多様性を認めるダイバーシティな組織であることが、現代のビジネスシーンで発展していくためには重要と言われています。そこでダイバーシティ研修の実施方法や、他社事例、おすすめの研修サービスなどをご紹介していきます。
あわせて研修の目的や扱う内容、種類の違い、進め方のポイントまで整理しました。「何から手をつければよいか」で迷っている人事担当者の方が、自社に合う研修を選ぶための判断材料としてお役立てください。本記事を読み終えるころには、研修のゴール設定から会社選びまでの全体像がつかめるはずです。
ダイバーシティが企業に求められる背景

ダイバーシティな組織の作り方や研修方法を知る前に、今の時代に求められている「ダイバーシティ」とはどのようなものを指し、またダイバーシティな組織になることでどのようなメリットが得られるのかをまずは知っておきましょう。
ダイバーシティとは
ダイバーシティという言葉は「多様性」と訳されますが、職場の場面では年齢や性別、国籍、価値観の異なる人が同じチームで働いている状況を指して使われます。
しかし、ただ、さまざまな人が集まれば「ダイバーシティな組織」が完成するわけではありません。人を集めただけでは、すれ違いやお互いへの遠慮がかえって増えることもあるのです。
多種多様な価値観やパーソナリティを持った人々が集まっても、衝突することなくそれぞれを認め合い、それを強みとした誰もが過ごしやすい組織を目指しましょう。
ダイバーシティについてさらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
ダイバーシティ経営が重視される理由
ダイバーシティを企業経営に取り入れることが重要である理由は、大きく2つに整理できます。1つ目は、企業の生産性や競争力を高めるためです。ダイバーシティな組織になることで、多様な人材がそれぞれ持つ特性を活かしイノベーションを起こすことが叶いやすくなります。
2つ目は、価値観の多様化やビジネスのグローバル化、少子高齢化や人口減少を背景に、多様な人材が活躍できる組織でなければ働き手を確保しづらくなっているためです。それぞれのメンバーの特性を活かして業務を進められるうえに、採用面でも有利に働きます。
ダイバーシティ経営で得られるメリット
ダイバーシティ経営を進めることで、企業には次のようなメリットが生まれます。
- 新たな視点によるイノベーションが起こしやすくなる
- グローバル市場における競争力の強化
- 採用、雇用力の強化
- メンバーの働きやすい環境を作れる
- メンバーがそれぞれ持つ個性を活かし仕事ができる
ダイバーシティ経営を推進している企業事例については下記も併せてご覧ください。
ダイバーシティ研修ならバヅクリ「令和の研修」
ダイバーシティな組織を目指し研修を行うなら、令和の研修がおすすめです。
導入企業数1000社以上、参加者満足度97%を誇る令和の研修なら、その他の参加者とコミュニケーションを取り絆を深めながら、ダイバーシティ研修が実施できます。
座学だけでなくロールプレイングなども交えながら研修は進行します。
また対面・オンラインどちらでも実施が可能で、講師やMCはその道のプロが務めるので、盛り上がらない研修になるという心配もありません。
また、企画から運営までを同社にお任せできるので、社内負担を90%削減することも可能です。
日本でダイバーシティが進みにくい理由
これからの時代、ダイバーシティな組織であることは、組織としてさらに発展していくためにとても重要であり、多くのメリットがあるとお分かりいただけたかと思います。しかし、日本では組織や企業のダイバーシティ化はあまり進んでいないというのが現状です。
頭では重要だと理解していても、現場では「波風を立てたくない」「人と違う意見は言いづらい」と口をつぐんでしまう。周りの空気を読んでしまう、人と違う意見を控えてしまうなどの行動を取ってしまう人が多いのです。その背景には、日本人の国民性や文化が大きく関わっているといえるでしょう。
しかし、研修やワークショップなどを行うことでダイバーシティな組織に生まれ変わることが可能です。意識を変えるきっかけとして、研修の実施をおすすめします。
ダイバーシティ推進におけるメリットと問題点については下記も併せてご覧ください。
ダイバーシティ研修の目的と効果

