ストレスチェック制度とは、定期的に労働者のストレス状況について検査・集計・分析を行うことで各人の心身の健康状態を把握し、セルフケアを促す制度のこと。
厚生労働省が2014年にストレスチェック制度を義務化したことで、企業のストレスチェックのニーズが高まっています。
本記事ではストレスチェック制度の概要とストレスチェック実施者向けの研修、ストレスチェックをサポートするサービスについて解説します。
目次
ストレスチェック制度とは
2014年よりストレスチェックが義務化に
労働安全衛生法の改正により、従業員が50人以上の会社では2014年から毎年1回、労働者に対してストレスチェックを実施することが義務付けられました。
ストレスチェックは医師や保健師、もしくは厚生労働大臣が定める研修を受けた看護師、精神保健福祉士、歯科医師、公認心理師のみが行えます。
上記の該当者は「ストレスチェック実施者」と呼ばれ、これらに該当しない職務者はストレスチェックを行うことができません。
ストレスチェックの重要性
ストレスチェックを実施することで、労働者各人のストレス状況と健康リスクを把握できます。
またストレスチェックが健全に運用されると、労働者の心身の不調に伴う離職や休職を未然に防ぐことにも繋がります。
さらに、企業は労働者全体のストレス状況を集計・分析できるため、職場環境の可視化や改善にも役立ちます。
若手社員の6割以上が職場にストレスを感じている
ストレス社会と言われる現代、ほとんどの会社員がストレスを抱えながら仕事をしていると言っても過言ではないでしょう。
特に若手社員の離職率が高まる企業が多く、新入社員のストレスケアやメンタルヘルスケアは企業にとって重要な対策となってきています。
そこでバヅクリHR研究所では、義務化されているストレスチェック制度と併せて、従業員が抱えるストレスの原因や企業が行うべき従業員のストレスケア施策のポイントについてまとめました。
下記からダウンロードできますので、新入社員のストレスケア施策にお役立てください。
ストレスチェックの方法、実施の流れ
ストレスチェックを行う際には、「ストレスチェック義務化法案」に則ってストレスチェックを行うことが重要です。
ここでは厚生労働省の「ストレスチェック制度導入マニュアル」で推奨されているストレスチェックの方法を解説します。
調査票を用いて点数評価
ストレスチェックは質問票を利用して行われます。
労働者のストレス状況はアンケートの回答内容をもとに点数評価され、その点数に基づいて高ストレス者が選定されます。
また高ストレス者に対しては、医師による面接指導を推奨する必要があります。
ストレスチェックシートのアンケート項目
ストレスチェックでは、労働安全衛生規則第52条の9第1項第1号〜第3号に定められている3つの領域を調査票を用いて検査・評価することが決められています。
- 職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
- 当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
- 職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目
また厚生労働省が推奨する質問票として、「職業性ストレス簡易調査票」の簡易版が公表されています。
高ストレス者の選定方法
高ストレス者の定義は「自覚症状が高い者や、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪い者」です。
ストレスチェックシートで検査・評価する3つの領域について、下記のいずれかに当てはまる人は「高ストレス者」として選定されます。
- 「心身のストレス反応」の評価点数の結果が高い労働者
- 「心身のストレス反応」の評価点数の合計が一定以上であり、「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」の評価点数の合計が著しく高い労働者
検査の結果に基づいて「すでに心身におけるストレス症状が深刻である」または「現状ストレス症状がある程度現れており、今後悪化するリスクが高い」と評価される場合は、高ストレス者として選定されます。
ストレスケア研修ならバヅクリ
高ストレス者のセルフケアを促す研修としておすすめなのが、バヅクリ株式会社が提供する「ストレスケア研修」です。
「ストレスケア研修」は、自分の心の癖を理解した上で、ストレスになりやすい要因を分析し、その対処方法について考えていくプログラムを提供しています。
