2020年4月に発令された緊急事態宣言下で、新入社員研修を急きょオンラインで実施した企業は少なくありません。
しかしまだまだオンライン研修に対するノウハウが少ない企業が多いのも確か。
そこでテレワークの必要性が叫ばれている今だからこそ、オンライン研修の導入方法や、研修成功のコツを改めて確認してみませんか?
本記事では、オンライン研修と対面の相違点を説明した後、ライブ配信型のオンライン研修の具体的な進め方を解説します。
オンライン研修実施時に役立つツール、サービスもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

オンライン研修とは?

オンライン研修とは、Web会議ツールや動画配信サービスなどを用いて、パソコンやスマートフォンから遠隔で参加できる研修です。
インターネット環境と、参加するためのパソコン、スマートフォン、ipadなどのデバイスさえあれば、受講者が全国・全世界どこにいても参加できるのが大きなメリットです

対面での研修との違い

対面研修とオンライン研修の違いは、全国各地どこからでも研修受講ができることに加え、セミナー会場費や会場までの交通費、宿泊費などがかからない点です。
大規模な集合研修向けの会場は費用も高い上に、予約をしたり、会場の席を用意したり、準備に手間がかかります。

一方、オンライン研修では大規模な会場費や交通費はかかりませんが、代わりに撮影や音声機材の準備が必要となります。

その他の相違点としては、オンライン研修ではWebシステムを通してコミュニケーションをするため非言語コミュニケーションが対面よりも少なくなる点です。
身振り手振り、声色、身だしなみ、雰囲気などの情報が少ない分、ロールプレイング形式の研修に不向きな場合があります。

オンライン研修と対面研修の特徴を押さえながら、自社にあった研修方法を選択する必要があるでしょう。

オンライン研修の配信方法

オンライン研修の2つの配信方法

オンライン研修は大きく分けると、録画型とリアルタイムに行うライブ配信型の2種類があります。

1. 録画型

録画型のオンライン研修は、講師や受講者のスケジュール調整がしやすい研修スタイルです。
人気講師であっても、録画型であれば柔軟なスケジュール調整が可能な点が魅力です。

また、受講者は必ずしも同じ日時に研修動画を視聴しなくても構いません。
「この期間中に研修動画を一通り視聴して下さい」と、期間に幅を設けて本人に任せれば、自由度高く研修を進めることができます。

ただし、録画型のオンライン研修では、研修講師と受講者のあいだでリアルタイムのコミュニケーションがとれない点に注意が必要です。
グループワークやロールプレイングが必要な研修や、座学のみでのインプットが難しい研修には不向きでしょう。

2. ライブ配信型

ライブ配信型のオンライン研修は、参加者のプレゼンや意見発表など、アクティブラーニングを重視したい場合におすすめの手法です。
リアルタイムのライブ配信で臨場感があり、チャット機能などを用いて受講者とのコミュニケーションも可能です。

オンライン研修の2つの参加方法

オンライン研修への参加方法は、個人参加型とサテライト型の2つがあります。

個人参加型

社員が全国各地に点在していたり、テレワークが浸透していたりする企業では、個人参加型で研修実施するケースが多いです。
個人参加型は、受講者人数が多い場合に適しています。

2. サテライト型/集合型

サテライト型/集合型の参加方法は、参加者同士で名刺交換の練習をしたり、ロールプレイングをしたりする場合に適しています。
また、自宅にインターネット環境が十分整っていない受講者が多い際は、社内の会議室にて集合型で実施すると良いでしょう。

オンライン研修・ライブ配信型の取り組み方

ここからは、ライブ配信型のオンライン研修の準備の流れや、進める際のポイントを解説していきます。

準備の流れ

自社で実施する場合はまず研修内容、日程、受講対象者を決めていきます。
研修内容にあわせて、配信ツールや使用機材を決めて、当日のファシリテーターをアサインしましょう。

研修概要が決まったら、具体的な研修コンテンツを企画していきます。
研修目的にあわせて、受講者にどのような行動変容を起こすべきか、コンテンツに落とし込んでいきましょう。