それでは、ここからダイバーシティ研修についてご紹介していきます。
ダイバーシティ研修の目的
ダイバーシティ研修の目的は以下のようなものになります。
- 企業におけるダイバーシティの基本知識を身につける
- ダイバーシティな環境を受け入れるためのスキルを身につける
- 先入観や無意識に抱いている偏見に気づき意識改革をする
- 行動を変えるための取り組みを行う
最終的なゴールは、参加者一人ひとりが「自分にも偏見があったかもしれない」と気づき、行動を変える一歩を踏み出すことにあります。知識を得るだけで終わらせず、職場での具体的な振る舞いにつなげる点が、ダイバーシティ研修の核といえます。
研修で期待できる効果
ダイバーシティ研修を実施し、多様性への向き合い方を社員が身につけると、職場ではいくつかの変化が生まれます。まず、お互いの価値観や立場への理解が深まることで、女性やシニア、障がいのある社員、外国人社員が働きやすくなり、結果として人材を確保しやすくなります。
次に、悪気のない一言が誰かを傷つける場面が減り、ハラスメントの予防にもつながります。異なる発想が議論に持ち込まれることで、新しいアイデアや生産性の向上が期待できる点も見逃せません。
さらに、多様な人材が活躍する企業という評価が外部にも伝わり、採用ブランディングの面でもプラスに働きます。
ダイバーシティ研修の主な種類
ひと口にダイバーシティ研修といっても、対象とする属性や課題によって内容は変わります。自社が解決したいテーマに合わせて選べるよう、代表的な種類を整理しました。
女性活躍推進に関する研修
女性社員のキャリア形成や、出産・育児といったライフイベントと仕事の両立を支える研修です。管理職一歩手前の女性向けキャリア研修や、ワーキングマザー向けの働き方研修、男性社員の育休取得を後押しする研修などが含まれます。
女性管理職比率の引き上げを目標に掲げる企業では、こうした研修が出発点になります。評価制度やキャリア支援の具体策まで踏み込むと、研修後の行動につながりやすくなるでしょう。
障がい者雇用への理解を深める研修
障がいのある社員と働くうえで必要な知識や配慮を学ぶ研修です。身体・知的・精神といった障がいの違いや、発達障害への理解、合理的配慮の考え方などを扱います。
特に人事担当者は、障害者雇用促進法の要点を押さえておく必要があります。正しい知識があればトラブルを未然に防ぎやすくなり、既存の社員と障がいのある社員が互いに働きやすい職場づくりに役立つでしょう。
外国人・グローバル人材に関する研修
国籍や文化的背景の異なる社員と協働するための考え方を学ぶ研修です。価値観や仕事の進め方の違いをどう受け止め、どうコミュニケーションを取るかが中心になります。
「自分たちのやり方に合わせてもらう」のではなく、互いの前提をすり合わせる姿勢が出発点になります。海外展開を進める企業だけでなく、国内で外国人を採用する企業にとっても身近なテーマになっています。
LGBTQやシニアなど属性別の研修
性的指向や性自認、年齢といった属性への理解を深める研修もあります。LGBTQに関する研修では、無意識の決めつけや言葉づかいを見直し、誰もが安心して働ける環境を考えます。
シニア社員向けには、これまでの経験を活かしながら柔軟な働き方を選べるようにする視点が大切です。対象とする属性を絞ることで、研修のワークや到達目標が具体的になります。
ダイバーシティ研修の例
そそれでは、ダイバーシティ研修のプログラム例を一部ご紹介します。座学だけでなく、自分ごととして考えるワークを組み合わせる構成が一般的です。
1. ダイバーシティの基礎とアンコンシャスバイアスを学ぶ座学
まずはダイバーシティとはなにか、ダイバーシティな環境がもたらすメリットなどを座学で学びます。そうすることでどうしてこの研修が必要なのか、組織のあり方を変えるべきなのかを明確に認識でき、研修に対する前向きさが変わってきます。
この段階で押さえておきたいのが、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)です。「総合職は男性のほうが向いている」「若手だから任せられない」といった思い込みは、誰の中にも入り込んでいます。自分の偏りに気づくことが、多様性を受け入れる最初の一歩になります。
無意識の偏見について詳しくは、アンコンシャスバイアスとは?職場で起こりやすい事例15選と対策を解説もあわせてご覧ください。
2. 写真から連想し自分の思考の癖を知るワーク
ある写真を見て何を連想するかを、その他の参加者とシェアします。
ある写真を見て何を連想するかを、その他の参加者とシェアします。そうすることで、自分自身の先入観や偏見、考え方の癖などを知ることができます。
同じ写真でも、人によって受け取り方がまったく違うことに驚く参加者は少なくありません。「自分の見方が当たり前ではない」と体感できると、その後のワークへの入り方が変わります。多種多様な考え方を持った人がいることを、頭ではなく肌で理解できる時間です。
3. 人の個性や属性について知るワーク
男性と女性、若者とシニア、異文化で育った人やLGBTQなど、様々な人の個性について学び、それを受け入れるための練習をします。様々な属性の人がいることを知り、それを受け入れることがダイバーシティな組織を目指す上で大切です。
ここでのポイントは、属性で人をひとくくりにしないことです。「シニアはこう」「外国人はこう」と決めつけるのではなく、同じ属性の中にも幅があると理解できると、現場での接し方が柔らかくなります。
4. 今後のキャリアイベントの洗い出し
今後、自分に起こるであろうキャリアイベントを洗い出し、自分のキャリアを見える化します。そうすることで、これからどんな人に出会い共に仕事をすることになるか、どのような組織であれば働きやすいかなどを考えるきっかけになります。
結婚や出産、介護、転居など、働き方に影響するできごとは誰にでも訪れます。自分の将来を具体的に描くことで、同僚が抱える事情にも想像が及ぶようになり、お互いさまの関係づくりにつながります。
5. 職場のメンバーに知ってほしいことの共有
様々な価値観を受け入れてくれ、ありのままでいられる職場は働きやすいです。
全てをさらけ出せる環境を作り出す上で、仕事の仲間に知っておいて欲しいことをピックアップしましょ様々な価値観を受け入れてくれ、ありのままでいられる職場は働きやすいものです。全てをさらけ出せる環境を作り出す上で、仕事の仲間に知っておいて欲しいことをピックアップしましょう。
「実は子どもの送り迎えで朝の会議は出にくい」といった事情は、言わなければ伝わりません。小さな共有が積み重なることで、配慮が一方通行ではなくお互いのものになっていきます。
6. これまでのコミュニケーションの振り返り
今まで自分が取ってきたコミュニケーションは、誰かを傷つけたり、働きにくいと思わせたりしていないか振り返ってみましょう。深く考えずに取っていた行動が、相手にとって不快な言動だったかもしれないと気づくこともあるでしょう。
責めるための振り返りではなく、これからを変えるための振り返りだと位置づけることが大切です。気づきを責任追及で終わらせない雰囲気づくりが、ファシリテーターには求められます。
7. 誰もが働きやすい職場環境づくりの検討
どうすれば誰もが働きやすい職場になるのか考えてみましょう。すぐに大きなアクションを起こすことはできなくても構いません。方法を考え、今できることから始めてみましょう。
どんなに小さくても、それはダイバーシティな組織を作る大切な一歩になります。研修の最後に「明日から自分がやること」を一つ言葉にしておくと、学びが行動に変わりやすくなります。
研修の効果を最大化するために必要な準備とは
「研修をしてもその場限りになってしまい、あまり意味がない」そう感じている人事担当者も多くいらっしゃるのではないでしょうか。でも実は研修に意味がないのではなく、「意味がある研修」にするためには明確な戦略と計画が必要です。
HR研究所では、従業員研修のプログラム設計と実施において、研修前・研修中・研修後の3段階に分け研修の効果を最大限に高める手法をまとめました。
資料は下記からダウンロードできますので、ぜひ従業員研修の計画にお役立てください。