研修の最後には、学びを通した行動変容を確実なものとするために、参加者同士の相互コミットメントの時間も設けています。
社員のストレスケアにお悩みの方は活用してみてはいかがでしょうか。
ストレスチェック実施者とは
ストレスチェック実施者とは
ストレス実施者とは、ストレスチェックを企画し、結果の評価をする人のこと。
企業の人事・健康管理担当者ではなく、医師や保健師、その他の厚生労働省令で定めた専門家など、専門的な立場から提言ができる人が「ストレス実施者」です。
ストレスチェック実施者の役割のひとつに、医学的な知見に基づいた専門的なアドバイスを行うことがあります。
また、ストレスチェックの評価方法や基準の確認、面接指導の対象となる高ストレス者の選定もストレスチェック実施者が行います。
ストレスチェック実施者のための研修もある
医師や保健師だけではなく、「看護師」「精神保健福祉士」「歯科医師」「公認心理師」といった専門家も、必要な研修を受けることでストレスチェック実施者になることが可能です。
この研修は厚生労働省の指定を受けた企業・団体が主催しており、全国で研修を受けることができます。
研修の内容には、下記の講義内容が含まれます。
- 労働者の健康管理
- 事業場におけるメンタルヘルス対策
- 個人および職場に対する支援の方法
ストレスチェックに役立つサービス
ストレスチェックサービスとは、従業員のストレスチェックの実施準備から実施・集団分析
・医師面接までを効率的に進めるためのサービスです。
ここではストレスチェックサービスのおすすめを紹介します。
1. ストレスチェッカー
【料金】0円〜
【URL】https://stresschecker.jp/
【内容】
ストレスチェッカーとは、株式会社HRデータラボが提供するストレスチェックサービスです。
官公庁や大手上場企業などを含む4000社以上の導入実績があるサービスです。
無料でストレスチェックができ、有料のWEB代行プランや紙プランでは専任コンサルタントによる提案を受けられます。
2. Carely(ケアリィ)
【料金】
基本料金:350円/月(1従業員あたり)
初期費用:〜1,000円(1従業員あたり)
【URL】https://www.carely.jp/
【内容】
Carelyは、企業向けの健康管理システムです。
ストレスチェックだけではなく、健康診断の管理、過重労働対策、産業医面談など、これまで複数のシステで管理していた健康管理業務が一元化できるクラウドサービスになっています。
また約490社の企業を支援してきた知見を活かし、ストレスチェックの準備から最短で効果的な施策実施までをサポートします。
3. ジンジャーワーク・バイタル
【料金】月額料金:300円/ユーザー
【URL】https://hcm-jinjer.com/workvital/
【内容】
ジンジャーワーク・バイタルとは、jinjer株式会社が提供するストレスチェックサービスです。
週に一度従業員にアンケートを行い、従業員のコンディション変化を定点観測できます。
アンケートの回答結果は自動的に集計・分析され、コンディションに大きな変化があった際にはシステムが検知してお知らせします。
4. ウインテック
【料金】0円〜
【URL】https://www.win-smile.com/
【内容】
株式会社ウィンテックが提供するストレスチェック専門のアウトソーシングサービスです。
経験豊富なスタッフがストレスチェックを実施し、実施準備から労基署の報告までをサポートします。
受検方法はWEB・マークシート・併用から選べるなど、さまざまな業種、職種、規模の事業所に対応したストレスチェックサービスです。
ストレスケアならバヅクリ
「バヅクリ」は心理的安全性に基づいたエンゲージメントサーベイ・組織改善コンサルティング・研修・社内イベントを提供する会社です。
同社が提供する研修プログラムでは、ストレスケア研修や心の回復力を向上させるレジリエンス研修など、ストレス状況の改善をサポートするものを多数用意しています。
業種や経験年数問わずおすすめのプログラムです。
まとめ
本記事ではストレスチェック制度の概要とストレスチェック実施者向けの研修、ストレスチェックをサポートするサービスについて解説しました。
ストレスチェックは従業員の健康管理だけではなく、エンゲージメントの向上にも役立ちます。
最低限の対応だけではなく、会社全体でしっかりと職場環境の改善に着手しましょう。