目次
なぜ内定辞退は起こるのか?
内定辞退を防ぐ方法をご紹介する前に、まずは内定辞退が起こる理由をいくつかご紹介したいと思います。
内定辞退が起こる理由を知り、それに合わせ上手に対策・対処をしていきましょう。
雇用の条件・待遇がマッチしなかった
まず1つ目に内定辞退の理由として考えられることは、雇用の条件・待遇がマッチしなかったという理由です。
選考の中であらかじめ候補者には、給与や待遇、福利厚生などについて説明をしておくといいでしょう。
自分から給与や待遇に関することは聞きにくいという候補者も多いもの。
内定を出す前に候補者に説明する機会を設け、お互いの考えをすり合わせることで内定辞退や認識の相違を防ぐことができます。
採用担当者や面接官の対応が悪かった
採用活動の際、採用担当者やリクルーター、面接官が威圧的な雰囲気で対応をした場合、「こんな企業で働くのは厳しいな」と内定辞退を選ぶ候補者が増えるでしょう。
候補者に対しへりくだる必要はありませんが、高圧的な態度は取らないようにしてください。
企業側が候補者の中から共に働く人を選んでいるのと同時に、候補者も働く場所や人を選んでいるのだということを忘れないようにしましょう。
志望度がより高い企業から内定が出た
志望度がより高い企業から内定が出た場合に起こる内定辞退は、防ぎようのない内定辞退であると言えるでしょう。
企業側は候補者の志望度がどれだけ高いかや、入社の確度はどれだけあるのかを面接などを通し見抜く必要があります。
しかし、近年よく話題に上がる「オワハラ」(就活終われハラスメント)などを内定承諾を得ようと行なってはいけません。
候補者に対し、内定を出したらその他の企業への就職活動は終わらせるように仕向けるのではなく、企業の魅力を感じてもらうことで内定承諾を得たいものです。
内定辞退率は上昇傾向!学生がリアルに求める内定者フォローとは
2022にかけて、オンライン採用の普及により複数内定を持つ学生が増加傾向にあるため、内定辞退率は上昇傾向にあり、内定者フォローを強化する企業が増えていますが、効果的な施策がわからない担当者も多いかと思います。
学生が内定通知を受けた企業に対して、何に不安を感じ、内定辞退に至るのか、アンケート調査を行い企業に対する不満点をまとめました。
調査結果は下記からダウンロードできますので、内定者フォロー施策の参考にしてみてください。
内定者の不満を解消し内定辞退を防止するためにも内定者へのフォローは重要です。内定者フォローの具体的な施策やポイントが知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
・内定者フォローのポイント!内定辞退を防止するコミュニケーション施策
内定辞退を防ぐための対策
内定辞退が起こる理由を知ったところで、内定辞退を防ぐための対策をご紹介していきます。
防ぎようのない内定辞退も起こる可能性はありますが、対策をすることで防止できる内定辞退はしっかりと防いでいきましょう。
1. 選考過程の中で自社の魅力をわかりやすく伝える
当たり前のことかもしれませんが候補者に「この企業で働きたい!」と思ってもらうことが内定承諾獲得に繋がります。
しっかり企業の魅力が候補者に伝わった場合、自社よりも志望度の高い企業があったとしても内定承諾を獲得できることもあるでしょう。
一緒に働く同僚、企業のカルチャー、環境など自社の魅力を明確にし、企業側もそれをしっかりと理解し、そして候補者に伝える必要があります。
企業側が候補者のことを知るためだけの面接ではなく、企業側にとっては自社の魅力を伝えるため、候補者側に取っては企業のことを知るための時間であると認識しましょう。
2. 内定の出し方を印象に残るように工夫する
「これからこの企業で働くんだ」という意識を持ってもらい、かつ、思い入れのある瞬間にするためにも内定の出し方を工夫するようにしましょう。
例えば、内定出しの際、社員全員に祝ってもらう、社長や役員から内定を出してもらうなどが例として挙げられます。
内定の出し方を工夫することで、既存の社員との繋がりを感じたり、感動が生まれたりし、企業に対する思い入れが強くなります。
いい思い出や印象を持ってもらうことが、内定辞退を防ぐことに繋がるのです。
3. 内定承諾の後に定期的に連絡を取る
内定を出し承諾をもらった後も、内定者とは定期的に連絡を取るようにしてください。