ダイバーシティ推進を成功させるポイント
それでは、ダイバーシティを推進する上で、押さえておきたいポイントをご紹介します。
1. 自社においてのダイバーシティを定義する
自社におけるダイバーシティとはどのようなものなのかを定義しましょう。たとえばジェンダーによる差や偏見のない組織、様々な価値観を認め受け入れる組織、子育て世代もシニアも働きやすい組織など、目指す姿は企業によって異なります。
何をダイバーシティとするかを言葉にすることで、進むべき方向と取るべき行動がはっきりします。ここがあいまいなまま研修だけを実施しても、現場には浸透しにくいものです。
2. 対応すべき重要なダイバーシティの属性を決める
女性と男性、若者とシニア、障害者、LGBTQ、子育て世代など様々な人の属性があります。
どの属性の課題を解決したいのかを決めましょう。
属性により行うべきワークやアクションは異なってきます。
まずは、自社でどの属性の課題を解決したいのかを決めましょう。すべてを一度に扱おうとすると焦点がぼやけます。優先順位をつけることで、研修の設計も会社選びも進めやすくなります。
3. ダイバーシティを推進する理由を明確にする
ダイバーシティな組織を作りあげることは、経営陣だけや、1部の社員で行うことはできません。
全ての社員の理解と協力が必要となります。
「なぜやるのか」を経営層の言葉で伝えることが、メンバーの納得感を左右します。推進する理由がはっきりしていれば、現場も前向きに協力してくれるようになります。
4. 企業メリットにつなげる具体策を示す
「ジェンダーの差をなくそう」「様々な価値観を受け入れよう」と目標を掲げても、それを達成するための具体策を示さなくては、メンバーはどう行動していいのか迷ってしまいます。
取り組みを周知する際は、それを行うことで企業や働く人にどのようなメリットがあるのかを合わせて伝えましょう。行動の手順とメリットがセットになって、はじめて人は動きやすくなります。
おすすめの研修会社

