「新卒の離職率が高く、採用コストが膨らんでいる…」
「若手社員がなかなか定着せず、会社の中核を担う人材が育たない…」
など、若手社員の離職率に課題を抱えている企業は多いと言われています。

若手社員の定着率を上げるためには、若手社員が会社を離れる理由を理解して然るべき対策を打つ必要があります。
本記事では若手社員の離職の原因や離職防止のための施策、若手社員の離職防止に成功した企業の事例を紹介します。

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若手社員の離職率の現状

高い若手の離職率

社員の離職の中でも、特に若手社員の離職は多いと言われています。
ここでは若手社員にフォーカスして離職の現状と、離職しそうな人の特徴を紹介します。

約3割が新卒3年目で離職

厚生労働省が令和7年10月に公表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、令和4年3月に大学を卒業して就職した人のうち、33.8%が3年以内に離職しています。前年より1.1ポイント低下したものの、依然として3人に1人前後が早い段階で職場を離れている計算です。

高校卒では37.9%、短大等卒では44.5%と、学歴を問わず3年以内離職の高さが続いています。過去30年をさかのぼっても大卒の3年以内離職率はおおむね3割前後で推移しており、「就職して3年で3人に1人が辞める」という傾向は長く変わっていません。

企業規模が小さいほど高まる離職率

同じ若手の離職率でも、勤め先の規模によって大きく差が開きます。従業員1,000人以上の大企業では大卒の3年以内離職率が27.0%にとどまる一方、5人未満の事業所では57.5%と、倍以上の開きがあります。規模が小さい職場ほど教育体制や相談先が手薄になりやすく、若手が一人で抱え込みやすい事情があるためと考えられます。自社の規模を踏まえて、どの程度の離職率が平均的なのかを把握しておくと、対策の優先度を判断しやすくなるでしょう。

(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」 )

離職率が高い業界・低い業界

業界による差も無視できません。大卒の3年以内離職率がもっとも高いのは「宿泊業、飲食サービス業」で55.4%、次いで「生活関連サービス業、娯楽業」が54.7%と、対人サービス業で半数を超えています。続いて「教育、学習支援業」が44.2%、「医療、福祉」が40.8%、「小売業」が40.4%です。接客や夜間勤務など働く時間が不規則になりやすい業界ほど離職が起きやすく、自社の業界水準と比べて高いか低いかを起点に打ち手を組み立てると、優先順位をつけやすくなります。

(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」 )

離職に至る主な理由

リクルートマネジメントソリューションズが2023年に発表した「新人・若手の早期離職に関する実態調査」によると、入社3年目以下の若手社員が退職を考えた理由として最も多かったのは「労働環境・条件がよくない(労働時間、休日のとりやすさなど)」(25.0%)で、次いで「給与水準に満足できない」(18.4%)、「職場の人間関係がよくない、合わない」「上司と合わない」「希望する働き方ができない(場所、時間、副業など)」(各14.5%)と続いています。

労働条件や人間関係、キャリアの見通しなど、入社前に描いていた期待と実際の職場環境との間にギャップを感じ、離職に至る若手が多いようです。

現代の若手社員の価値観と特徴

同じ「若手」でも、今の20代が仕事に求めるものは10年前とは少し違います。離職防止策を考える前に、彼らがどんな価値観で働いているのかを押さえておきましょう。

安定よりも成長と納得を重視

今の若手は、定年まで一社に勤め上げる働き方を当たり前とは考えていません。給与や肩書きそのものよりも、「この仕事に意味を感じられるか」「ここで自分が成長できるか」を重く見る人が増えています。任された仕事に納得できなかったり、数年後の自分の姿が描けなかったりすると、「ここにいる理由が見つからない」と気持ちが転職に傾きやすくなります。裏を返せば、成長実感と納得感を持てる環境であれば、多少の不満があっても踏みとどまる若手は少なくありません。

