そもそも内定者研修とは

内定者研修の意味

内定者研修とは、内定者フォローの一環として内定者に向けて行う研修のことを指し、

  • ビジネスマナー研修
  • グループワーク研修
  • 職場見学
  • 座談会
  • 懇親会

などを行います。
内定式とは別のものであり、スキルの習得や、同期や先輩社員との関係性の構築を目的とし行われます。
数日間程度の期間を設け行う場合もあれば、1日だけ行う場合もあり、企業によってスタイルは様々です。

学生のうちは学業に力を入れて欲しいという想いや、やりたいことをやりきってから入社して欲しいという想いのある企業も多く、長期間の研修は行わない企業がほとんどでしょう。
何週間も続く研修や宿泊が起こる研修など、拘束が長時間にわたる内定者研修は、学生の満足度を下げ、逆に内定辞退を招いてしまう可能性も考えられますので、注意してください。

内容、期間共に内定者のニーズに合った研修を行えるかどうかが、内定者研修の満足度や成功を左右するでしょう。
内定辞退の連絡を内定者から受け取らないために、満足度の高い研修や、不安を解消する研修を実施するよう心がけましょう。

内定者研修の他に、内定者フォローの具体的な施策やポイントが知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
内定者フォローのポイント!内定辞退を防止するコミュニケーション施策

内定者研修を行うことによるメリット

内定者フォローの一環とし様々な企業で取り入れられている内定者研修ですが、内定者研修を行うメリットは以下のようなものがあります。

1. 企業に対する不安感の解消になる

内定者は、入社に対して様々な不安を抱いています。
研修に参加してもらいこの不安を取り除くことが内定者研修を行う大きな理由と言えます。

  • 同期と仲良くできるのか
  • どのような先輩社員がいるのか
  • 職場の雰囲気はどうか
  • どのような業務内容なのか
  • スムーズに業務に取りかかれるか

などの不安・疑問が例として挙げられます。
内定者研修を通し同期と交流をしたり、企業や業務への理解を深めることで、入社後の様子が想像でき、これらの不安を取り除くことができます。
採用活動の際は、採用担当者と関わる機会がどうしても多くなりますが、入社後のイメージを持ってもらうためには、採用担当者以外の社員やその他の内定者と関わる機会を設けることが重要です。

不安を取り除くための手伝いを企業が行うことで、「内定者の不安に寄り添ってくれるこの企業は、入社後も社員のことをしっかりと考えてくれるに違いない」というようなイメージを抱いてもらうことができるでしょう。
そのようなイメージは入社に対するモチベーションや、入社後のエンゲージメントにも関わってきます。

2. 仕事に対する意欲が高まる

研修を通して同期と交流をしたり、企業や業務に対し理解を深めたりすることを通し、入社に対しポジティブなイメージを持ってもらうことで仕事に対する意欲も高まります。
そのような状態で入社後の新入社員研修や仕事に取り掛かることができれば、いい雰囲気の中スタートを切ってもらうことができるでしょう。

また、新入社員のその後の離職率を低下させることに関しても、入社前からのフォローが重要になってくると考えられます。

仕事に対する意欲が高い状態で入社してきた新入社員は、既存の社員にもいい影響を与えるでしょう。

内定者研修の受講と通して、内定者のモチベーションアップを目指しましょう。

3. 即戦力になる

入社前にビジネスマナーの習得や、社会人としてのマインドセットを行うことで、新入社員が即戦力となることが期待できます。

入社前にスキルを身につけることでメリットがあるのは、企業側だけではありません。
内定者の中には、入社後、少しでもスムーズに社会人生活を始めるため、早く社会人としてのスキルを習得したい、入社前に準備をしたいと考える人も少なくないでしょう。
スキルを習得する機会を提供することが内定者の不安解消に繋がるのです。