ダイバーシティ研修は、自社でプログラムを考え実施することも可能ですが、ノウハウがない場合は、大幅に時間などの社内コストを割いてしまうことが考えられます。
そこでおすすめなのが、社外の研修サービスを利用する方法です。
プロの視点で作られたプログラムを実施できる上に、企画から運営、アフターフォローまでもお任せできるサービスもあり社内負担を大幅に削減することができます。
それでは、おすすめの研修会社をご紹介します。
1. 令和の研修
令和の研修は、オンラインでビジネススキルを向上させるための研修や、チームビルディングを図るためのワークショップなどを実施できるサービスです。
導入社数は1000社以上、参加者満足度は97%を誇ります。
ダイバーシティ研修も用意されており、座学とワーク、ロールプレイングを組み合わせて学びを深めていきます。
講師やMCを務めるのはその道のプロで、座学で学ぶだけではなく、受講者同士でコミュニケーションを深めながら研修は進みます。
ダイバーシティ、インクルージョン、シナジーコミュニケーションを中心に楽しみ、参加者同士で絆を深めながら研修を進めることができます。
2. インソース

数多くの研修を提供するインソース。
同社が提供するダイバーシティ研修は、講義とワークを組み合わせたスタイルの研修です。
- ダイバーシティについて当事者意識を持つ
- 当事者意識に気づくため、自身のキャリアを考える
- 「お互いさま」と言い合える職場をイメージする
- 自身の担当している仕事を「見える化」する
の4つの視点を軸に学びを進めていきます。
https://www.insource.co.jp/index.html
3. リクルートマネジメントソリューションズ

人材採用、人材開発、組織開発、制度構築などを行うリクルートマネジメントソリューションズは、ダイバーシティな組織を目指す企業に向けた研修を複数提供しています。
- 女性向けキャリア支援研修
- シニア社員向けモチベーションアップ研修
などのプログラムが用意されており、目的・属性に合わせ研修内容をチョイスすることが可能です。
https://www.recruit-ms.co.jp/service/theme/diversity/
4. ANA ビジネスソリューション

ANAのキャビンアテンダントや空港係員を経て、多くのANA社員を育ててきた経験豊富な講師が研修を実施する、ANA ビジネスソリューションの研修。
ダイバーシティ研修では、
- 女性の活躍
- クロスカルチャ―
- ユニバーサルサービス
の3つを軸に研修を行います。
https://www.abc.jp/service/anakenshu/diversity/
5. リスキル

内容・人数・アレンジ問わずすべての研修を『料金一律』で実施できることが魅力のリカレント。
同社では、
- ダイバーシティ基礎研修 半日編
- ダイバーシティ&インクルージョン研修
- ダイバーシティ研修 1.5時間編
- グローバル人材育成研修
- 障がい者雇用の理解と対応研修
- 管理職向け 女性活躍推進研修
- ワーキングマザー向け 仕事の進め方研修
など細かく対象や目的、所要時間を分けて研修が用意されています。
https://www.recurrent.jp/categories/diversity
6. SMBC コンサルティング

コンサルティング業や、教育業などを通し企業の様々な課題解決の手助けをするSMBC コンサルティング。
同社では、
- ダイバーシティ(多様性)についての理解を深める
- 多様性を組織に活かす意識を醸成する
- 年齢、性別、国籍、雇用・就業形態等、多様な価値観や働き方を受け入れ、多様な人材が活躍する組織作りを図る
を3つの大きな軸としダイバーシティ研修を実施します。
7. 株式会社クオリア

日本国内でのサプライヤーダイバーシティの推進、ダイバーシティ&インクルージョンの実現を目指し、様々な取り組みを行う株式会社クオリア。
同社は国際認証である「WBE(Women ‘s Business Enterprise)認証」を取得しています。
ダイバーシティな組織作りに対し知識の深い同社からは
- 経営層向けダイバーシティワークショップ
- 管理職向けダイバーシティマネジメント研修
- ダイバーシティ推進リーダー研修
の3つの研修が用意されています。
オンラインで実施できる研修やセミナーも。
https://www.qualia.vc/service/diversity-training.html
まとめ
ダイバーシティを推進することで、組織としての発展を望める上に、メンバー一人ひとりが働きやすい環境を作り出すことができます。新たな視点によるイノベーションや、採用・雇用の強化にもつながります。
大切なのは、自社にとっての多様性を定義し、解決したい課題に合った研修を選ぶことです。ダイバーシティな組織を作り上げ、メンバーが持つ個性や特性を活かしながら、それぞれが自分らしく働ける組織づくりを目指しましょう。