入社まで連絡を取らなかった場合、内定者は不信感を抱いたり、企業に対する愛着が薄れてしまったりします。
バヅクリ株式会社が320名の内定者を対象に行なったアンケートによると、内定者の9割りが月に1度以上のコミュニケーションを求めているという結果がでています。
定期的な連絡や、内定者フォローを行うことで「この企業は社員の不安に寄り添ってくれる組織である」というイメージをつけることができます。
そのようなイメージは、入社後の企業への信頼感や安心にも繋がります。
4. 内定者研修を実施する
内定辞退の防止策として、内定者研修やセミナーを行うという方法があります。
企業のビジョンやカルチャー、職場の雰囲気を知ってもらうこと、入社後に必要なスキルの習得などを目的とします。
また、内定者研修の中で交流会や座談会などのイベントを開くことで、今後一緒に働くことになる同僚との関係性の構築ができます。
どのような人と働くかが入社を判断する材料となることも大いにあります。
働く環境や人を理解してもらうため、インターンシップや企業でのアルバイトを実施する方法もあります。
長期インターンシップを経験すればよりどのような環境で働くことになるのかをしっかりと内定者に知ってもらえるでしょう。
しかし、長期インターンシップへの参加を強要することはおすすめしません。
就職活動を終えやりたいことがある人もいるでしょうから、配慮が必要です。
内定者研修について詳しくはこちら
5. 社員や役員と会って話す機会を作る
座談会や懇親会、ランチ会などを開き社員や役員と話せる機会を作るようにしましょう。
どんな人と一緒に働くことになるかや、職場の雰囲気などが分かり不安が減るだけでなく、仕事に対するモチベーションや、組織に対するエンゲージメントも向上するでしょう。
役員や活躍している社員と会話することで、自分自身の将来像やキャリアプランを思い描くことができ、期待を抱けるようになるからです。
配属先の希望も明確になるはずです。
6. 待遇についての認識の相違を解消する
待遇や条件などの認識の相違がないようにしっかりとすり合わせを行なってください。
面接時にあらかじめすり合わせを行い、待遇などを明確にすることでミスマッチを避け「こんなはずじゃなかった」と入社後の離職を防ぐことにも繋がります。
入社後のイメージがつき未来を展望しやすくなることで、入社に対するモチベーションもアップするでしょう。
7. 学生を歓迎する姿勢を示す
「入社してくれて嬉しい」「一緒に働くのが楽しみだ」というように、内定者を歓迎する姿勢を示してください。
既存の社員や企業側がオープンに歓迎してくれているムードは、内定者の気持ちもオープンにしコミュニケーションが活発になったり、関係性の構築がスムーズになったりします。
内定辞退への対策を行なっている企業
それでは内定辞退の対策を行なっている企業の具体例をご紹介していきます。
他社事例を参考に、いいと思う部分はぜひ自身の組織にも取り入れてみてください。
1. サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社は、オンラインツールを用い内定者フォローを行なっています。
オンラインツールを用いることで気軽にコミュニケーションを取ることができ、接触の機会を増やせます。
サイボウズ株式会社では、サイボウズLiveという無料グループウェアを活用しており、指定したメンバーでトークグループを作りコミュニケーションを取れるため、グループごとに使用目的を細分化することも可能です。
2. クックパッド株式会社
ワークスタイルトランプというツールを利用して内定者フォローを行なっているクックパッド株式会社。
ワークスタイルトランプとはその名の通りトランプのようなカードで、52枚のトランプにはそれぞれ「働き方」をテーマとしたキーワードが書かれています。
それを使うことで自分自身の働き方について考えることができます。
遊びで利用するような取り組みやすいツールを使うことで、キャリアや働き方に関することを考えるという、少し身構えてしまいそうな行動も取り組みやすくなりそうです。
また、入社前に現状のキャリアプランや理想とする働き方を明確にすることで、入社後のモチベーションに繋がるだけでなく、取り組むべきこともクリアになるでしょう。
