多くの企業で課題にあげられているコミュニケーション不足。
コミュニケーションが不足することで様々な問題が起こる可能性が高まります。
しかし、コミュニケーション不足を解消する取り組みを行うことで回避することが可能です。
この記事ではコミュニケーションを活性するための方法や、他社事例をご紹介します。
ぜひ自社のコミュニケーション不足解消のための参考にしてください。
目次
社内コミュニケーションの現状
HR総研が2022年1月に実施し225件の有効解答を得たアンケートによると、「社内コミュニケーション不足は業務の障害」と9割以上が解答する一方で、7割もの回答者が「自社の社内コミュニケーションに課題あり」と感じています。
また課題を感じる関係間に関する質問では、最も課題を感じていることが多かったのは「経営層と社員」の26%、次に「部門間」が17%、そして「部署内の課長とメンバー」と「部署内のメンバー同士」が12%となっています。
社内コミュニケーション不足によって生じる問題
コミュニケーションが不足していると、下記のような問題が生じます。
現在、以下のような問題を抱えている場合、あなたの職場はコミュニケーションが不足しているのかもしれません。
1. 人間関係が悪くなり離職率アップ
社内コミュニケーションが円滑でない職場では、それぞれの持つ価値観や個性などのパーソナリティに対し、理解が不十分になります。
そのような状況からすれ違いや、諍いが増え、人間関係に対し不満を持つ従業員が増加すると離職率が上がる可能性があります。
2. 仕事の効率が悪くなり、質も落ちる
コミュニケーションが不足している環境では
- 問題が起こっても助けを求められない
- 社員同士で連携が取れない
- 問題を早期発見できない
などの理由から、生産性が低下します。
仕事の効率や質に大きく影響を及ぼします。
3. 社外からの評判が落ちる
スムーズに業務が進められないと、顧客からの評判も下がってしまう可能性があります。
また、「あの職場は人間関係がよくない」「仕事がしにくい職場だ」というイメージや噂が社外にも伝わると、採用活動にも悪影響を及ぼします。
4. 深刻なコンプライアンス違反を招く
コミュニケーション不足になることで、内部統制が取れず深刻なコンプライアンス違反を招く可能性が考えられます。
内部統制を整えることは、コンプライアンス尊守を含む企業における適正な体制を整えるための手段と考えられます。
社内コミュニケーション不足に陥る原因
先程のアンケートからも分かるように多くの企業が感じているコミュニケーション不足ですが、どうしてこのような状況になってしまうのでしょうか?
社内コミュニケーション不足に陥る原因には、以下のようなものがあります。
原因を知り改善していきましょう。
1. IT 化によるコミュニケーション不足
IT化により主なコミュニケーション方法が、チャットになった組織も多いでしょう。
チャットでは要件を伝えるだけのコミュニケーションになることが多く、雑談など何気ない会話を行うことが難しいです。
そのためTI化が進むにつれ、コミュニケーションの不足を感じている組織は多いと言えます。
2. 経営陣や上司と会話する機会が少ない
経営陣や上司と会話をする機会が少ないと、社員との距離が生まれてしまいます。
経営陣や上司とその他の社員の間に距離が生まれることで、業務がスムーズに進まなくなったり、仕事に対するモチベーションが下がったりします。
新型コロナウイルスの流行や、働き方に対する意識の変化などで、飲み会などの開催が減少していることも原因と言えそうです。
3. 業務以外の話ができないような雰囲気
業務に関わる話題以外の会話ができないような雰囲気では、コミュニケーション不足に陥ってしまい、相互理解も深まりません。
社内コミュニケーションがもたらすメリット
社内コミュニケーションが活発になることでもたらされるメリットは以下のようなものです。
1. 生産性が向上する
コミュニケーションが活発になることにより
- 相談がしやすい環境になる
- アイディアが出やすくなる
- トラブルを早期発見できる
などが可能になり生産性が向上します。
2. 顧客満足度がアップする
社員同士でしっかり連携し業務を進められるのでスムーズに仕事を行え、結果として顧客満足度も向上します。
3. ストレスの軽減につながる
