レジリエンスはトレーニングやワークを通し、向上させていくことが可能です。
そこで、レジリエンス向上を目的としたワークを実施する手順などについてご紹介していきます。
従業員のレジリエンス向上に向け組織で取り組みをしたいけれど、手順がわからないという方はぜひ参考にしてください。
レジリエンスを高めることで、現代のビジネスシーンで活躍できる人材に近づいていきましょう。

レジリエンスとは

レジリエンス(Resilience)は、「弾力性」「回復力」を指す英単語で、心理学では「心の回復力」のことを指します。
レジリエンスが高い人はストレスやプレッシャーを感じたり、逆境に立たされたりしても、立ち直りが早く、ネガティブな感情や1つの思考に囚われることはありません。

時代の移り変わりが早い現代で、ビジネスパーソンはそのスピードに順応するにあたってストレスを感じることも多いでしょう。
そこで近年、レジリエンスの重要性はとても高いと呼びかけられています。

レジリエンスは、昨今のビジネスシーンで活躍したり、パフォーマンスを安定させたりするために、若手からベテラン社員まで高めていきたいものだと言えます。

レジリエンスが注目される背景について詳しくはこちら

レジリエンスは6つの要素で構成される

レジリエンスは、以下の6つの要素で構成されています。

  1. 自己認識
  2. 自制心
  3. 精神的敏速性
  4. 楽観性
  5. 自己効力感
  6. つながり

これらの6つの要素を強化していくことでレジリエンスは向上していきます。

レジリエンスを構成する6つの要素について詳しくはこちら

レジリエンスが高いことのメリット

レジリエンスが高いことで、従業員側も企業側もメリットを得られます。

従業員側が得られるメリットとして1番に挙げられることは、レジリエンスを高めることで精神状態が安定することです。
変化が激しくストレスの感じやすい現代のビジネスシーンで、レジリエンスの向上に努めることは、メンタルヘルスのケアや、心の不調から起こる体や心の病気の防止になります。
また、レジリエンスを向上させることで、自己肯定感などが向上していきます。
業務に前向きに取り組めるようになれるようになるでしょう。

企業側のメリットとしては、まず、従業員のエンゲージメントやモチベーションが向上し、組織の生産性もアップすることが挙げられます。
従業員が業務に対し積極的になることで、社内コミュニケーションの活性化も期待できるでしょう。
また、レジリエンス向上に取り組むことで、「この企業は従業員のことを大切にしている」というイメージを持ってもらうことができます。
組織の価値やイメージがアップすることで、採用にも良い影響を与えます。

上司は部下のレジリエンスを高めるためのマネジメント方法を学び、実行しましょう。
組織は従業員の働き方に配慮したり、組織の文化醸成をしたりするため、制度を整える、研修やワークショップを開催するなどし、レジリエンスの向上に向けサポートしましょう。

個人で行う方法から組織で行う方法も
レジリエンスを高めるトレーニング方法についてはこちら

レジリエンスを高めるワークの実施方法

レジリエンスは元々高い人だけが持っている能力ではなく、トレーニングなどを行うことで低い人でも高めていくことができます。

従業員のレジリエンスを高める方法として、個人で行う方法もありますが、企業側がワークショップや研修などを実施するのも1つの方法です。
1人でレジリエンスを高めていくには限度があるので、企業側はぜひサポートをしてください。

それでは企業が従業員に向け、レジリエンスを高めるためのワークの実施する際の方法・手順について解説していきます。

1. まずはレジリエンスチェックを実施する

レジリエンスを高めるワークを行う前に、レジリエンスチェックを行い、従業員や組織の今の状態や、現状でどれだけレジリエンスが高いかを確認しましょう。
レジリエンスはいくつかの質問に答えるだけで簡単にチェックでき、無料でレジリエンスチェックができるサイトもあります。

現状をしっかり把握することで、どのようなワークを実施すればいいのかが明確になり、より効果的な取り組みが行えます。

レジリエンスチェックについて詳しくはこちら

2. 実施内容を選定する

従業員のレジリエンスの高さや、組織の状態などを把握できたら、先ほどご紹介したレジリエンスを高める6つの要素のうち、どの能力を強化したいかをはっきりさせ、実施するワークを決定します。