3. 株式会社ジェイック
株式会社ジェイックでは内定者研修を通して内定者フォローを行なっています。
内定者研修の目的は「社会人になるという意識の醸成」「社会人として必要な基礎スキルの習得」「入社までの不安解消」の3つ。
内定研修を通し内定辞退を防止することはもちろんですが、活躍できる社会人の育成を目指しています。
研修の内容は、マインド面にアプローチする研修と、ビジネスマナーなどスキル面にアプローチする研修を行います。
4. 三井住友海上火災保険株式会社
三井住友海上火災保険株式会は、「遊び」を通して内定者フォローを実現できるサービス、バヅクリを導入し内定辞退を防止しています。
「おとなの図工」、「マインドフルネス」、「筋トレ」、「演劇」などのワークショップをオンラインで実施し、楽しみながら相互理解を深めることに成功しました。
内定者の新たな一面や、価値観を知ることができ、例年行なっていた懇親会を兼ねた飲み会では得られない気づきを得られたそうです。
三井住友海上火災保険株式会社の内定者フォローについて詳しくはこちら
内定辞退を防ぐために役立つツール
最後に内定辞退を防ぐために利用したい役立つツールやサービスをご紹介します。
定期的に連絡を取ったり、イベントなどのコミュニケーション機会を作ったりする内定者フォローは、時間などのコストがかかるものです。
ぜひ便利なツール・サービスを利用してプロの助けを借りながら、時間コストを削減し、効率的に内定者フォローを行い内定辞退を防ぎましょう。
1. バヅクリ
バヅクリはバヅクリ株式会社が運営する研修・チームビルディングサービスです。
図工、マインドフルネス、食レポなど200種類もの非日常な体験を通してコミュニケーションを産み、「遊び」という取り組みやすい題材ながらも、しっかりと絆や相互理解を深いものとします。
内定者に楽しんでもらいながら、内定辞退の防止や入社後の定着化を実現できます。
一見仕事と関係の薄いような内容でも、業務にも応用できる学びを得ることも。
運営は同社にお任せでき、人事負担を85%もカットし導入することが可能。
運営回数は800回以上にものぼり、安心して任せられるのもポイントです。
開始3年半ヶ月で800社以上に導入され、利用者は8,000人にも。
満足度は97%を誇ります。
料金:350,000円〜
https://buzzkuri.com/
2. エアリーフレッシャーズクラウド
EDGE株式会社が提供するエアリーフレッシャーズクラウドは、新卒採用におけるコミュニケーションプラットフォームで、内定者のエンゲージメント向上を期待できます。
学生の不安を解消することによる内定辞退の防止や、社会人基礎力の醸成、効率的なコミュニケーションを行うことができます。
導入への提案や、導入支援、運営支援も同社が行います。
料金:11,000円〜
https://fresher.jp/
3. TUNAG
TUNAGは株式会社スタメンが運営する、エンゲージメント経営プラットフォームで会社の成功や成長を支援するためのツールです。
企業の経営理念の浸透や、コミュニケーションの活性などを目的とし運営されています。
内定者に向け導入することも可能です。
ダッシュボード機能があるので利用状況を可視化できます。
4. 内定者パック
eラーニング事業や、次世代人材事業などを展開する株式会社プロシーズが提供している内定者パックは、内定者向けのSNS。
このツールを利用することで、企業と内定者間だけでなく、内定者同士のコミュニケーションも活発にすることができます。
企業から内定者に向けての連絡、アンケートの回収だけでなく、内定者同士でも発信に対して「いいね」やコメントを送ることが可能。
また、15万人以上が学習した、良質なオリジナルeラーニングも受け放題です。
リーズナブルな価格設定も人気の秘訣です。
料金:5,000円/1人〜
https://www.naiteisha.jp/
まとめ
内定辞退は時に防ぎようのない場合もありますが、対策を行えば回避できる内定辞退もあります。
内定辞退を防ぐ対策は、
- 候補者に企業の魅力をしっかり伝える
- 内定者の不安を解消する
という2つを大きなテーマとし、意義のある施策を行いましょう。
ノウハウがない、時間がかけられないという場合は、最後にご紹介したツールやサービスなどの導入も検討してみてください。