コミュニケーションが活発な職場では悩みを相談しやすかったり、社員それぞれの個性・価値観などパーソナリティーを深く知れたりするので、職場環境で感じるストレスが軽減されます。
4. 離職率の低下
コミュニケーションが円滑な職場は働きやすい環境だと認識されるので、離職率が低下するでしょう。
5. 帰属意識が高まる
コミュニケーションが円滑に行われることで
- 自分のアイディアや意見で業務に影響を及ぼすことができる
- 人間関係がスムーズになる
などの環境を作り出すことができ、組織に対する愛着は向上し、エンゲージメントも高まります。
コミュニケーション不足を解消する方法
コミュニケーション不足を解決する方法として、以下のような例が考えられます。
コミュニケーション不足を解消する対象や課題ごとに方法をご紹介していきます。
1. 経営層や上司とのコミュニケーション不足の改善策
経営層や上司とのコミュニケーション不足に悩んでいる企業は多く、業務内だけではなかなか円滑な関係を築いていくために十分なコミュニケーションが取れない関係性でもあります。
1on1
1on1では深く対話をすることができるので、お互いの考えをしっかり共有することができます。
また、他の人がいる場所では話しにくいことも話せるのがメリットです。
意味のある1on1を行うには、互いに本心で話せる環境作りが重要になります。
レクリエーション
BBQや運動会などのレクリエーションを実施し普段と違う環境に身を置くことで、業務中は見せない顔を見せることができます。
おすすめのレクリエーション3つ
社内コミュニケーションを円滑にするためのおすすめのレクリエーションを3つご紹介します。
今回ご紹介するレクリエーションは、研修やチームビルディングのためのワークショップを企画・運営するサービスバヅクリを利用し実施することも可能です。
オンラインで実施することができます。
1. 夢幻オークション
あなたが今、一番欲しいと思うものを絵に描きシェアをします。
「どんなものでも形にできる近未来」という設定で行うので、実現が難しそうなものでも構いません。
シェアした後はオークション形式で、値段を付けていきます。
お互いの持つ自由な発想や感性、価値観に触れることができ、相互理解が深まるワークです。
2. 演劇ワークショップ
演劇と聞くと「難しそう」「ハードルが高い」と感じるかもしれませんが、誰でも楽しみながら相互理解を深められるワークショップとなっています。
演劇を通して、参加者がそれぞれ持つ喜怒哀楽や価値観を共有することができます。
また、1つの作品を一緒に作り上げることで、一体感を感じることができます。
3. おえかききワークショップ
童心に帰ることのできる絵を描くという非日常な体験を通し、コミュニケーションの活性を図るワークショップです。
描くものを「イライラという感情」や「私にとって仕事とは」などの自身の内面に関するテーマにすることで、その他の参加者の価値観に触れられる機会にもなります。
社内イベントやレクリエーションの企画に関するアイディアはこちら
2. 部署間でのコミュニケーション不足の改善策
部署間でのコミュニケーションが密になることで、業務をスムーズに進められるようになります。
また、社員の業務に対するストレスの軽減や生産性の向上だけでなく、結果として顧客の満足度も向上します。
フリーアドレス制度
部署関係なく同じプロジェクトに関わるメンバーと密にコミュニケーションを取りながら業務を進められます。
また、たまたま近くにいた社員と雑談をするなどのコミュニケーション機会を作ることや、その雑談からアイディア創出の機会を作ることができます。
シャッフルランチ
メンバーを様々な組み合わせで数人のグループに分けランチにいきます。
シャッフルランチを行うことで、普段はあまり会話をしないメンバーともコミュニケーションを取る機会を提供できます。
ランチタイムというカジュアルな時間を共にし、ざっくばらんに会話することで意外な一面を知ることもできるでしょう。
3. テレワークでのコミュニケーション不足の改善策
テレワークが普及したことにより、コミュニケーション不足を感じている組織も多いでしょう。
しかし、テレワーク下でも以下のような取り組みを行うことでコミュニケーション不足を回避することができます。
オンラインイベント
オンライン飲み会や、懇親会などのオンラインイベントを行うことで、コミュニケーションの機会を提供することができます。
