バヅクリの研修は、単なる“知識の伝達”では終わらない。
受講者の心を動かし、対話が生まれ、行動の変化へとつながっていく。そんな研修を支えているのが、講師という存在だ。
「プログラムを“機能させる”のは、やっぱり講師なんです。」
そう語るのは、バヅクリで講師の採用と育成を担当する笹木純子。
もちろん、プログラム設計には徹底的にこだわっている。ただ、それを「実際に届くもの」にするには、受講者一人ひとりの反応に目を配り、その場の空気ごと巻き込んでいく“人の力”が欠かせない。
「同じプログラムでも、“誰がどう届けるか”で、場の空気がまったく違うんですよ。」
だからこそ、講師の採用と育成には、どこまでも本気で向き合う。
バヅクリがそう決めた理由と、その裏側にある想いを聞いた。

バヅクリ株式会社 企画運営チーム リーダー講師。
医療関連の営業、道路情報のアナウンサー、IT企業でのHR業務(新卒採用、労務など)、専門学校講師、フリーランスのウェディングMCなど、多彩なキャリアを持つ。コロナ禍でバヅクリのチームビルディングサービスに出会い、その可能性に共感。業務委託講師を経て、現在は唯一の社員講師として、講師育成や研修品質の向上を牽引する。
笹木純子 プロフィール
バヅクリ流・講師採用:「受講者を主役にできる人」を見極める
まず初めに、研修講師にはどんな役割を期待していますか?

私たちのサービスは、オンラインでのチームビルディングから始まっていて、対面と違って空気も表情も読みづらいんです。だから誰かが“場”を整えないと、対話って生まれにくいんですよね。
小さな画面の中で参加者を巻き込むって、実はけっこう難しい。でもだからこそ、そこが講師の腕の見せどころでもあって。受講者を主役にできる人って、すごく魅力的だなと思います。
その場で空気を感じ取って、問いかけや進行を柔軟に変えていける。そういう“ライブ感のある関わり方”が、バヅクリが研修講師に求めている力です。
なぜ、講師の採用に本気で取り組むようになったのでしょうか?

「あれ?この違いって何なんだろう?」って考えたときに、やっぱり受講者を主役にできているかどうかだったんですよね。
それに気づいてから、「じゃあ、その力をちゃんと見極められる採用をしよう」と本気で取り組むようになったんです。
「受講者を主役にできる講師」とは、具体的にどんな人ですか?

営業でもそうですよね。自分に興味を持ってくれてる営業さんには、心が動くじゃないですか。講師も同じで、“見てもらえてる”って感じると、人は自然と話したくなるし、場があたたまる。
そういう講師は、やっぱりまた呼ばれますし、現場でも選ばれていくなって実感しています。
面接では、どんな方法で講師の力を見ていますか?

私は“受講者役”としてその場に参加するんですが、ちょっといじわるで(笑)、前向きに取り組む時もあれば、わざと興味なさそうに振る舞ったりもします。
そのときに見ているのは、ちゃんとこちらに興味を持って関わってくれているかどうか。反応が薄そうな人にも声をかけられるかとか、表情のちょっとした変化に気づけるかとか。そういう「観察力」って、すごく大事なんです。
オンラインならではの“見極めポイント”ってありますか?

話すことに集中しちゃうと、チャットに全然気づけないっていう方、けっこう多いんですよ。でも、チャットって参加者の“ちょっとした声”が詰まってるんですよね。
そこを拾ってもらえると、参加者側は「あ、見てくれてる」ってうれしくなる。ちょっと気持ちが離れかけてても、グッと場に戻ってこれるんです。ラジオで自分の投稿が読まれる時みたいな、そんな感覚です。
どんな講師が、バヅクリに“合う”と感じますか?

