パルスサーベイとは

パルスサーベイとは、組織や企業内で定期的に行われる短期的な調査のことです。従業員の意見やモチベーション、満足度などの側面を把握するために、組織が簡潔にアンケート調査を定期的に行います。

1〜5分程度で回答できる簡単な質問を、毎日・週1・月1と定期的に行うため従業員意識を常にリアルタイムでチェックできる点が特徴的です。組織の状況やトレンドを素早く把握し、改善策を導くための手段として利用されます。

センサスとの違い

センサスとは、国勢調査のように、組織全体の状況を一度に把握するための大規模な調査のことです。組織のセンサスでは、従業員全員の年齢、部署、満足度などを一括して調べます。
実施は年1回程度で、設問数は50〜150問と多いのが特徴です。長期間のトレンドを分析し、組織の戦略策定に活用されます。

モラールサーベイとの違い

従業員の労働意欲を客観的に調査する方法として、モラールサーベイがあります。モラールサーベイは、組織内の従業員の士気や幸福感を評価するために行われる調査です。従業員の意見、満足度、労働環境の評価などの要素が含まれる場合があります。

やはりこちらも、短いサイクルで実施されるパルスサーベイとは、実施頻度の点で異なってきます。

パルスサーベイを実施するメリット

パルスサーベイを実施するメリットには以下のようなものがあります。

迅速なフィードバック

パルスサーベイは短期間で実施されるため、組織やチームの状況やトレンドを素早く把握することができます。従業員の意見やモチベーションの変化に迅速に対応することができ、問題や課題を早期に把握して対策を講じることができます。

従業員エンゲージメントの向上

パルスサーベイは従業員の意見や満足度を把握するための貴重な手段です。従業員が自分の声が届いていると感じることで、エンゲージメントが向上し、組織全体のモラルやパフォーマンスに良い影響を与えることがあります。

いまさら聞けない!「従業員エンゲージメント」とは?

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問題の早期発見と改善

パルスサーベイは短期間で実施されるため、組織内の問題や課題を早期に発見することができます。従業員の意見やフィードバックを集めることで、改善が必要な領域を特定し、適切な対策を講じることができます。

組織の透明性と信頼性の向上

パルスサーベイは従業員の声を重視する姿勢を示すことができます。従業員が組織の意思決定や方針に参加できる機会を提供することで、組織の透明性が向上し、従業員との信頼関係を構築することができます。

効果的な改善策の導入

パルスサーベイによって得られるデータやフィードバックをもとに、具体的な改善策を講じることができます。問題の本質を把握し、従業員のニーズや要望に合った対策を実施することで、組織のパフォーマンスや生産性の向上が期待できます。

パルスサーベイを実施するデメリット

パルスサーベイは、従業員のエンゲージメントや組織課題をタイムリーに把握できる有効な手段ですが、導入にはいくつかの注意点があります。

調査・分析・対策のサイクルが短い

パルスサーベイは、短いサイクルで調査・分析・対策を行う必要があるため、十分な時間をかけて問題の根本原因を突き止め、効果的な解決策を検討することが難しい場合があります。性急な対応は、かえって従業員の反感を買う可能性もあるため、注意が必要です。

運用の負担が大きい

頻繁な調査と分析は、人事担当者や管理職にとって大きな負担となります。また、従業員にとっても、短いスパンで何度もアンケートに回答することは、業務への集中を阻害する要因になりかねません。

課題の本質が見えない

パルスサーベイでは、簡潔な設問設計が求められるため、複雑な問題や従業員のデリケートな感情までを深く掘り下げることが難しい場合があります。アンケート結果を鵜呑みにせず、日頃のコミュニケーションを通して、従業員の真意を汲み取る努力も大切です。

パルスサーベイは無駄?デメリット・意味がないと言われてしまう原因や効果的な活用方法を解説

パルスサーベイ選定における4つのポイント

最適なパルスサーベイツールを選ぶことは、その後の活用度を大きく左右します。ツール選定の際は、以下の4つのポイントを重点的に比較検討しましょう。

1. 機能

自社のニーズに合った機能が備わっているか事前に確認が必要です。

  • 質問作成機能(形式、テンプレート、カスタマイズ性)
  • 集計・分析機能(クロス集計、グラフ表示、コメント分析、アラート機能)
  • 外部システムとの連携

2. 価格・プラン

初期費用、月額費用、従業員数に応じた料金体系など、自社の規模や予算に合ったプランを選べるか比較検討しましょう。無料トライアルやデモで使い勝手を試せるかどうかも重要です。

