最近、特定の世代を指す言葉として定着した「Z世代」。そのZ世代と呼ばれる世代が社会人となる昨今では、Z世代に適した採用活動や育成方法などに注目が集まっています。
本記事では、そうしたZ世代の採用や育成を担当する方に向けて、具体的にZ世代がどのような価値観を持っており、どのような特徴なのかをご紹介します。
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Z世代が注目を集める理由と時代背景

1. トレンドの発信源、消費の中心となっていく世代であるため
Z世代は、スマートフォンやデジタル機器に幼い頃から慣れ親しんでいる事が多く、SNSなどを通じてインターネット上で情報発信やコミュニケーションを取ることが普通の世代です。
自分の気持ちや意見をインターネット上に発信する機会が多く、トレンドがこの世代から創り出されることもよくあります。
また、今後消費規模も大きくなり、今後の消費の中心となる世代であることも、注目を集めている理由です。
2. 従来の世代と比較して、価値観や生活様式に特徴が見られるため
現在では、情報収集やショッピング、通話、動画視聴、ネットバンキングなど実に様々なことをスマートフォンで行うことができます。
そのため、スマートフォンが当たり前であるZ世代は、従来の方法や方式を知らないままそれらをスマートフォンで行っています。
上の世代はテレビを見て育ちましたが、Z世代はスマートフォンでYouTubeを見る機会の方が多く、大衆向けに作られたテレビのコンテンツよりも、自身の興味に基づいた動画コンテンツを見ることが当たり前になっています。
このような動画コンテンツの事例を始めとし、独特な価値観や生活様式を確立している世代であることも、Z世代が注目されている理由の一つです。
3. 今後の新卒採用の対象世代であるため
少子化により労働人口の減少が懸念されており、供給量の少ない働き手を確保するためには採用力の強化が必要不可欠です。
Z世代は、一般的に1990年半ば〜2010年代初頭に生まれた世代を指し、ちょうど昨今新卒として社会に出ていく世代となります。
労働人口の減少が加速していく今後は、よりZ世代独特の価値観を理解した上で採用や育成を行っていく重要性が増していきます。
Z世代が育った時代背景
Z世代の価値観を理解するには、彼らが育った社会環境を知ることが欠かせません。Z世代は「失われた30年」と呼ばれる日本の長期経済停滞期に生まれ・育った世代です。高度経済成長を経験した上の世代とは異なり、「頑張れば報われる」という経済的成功体験を持ちにくい環境に置かれてきました。
さらに、学生時代にコロナ禍を経験した層も多く、対面コミュニケーションの機会が突然失われる体験が、職場での人間関係構築に対する苦手意識や不安感として表れるケースが報告されています。
こうした時代背景が、「安定志向」「リスク回避傾向」「コスパ・タイパ重視」といったZ世代特有の価値観の根底にあると理解することが、効果的な育成・関わり方の第一歩です。
Z世代の特徴