オンラインイベントは、オフラインのイベントよりもコミュニケーションを円滑に取ることが難しいです。
オンラインイベントではファシリテーターの役割がとても重要になります。
おすすめのオンラインイベント3つ
おすすめのオンラインイベントの企画を3つご紹介します。
研修やチームビルディングのためのワークショップを企画・運営するサービスバヅクリを利用すると、プロの司会者や講師を招き実施することが可能です。
1. クイズバトル
テレビ番組でもよく見るクイズを解くオンラインイベントです。
チーム戦を行うことで、メンバー同士の親睦を深めることができます。
プロの司会者が進行を行うことで、テレビのクイズ番組に出演したかのような、非日常感を味わうことができます。
2. オンライン焚き火
画面に焚き火の映像を映し出し、それを見ながら悩みや、これからしたいことなどを語り合います。
焚き火にはリラックス効果があり参加者の本音を引き出します。
深い相互理解を得られるイベントです。
3. 筋トレ
筋トレと聞くと1人で黙々と行うトレーニングをイメージするかもしれませんが、このイベントではチーム戦で筋トレを行います。
共に体を動かすことでいつの間にか参加者同士が仲良くなっている、一体感を感じられるイベントです。
テレワーク中のリフレッシュにもなります。
バヅクリの社内イベント事例をもっと見る
社内コミュニケーションツールの活用
リモートワークが普及し、多くの組織で活用されるようになったチャットツールやテレビ会議ツールはもちろん、バーチャルオフィスツールなども活用しましょう。
社内コミュニケーション活性化に取り組む企業事例
社内コミュニケーションの活性化に取り組む企業の事例をご紹介します。
自社で新たな制度を導入したり、ワークショップやイベントを開催したりする際の参考にしてみてください。
1. コニカミノルタ株式会社
コニカミノルタ社では社内のネットワーキング推進を実施しており、社員が考えたコミュニケーション活性のためのイベントなどに対し、人事部に企画の提案をすれば企業側が費用補助を行う制度が取り入れられています。
これを活用し「若手・中堅社員コミュニティ」や「部門を超えたエンジニアネットワーク」などが形成されています。
また、会食なども含めた交流の場として社員食堂を利用することを許可しています。
コニカミノルタ
2. 株式会社朝日新聞社
株式会社朝日新聞社は、使用率が非常に高く飽和していた既存のテレビ会議システムを、社外サービスを活用することにより改善。
東京本社、大阪本社、西部本社、名古屋本社、北海道支社をはじめ、海外を含む計317の総局・支局がある同社で、スムーズにコミュニケーションを取れる環境作りに成功しました。
参考:社内コミュニケーション強化に向けた テレビ会議の充実を目的にV-CUBE Boxを導入
V-CUBE
3. アドイノベーション株式会社
アドイノベーション株式会社では「オフィスおかん」という、1品100円〜のお惣菜をオフィスに常備できる、置き型の社食サービスを活用。
導入の際には、パフォーマンス向上のためには健康管理やコミュニケーションが必要であり、それをサポートするために導入することを社内に共有しました。
導入後、社内でランチを取りながらカジュアルな雰囲気で意見交換が行われるなど、コミュニケーションの活性に役立っています。
参考:成果を生み出す組織への大変革!従業員のパフォーマンス向上と、新しい挑戦を生み出す組織づくりの秘訣!
オフィスおかん
4. 株式会社VOYAGE GROUP
株式会社VOYAGE GROUPのオフィスには、「Ajito」と呼ばれるバーエリアを設置。
メンバー同士が気軽に熱い議論をする機会を増やすために設置されました。
社内のメンバーだけでなく、社外のゲストを招いたセミナーやエンジニア交流会も開催されています。
18:30以降は飲酒可能で、缶ビールと缶チューハイは会社から支給されています。
参考:会社に海賊船BAR!?VOYAGE GROUPのオフィス見学【前編】
採用アカデミー
まとめ
コミュニケーション不足を解消することは企業にとっても社員にとっても多くのメリットがあります。
施策を導入する時には目的をしっかりと社員に共有するようにしましょう。
そのためにまずは、自社のどこにコミュニケーション不足が生じているのかを把握することが必要です。
円滑な社内コミュニケーションをデザインし、コミュニケーションに関する満足度の向上を目指しましょう。