Z世代についてさらに詳しく知りたい方はこちら

Z世代とミレニアル世代で異なる仕事観

ひとくちに若手といっても、20代前半のZ世代と30歳前後のミレニアル世代では、重視するポイントに違いがあります。Z世代はワークライフバランスや副業への関心が高く、テキストや動画でのやりとりに慣れたデジタルネイティブです。一方のミレニアル世代は、キャリアアップや社会への貢献を通じた自己実現に意欲を見せる傾向があります。同じ施策でも世代によって響き方が変わるため、年齢層に合わせて伝え方やマネジメントを調整すると効果が高まります。

ミレニアル世代についてさらに詳しく知りたい方はこちら

離職しそうな若手社員の特徴と兆候

離職は突発的な行動というよりも、強い決心が必要な行動です。
新卒社員が実際に離職に至るまでには、葛藤や無気力状態など、さまざまな感情の動きに紐づいた離職のサインが出ていることがあります。
ここでは離職しそうな人の特徴を紹介します。

評価への関心が薄れる

離職を心に決めた若手は、「ここで出世するつもりはない」「評価されても意味がない」と考えるようになり、社内での評価を気にしなくなります。チームへの貢献や目標達成への意欲も薄れ、最低限の役割だけをこなすようになりがちです。以前は前のめりだった会議で発言が減ったり、改善提案をしなくなったりしたら、気持ちが外に向き始めているサインかもしれません。叱責から入るのではなく、まず本人の関心がどこにあるのかを聞く姿勢が役立ちます。

雑談や付き合いから距離を置き始める

「この時間があるなら転職活動に使いたい」という気持ちが強まると、職場での雑談や食事の誘いから距離を置くようになります。これまでランチや飲み会に顔を出していた人が急に付き合いを避けるようになった場合、心が離れ始めている可能性があります。ただ単に忙しいだけのこともあるため、決めつけずに「最近どう?」と軽く声をかけるくらいがちょうどよいでしょう。距離が開く前の何気ない会話が、引き止めの糸口になります。

残業を避けて定時で切り上げる

現在の業務より転職活動を優先したい気持ちから、「とにかく定時で上がりたい」と最低限の時間で仕事を終わらせるようになります。急に残業をしなくなった、有給休暇の取得が増えたといった変化は、わかりやすいサインのひとつです。もちろん働き方の見直しでそうなる場合もあるので、変化に気づいたら1on1などの場で近況を聞いてみるとよいでしょう。行動の変化そのものを責めず、背景にある事情に関心を向けることが大切です。

新入社員の6割以上が職場にストレスを感じている 

若手社員・新入社員のストレスケアやメンタルヘルスケアは企業にとって重要な対策となってきています。

そこでバヅクリHR研究所では、義務化されているストレスチェック制度と併せて、新入社員が抱えるストレスの原因や企業が行うべき新入社員のストレスケア施策のポイントについてまとめました。

下記からダウンロードできますので、新入社員のストレスケア施策にお役立てください。

離職防止をしないと起こる問題

離職から起こる問題

離職防止施策を行わないことで起こる問題とは、どのようなものなのでしょうか。

1. 優秀な人材が流出する

優秀な人材は社外での市場価値も高いため、次の転職先がすぐに見つかる傾向があります。
積極的に離職防止施策を行わないと、会社を支える優秀な人材が流出してしまいやすくなります。

2. 採用コストの増加

離職防止施策を行わないと離職に歯止めがかからないため、企業は常に採用活動を行わなければいけなくなり、採用コストが増大します。
また採用コストだけではなく、入社してからの教育コストや毎月の給与など、活躍するまでに投資したコストを回収できないままになってしまいます。

3. 既存社員の負担が増す

会社を支える従業員が離職してしまうと、離職した社員の業務を既存社員が肩代わりして行わなければいけなくなります。
既存社員一人ひとりの負担が増すことで、生産性が低下したり、職場の活力が低下したりなど、更なるデメリットを引き起こすこともあります。

4. 離職の連鎖

既存社員の一人当たりの負担が大きくなることで、業務量の不満やストレスの増大など、新たな離職のきっかけになります。
また優秀な社員が離職してしまうと「ロールモデルとなる人がいなくなる」「あの人が転職してしまうなんて、この会社は大丈夫なのか」など、他の社員にも不安や不信感が伝播して、更なる離職を引き起こします。