たとえば、参加者の空気を感じ取って「今日はちょっと場が静かだな」と思ったら話し方を変えてみたり、「あの人今つまずいてそうだな」と思ったら、声をかけてみたり。そうやって即興で調整できる柔軟さがある人は、やっぱり現場で活きます。
その場その場で対応できる人って、受講者との距離も自然に縮められるんですよね。結果として、「またこの人にお願いしたいな」って思ってもらえる。それってすごく大きいと思います。
逆に、“合わない”と感じるのはどんなタイプの講師ですか?

もちろん、全員に100%向き合う必要があるとは思っていないです。でも、「この人と向き合いたいな」って思ってもらえるように工夫する。その姿勢があるかどうかは、大きな違いだと思っています。
そのためには、相手の仕事や背景にちゃんと興味を持てることが大事。たとえ自分と業界が違っても「この人、どんな毎日を過ごしてるんだろう?」って想像できる人は、やっぱり講師として信頼されていきますね。
講師採用で、譲れないポイントはありますか?

目立ちたい人、しゃべりたい人って世の中にはたくさんいるけど、バヅクリに合うのはそういう人じゃないんですよね。
テレビ番組でいうと、MCよりもアシスタントの役割を好む人。受講者の言葉を引き出したり、場の空気をそっと支えたり。そういう“裏方としての関わり”にやりがいを感じられる人の方が、バヅクリには合うなと思っています。
経験やスキルで重視していることはありますか?

たとえば、実際に組織に属して働いていた経験がある人って、参加者の言葉や表情に、「ああ、自分もああいう時あったな」って自然と寄り添えるんですよね。
書籍で得た知識だけだと、どうしても表面的になりがち。でも、実体験からくる“生きた教材”を持ってる人の言葉って、やっぱり説得力があるし、受講者にもちゃんと届くんです。
そして現時点では、研修の場を柔軟にリードできる「講師としての実践経験」も重視しています。すぐに現場に立てる力がある方であればこそ、受講者の反応に応じて、その“教材”を的確に届けられるからです。
バヅクリ流・講師育成 :カラーを消さずに、力を磨く
新しく入った講師に、最初にどんなことを伝えていますか?

もちろん、私たちのプログラムには設計の意図があります。でも、それを“そのまま再現してください”とは思っていなくて、むしろ、その人が持っている経験とか、価値観とか、生きた教材みたいなものをちゃんと持ち込んでもらったほうが、ずっと深い場が生まれると思ってるんです。
その上で、講師の育成で大切にしていることはありますか?

どんな問いを投げかけるかで、場の深まり方って本当に変わるんですよね。だからこそ、講師自身が「どこに注目して問いを立てたか」をちゃんと自覚できるような関わり方をしています。
「引き出す力」や「質問力」は、どうやって育てているんですか?

私も他の講師が登壇している場をこっそり見に行くことがあります。で、「あのとき、こう言ってたけど、どんな意図だった?」って後で聞いたりするんです。
そうすると、その講師自身が「あのとき、実はこう感じてたな」とか、「無意識にやってたけど、そういう意味があったんだな」とか、改めて自分の言葉や視点を振り返るきっかけになるんですよね。
そういう振り返りを重ねていくことで「どんな場面で、どんな問いが響くのか」とか、「相手のどこに注目して言葉を投げかけていたのか」っていう、“問いの感度”がどんどん高まっていくんです。
ただ質問を投げるんじゃなくて「その人、その場の今に合った問い」を選び取るセンスが育っていく。そこを一緒に深めていくのが、育成の醍醐味だと思っています。
それぞれの講師の“らしさ”は、どう活かされていくんでしょう?

クライアントから繰り返し指名を受けているとある男性講師の例を紹介します。
彼は受講者いじりがものすごく上手い。ですからイベント系のワークショップなんかでもすごく信頼されてるんです。
でも、あのやり方って誰でもできるものじゃない。いじり方を間違うと信頼どころか怒りを買ってしまうことだってある。センスや空気の読み方がすごく必要なんですよね。
だから「ここで参加者をいじって」という教え方はしません。
それよりも「あなたの得意って何ですか?」のほうが大事。問いかけが得意な人もいれば、観察力が鋭い人もいる。それぞれが自分の強みを活かして、バヅクリのプログラムと掛け算していけることのほうが、ずっと価値があるんですよね。
バヅクリ講師チームの魅力:多様性を活かして、目的に向かう
講師同士で見に行く文化があると聞きました。どんな狙いがあるんですか?

