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早期離職とは

早期離職とは、新卒に限らず採用した従業員が3年以内に離職してしまうことを指します。

少子高齢化による労働人口減少や、労働人口の流動化によって人材確保が難しくなる中、採用コストや育成コストを費やした従業員が早期離職してしまうことは、企業にとって大きな損失となります。

中途社員が早期離職する主な理由

人間関係が良くない

同僚との関係構築が上手くいっていなかったり、上司とのコミュニケーションが不足していると、孤独や不安を感じ、仕事に対するモチベーションが失われてしまうことがあります。

また、もともとの職場環境があまり良くない場合や攻撃的な上司や同僚がいる場合、強いストレスを感じることでメンタルに不調を及ぼし、休職や早期退職につながる恐れがあります。

ウェブココル株式会社が2023年に実施したアンケート調査でも、転職後1年以内に離職した理由として「人間関係が良くない」が最多となる結果となっています。

人間関係が離職の動機に及ぼす影響は大きいと言えるでしょう。

(参考:“1年以内の早期退職理由”の最多は「人間関係」。「労働時間・労働環境」や「給与」の悪さも上位に

仕事内容のミスマッチ

仕事内容のミスマッチには大きく2点あります。

・中途採用者の持っているスキルが発揮できない場合
・採用面接時に希望していた仕事内容ではない場合

転職の動機として、主にキャリアアップやスキルアップに軸を置いていた場合、仕事へのモチベーションを低下させてしまう原因となるでしょう。

その結果、キャリアアップやスキルアップが望める新しい環境へと転職を考えるようになります。

キャリアビジョンが見えない

現代は「VUCA時代」と呼ばれ、過去の常識が通用しない不確実な社会です。大手企業も数年後にはどんな状態になっているのか、誰にも予想できません。

そのため、会社に頼らずに自分自身のキャリアを形成しようとする中途社員も増えてきました。

転職後、実際に働いた結果キャリアアップが望めなかったり成長が感じられない場合は、より自分のキャリアアップを望める職場への転職を検討し始めるでしょう。

労働条件や給与に不満を感じている

長時間労働の割に給与が低かったり、そもそも求人内容と給与に違いがあったり、また昇進しても給与の上がり幅が小さかったりと、給与に関する不満は厚生労働省が毎年発表している「雇用動向調査結果」でも上位に上がってきています。

また子育て世代や介護の時間が必要な社員にとって、長時間労働や休みが取りづらい等、労働条件が悪い場合は、もっと柔軟に働ける企業への転職を考えるようになります。

(参考:令和4年雇用動向調査結果の概況

会社の将来性に不安があった

前述の通り、先が見えない不確実な時代、終身雇用制は実質崩壊を迎え、会社に頼らずに自分自身でキャリアを築こうとする人が増えています。

その中で「会社の向かっている方向がよく分からない」という思いを抱いてしまうと、会社の将来に対して不安が募り、自身のキャリアについて考え直すきっかけとなってしまいます。

中途社員の早期離職がもたらす企業への影響

採用・人材育成コストの増加

一般的に中途社員一人あたりの採用コストは求人広告費、成功報酬費、人件費等を含めて100万円前後と言われていますが、そこに入社後の給与、社会保険料、研修費用やOJTに関わる人件費が加わり、数百万から数千万円規模のコストが積み上がります。

コストを費やして採用した中途社員が早期離職をしてしまうことは、企業にとって大きな損失となります。また、辞めてしまった社員の穴を埋めるために採用活動をしなくてはならないこともあるでしょう。そうなると採用・人材育成のコストはさらに増加します。

残された社員のモチベーション低下

退職者が出ると、退職した人が担当していた業務を残されたメンバーで割り振るか、新しいメンバーに引き継がなくてはなりません。その分、残されたメンバーには業務の負荷がのしかかり生産性が低下します。業務負荷が大きすぎると過度なストレス状態となり、結果的にメンバーのモチベーションの低下につながってしまいます。

企業イメージの悪化

早期退職が続いてしまうと、「働きにくい会社」として企業のイメージダウンにつながります。

また今の時代は、口コミサイトやSNSなどで会社の評判はすぐに広がってしまいます。転職において口コミサイトで企業の評価を確認するのは当たり前の時代、悪い評判が広まれば、優秀な人材の確保も難しくなるでしょう。