研修内容が決まったら、受講者に日程や研修目的、参加方法などを伝えます。
研修日当日までに、必ず使用機材や教材などがそろっているか確認して、機材の動作確認を行いましょう。

オンライン研修を外注する場合

オンライン研修の準備や企画を自社で実施できない場合は、オンライン研修の外注を検討してみましょう。
外注する場合は、自社の研修目的にあわせて、サービスやプランを比較して選びましょう。
続いて、自社で実施するときと同様に、日程や研修受講者を決めていきます。

受講対象者や日取りが確定したら、サービスを申し込んで、受講者にもオンライン研修の詳細を伝えます。

研修内容は、外注サービスの担当者から提案してもらえる場合と、複数のプログラムから選ぶ方法があります。
プログラム内容が決定したら、研修当日までにインターネット環境や使用する教材など、不足品がないか確認をしていきましょう。
余裕があれば当日に使用するツールや機材などの動作確認をしておくと安心です。

オンライン研修に必要なもの(チェックリスト形式)

オンライン研修に必要なものを、チェックリストでご紹介します。

✔ PC又はタブレット…オンライン研修当日に使用するパソコン、スマートフォン、タブレットなどの端末を準備しましょう。

✔ Web会議システム…当日使用する Web会議システムについて、前日までにインストール、初期登録などを済ませておきましょう。

✔ ヘッドセット…オンライン研修の音声をクリアにしてくれるヘッドセットなどを準備できると安心です。

✔ USBカメラ(デスクトップパソコンの場合)…デスクトップパソコンの場合はUSBカメラがあると便利です。

✔ テキスト…オンライン研修当日のスケジュールや、話す内容(スクリプト)などを文書にまとめておきます。

✔ ネットワーク環境…大容量の通信に耐えられるインターネット環境が揃っているか確認しましょう。

オンライン研修を成功させるためやるべきこと

ここまでオンライン研修の種類や特徴、準備内容などを確認しました。
続いて、オンライン研修を成功させるための重要ポイントを、準備時と当日にわけて解説します。

準備の際のポイント

1. ファシリテーターの選定

オンライン研修の準備では、機械操作に強く、場慣れしているファシリテーターを選定することがもっとも重要です。
オンラインでは、非言語コミュニケーションが少なくなるので、ファシリテーターの司会進行力や盛り上げスキルが研修を成功に導きます。

2. Web会議システムに慣れておく

研修当日までに必ずWeb会議システムの動作確認を行って、画面共有や録画方法などボタンの場所を確認しておきましょう。

余力があれば、受講者にも事前に研修内容を展開して押してもらうとのもおすすめです予習をしてもらうのもおすすめです。

3. 無理のないタイムスケジュール

研修の受講者は、オンラインでずっと画面に向き合わなくてはいけないため、長時間の研修では非常にストレスがかかります。
そのため、オンライン研修ではあまり内容を詰め込みすぎず、小まめに休憩を挟むなど工夫が必要です。

一方通行で視聴し続けると、どうしても受身になってしまうため、適宜質問を投げかけるなどして受講者の集中力を維持するように心がけましょう。

研修当日のポイント

研修当日の成功ポイントは次の3つです。

1. リアクションの方法を指定する

研修の受講者に対して、研修中のリアクション方法を指定する方法をおすすめします。
例えば拍手をする際は、チャット機能で数字の8を3回押して「888=パチパチパチ」と拍手の音を表す方法があります。
また、疑問点があれば質問専用チャットに質問事項を投稿してもらうよう指定したり、講義中に「おもしろい」「気になる」などがあれば指定のスタンプを押してもらうなど、事前にルールを決めておくと盛り上がりやすいです。

2. SNS利用

リアルタイムのライブ配信型研修では、研修中に感じたことや学んだことをSNSに投稿してもらう方法もよいでしょう。
事前に「#〇〇研修」などハッシュタグを指定しておけば、後から投稿数を確認することもできます。

3. カメラは全員ONにする

研修当日は参加者全てのカメラをオンにするように伝えておきましょう。
カメラオフだとどうしても相手のリアクションが見えないので、研修講師のテンションが上がりきらずイマイチ盛り上がりに欠けてしまう場合があるためです。