5. 企業イメージが低下する

離職防止施策を行わず、離職を放置していると「あの会社は離職率が高い」という企業イメージがついてしまい、採用活動にも支障をきたすようになります。
また顧客にとっても、担当者がすぐに変わってしまう会社は信頼しにくい傾向があります。

若手社員の離職を防止する施策

若手の離職を防止する施策

若手社員の離職を防止するには、採用や人事制度、育成など、さまざまな人事施策の見直しを行うのが有効です。
ここでは若手社員の離職を防止する具体的な施策を解説します。

採用とオンボーディングで入社後のギャップを埋める

若手社員の早期離職を引き起こす原因のひとつに、入社前後のギャップの大きさがあります。仕事内容や条件を正直に発信し、オンラインの面談とオフィス訪問を組み合わせるなど、入社前に自社をよく理解してもらう工夫が定着につながります。さらに、入社直後の数か月をどう過ごすかを設計するオンボーディングも欠かせません。メンターやバディをつけて定期的に面談し、業務を段階的に任せていくと、「ここでやっていけそうだ」という手応えを早い段階で持ってもらえます。適性検査などのデータを使って採用時のミスマッチを減らす方法も有効でしょう。

労働条件・人事制度・福利厚生を見直す

「労働条件への不満」は、若手の離職理由の上位に必ず挙がります。リモートワークや時短勤務、フレックスタイムといった柔軟な働き方を整えると、さまざまな立場の人が働きやすくなります。加えて、給与水準が比較的低い若手にとっては、住宅補助や食事補助など手取りの実感につながる福利厚生の価値が大きくなりがちです。制度は「ある」だけでなく「実際に使える雰囲気があるか」が問われるため、上司が率先して有給を取るなど、使いやすい空気づくりまで含めて見直すとよいでしょう。

1on1で若手が本音を話せる場をつくる

上司との関係は、若手が辞めるか残るかを左右する大きな要素です。だからこそ、週に1回30分ほど、落ち着いて話せる時間をとって1on1を行うことをおすすめします。「最近気になっていることは?」「サポートできることは?」と問いかけると、面談以外の場では出てこない小さな不満を早めに拾えます。大切なのは、その場を評価や詰問の時間にしないことです。上司が話の途中で結論を急がず、まず最後まで耳を傾けるだけでも、若手は「ここでは本音を言ってもいい」と感じられます。こうした対話の積み重ねが、若手の「この会社で続けたい」という気持ちを支えていくのです。

上司のマネジメントとフィードバックを磨く

適切なフィードバックと公正な評価は、若手の成長実感を支えます。評価基準があいまいだと、「何を頑張れば認められるのか分からない」と将来への不安が募りやすくなります。フィードバックでは、状況と行動と影響をセットにして具体的に伝えると、相手に届きやすくなります。たとえば「昨日の会議で要点を整理して説明してくれたおかげで、参加者の理解が進んだ」というように、事実に基づいて伝えると納得感が高まります。よかった点を先に伝えてから改善点に触れる順番も、受け取りやすさを左右するでしょう。

研修制度でキャリアの見通しを示す

研修も離職防止施策として活用することができます。若手社員の離職につながる悩みとして「会社の将来性が感じられない」という課題を解消するには、自社理解研修を通して経営方針への理解を深め、企業の発展性を共有するのが有効です。また業務を一通りできるようになり、仕事にマンネリ感を抱える社員には、キャリアデザイン研修がおすすめです。数年後にどんなポジションやスキルを目指せるのかを具体的に示すことで、「ここにいれば成長できる」という見通しを持ってもらえます。

企業規模に応じて打ち手を変える

同じ離職防止でも、中小企業と大企業では効く打ち手が違います。中小企業は研修体制が手薄になりがちな一方、若手でも早くから裁量ある仕事を任せやすい強みがあります。任せる仕事の幅と成長機会を丁寧に見せることが、引き止めの軸になるでしょう。大企業では部署異動などの選択肢が多いぶん、入社3〜5年目はキャリアの相談に乗り、社内で挑戦できる道を示すことが定着につながります。自社の規模と照らして、強みを生かせる施策から手をつけるのが現実的です。