たとえば「この問いかけ、いいな」「あの間の取り方、今度使ってみよう」とか、見て学ぶことがすごく多い。
それに、講師同士で学び合えるって、すごくいい空気を生むんですよね。誰かの登壇をただ評価するんじゃなくて、お互いをリスペクトしながら刺激を受け合える。
そんな関係性が自然とできてくるのは、バヅクリならではかなと思っています。
見られる側にとっては、どんな影響がありますか?

バヅクリの講師って、みんな「受講者にちゃんと向き合いたい」って気持ちをすごく大切にしてくれてるんです。
その上で「誰かに見てもらってる」と思うと、さらに気が引き締まるというか「もう一歩丁寧に届けよう」って思える。 本来の姿勢を、より強く思い出せるきっかけになると思っています。
バヅクリ講師チームの特徴を一言で言うと?

たとえば、受講者が1,600名の大規模な企業研修に、20人の講師が入ったことがあったんですけど、そのときもすごくよかったんです。それぞれが自分の強みを活かして、適材適所で動いてくれました。
「あなたは観察役を」「あなたはインタビューで場を深めて」のように、講師の個性を尊重しながら、それでも全員が「受講者を主役にする」っていう目的では一致している。
そこが、バヅクリ講師チームのいちばんの強みだと思っています。
人事・経営層へ伝えたい、バヅクリ講師が研修にもたらす変化とは?
最後に、人事や経営層の方に伝えたいことはありますか?

講師一人ひとりが、自分のリアルな経験――“生きた教材”を使って、その場の参加者に合わせて研修を届けています。
だからこそ、受講者にもちゃんとリアルとして届くし、そこから行動変容が生まれるんです。
講師陣の多様性や柔軟性には、私もすごく誇りを持っています。
「こういう経験のある講師がいい」「こんな組織課題を解決したい」などがあれば、ぜひご相談ください。
きっと、お力になれる講師がいます。
“知識の伝達”で終わらせない。研修で変化を生む講師づくりの3つの軸
- 受講者を“主役”にできる採用基準
話す力より「引き出す力」。講師が中心に立つのではなく、受講者の反応に丁寧に向き合い、思考や感情の言語化をサポートできる人を見極める。ファシリテーターとして「場にいる人たちの変化を支える姿勢」を持つかが採用の軸。
- “その人らしさ”を磨き合う育成スタイル
講師ごとの経験や得意を尊重し、「自分のスタイル×バヅクリの設計思想」での掛け算を推奨。問いかけの角度や観察視点を一緒に言語化しながら、問いの感度や場の編集力を少しずつ育てていく“実践伴走型”の育成を行っている。
- チームで「場」をつくる文化としくみ
登壇の見学・フィードバックを通して、講師同士が学び合い、互いの強みを掛け合わせて場をより豊かにしていく文化が根づいている。多様な個性を活かしながら「受講者を主役にする」という目的意識でつながるチームが、どんな研修でも“変化の起点”を生み出している。
講師の力が、行動変容を生み出す。
同じ研修テーマでも、講師によって「結果」はまったく違います。
バヅクリ講師の役割は、知識を一方的に伝えることではなく、受講者の感情に火をつけ、気づきを促し、“本気”を引き出すこと。
だからこそ、「現場で変化が起きる」研修になります。
バヅクリの研修「ムキアイ」は、設計の質はもちろん、研修効果を最大化できる“講師力”にこだわり抜いています。
社員の変化に、本気で向き合う研修を探している方へ。
バヅクリの研修サービス「ムキアイ」の資料は、以下からダウンロードいただけます。