Z世代には、生まれ育った環境に由来する複数の特徴が見られます。以下に代表的な7つを整理します。
①スマホ・SNSネイティブである
Z世代の最大の特徴はスマホネイティブ・デジタルネイティブであることです。様々なデジタル機器が周りにある状況で育っているため、たいていの機器を比較的容易く利用できます。X(旧Twitter)・Instagram・TikTokなどのSNSが、友人とのコミュニケーション手段として定着しています。
また、情報収集においてもテレビ・新聞よりSNSや動画プラットフォームを優先し、アルゴリズムによってパーソナライズされた情報を受け取ることに慣れているため、自社の採用・研修コンテンツも「届け方」を工夫する必要があります。
②コスパ・タイパを重視する
Z世代はコストパフォーマンス(コスパ)とタイムパフォーマンス(タイパ)を重視する傾向が顕著です。映画を倍速視聴する・要約動画でコンテンツを消費するなど、「限られた時間で最大の効果を得る」行動スタイルが仕事観にも反映されます。
業務の指示においては「何をするか」より先に「なぜするか」の説明が求められます。目的・意義が不明確な仕事を非効率と感じ、モチベーションが下がりやすい点は、マネジャー側の関わり方を変えるきっかけにもなります。
③安定志向・リスク回避傾向がある
長期経済停滞とコロナ禍を経験したZ世代は、現実主義的で安定を優先する傾向があります。「頑張れば報われる」という感覚を持ちにくい環境で育ったため、根拠のない楽観よりも確実性と予測可能性を重視します。起業・転職・副業への関心も増えていますが、衝動的な行動ではなくリスクとリターンを冷静に計算した上での選択である場合がほとんどです。そのため「挑戦しろ」と漠然と促すよりも、失敗時のフォロー体制や成長の見通しを具体的に示すほうが、行動変容につながりやすい傾向があります。
④多様性・社会課題への関心が高い
Z世代はダイバーシティ(多様性)やSDGsに対する意識が高い世代です。学校教育においてSDGsやLGBTQに関する内容が取り上げられるようになった時代に育っており、企業の社会的姿勢を就職・購買基準の一つとして捉える傾向があります。
採用において自社のCSRやSDGsへの取り組みをアピールすることは、Z世代の候補者に対して一定の訴求効果を持ちます。
⑤個の価値観・自分らしさを重視する
ブランドや知名度よりも「自分にとって意味があるか」を優先する消費・行動スタイルはZ世代の特徴の一つです。仕事においても、「自分のキャリアにとってどんな意義があるか」を問う傾向が強く、単に「会社の指示だから」という理由では動きにくいことがあります。
価値観の押し付けを避け、本人のキャリア観を尊重した関わり方が育成の鍵となります。
⑥情報リテラシーが高い
幼少期からインターネットに触れ、膨大な情報の中を泳いできたZ世代は、フェイクニュースや誇張表現を見抜く情報リテラシーがほかの世代と比較して高い傾向にあります。
そのため、企業が発信する採用情報や研修内容についても「本当のことを言っているか」を敏感に感じ取ります。口コミサイト(OpenWork等)やSNSでリアルな情報を収集してから応募・入社を決める学生が増えているのはその表れです。
⑦承認欲求と自己表現への意識が高い
SNSで「いいね」や「フォロワー数」が可視化される環境で育ったZ世代は、承認欲求が強く、自己表現への意識が高い傾向があります。上司から適切にフィードバックをもらえる環境・自分の仕事が組織の役に立っていると実感できる機会を重視します。
1on1などの定期的な対話の場を設け、「あなたの仕事は組織にとって意味がある」と具体的に伝えることが、エンゲージメント向上につながります。
各世代との比較
Z世代の特徴をより立体的に理解するために、隣接する世代と比較します。
| 項目 | X世代(1960年代〜1980年代前半) | ミレニアル世代(1980年代〜1995年) | Z世代(1996年〜2012年頃) |
| 情報収集 | テレビ・新聞中心 | PC・インターネット | スマホ・SNS・動画 |
| 価値観 | 個人主義・自立志向 | 理想主義・キャリア重視 | 多様性・自分らしさ優先 |
| 仕事観 | 仕事優先・安定重視 | 仕事と生活の両立 | コスパ・タイパ・意味重視 |
| リスク感覚 | 挑戦志向(バブル期) | 慎重(就職氷河期) | 回避傾向(低成長期) |
α世代(2013年〜)との違い
Z世代に続く世代は「α世代(アルファ世代)」と呼ばれ、2013〜2020年代中盤に生まれた層が該当します。ミレニアル世代の子ども世代にあたります。
α世代はインターネットとオフラインの境界がなく、コミュニティが違うだけで同じ世界と認識しているとされています。また、幼少期からプログラミング教育が行われることも特徴です。現時点では就労年齢に達していない世代ですが、数年後には採用対象となるため、今から理解を深めておくことが有効です。
Z世代の仕事観

2020年に、アメリカのフロリダ州に本拠地を置くIT企業Citrix Systemsが、日本を含むグローバルな国のデジタル世代(Born Digital)を対象に行った意識調査の結果(Work 2035 The Born Digital Effect)によると、日本のデジタル世代が仕事に求めるものは、仕事への満足度、キャリアの安定性と保証、ワークライフバランス、報酬と福利厚生、上司との良好な関係が上位となりました。

経営層が考えているよりも、キャリアの安全性と保証や、上司との良好な関係、そして報酬と福利厚生をを求める傾向にあると言えます。
また、電通「Z世代就活生 まるわかり調査2024」によると、エントリー企業選びで重視するポイントの1位は「給料がいい」(46.7%)、3位は「業績が安定している」(36.3%)でした。安定志向と待遇への現実的な関心が、上位世代の予想以上に強いことがわかります。
Z世代と上手に付き合うためには