内定者研修の設計ポイントやプログラム企画についてはこちら

学生が内定を辞退する理由

内定者の内定辞退

内定者研修などの内定者フォローを行なっていても、内定辞退は起こるものです。
なるべく避けたい内定辞退ですが、学生が内定を辞退する理由としては次のようなものが考えられます。

1. 雇用条件・待遇と自分の考えが合わなかった

雇用条件や待遇と自分の考えが合わなかった場合、就活生は内定を辞退する可能性が高くなります。
ミスマッチを起こさないためにも、内定を出すよりも前の段階で雇用条件や福利厚生などを候補者に提示する方がいいでしょう。
「給与などお金のことは聞きにくい」という学生も多いですから、企業側からあらかじめ伝えておくと良さそうです。
条件が合わない場合に例え入社したとしても、退職は早くなってしまうでしょう。
お互いの条件のすり合わせをしっかり行なってください。

2. 志望順位が上の企業から内定が出た

他の企業から内定が出てそちらの志望度が高かった場合、内定辞退をする可能性が高くなります。
内定辞退率を抑えたい場合、採用する側は、面接を通して学生の志望度や入社への意思はどれくらいなのかを見極める必要があります。

オワハラ(就活終われハラスメント)と呼ばれる、内定を出した学生や出そうと検討している学生に向けて、他社への就活を終わらせるよう学生を促す行為も問題になっています。
学生の行動を制限し内定承諾を得るのではなく、企業や業界の魅力を伝え内定承諾を獲得したいものです。
採用活動の短い期間でどれだけ魅力をアピールできるかが課題になってきます。

3. 内定者同士、社員とのコミュニケーションが希薄だった

その他の内定者や社員とのコミュニケーションが希薄になると、企業の魅力を感じづらくなったり、入社に対しての不安が大きくなったりします。
新卒採用の場合は特に、内定者は組織で働くという経験が少ないですから、入社に対し不安を感じやすいものです。

雇用条件が合わなかった場合や、優先度の高い企業から内定がでた場合などは、内定辞退が起こっても仕方ないケースであると言えますが、コミュニケーション不足による内定辞退は対策を行うことで防ぐことができます。

内定辞退を防ぐために必要な施策とは

前述の通り、内定辞退には様々な理由がありますが、企業側の努力によって内定辞退を防ぐことが可能なものもあります。

バヅクリのHR研究所では、内定者フォローの課題と内定辞退を防ぐために行うべき施策を課題マップとしてまとめました。

資料は下記からダウンロードできますので、内定辞退防止の施策にお役立てください。

内定者研修を実施する際に気をつけるべきポイント

内定者研修のポイント

時間や費用などのコストをかけ内定者研修を行うのであれば、より多くの内定承諾を目指し意義のある研修を行いたいものです。
それでは内定者研修を実施する際に気をつけるべきポイントは何でしょうか?
内定者研修を行なう際は、以下のポイントに注意してみてください。

1. 会社の魅力を伝えるための場であることを認識する

「研修」と聞くと教育の場であるというイメージを持つ人が多いでしょう。
しかし、内定者研修は内定者を教育するものというよりも、会社の魅力を内定者に伝える場であることを意識しましょう。

職場の雰囲気や活躍している先輩社員、共に働くことになる同期など、会社の魅力となる部分を伝え、入社に向けて内定者のモチベーションが上がるような研修を行なうことが理想です。
しかし、いい部分ばかりを見せたり、見栄を張ったりするような内容では、逆に内定者の気持ちが離れていく場合も考えられます。
ありのままで企業の魅力を伝えるようにしてください。

2. 内定者同士の絆が深められるようにする

先ほどもご紹介したバヅクリ株式会社が内定者320人に向け行なったアンケートによると、半数以上の内定者が求めていたものの1つが、「内定者同士の交流を深めたい」という内容でした。

同期にどんな人がいるかを知ることで、入社後の研修や生活も少し予想がつけられ入社に対する不安がわずかながら和らぐでしょう。
また同期となるその他の内定者とコミュニケーションを取り、絆を深めることで「この同期となら入社後に起こる出来事も乗り越えられそうだ」と心強く思うかもしれません。

