プレゼンテーションスキルは、営業や販売職だけでなく様々な場面で活用できる必要不可欠なスキルです。

しかし、新卒で入社してきた社員へのプレゼンスキルの教育方法がわからない・ノウハウがない、と頭を悩ませる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、プレゼンスキルの重要性や押さえておきたいポイント、注意点をご紹介します。

プレゼンスキルが重要な理由

プレゼンスキルが重要な理由として、ビジネスシーンでの必要性はもちろんのこと、そのほかにもいくつかの理由が挙げられます。以下で具体的に説明します。

自社や製品・サービスの魅力を伝えるため

プレゼンテーションは、自社やサービスの強みを相手に的確に伝えるための有力な手段です。いくら優れたサービスであっても、その魅力を適切に伝えることができなければ、顧客や取引先の関心を引くことは難しいでしょう。

また、相手のニーズに合わせてプレゼンをカスタマイズするスキルも重要です。例えば、技術的な話が必要な場合と、感情に訴えるストーリーテリングが効果的な場面ではアプローチが異なります。

プレゼンスキルが高いと、こうした状況に応じて適切なメッセージやスタイルを選び、相手の期待に応じた魅力的な提案を行うことができます。

相手に伝わる話し方を身につけるため

プレゼンテーションには、資料作成といった知識が求められる一方、喋りやボディランゲージなど、”相手に伝える能力”も大きく関わります。

効果的なコミュニケーションを取るためには、わかりやすい構成、明確な言葉選び、適切なトーンが必要です。プレゼンスキルを磨くことで、自分の言いたいことが正確に伝わるよう、話し方を工夫する能力が身につきます。

また、相手の反応を読み取る力も重要です。プレゼン中に相手の表情や態度を観察し、理解が不十分な箇所を補足したり、質問に対応する柔軟性は、プレゼンテーションの効果を格段に高めます。

客観的な物事の捉え方を身につけるため

プレゼンテーションの際、新入社員は単に自分の考えやアイデアを述べるだけではなく、相手の視点に立って物事を考える力が求められます。

特に、自分の提案やプロジェクトの内容を相手がどのように受け取り、相手にどのようなメリットをもたらすかを意識することが重要です。

この過程を通じて、自分の主観的な視点から離れ、より客観的な視点から自分の考えを評価することができるようになります。

プレゼン研修で押さえるべきポイント

話し方・ボディランゲージ

まず押さえておきたいのは、効果的な話し方・ボディランゲージを意識するということです。ボディランゲージとは、音声以外の身振り・手振りや表情などの方法で意思を伝える非言語コミュニケーションのことです。

メラビアンの法則では、人と人とがコミュニケーションを取る際、聴覚情報と視覚情報で93%を占め、言語情報はたった7%しかないとされています。

話す内容ももちろん重要ですが、それ以上に話し方が重要であると言えます。

具体的には、以下のポイントに注意すると良いでしょう。

  • 緩急・強弱をつける
  • 適宜間をあける
  • ジェスチャーを取り入れる
  • 自信のある、明るい表情

また、近年ではプレゼンテーションをオンラインで実施する機会も増加しています。オンライン開催となると、ボディランゲージは伝わりにくく、互いに目線が合うという感覚も生じづらいです。

そのため、オンラインでプレゼンテーションを行う際には、先程挙げたポイントに加え、以下の点も意識すると効果的です。

  • アニメーションを用いて、スライドに動きを加える
  • カメラを見て発表する
  • 身振り・手振りを大きくする

プレゼンテーションの内容・構成

プレゼンテーションにおいて、同じ内容を長々と述べたり結局言いたいことが伝わらなければ、相手が退屈に感じるだけでなく、プレゼンそのものに意味がなくなってしまいます。

そのため、伝える順番を工夫したり、無駄を省いて要点を端的に伝えたりすることが重要です。

ビジネスシーンでは、文章構成方法として「PREP法」がしばしば用いられます。

これは、Point(主張・結論)、Reason(理由)、Example(具体例・実体験)、Point(主張・結論) の4つの要素からなる文章構成方法です。

Point

最初に、伝えたい主張や結論を述べます。相手に何を知って欲しいのか、何が重要なのかを明確にすることで、話の方向性を理解してもらいやすくなります。

Reason

次に、主張・結論を支持する理由を説明します。ここでは、論理的な根拠やデータを基に相手に納得してもらえるような理由を提供することが重要です。

Example

続いて、主張・結論や理由をより説得力あるものにするために、具体的な事例やエピソードを紹介します。実体験や他の成功例を挙げることで、話にリアリティが生じ、相手がイメージしやすくなります。

