「部下の積極性を引き出したい」
「活発な意見が飛び交うチームを作りたい」
など、社員のモチベーションを高めるのに苦労している経営者や人事担当者も多いのではないでしょうか。

社員の継続的なモチベーション向上のために重要なのが、「内発的動機付け」です。
この記事では職場における内発的動機付けのポイントを、具体例とともに解説します。

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内発的動機付けとは

内発的動機付けとは

内発的動機付けとはどんなものかを知ることで、従業員の長期的なモチベーション向上を図ることができます。
ここでは内発的動機付けとはそもそもどんなものなのかについて解説します。

内発的動機づけの定義

内発的動機づけとは、本人の内なる興味・関心・欲求から生まれるモチベーションのことです。

例えば仕事をする理由として「仕事が楽しいから」「自分のスキルを高めるため」という言葉を挙げる人は、内発的動機付けに基づいて仕事をしている状態と言えます。

より詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

https://buzzkuri.com/columns/team-building/4307/

内発的動機づけと外発的動機づけの違い

内発的動機づけと外発的動機づけは、モチベーションの「源泉」が根本的に異なります。以下の表で主な違いを整理します。

内発的動機づけ外発的動機づけ
源泉自分の内側(好奇心・達成感・成長欲求など)外部(給与・賞与・昇進・評価・罰則など)
持続性長期的に持続しやすい報酬がなくなると低下しやすい
主な例「この仕事が楽しい」「スキルを高めたい」「社会に貢献したい」「給与を上げたい」「昇進したい」「叱られたくない」

内発的動機づけ

内発的動機づけとは、給与や評価といった外部からの報酬に関係なく、自分の内側から自然と湧き上がるモチベーションのことです。好奇心・達成感・成長欲求などが源泉となるため、外部環境が変化しても動機が揺らぎにくく、長期的に持続しやすいという特徴があります。「この仕事が楽しいからもっと深めたい」「スキルを高めて自分を成長させたい」「自分の仕事が社会の役に立っている」といった感覚がモチベーションの原動力となっている状態が、内発的動機づけの典型です。

外発的動機づけ

外発的動機づけとは、給与・賞与・昇進・評価・罰則など、外部から与えられる要因によって行動が促される状態のことです。「給与を上げたい」「昇進したい」「叱られたくない」といった動機がこれにあたります。即効性が高く短期的な成果を出す上では有効ですが、報酬が得られなくなったり期待した評価が得られなかったりすると、モチベーションが急激に低下しやすいという側面があります。また、金銭的報酬への依存が強まると、報酬がなければ動かないという状態に陥るリスクもあります。

どちらが優れているわけではなく、両者を使い分けることが重要です。外発的動機づけで動機付けながら、内発的動機づけへと移行させていくことが組織マネジメントの理想です。

内発的動機付けはエンゲージメント向上に繋がる

仕事へのやりがいや働きやすさなど、内発的動機付けは従業員のエンゲージメント向上に欠かせない要素です。
それでは、従業員のエンゲージメントを向上させるためには他にどんな打ち手が必要になってくるのでしょうか。

バヅクリHRの研究所では、エンゲージメントに関するアンケート調査を実施し、エンゲージメントを高める要素、施策、取組事例などをまとめました。

下記からダウンロードできますので、エンゲージメント向上施策にぜひお役立てください。

【資料概要】

  1. エンゲージメントサーベイに関する調査結果
  2. エンゲージメントを高める3要素
  3. エンゲージメントを高める打ち手
  4. エンゲージメント向上施策
  5. エンゲージメント向上施策に関する注意点
  6. エンゲージメント向上取り組み事例
  7. まとめ

ビジネスにおいて「内発的動機付け」が求められる背景

内発的動機付けが求められる背景

かつて、ビジネスでは報酬や昇進などの外発的動機付けによるマネジメントが一般的でした。
しかし今日、会社経営において内発的動機付けを持たせる仕組みづくりは欠かせないものとなっています。
ここではビジネスにおいて内発的動機付けが求められる背景を解説します。

従業員の精神衛生を高めつつ、成果に繋げることが出来るため

近年、過重労働や職場の人間関係によるストレスが原因で精神疾患を発症する人が増え、社会問題になっています。
そういった背景から、「従業員の精神衛生を高めること」に力を入れる企業も多いです。
「内発的動機付け」は仕事の質が高まると同時に個人の精神衛生にも良い影響を与えられるため、組織運営において重要な要素になっています。

能動的に考える従業員の育成に役立つため

近年、テレワークの普及など、働き方が大きく変わりました。
常に同じオフィスにいる環境下とは違い、テレワークをベースにした働き方では従業員のセルフマネジメントや「自分で考えて業務を進めること」が重要になります。
従業員を能動的に活動させるためには外発的動機付けだけでは不十分なため、「内発的動機付け」の必要性が高まっています。

内発的動機づけの心理学的背景:自己決定理論

内発的動機づけを語る上で欠かせないのが、アメリカの心理学者デシ(Edward L. Deci)とライアン(Richard M. Ryan)が提唱した「自己決定理論」です。

この理論では、人が内発的に行動するためには、以下の3つの心理的欲求が満たされている必要があるとされています。

① 自律性

自律性とは、自分の意志で行動を選択し、決定しているという感覚です。上司からの一方的な指示・命令が強く裁量がない状態では、自律性が阻害され内発的動機づけは生まれません。社員が自らの意思で仕事の進め方を選択できる環境づくりが重要です。