オンライン研修に役立つツール・サービスを紹介

オンライン研修に役立つツールや Web サービスなどを紹介していきます。

おすすめツール4選

代表的な Web 会議システムなどのおすすめ Web ツールを四つご紹介します。

1. Zoom

大勢でのWeb会議や研修、ウェビナーに適したWeb会議システムです。
集合型研修中に、参加者を少数チームに分けるブレイクアウトルーム機能が便利です。

Zoomプロプランは1ID1600円~で提供しています。

料金の詳細はこちら
https://www.zoom.style/plan

2. Google Meet

Zoomと同様に、大人数のコラボレーションにやWeb会議に適したWeb会議システムです。
Googleカレンダーとの接続や、使いやすいUIUX、馴染みのある Googleアプリケーションとの連携が魅力的です。

なお、現在Google meet によるWeb会議の無料枠は1時間が上限となっています。

料金の詳細はこちら
https://apps.google.com/intl/ja/meet/pricing/

3. Calling

株式会社ネオキャリアが提供しているWeb会議システムです。
事前にアカウント登録が不要で、参加URLを送るだけで気軽にWeb会議がスタートできます。
1ID1500円~提供しています。

料金の詳細はこちら
https://www.calling.fun/

4. Microsoft Teams

WordやExcel、PowerPointなどのMicrosoftOfficeツールを展開するMicrosoft社によるWeb会議システムです。
無料版の会議の長さは、GoogleMeetと同じく60分となっています。
1ID540円~有料プランとなり、プランアップすると参加人数の上限が拡大し、Officeアプリケーションとの連携の幅が広がります。

料金の詳細はこちら
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/compare-microsoft-teams-optio

おすすめサービス4選

オンライン研修に使えるオススメの WEB サービスを4つご紹介します。

1. Schoo

5700本以上の研修動画が見放題となるオンライン研修に特化したe-learning教材です 。
多様なプログラムの中から自社に会った動画研修を選び取り、 柔軟にカリキュラムを作成することが可能です。

月額費用980円~
https://schoo.jp/premiumservice

2. insource

インソースは、年間の研修受講者が45万人を超える研修会社のリーディングカンパニーです。
対面で行なっていた研修内容をそのままオンラインに移行できる点や、受講者が1名でも参加が可能な点が特徴です。
インソース独自の紙媒体の研修資料も提供しており、受講者は全国各地どこからでも参加ができます。
Zoomを活用して、オンラインでも対面と同品質のグループワーク研修も実施できます。

費用は受講講座によって異なります。
https://www.insource.co.jp/bup/online-seminar.html

3. GLOBISオンライン企業内研修

グロービス経営大学院では2014年から先駆けてオンライン研修を提供しています。
オンライン研修専用のカリキュラムを独自に開発し、 スキルの高いファシリテーターに任せられる点が魅力です。
講座内容は座学ではなく、アウトプット中心のものとなっています。
個人学習からディスカッション、グループワーク研修、振り返りまで、すべてオンラインで完結できます。

費用は要問い合わせとなっております。
https://hodai.globis.co.jp/

4. バヅクリ

オンラインでも対面(オフライン)でも実施できる研修サービスを提供しています。
他社のオンライン研修とは異なり、「アソビ」要素をふんだんに取り入れたオリジナルコンテンツを豊富に用意しています。
例えばアナウンサーによるヒアリング研修や、お坊さんによるマインドフルネス研修など、非常に珍しい切り口からの研修コンテンツが体験できます。

費用は要問合となっております。
https://buzzkuri.com/

まとめ

オンライン研修には、スケジュールを柔軟に調整できる録画型の研修や、リアルタイムで受講者とのコミュニケーションを取れるライブ配信の方法があります。
Web会議システムさえあればいつでもオンライン研修の実施は可能ですが、機材確認、ファシリテーターの選定、コンテンツの企画など、事前準備で行うことは非常に幅広いです。
どうしても自社でオンライン研修の準備をしきれない場合は、バヅクリをはじめとする便利なサービスをぜひ、活用してみてくださいね。