Point

最後に、改めて伝えたい主張や結論を述べます。最初に述べた主張を再確認し、もう一度強調します。これにより、相手に最も伝えたいポイントを再度明確にし、話を締めくくることができます。

PREP法は、論理的な構成が求められる会議やプレゼン、営業の場で多く活用されます。

結論をまず相手に提示することで、聞き手は「何についての話なのか」を理解した上で話を聞けるため、ストレスなくプレゼンテーションを聞くことができます。

また、聞き手はプレゼンを結論と紐づけながら聞くことができ、内容理解が促進されるのも大きなメリットの一つです。

資料作成

資料作成では、1枚のスライドに情報を載せすぎないことが最も重要なポイントです。情報を載せすぎると、わかりづらく、本当に伝えたいことが伝わりにくくなります。

また、文字やデータが多すぎるスライドは、視覚的に負担をかけ、聞き手の集中力が散漫になる原因にもなります。

1枚のスライドに載せる情報は最小限に抑えることが重要です。各スライドで伝えたいメッセージは一つに絞り、それをサポートするための情報を適切に配置しましょう。

キーワードや短いフレーズ、シンプルなグラフや図表を使うことで、聞き手が瞬時に理解できるスライドを作ることができます。余白を活用し、スライド全体をすっきりさせることを意識しましょう。

また、資料はあくまで補強ツールなので、資料作成に凝って時間をかけすぎるのはNGです。

スライドに載せる情報に頼りすぎず、自分の言葉で説明できるように準備を進めることが重要です。

プレゼンワークショップ

バヅクリのプレゼンテーション研修は、新入社員をはじめとするプレゼンスキルが必須である方向けの、効果的なプレゼンテーション方法の習得を目指すプログラムです。

“相手に伝え、相手を動かす”プレゼンの方法を、アクティブラーニングを取り入れたワーク形式で実践的に学べます。

プレゼンテーションを行う際の注意点

聞き手を意識する

プレゼンテーションを行う際、よくあるミスの一つとして、用意した資料を読むことに気を取られてしまい、聞き手を意識できていないことが挙げられます。

資料に頼りすぎると、プレゼン全体が機械的になり、聞き手に退屈な印象を与えてしまう恐れがあります。

聞き手が理解しにくそうな表情をしていたら、説明の補足をする、異なる視点から話す、など聞き手の反応や関心に応じて臨機応変に対応していく必要があります。

時間管理を徹底する

プレゼンテーションにおいて、決められた時間内で話を完結させることは非常に重要です。予定より長すぎたり、逆に短すぎたりすると、聞き手に不信感を与えることがあります。

事前にプレゼン内容をリハーサルし、時間配分を確認することが非常に重要です。

各セクションにどのくらいの時間を割くか、質問の時間も考慮に入れて綿密な設計が求められます。

話す内容を丸暗記しない

プレゼンテーションに慣れてない人にありがちなミスとして、プレゼンテーションの内容を丸暗記しようとすることが挙げられます。

暗記すること自体は悪いことではありませんが、本番で想定外の事態がおこったときにパニックになり、スムーズに対処できなくなる恐れがあります。

プレゼンテーション全体の流れを意識し、不測の事態にも臨機応変に対応できるようにすることが求められます。

バヅクリでは、プレゼンテーション研修をはじめ、新入社員研修やエンゲージメント向上に活用できるプログラムを200種類以上ご用意しております。

まとめ

ここまでで、プレゼンテーションの重要性から注意点までご紹介してきました。

しかし、ビジネスシーンに関わらず、プレゼンテーションのスキルを向上させるためには、何よりも「場数」や「実践経験」が重要です。

実際にプレゼンを行うことでしか得られない経験や気づきが多く存在します。プレゼンを繰り返すことで、自分の弱点や改善すべきポイントが明確になり、反応を観察する力や、臨機応変に対応するスキルも磨かれます。

さらに、場数を踏むことで緊張感にも慣れ、より自然体でプレゼンに臨むことができるようになります。

プレゼンテーションスキルは、様々なビジネスシーンで求められているだけではなく、他社との信頼関係の構築にも役立つ極めて重要なスキルです。

ぜひ、バヅクリの研修 / ワークショップでプレゼンスキルの習得を検討されてみてはいかがでしょうか。