従業員のマインドを変化させることや、従業員同士の繋がりを作ること、文化の醸成はすぐにできるものではありません。
定期的にイベントを開催するなど、長期的に考えるようにしましょう。

また、研修を実施する場合は、オンラインで実施するのかオフラインで実施するのかも決める必要があります。
状況や、実施したいワークの内容に合わせてどちらの方法がいいのかを決めましょう。

レジリエンスの6つの、各構成要素を高めるための方法はこちら

3. ABCDE理論を用いる

レジリエンスのワークを行う場合は、ABCDE理論を用いましょう。
ABCDE理論とはABC理論とも呼ばれる、米国のアルバート・エリス博士が提唱した認知療法の1つです。

  • 出来事=A
  • 信念=B
  • 結果=C
  • 反論=D
  • 効果=E

とし、感情は出来事(A)ではなく、信念・物事の捉え方(B)によって引き起こされるとする考え方をします。
信念、物事の捉え方(B)を変えることで、結果(C)を変えられるようになると考えます。

「どうせまたミスする」などの物事の捉え方や思い込み(B)に対し、客観的な反論(D)を行うことが大切です。
それによって今の状況(A)を様々な角度から見られるようになり、「次はこうしてみよう」「こうすれば上手くいくはず」というように、適切な感情や行動(E)が生まれます。

これを繰り返し成功体験を重ねていくことで、物事の捉え方や考え方が変わり、レジリエンスは向上していくでしょう。

参考:レジリエンスって? 「ABCDE理論」 [blog]

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レジリエンスのワークを受けた後の姿

レジリエンスを高めるワークを受けた後、受講者に以下のような姿が見られるでしょう。

1. 仕事に対して前向きに取り組める

仕事に対し、前向きに取り組めるようになります。
それはレジリエンスを高めるワークを通して、思考に柔軟性が備わったり、自尊感情が備わったりすることで、ポジティブに物事を捉えられるようになるためです。

また、困難やトラブルなど、予想外な出来事にも一喜一憂せず、冷静に次の行動を考えられるようになるでしょう。

2. 落ち込んでも立ち直りが早くなる

ネガティブ感情に囚われることなく、感情をコントロールできるようになります。
ミスをして落ち込んだり、不安に襲われたりしても、客観的に自分を見てネガティブな感情をコントロールし、次の挑戦を諦めません。

また、楽観性も身につきます。
困難にぶつかっても、視野が狭くなったり、悲観的になったりしすぎず冷静に対処ができます。
楽観的であることは「お気楽である」「責任感がない」ということとは異なると認識しておきましょう。

心の回復をはやくし、挑戦を諦めず行動することで目標が達成しやすくなります。
目標達成の体験を重ねることで、「自分には目標を達成する力がある」と思える感情=自己効力感が向上し、さらにレジリエンスが向上していきます。

3. 人間関係が円滑になる

「あの人に嫌われている気がする」「これからも上司とうまくやっていけないと思う」という思い込みがなくなります。
人間関係が円滑になることで、業務が進めやすくパフォーマンスが向上したり、組織に対するエンゲージメントがアップしたりする傾向があります。

また、人間関係が良好になることで、困っている時誰かに相談できたり、「1人で頑張っているのではない」と思えたりするようになります。

まとめ

時代の移り変わりが激しい現代で、変化に対する適応力が求められるビジネスパーソン。
ストレスを感じることも多く、そのような状況でパフォーマンスを安定させ、活躍するためにレジリエンスはとても重要なものであると考えられます。

組織はぜひ、研修の実施や制度の導入を行い、従業員のレジリエンス向上をサポートしましょう。
従業員が働きやすくなるだけでなく、レジリエンスの向上に取り組むことで、人材育成や組織の価値向上などに繋がります。
ワークを実施するにあたり、

  • レジリエンスチェックを行う
  • 高めたい能力を明確にする

などのポイントに気をつけてください。