ここでは、Z世代と上手に付き合っていくためのコツや方法を紹介します。
Z世代に適した採用活動
1. SNSチャネル活用
Z世代が日常的に利用するSNSなどのツールを活用し、情報発信を継続的に行うことが重要です。ソーシャルネイティブであるZ世代は、企業のホームページだけでなく、SNSや口コミサイトなどを活用してよりリアルな情報を得ようとする傾向にあります。
最近ではSNSにおいて企業アカウントを開設する会社も増えており、社内の様子や働く社員の雰囲気が伝わる写真や動画などを投稿して、会社の雰囲気を伝えると効果的です。
2. 面接のスタンスを見直す
近年ではインターネットの発達により、従来では入手できなかったり気づきにくかった情報がより簡単に大量に入手できるようになっています。そのため、学生の選択肢が非常に多くなっている環境です。
かつ、少子化による若者人口の減少で、今後も売り手市場は加速していくと考えられるため、従来のように「企業が学生を選ぶ」というスタンスではなく「学生に自社を選んでもらう」というスタンスに変えていかなければなりません。
そのためには、学生や候補者に一方的に質問するだけでなく、自社の長所や課題、考え方や価値観などを伝え、お互いの希望をすり合わせるような機会にしていく必要があります。
3. 社会的な活動のアピールは効果的
社会的な意識が高く、サステナビリティやボランティア活動などに興味関心の高いZ世代は、社会貢献活動やSDGsへの取り組み方などを、企業選びの際に重視する傾向があります。
そのため、自社事業の社会性の高さ、さまざまな企業活動において公益性や多様性を重視していることを訴求することが効果的になり得ます。
Z世代の育成方法
1. 同じ目線でコミュニケーションする
Z世代は、意見や価値観の押し付けを非常に嫌います。そのため、理由や背景を説明せずに一方的に指示を出すのではなく、しっかりと必要なことを丁寧に説明した上で、同じ目線でコミュニケーションを取ることが重要です。
2. 相手の価値観を尊重する
Z世代は、多様性を重要視する世代です。そのため、様々な価値観が認められて然るべきであると考える傾向にあります。
「仕事とはこういうものだ」と威圧的に伝えるのではなく、対話を通して相手の価値観を鑑みた伝え方をすることが必要です。
3. 目的を明確に伝える
先述の通り、Z世代は、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを重要視する世代です。
そのため、仕事や業務がいったい何の役に立つのか、どのような意味があるのかを理解したがる傾向にあります。
指示を出す際には、「何をするのか」の前に、「なぜするのか」という説明をしっかりと行い、その業務の意味や意義を理解してもらうようにしましょう。
今の仕事を通じてどのような力が身につくのか、将来的にどのような社会貢献に繋がるのか、といった仕事の意義や目的を示してあげることが大切です。
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自分の価値観を整理して、やりたい仕事の可能性を広げて、周囲からの仕事や環境の変化にも対応できる柔軟な動機付けができるようになります。
Z世代との関わり方
1. 一方的に話すのではなく、傾聴し、対話する
Z世代は個人の意見や考えを大事にしているため、インタラクティブなコミュニケーションを望む人が多い傾向にあります。
しっかりと相手の意見も聞きつつ、会社や組織の要求も伝えていくことが重要です。
2. 信頼してもらえる関係を日常で構築する
対話の機会を作っても、信頼関係がなければZ世代の人々が本心を話すことはありません。うまく取り繕う術を彼らは心得ています。
有意義なコミュニケーションをとるためには、普段から信頼関係を築くことが重要です。
挨拶や立ち振る舞い、細かい配慮、部下の成長を褒めることなど、日頃から信頼関係を構築できるよう意識しましょう。
3. オープンなコミュニケーションを心がける
Z世代は、SNSに慣れ親しんでいる世代であるため、オープンなコミュニケーションを好む傾向にあります。
特定の人たちだけでなく、誰もが気軽に言い合える場を作り、意見交換やコミュニケーションを行うとよいでしょう。
例えばチャットツールのオープンチャンネルなど、オープンにコミュニケーションがとれる環境を作っていきましょう。
Z世代との関わり方については、以下の記事も参考にしてみてください。
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まとめ

これからの新卒社員はZ世代であることを考えると、企業が業績を向上させるためには彼らがパフォーマンスを発揮できる企業にしていく必要があります。そしてそのためにはZ世代の特徴を知ることが大事です。
Z世代を理解し、どう接していけば良いのかを知ることで、これからも世の中に勝ちを提供し続けることができる企業となることができるでしょう。
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