懇親会や座談会、グループワークなど、内定者同士が交流できるコンテンツを設けるようにしましょう。

内定者懇親会について詳しくはこちら

内定者研修でのグループワークについて詳しくはこちら

3. 内定者が安心感を持てるように工夫する

内定者が安心感を持てるような研修を行うことがポイントです。

人はわからないことや、見えないものに不安を抱くものです。
一緒に働く人はどんな人か、どんな業務内容なのか、どれくらいのレベルが求められるのかなど、内定者が不明に思う点が少しでも減るようにしてください。

また、企業の現在の業績やこれからの展望など重要な部分を伝えなかった場合、内定者は企業に対し不信感を持つかもしれません。
内定者はまだ社員という立場ではありませんが、なるべく風通しよく情報をオープンにすることが内定者の信頼や安心感の獲得に繋がるでしょう。

内定者が求めているものとは?内定者フォローの最前線はこちらから

内定者研修におすすめのサービス

サービスを利用した内定者研修

それでは最後に、内定者研修におすすめのサービスをご紹介します。
自社で内定者フォローや内定者研修の実施に対するノウハウがない場合や、運営のための時間のコストが割けない場合などは、プロの手を借りてみてはいかがでしょうか?
研修のプロが内定辞退を防ぐためのポイントをしっかり押さえたコンテンツを提供してくれます。

1. バヅクリ

バヅクリ
出典:バヅクリ

バヅクリはバヅクリ株式会社が運営する、チームビルディングサービスです。
研修をオンラインでも実施することができ、数々の遊びのプロデュースを手がけてきた同社らしく「遊び」を通してコミュニケーションを取り、相互理解を深めることのできるプログラムが揃っています。
また、一見仕事とは関係ないような遊びのワークを通して、業務に活かすことのできる学びを得ることも。

マインドフルネス、お絵かき、食レポ、演劇など非日常の体験を通し、内定者同士の絆を深めることができます。
各プログラムの講師を務めるのはその道のプロで本格的な内容。
また、数多くのプログラムが用意されており、満足度は96%を誇ります。

料金:250,000円〜
https://buzzkuri.com/

2. マイナビ研修サービス

出典:マイナビ研修サービス

40年以上、学生たちの就職活動の支援を行なってきた企業・マイナビならではのノウハウを活かした研修を提供しています。
同社では若手社員から管理職まで様々な層に向けた研修を行なっていますが、新入社員に向けた研修では、「意識・行動・習慣」をテーマに研修を実施。
「自ら考え、行動し、やり抜く」を育成するプログラムです。

研修の目的に合わせ6つのコースを用意。
選び抜かれた講師陣が講義を行います。

料金:30,000円/1人〜
https://hrd.mynavi.jp/

3. 内定者向け研修 / 株式会社インソース

出典:株式会社インソース

人材育成のための様々なセミナー・研修を開催する株式会社インソース。
内定者向けの研修では内定者の不安を解消し、内定辞退の防止に繋げることを目指します。

  • 採用戦略立案から内定者へのアプローチまでの全支援プラン
  • 内定~現場配属まで教育を通じて会社と関わりをもつプラン
  • 新人社員を8日間お預かり!8大スキルコンプリートプラン

の3つから選ぶことができます。
動画を活用したeラーニングを用い研修を行うことも可能です。

https://www.insource.co.jp/shinjin/sh_naiteisha_middle.html

まとめ

内定辞退を防ぐために、必要不可欠と言っても過言ではない内定者研修。
効果的な内定者研修を行い、内定辞退率を低下させましょう。
内定者研修では、

  • 企業や業界の魅力をいかに深く内定者に伝え、ポジティブなイメージ付けができるか
  • その他の内定者や社員といいコミュニケーションが取れるか

が重要になってきます。
いいイメージを持ち入社やその後の新入社員研修などに進めるよう、サポートを行なってください。