離職防止研修には「バヅクリ」

バヅクリ

エンゲージメント向上を目的とした社内イベント/研修サービス「バヅクリ」では、若手社員の離職防止に役立つプログラムを実施しています。
離職防止研修を設計する工数やノウハウがないという企業は、バヅクリのような外部の研修サービスを活用するのもオススメです。

バヅクリの離職防止プログラムを見る

離職防止に成功した企業事例

離職防止に成功した企業

ここでは離職防止施策が功を奏した企業の事例を紹介します。

1. 三菱商事ライフサイエンス労働組合

三菱商事ライフサイエンス労働組合では、コロナ禍にリモートワークを導入。
毎年、拠点ごとに行なっていたレクリエーションが、コロナの影響で開催できない状況が続き、組合員同士のコミュニケーションが希薄になっていました。

そこで同社はバヅクリのプログラム「オンラインスパイスカレープログラム」を実施。
社員同士がコミュニケーションをとりながらカレーづくりのレクリエーションを楽しみました。

違う部署や拠点の人とコミュニケーションが取れたことで、若手の新入社員も”この会社に入ったんだ”と実感できるようになるなど、一体感の醸成につながったようです。

バヅクリの離職防止につながる企業事例はこちら

2. サイボウズ

IT業界の大手であるサイボウズでは、どんな人も気持ちよく働ける職場を目指し人事制度の拡充を行いました。
在宅勤務や副業制度などを整備し、それぞれの社員がニーズやライフスタイルの変化に合わせて働き方を選択できる「選択型人事制度」を導入。
多様な働き方を自分で主体的に選べるようにしました。
これらの取り組みにより一時期28%あった離職率は4%まで改善しました。

参考:ワークスタイル

サイボウズ株式会社

3. 鳥貴族

飲食業界でもトップクラスに離職率が低いと言われている鳥貴族が実施しているのが、本社の人財部による人材育成です。
採用時の面接官が入社1ヶ月前後で店舗を訪問し、社員とのコミュニケーションを深めることで、現場の店長には言いづらい本音を汲み取る仕組みを作りました。
また飲食業界にありがちな無断残業や休日出勤などを徹底的に禁止し、従来の働き方の見直しを積極的に推進しています。  

参考:【定着率の裏に理念あり】離職率が業界平均を大きく下回る鳥貴族の秘密

リクナビNEXTジャーナル

4. 国内大手人材派遣会社

離職防止の取り組み内容

事業の拡大で派遣社員とサポート担当者の人員が急増していましたが、派遣先でのフォローや内勤社員のコミュニケーションが希薄になり、離職が課題となっていました。

自社で研修や1on1を実施していましたが、効果は薄く限界を感じていたそうです。

そこで、バヅクリを利用し、

  • 定着し活躍できるためのオンボーディングプラン
  • 派遣社員同士、派遣社員と社員のつながり作り

を目的として、研修・ワークショップや交流会を入社月ごとに毎月4プログラム実施しました。

実施したプログラム例

人材育成施策

コミュニケーション/風土改革施策

離職防止の成果

  • 派遣社員の月次離職率を3.5%から1.2%へ改善
  • 社員の離職率を年間25%から15%へ改善
  • 社員と派遣社員の採用コストが年間1.2億円効率化

派遣先でのコミュニケーション方法や言いにくいことを相手の目線で伝える方法を、座学の研修ではなくクイズ形式やゲーム形式で、楽しく学べるよう実施。

また、派遣社員同士、社員との相互理解を深めるためのワークショップを実施し、心理的安全性を高め相談しやすい環境を整えました。

バヅクリのサービス詳細はこちら

まとめ

本記事では若手社員の離職の原因や離職防止のための施策、若手社員の離職防止に成功した企業の事例を紹介しました。今回ご紹介した、入社後の社員に対する施策だけではなく、採用時に自社にマッチした人材を採用できるよう設計を行うことも重要です。
採用時のリソース投下の為にも、自社だけで離職防止施策を行うのは難しい場合も多いため、外部の研修サービスなどを導入し、効率的かつ、効果的な離職防止施策を行いましょう。

バヅクリなら多くの実績から、離職防止に効果的な研修・ワークショップのご提案が可能です。