新入社員の研修として一般的になっているOJTですが、トレーナー側の従業員がOJTに慣れておらず、うまく新入社員に業務を教えられない、効率が悪いという課題を抱えている企業も多く見られます。

本記事では、そういった課題を自社で抱える経営者や人事担当者の方向けに、OJTで教える側となるトレーナーの研修についてご紹介します。

OJTとは

OJTを受ける社員

まずは簡単にOJTについて触れておきましょう。

OJTとは

OJTとは、「On the Job Training」(職場内教育)の略語で、職場内で実際の業務の中で新入社員や部下に必要なスキルの教育を行う訓練のことを指します。

座学研修だけでなく職場内の現場でトレーニングする理由としては、座学やマニュアルだけでは伝わりにくい業務やスキルを新入社員に身につけさせることや、顧客に実際に関わったり、実務をこなすことで現場への知識を深めること、そして社内でのコミュニケーションの取り方や人間関係の構築を行うことなどがあります。

昨今では欠かせない人材育成手法のひとつとして、多くの企業でOJTが取り入れられています。

OJTトレーナーとは

OJTトレーナーとは、新入社員などの実務経験のない育成対象者に業務内容や必要なスキルを指導する人のことを指します。

業務についての指導をメインに行うケースが多いため、基本的には育成対象者の配属先候補の部署やチームの先輩、上司がトレーナーの役割を担うことが多くなります。

OJTにおける課題

OJTの課題についての話し合い

それでは、OJTのでの課題はどんなものがあるのでしょうか。ご紹介していきます。

1. トレーナーの育成

まず最初に挙げられるのが、トレーナーの育成に関する課題です。
そもそもトレーナー側の指導スキルが不足しているというケースが非常に多いです。

その理由の大部分が、トレーナーとしての育成や訓練を行う機会が非常に少ないためです。業務を覚えるための研修は実施しても、トレーナーになるための研修機会は一般的に多くありません。

そのため、トレーナーの指導スキルが不足していて、新入社員に対して十分な教育が行えない、効率が悪い、場合によっては新入社員の離職を招いてしまうという課題があります。

2. トレーナーと新入社員のコミュニケーション

続いての課題は、Z世代の流入、テレワークの普及などによる、新入社員とのコミュニケーション問題です。

物心が付く頃からインターネット等を通じて様々な価値観に触れており、働くことに対してもより幅の広い考え方を持つZ世代と呼ばれる世代とは、従来どおりのコミュニケーションではうまくいかないケースもあるでしょう。

またテレワークが普及してきたことにより、対面でのマイクロマネジメント的な指導が実施できないケースも生じています。

3. トレーナーの人員不足

さらには、OJTを行うトレーナー自体の不足という課題もあります。
人材不足で普段の業務もギリギリで回っているような状態であれば、新入社員の教育に手が回らないということもあるでしょう。
そして、それが原因で新入社員の業務定着が遅れてしまうという悪循環に陥りかねません。

このように、OJTには様々な問題が存在しています。

OJTトレーナー研修を行うメリット

OJTトレーナー研修のメリット

上記で触れたようなOJTにおける課題を解決する方法の一つが、OJTトレーナー研修です。
ここでは、OJTトレーナー研修がもたらすメリットについてご紹介します。

1. 内部リソースを使わずにトレーナーを育成できる

OJTトレーナー研修での一番のメリットは、内部のリソースをかけずにトレーナーを育成できることです。
トレーナー候補がOJTトレーナー研修を受講することによって、指導効率が向上します。

また、一度指導方法を学習すれば、その後ずっとトレーナーとして活躍することができるので効果的です。

2. Z世代との関係性構築

新たな価値観をもつZ世代との関わり方にはちょっとしたコツが必要です。OJTトレーナー研修を行うことで、新入社員と円滑なコミュニケーションを取ることができるようになります。

そのスキルは、OJTにとどまらず、その後も継続的な関係性の構築に活用することができます。

3. さらなるキャリアアップが望める

OJTトレーナーとしてのスキル習得は、OJTだけのスキルにとどまりません。
新入社員への育成スキルやコミュニケーションスキルの向上は、マネジメントにも必要なスキルであり、ゆくゆくはマネジメント職へのキャリアアップに繋がります。

経営者や人事担当の方にとっては、マネジメント層を育成する過程として捉えることができるでしょう。

おすすめのOJTトレーナー研修

リーダーのためのOJT指導研修
出典:バヅクリ

研修サービス「バヅクリ」のOJTトレーナー研修は、SL理論「状況対応型リーダ―シップ」に基づいた育成の基本を学ぶと共に、新しい価値観を持つZ世代のモチベーションを保ちつつ組織に貢献できる人材を育成するノウハウを、社員同士の交流を図りながら学べます。
OJT育成担当社員、中堅社員、人事担当者、管理職など、OJTの育成に関わる全ての方にオススメの研修です。

まとめ

本記事では、OJTトレーナー研修についてご紹介しました。
OJTトレーナー研修を行うことにより、新入社員の即力化を早めるだけでなく、トレーナー自身のキャリアアップにも役立てることができます。
この機会に、OJTトレーナー研修の受講を検討されてみてはいかがでしょうか。