン研修」は、女性活躍推進に積極的な企業の実例を紹介しながら、受講者に長期的視点でキャリアプランを考えてもらいます。
また女性同士でキャリア形成における悩みや課題を共有してもらい、多様な働き方を受容する機会を生みます。
新入社員~20代までの若年層女性社員の方を対象とした研修です。

③女性向けキャリアデザイン研修

女性活躍アイデアソン
出典:バヅクリ

理想のワークライフインテグレーションを共有したり、女性活躍におけるアイデアを話し合うことで、たくさんの価値観に触れ、参加者同士の相互理解が深まるプログラムです。

仕事でしか接したことのなかった同僚が、キャリアについて相談できる心強い仲間になる。そんなことが起きるかも知れません。

4. 制度の見直し

子供の病気時に休暇をとりやすくしたり、男性の育休取得を推進したりするなど、産休・育休に関わる制度を見直すことも重要です。
柔軟な働き方に対応した制度や、出産・育児・介護などのライフイベントと仕事を両立できる配慮に関する情報を周知することで、職場風土が改善し、女性の就業継続につながります。

企業の取り組み事例

女性活躍に取り組む企業

ここでは女性活躍のための企業の取り組み事例を解説します。
自社の制度に取り入れるヒントにしてください。

1. 株式会社メルカリ

国内最大級のCtoCプラットフォームを展開する株式会社メルカリでは、社員がライフイベントの中でもいきいきと働くための人事制度「merci box(メルシーボックス)」を作っています。

制度には「育休中も給与が100%保障」、「妊活の支援」、「病児保育費の支援」、「認可外保育園補助」など、女性が長く働き続けるための制度を幅広く用意しています。

2. 株式会社サイボウズ

企業向けの業務効率化ツール「kintone」やグループウェアソフト「サイボウズOffice」を提供する株式会社サイボウズでは、本人が望む勤務時間・場所・働き方をその都度選択できる「ウルトラワーク」という人事制度を導入しています。

「ウルトラワーク」導入後は働きやすい環境が広がり、離職率が4パーセントに低下しました。

3. 味の素ホールディングス

食品会社大手の味の素ホールディングスでは、テレワークの実施場所や利用回数の上限を大幅に緩和し、自宅やサテライトオフィスなど、働く場所を選択できる「どこでもオフィス」という制度を2017年から導入しています。

「どこでもオフィス」の導入後は育児期間中の女性も隙間時間に労働ができるようになりました。
また男性でもこの制度を利用できるため、男女の育児参加がしやすくなるメリットも生まれました。

4. アイシン精機株式会社(現 株式会社アイシン)

愛知県に本社がある自動車部品メーカーのアイシン精機株式会社では、女性活躍推進プロジェクト「きらり」を発足。副社長をトップとして各部署から選出された女性約20名が集まる組織横断型プロジェクトでは、現場の実態を踏まえた女性活躍のための提言を行いました。

この取り組みにより女性管理職登用へむけた研修の開催や短時間勤務・在宅勤務制度の整備、妊活支援・託児所設置など、女性活躍のための幅広い支援策が充実し、働きがいを感じられる職場になりました。

5. ダイハツ工業株式会社

自動車メーカーのダイハツ工業株式会社では、「企業内保育所の運営」「子どもが2歳の誕生日になるまで育児休職を付与」「子の看護休暇付与」など、子どもを育てやすい環境づくりの整備を進めています。
     
また時間外労働・深夜業の制限や所定外労働の免除(子が小4修了まで)、短時間勤務や妊娠期休職を認めたことにより、育児を理由に離職する人がほぼいなくなったそうです。

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バヅクリとは、チームの成長と社員の行動変容にコミットする研修サービスです。
同社が提供する女性向けのキャリアデザイン研修プログラムの中には、ワークライフバランスを取りながら自分らしいキャリアを実現する方法をディスカッションするとともに、女性同士で交流を深められるものを用意しています。

また、企画から当日の研修運営まで、研修に関連するあらゆる業務を研修のプロが引き受けてくれるため、研修開催時の工数を大幅に削減できます。
オンライン/対面など、幅広い研修形式で対応できますので、女性活躍に課題を抱える方は検討してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

本記事では女性活躍のために企業がおこなっている取り組みについて解説しました。
本記事をきっかけに、バヅクリの研修をご検討してみてはいかがでしょうか。