3. 質問項目

目的に合った質問項目を、簡単に作成・カスタマイズできるか、あらかじめ用意されたテンプレートが充実しているか確認しましょう。

4. サポート体制

電話、メール、マニュアル、FAQなど、充実したサポート体制が整っているか、またコンサルタントやカスタマーサクセスによるフォローの有無も確認しておきましょう。

パルスサーベイの機能、費用などの比較は以下の記事も参考にしてください。
【2024年最新】パルスサーベイツール比較13選!選び方や特徴・料金を徹底解説

効果的にパルスサーベイを実施するための質問項目とは

以下に一般的なパルスサーベイの質問項目の例をいくつか示します。具体的なニーズや要件に基づいて調整することが重要です。

エンゲージメントとモチベーション

・あなたの仕事に対する満足度はどの程度ですか?
・組織への熱意や意欲はありますか?
・最近の業務のモチベーションはどのようなものでしたか?

コミュニケーションとフィードバック

・上司や同僚とのコミュニケーションは円滑ですか?
・フィードバックや評価が適切に行われていますか?
・あなたの意見やアイデアを聞かれる機会はありますか?

経営理念とビジョン

・組織の経営理念やビジョンに共感していますか?
・経営理念やビジョンが仕事へのやる気や意義に影響を与えていますか?
・組織の経営理念やビジョンについて理解していますか?

ワークライフバランス

・仕事とプライベートの調和は取れていますか
・長時間労働や仕事のストレスに対してどのように感じていますか?
・休暇や休日の利用に満足していますか?

スキルやキャリア成長

・組織はあなたのスキルやキャリア成長を支援していますか?
・パフォーマンス評価や昇進の透明性はありますか?
・キャリア目標を達成するための支援は受けていますか?

働きやすさと労働環境

・労働環境や職場の文化に満足していますか?
・必要なリソースや設備は適切に提供されていますか?
・チームメンバーや部門との協力関係は良好ですか?

パルスサーベイの質問項目についてもっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
パルスサーベイの質を高める、質問項目の設定方法と質問例、コツを紹介

パルスサーベイを実施するうえでの注意点

パルスサーベイを実施する際には、以下の注意点に留意することが重要です。

目的と範囲の明確化

パルスサーベイの目的と範囲を明確に定義することが重要です。調査の目的や質問項目が一貫していて、組織のニーズや目標に合致していることを確認しましょう。

匿名性とプライバシーの確保

従業員が正直な意見を提供するためには、回答の匿名性とプライバシーが保護されることが重要です。従業員の個人情報を保護し、データの処理と保存に関して適切なセキュリティ対策を講じましょう。

フィードバックと対応の透明性

従業員が回答を提供するだけでなく、結果や改善策に対するフィードバックも提供することが重要です。従業員に調査結果と改善措置がどのように活用されるかを明確に伝えることで、透明性と信頼関係を構築することができます。

頻度と継続性の確保

パルスサーベイは短期間で実施されることが特徴ですが、一貫した頻度と継続性を確保することが重要です。定期的に実施することで、トレンドや変化を把握し、問題や課題に対して迅速に対応できます。

データの分析とアクションプランの策定

パルスサーベイの結果を効果的に分析し、問題の特定や改善策の策定に活用しましょう。データを定性的・定量的に評価し、優先順位付けやアクションプランの作成に反映させることが重要です。

パルスサーベイの事例

ソフトバンク株式会社

従来は年に1回の従業員満足度調査を実施していましたが、更なる従業員の日々の満足度を測定するため、2019年10月から人事本部がパルスサーベイを自社開発したものを実施しています。

仕事だけではなく生活・健康についても問う内容が設定されており、1〜2分程度で回答できる仕組みになっています。

https://www.softbank.jp/biz/blog/business/articles/202003/pulse-survey/

エンゲージメントサーベイならバヅクリ

バヅクリエンゲージメントは、課題発見から施策実行までをスムーズに行うことができる唯一のサービスです。

エンゲージメントサーベイならバヅクリ

簡潔なサーベイで組織状態を把握できます。設問数が24問で網羅されており、現場に負担がかかりません。明解な数値によるシンプルな分析によって組織課題を抽出できます。

また、直感的に分かりやすいスコアで、様々な切り口で分析が可能です。現場の担当者にとっても分かりやすく、簡単に課題を発見できます。

数々のサーベイ結果の改善実績を持つバヅクリのプログラムを用いることで、エンゲージメント向上の施策遂行を後押しします。サーベイ結果をもとに150種類以上のプログラムの中から、最適な施策を提案します。

まとめ

パルスサーベイを実施することで、組織の課題や従業員の率直な思いが測定可能になります。低コストで始めることができるため、エンゲージメントの向上や組織改善を考えていましたらぜひ一度パルスサーベイの実施を検討してみてはいかがでしょうか。