中途社員の早期離職を防ぐための9つの対策

1.採用プロセスの改善

採用時のミスマッチを防ぐために、求人広告などで正しい情報を発信することが重要です。また最近では、RJP(Realistic Job Preview)と呼ばれる1970年代にアメリカで提唱された理論を活用している企業も増えてきています。

RJP(Realistic Job Preview)とは、企業のポジティブな側面だけでなく、企業の課題や現実的な情報も含めて伝えることで、企業について正しく理解してもらい、入社後のギャップを最小限に抑え、早期離職を防ぐ手法です。

RJPでは、主に以下のような内容を実施します。

・業務内容の情報を課題も含めて正確に伝える
・社風や組織文化を理解してもらう
・職場の見学を実施し、リアルな職場の様子を知ってもらう
・入社後のキャリア形成について長期的な視点で伝える

RJPを実施することで、ミスマッチによる早期離職の防止だけでなく、中途社員のモチベーション向上により定着率を上げることで、採用コストの削減にもつながります。

2.入社後のオンボーディングプログラムの実施

オンボーディングとは、入社後の人材育成プロセスの一環です。似た言葉にOJTがありますが、異なるプログラムです。

・オンボーディング
研修や実務による教育にプラスして企業文化や人間関係なども含め、早期に組織に馴染めるようにプログラムを実施します。中途社員の定着化を図り早期離職を防止することを目的としています。

・OJT
実務による研修を行い、業務への理解を深めることで早期に戦力化することを目的としています。

オンボーディングにより早期離職を防ぎ定着率を向上させることは、採用コストの削減に加え、中途社員の早期戦力化、既存社員のエンゲージメント向上にもつながります。

バヅクリでは中途社員が既存社員と相互理解を図れるワークショップを200種類以上ご用意していますのでぜひ貴社のオンボーディング施策の参考にしてみてください。
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3.メンター制度の実施

オンボーディングの一環でもありますが、中途社員が職場に早く馴染めるように先輩社員が主に精神面をサポートする制度です。気軽に相談できる先輩社員がいることで、悩みや不安を解消し、モチベーション維持や早期離職の防止につなげることができます。

メンターには直接仕事に関わりのない先輩社員をアサインすることで、仕事の悩みも気軽に打ち明けることができたり、他部署とのコミュニケーションの促進が期待できます。

4.定期的な1on1ミーティングや面談

1on1により、定期的に配属先の上司とコミュニケーションする機会を持つことで、信頼関係を構築していくことができます。

双方の仕事に対する考え方や価値観、場合によっては家庭事情などを共有・理解することで、業務において相談しやすくなり、コミュニケーションがうまく行かないことによるストレスも減少します。

パーソルキャリアの調査によると、中途採用者は「入社から3ヶ月まで」が一番不安を感じやすいという結果もあるため、入社してから早い段階で人事もフォロー面談を実施すると良いでしょう。

(参考:【中途入社者の早期離職を防ぐ】入社3カ月までのフォローに必要な「人事と現場の役割分担」とは

1on1ミーティングについての詳細はこちらをご覧ください。

5.社内コミュニケーションの活性化

中途社員の定着率を上げるためには、社内コミュニケーションの活性化も欠かせません。社内コミュニケーションが円滑に行われている環境では心理的安全性が高まります。入社したばかりの中途社員も、心理的安全性が高ければ、臆することなく先輩社員に質問でき、戦力化の速度も速まります。

社内コミュニケーションを円滑にするためには、何気ない雑談やランチなど業務に関係のないコミュニケーションが大切になってきます。

しかし、業務に追われているとなかなかコミュニケーションのために時間が割けないのも事実です。

そんなときは、ワークショップなどを実施して会社として相互理解を促進してみるのもおすすめです。

バヅクリでは相互理解を図れるワークショップを200種類以上ご用意していますのでぜひ貴社の社内コミュニケーション活性化施策の参考にしてみてください。
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6.ワークライフバランスの推進と柔軟な働き方の提供

前述の通り、中途社員は子育てや介護時間を必要とする世代が多いため、早期離職を防止する観点からもワークライフバランスの推進が重要になってきます。

長時間労働や休日出勤を強いるのではなく、テレワークやフレックス制度を取り入れ、柔軟に働ける環境を整えることで効率よく成果を出せる仕組みへと企業側が変化していくことで中途社員の定着率向上が期待できます。

