ビジネスの場において、基本的な考え方となっているロジカルシンキング。
名前はよく聞くけれど、どんな考え方なのか、またはどのようにして鍛えていけばよいのかわからないという方もいらっしゃるかと思います。
そこで本記事では、ロジカルシンキング自体やその力の鍛え方についてご紹介します。
目次
ロジカルシンキングとは
ロジカルシンキングとは、物事の論理的なつながりを捉えながら理解する思考法のことで、いわゆる「論理的思考法」と言われているものです。
論理的なつながりを意識して話すことにより、聞き手にもわかりやすく伝えることができます。問題や課題を解決する場合にも、原因の特定や解決方法の模索に有効な思考方法です。
クリティカルシンキングとの違い
他によく名前を聞く思考法に「クリティカルシンキング」というものがあります。
クリティカルシンキングは日本語にすると「批判的思考」であり、ロジカルシンキングが物事を道筋立てて考える思考法であるのに対して、「前提が正しいのか検証して確かめる」という思考法です。
ラテラルシンキングとの違い
ラテラルとは、「側面の」「水平の」といった意味で、ラテラルシンキングとは、問題を解決するために固定観念や既存の論理にとらわれず、「物事を多角的に考察する」「新しい発想を生み出す」ための思考法のことです。
論理性を意識するロジカルシンキングとはまた異なる考え方です。
直感的な発想で、偶然を何かのチャンスにできないか考えるといった特徴があり、日本では水平思考とも呼ばれています。
ロジカルシンキングを習得するメリット
ロジカルシンキングを習得するとどのようないいことがあるのでしょうか。メリットについてご紹介します。
1. 論理的思考力が向上する
ロジカルシンキングを習得することでまず期待できるメリットとして、論理的思考力の向上が挙げられます。
物事の論理的なつながりを意識できるようになるので、直面している問題の原因の見当がつけやすくなり、解決の糸口を早く見つけられるようになります。
2. 分析力を身につけることができる
また、目の前の状況や直面した課題に対して、情報やデータから原因と結果を把握することを繰り返すことで、客観的分析に基づいた対策や行動を結論づけることができるようにもなります。
3. 分析力を身につけることができる
また、目の前の状況や直面した課題に対して、情報やデータから原因と結果を把握することを繰り返すことで、客観的分析に基づいた対策や行動を結論づけることができるようにもなります。
4. コミュニケーションの質が上がる
さらに、ロジカルシンキングを実践することができれば、上司への進捗報告、企画プレゼン、ステークホルダーと情報を共有する際などに、自分の考えを伝えやすくなります。
さらには相手の意見を、その根拠や背景を構造的に捉えることができるため、よく理解した上で深く議論ができるようにもなります。
ロジカルシンキングの代表的な手法
続いては、ロジカルシンキングの手法について、代表的なものをご紹介します。
1. 帰納法
帰納法は複数の出来事からその共通点を導き出し、共通点から結論を出す論理展開手法です。 実例の数が多いほど問題の本質を探りやすくなります。
1つでも間違った実例が混同してしまうと、間違った結論に至ってしまうという点に注意が必要です。
2. 演繹法
演繹法は、決まった一般論や法則に出来事を当てはめて結論を導き出すという方法です。
一般に論理というとこの演繹法のことを指す場合が多いです。
身近な手法ではありますが、論理の飛躍が起きがちであるため注意が必要です。
3. 弁証法
弁証法は、ひとつの物事に対し、反対意見を出してそこから解決案を導き出す方法です。
矛盾する2つの意見・事柄から、より良い解決案を出します。
ロジカルシンキングのフレームワーク
さらに、ロジカルシンキング、論理展開を補助してくれるフレームワークについても触れておきます。
1. ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーは、演繹法と帰納法を組み合わせて論理を構成する手法で、主張とその根拠をピラミッド状の図にまとめることで、情報を整理して伝えられるフレームワークです。
ピラミッドの頂点には、話の論点である「メインメッセージ」を配置し、下段にはメインメッセージを支える「キーメッセージ(=根拠)」を入れ、主張の正しさを示す根拠をさらに加えていきます。
2. ロジックツリー
ロジックツリーも同様に演繹法と帰納法を組み合わせて論理を構成する手法で、問題点をツリー型にして表すフレームワークです。主に下記のような目的で利用されます。
- 要素分解:問題全体を把握し、要素に分解する
- 原因究明:問題の原因を究明する
- 問題解決:問題の解決策・改善案を出す
ツリーを何段も作って複雑なものにしがちですが、シンプルかつ本質を捉えたツリーを作成することが重要です。
3. MECE
MECE(ミーシー)とは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、「漏れなくかぶりなく」という意味で使われます。
戦略立案、市場調査、商品企画をはじめ、業務改善や組織改革などあらゆるビジネスシーンで活かすことができます。
MECEを活用することによって、全体像を正しく認識することができます。
4. So What?/Why So?
課題や議論している事案に対し、「So What?(つまり)」・「Why So?(なぜ)」を繰り返し問い続けるという手法もあります。
問題と課題について「だから何?」「それはなぜ?」と問うことで、因果関係があるかどうかを確認していきます。
繰り返し問うことで問題の深堀が可能となるため、物事の本質を捉えることができます。
ロジカルシンキングを鍛える方法
それでは、ここまで紹介してきたロジカルシンキングを鍛えるためにはどんなことをすればよいのでしょうか。代表的なものをご紹介します。
1. 日常生活に取り入れる
まずは、普段何気なく行っている業務において、ロジカルシンキングの手法を意識的に取り入れてみるという方法です。
無意識に行っていたことを意識的にロジカルに考えようとすると、やり始めは時間がかかることもありますが、慣れてくると論理的な思考スピードが速くなります。
2. 結論から話すことを意識する
結論から話し始め、その後に根拠や具体例、説明などを入れるようにするトレーニング方法も有効です。
結論を頂点に置きその下に論理展開を広げることで、ピラミッド構造のトップダウンアプローチのトレーニングにもなります。
頭の中で論理構造を意識しながら話すと効果的です。
3. 何事にも仮説を立てる
課題の解決策や新しいアイデアを出したいとき、闇雲にあれこれと考えるのではなく、
まずは仮説を立ててみるという方法も効果的です。
仮説という、仮の答えに対して、それが成り立つかどうか論理的に検証するというアプローチが、ロジカルシンキングの力を養います。
仮説が正しければ、仮説を結論として再構築し、根拠のあるアイデアとして採用することも可能です。
ロジカルシンキングの研修をするならバヅクリ!
研修サービス「バヅクリ」のロジカルシンキング研修は、論理的思考について、基礎理論を学習し、自身の業務においてどのように活用するのか考える研修です。ワークを通じて論理的思考を実践し、グループでの議論を通じて自身の思考に関しての気づきを得ながら学習を進めます。
- 日常業務において論理的思考をどの場面でどのように活用すればよいのかを知りたい。
- 論理的思考について、基礎的な知識を身に付けたい。
- 実務で活かせるようなツールや実践上のポイントを知りたい。
- といった課題が解決できます。
自分の思考の癖や問題点は気づきにくいため、グループワークにより他のメンバーの思考に触れながら、自身の改良点に気づくようなワークとなっています。
まとめ
ロジカルシンキングは、ビジネスにおける基礎中の基礎であり、日頃から意識をすることで誰もが身につけることができる力です。ロジカルシンキングを身につけることで日々の業務の効率化を目指してみてはいかがでしょうか。