② 有能感

有能感とは、「自分はこの仕事をやり遂げられる」という自信・確信のことです。成果に対する適切なフィードバックやスキルアップの機会が有能感を高め、さらなる挑戦意欲を生む好循環を形成します。

③ 関係性

関係性とは、職場の仲間や組織との信頼関係・つながりのことです。「自分はチームの一員として受け入れられている」という感覚が、仕事へのエンゲージメントを高めます。

この3要素を組織として意識的に満たしていくことが、社員の内発的動機づけを引き出す土台となります。

内発的動機づけの具体アクション

内発的動機付けの具体例

内発的動機づけは、社員の内側から自然と生まれるものであるため、外部から直接コントロールすることはできません。しかし、管理職や人事担当者の働きかけによって、社員が内発的に動きやすい環境を整えることは可能です。ここでは、組織として実践できる具体的な方法を解説します。

1. 得意分野に応じて仕事内容を振る

社員の得意分野を把握し、適性に合った業務を割り当てることで、社員は自分の特性を活かして仕事に取り組むことができます。得意な仕事は成果が出やすいため自信や充実感を得やすく、スキルを余すことなく発揮できるという実感が仕事への意欲をさらに高めます。結果として、指示を待つのではなく自ら考えて動く姿勢が生まれ、業務の質とスピードの両方が向上していきます。

期待できる行動

得意分野の仕事を任されると、社員は業務時間外でも関連知識を自発的に学ぶようになります。また「もっとうまくやれるはず」という向上心から改善提案を自ら持ち込むケースも増え、担当領域における社内の第一人者として周囲に知識を共有する動きも生まれやすくなります。


2. 公平な評価とフィードバックを行う

評価の際は結果だけでなくプロセスも含めて理由を明確に伝えることが重要です。「きちんと見てくれている」という安心感が生まれると、社員は評価をポジティブに受け止められるようになります。その結果「もっと成長したい」「次はさらに良い仕事をしたい」という内発的な意欲が引き出され、フィードバックが自己成長の原動力として機能するようになります。

期待できる行動

フィードバックを前向きに受け取れるようになった社員は、次の評価に向けて自ら課題を設定し、改善に取り組むようになります。上司からの指摘を待つのではなく、自分で振り返りを行い「何を改善すべきか」を主体的に考える習慣が身につきます。


3. 振った仕事に裁量権を与える

業務の進め方を本人に委ねることで、社員は自分の仕事や意思決定に責任感を持つようになります。自分で考えて行動する機会が増えるため主体性が育ち、何かを成し遂げたときの達成感も大きくなります。この達成感の積み重ねが次の挑戦意欲につながり、指示待ちではなく自走できる人材へと成長していきます。

期待できる行動

裁量を与えられた社員は、業務の進め方を自分なりに工夫するようになります。うまくいった方法を他のメンバーに共有したり、より効率的なやり方を模索して提案したりと、担当業務の枠を超えた動きが生まれやすくなります。


4. 1on1で個人の「Will(やりたいこと)」を引き出す

定期的な1on1で「過去に楽しかった仕事」「将来どうありたいか」を対話することで、社員自身が自分の内発的動機の源泉に気づくきっかけになります。Will・Can・Mustを重ね合わせた業務設計ができると、「やらされている仕事」から「やりたい仕事」へと意識が変わり、自発的に成果を追い求める姿勢が生まれます。

期待できる行動

自分のやりたいことが言語化できた社員は、キャリアに対して主体的になります。「この経験を積みたいから、このプロジェクトに関わりたい」といった自発的なキャリア形成の動きが生まれ、上司から与えられるのを待つのではなく自分から機会を取りにいく姿勢が育ちます。


5. 業務の「意味・目的」を丁寧に伝える

「なぜこの仕事をするのか」「この業務が組織や社会にどう貢献しているのか」を丁寧に伝えることで、社員は仕事に意味を見出し、内発的に取り組むようになります。タスクの背景にあるパーパスを理解した社員は、単に作業をこなすのではなく「この仕事を良くしたい」という当事者意識を持って動くようになり、自発的な改善提案や創意工夫が生まれやすくなります。

期待できる行動

仕事の意味を理解した社員は、自分の業務が会社全体や顧客にどうつながっているかを意識して動くようになります。その結果、言われた範囲だけをこなすのではなく「もっと良い結果を出すにはどうすべきか」を自ら考え、周囲を巻き込みながら動く姿勢が生まれます。

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出典:バヅクリ

多くの企業が「部下のモチベーションを高めるのは上司の仕事」と捉えています。
しかし、バヅクリのモチベーション研修では、上司にモチベーションを高めてもらうのではなく、自分のモチベーションを自分で高めるための思考や行動を学び、実践できるようになることを目指します。

新入社員や若手社員を中心に、20代後半から30代まで、モチベーションを高めたい人におすすめのプログラムです。

モチベーション低下の原因にあわせたおすすめの研修については下記もご覧ください。
若手のモチベーションを上げる研修10選!課題別おすすめ研修と成功のポイント

まとめ

内発的動機付けを積極的に取り入れることで、従業員のモチベーションを高めることができるため、生産性が向上します。
さらに仕事に対して熱意があると、ワークエンゲージメントも高まるので離職率が低下することもあります。
部下のモチベーション管理にお悩みの方は、ぜひ指導のなかに内発的動機付けを取り入れてみてはどうでしょうか。

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