7.キャリア形成の支援

「とりあえず目の前の仕事をこなせば良い」という方針では中途社員の定着率は向上しません。

今取り組んでいる業務はどのようなスキルを得ることができ、将来どのような仕事を担ってほしいのか、本人の希望も加味しながら面談や1on1ですり合わせすることで、この会社に所属していることの意義や将来像が具体的に描けるようになります。

また必要なスキルを身につけるための研修や資格取得を後押しするような制度があると、キャリアの形成につながりやすくなります。

バヅクリでは中途社員のスキルアップやマネジメントスキルを身につけるためのアクティブラーニング研修を200種類以上ご用意しています。
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8.MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の浸透

「会社の将来性に不安を感じる」という課題は、もしかしたら会社の理念やMVVが”自分ごと化”されていないことが原因かもしれません。

MVVを浸透させることによって「自分たちが何を目指している組織なのか」を理解し、企業活動の方向性に納得感をもって取り組めるようになります。また、現場で迅速な判断が必要とされる場面でも、上司の判断を仰ぐことなくスピード感を持って対応できるようになります。

自分自身が会社の将来を自分が担っている一員であることを認識してもらうことは、企業や社員の成長にとってとても重要です。

会社の理念共感ワークショップ 〜ミッション・ビジョン・バリューを掘り下げよう〜

会社の理念共感ワークショップ~ミッション・ビジョン・バリューを掘り下げよう~

「会社の理念共感ワークショップ」は、会社の理念(MVVなど)を理解して自分ごとに落とし込むことを目指したプログラム。「自社の理念のどこが好きか?」「会社の理念を体現している人は誰?」など、従業員自身がMVVについてきちんと考えるプログラムを用意しています。

9.管理職の育成

定着率を高める仕組みとともに、管理職のマネジメントスキルも見直してみることも大切です。1on1や面談、社内コミュニケーションを活性化する施策をいくら実施しても、管理職のマネジメントスキルが低かったりコミュニケーション方法が間違っている場合、逆効果になり早期離職を促してしまうことも考えられます。

管理職が研修などを通してマネジメントスキルを身につけることが、社員の定着率を高める上で重要な施策のひとつです。

早期離職防止の取り組み事例

取り組み企業事例:株式会社ツマミナ

福岡県福岡市を中心に飲食店を運営する企業で、のどぐろとイカ活き造りの専門店「博多 魚蔵」、うなぎ屋「博多 藤う那」、焼き肉屋「天神黒毛流 焼肉 参星」など、地元九州の食材にこだわった多数店舗を展開しています。

早期離職防止対策への取り組み背景

事業規模の拡大に伴いリーダーシップが行き届いていなかったことに加え、コロナ禍で業務転換を進めた結果、業務内容と人材のミスマッチが起こり離職が進んでしまいました。

エンゲージメントサーベイ等の結果から、早期離職を防止するためには、マネジメント層ひとりひとりのリーダーシップを養うことが必要なのでは、と考えていました。

早期離職防止対策への取り組み内容

プレーヤーから管理職への意識転換がうまくできなかったり、リーダーシップを持つ感覚が薄かったりと、主体性が弱い人が取り残されているという課題があったため、マネジメント層のリーダーシップを養うために「コーチング研修」と「リーダー研修」を実施しました。

早期離職防止対策の取り組み効果

管理職である店長・料理長を中心に研修を受けてもらいましたが、部下との向き合い方や店舗作りへの意識の変化が見られました。また今回研修を受けた店長・料理長の元で働く部下が、いきいきと仕事をしている姿が明確に見えるようになったので、離職防止に寄与していると考えています。

株式会社ツマミナの事例を詳しく読みたい方はこちらからご覧ください。
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まとめ

本記事では中途社員が早期離職する主な理由、早期離職が企業に与える影響、そして効果的な対策について解説しました。

早期離職は企業に様々な負の影響をもたらしますが、採用プロセスの改善、入社後のサポート、メンター制度、柔軟な働き方の提供、社内コミュニケーションの活性化など、企業が積極的に取り組むべき施策が数多くあります。

社員の声に耳を傾け、活躍できる職場環境を整えることが、企業の持続的な成長と発展につながるでしょう。

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バヅクリのプログラムは、参加者同士でコミュニケーションを取りながら行う物が多く、講座を通して学ぶだけではありません。相互理解を深めることで社内コミュニケーションを活性化し、早期離職を防止します。また、スキルアップを後押しする研修の実施も可能です。
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