移り変わりの激しい現代のビジネスシーンで活躍できる人材になるためには、レジリエンスを高めていくことが重要です。
そこで、レジリエンスを高めるために習得したい6つの要素や方法、ポイントなどをご紹介していきます。
レジリエンスを高めることで安定したメンタリティの人材になり、困難な状況下でもパフォーマンスを維持しましょう。

レジリエンスとは

レジリエンスの高い従業員

レジリエンス(Resilience)とは自発的治癒力や回復力を指す英単語で、心理学では「心の回復力」のことを指します。

レジリエンスが注目される背景

このレジリエンスがビジネスシーンで注目されるようになった背景には、移り変わりの激しい社会環境があります。

インターネットが普及し、物事の移り変わりの早い現代では労働環境の変化も激しく、ビジネスパーソンはその変化に対応していかなくてはいけません。
よってストレスを強く感じることも多いでしょう。
そのため、高いストレス耐性や、高い心の回復力の重要性が呼びかけられています。

逆境にもくじけないメンタリティを持っているかどうかが、現代のビジネスシーンで活躍するための1つの課題と言えるでしょう。

レジリエンスを構成する6つの要素

レジリエンスを構成する要素は以下の6つです。
これらの能力を伸ばしたり、得たりすることでレジリエンスは高められます。
それぞれの意味を見ていきましょう。

1. 自己認識

自己認識は内観能力の1つで、自分を他の個人とは別の個人であると認識することや力です。
英語では「Self-Awareness」と表され、「Awareness」は「気づき」を意味します。

この力を得ることで、自分を客観的に見ることができます。
自分自身の強み、欠点など内面をしっかり認識し、加えて周囲から見た自分自身のことも認識します。

2. 自制心

自制心とは自分自身の感情や欲望をコントロールする気持ちです。
自制心があるという状態は、セルフコントロールができるとも言い換えることができます。

3. 精神的敏速性

物事を様々な角度から見て全体を捉えることを指します。
また、全体の局面を見据えた視点から物事に対処します。

困難やトラブルに出会った時に慌てふためいたり、1つの考え方や見方に囚われることはしません。

4. 楽観性

「うまくいく」「未来はよくなる」と考え、心配しない様子のことです。
ストレスの要因を必要以上に恐れず、困難も成長するためのものだと捉えます。

5. 自己効力感

自己効力感とは、目標を達成するための力が自分自身にあると信じることを指します。

自身で成功体験を重ねることによって自己効力感が得られますが、その他にも、成功している人を見ることでも得られます。

6. 繋がり

繋がりは、他者との繋がりを指します。
レジリエンスを高めるためには、自分の心と向かい合ったり鍛えたりするだけでなく、他者との繋がりを感じ「1人で頑張っているのではない」「相談できる人がいる」と思えることも必要なのです。

レジリエンスが高い人の特徴

レジリエンスを向上させている従業員

レジリエンスの高い人には、

  • 柔軟で多面的な思考力を持ち、目の前の状況に一喜一憂しない
  • 周囲との信頼関係を築くことが得意
  • 困難や失敗があってもチャレンジし続ける
  • 相談ができる信頼のおける仲間がいる

などの特徴があります。
これらの特徴は楽観性や自尊感情があり、自己肯定感が高いことが基になっていると考えられます。

レジリエンス向上によるメリット

レジリエンスを高めるメリット

レジリエンスを向上させることによるメリットを、

  • 個人
  • 企業

のそれぞれの目線に分けてご紹介します。

個人にもたらすメリット

1. ストレス耐性が身につく

ストレス耐性が身につき、困難や逆境にぶつかった時でもメンタルヘルスを良い状態に維持できるようになります。 

2. 変化への適応力が身につく

レジリエンスが高い人は変化が起こった際、慣れない環境でミスをしても、落ち込んだり、おじけづいたりしません。 
たとえ落ち込んだとしても、感情をコントロールできるので立ち直りが早いです。
また、多角的な物事の見方ができるので、対処方法も考えられます。

3. 目標達成能力が身につく

ミスなどにとらわれず行動できるようになるので、目標達成能力が身につくようになります。

目標達成や成功体験を繰り返すことでさらに自信が付き、物事に前向きに取り組めるようになります。

企業にもたらすメリット

1. 離職率を下げ、社員が活き活きと仕事をするようになる

従業員のレジリエンスが向上することで、今自分が働く環境を「働きやすい職場だ」と認識し、活き活きと仕事をするようになります。
仕事のやりがいを感じ、離職率も低下します。

仕事に前向きに取り組むことで人事評価も向上し、さらに仕事に対するモチベーションがアップすることも期待できます。

2. 組織にダイバーシティが生まれる

ダイバーシティは直訳すると「多様性」を意味します。
人種や性別、年齢、価値観など様々な多様性を受け入れるダイバーシティな組織では、困難な状況や逆境にぶつかったとしても、それぞれの目線から意見を出し合い、各意見を尊重し困難を乗り越えます。
レジリエンスの高い人材が多い組織では、その傾向が強いでしょう。

ダイバーシティとは?意味や注目される背景について詳しく

3. 戦略転換やリスクにも臨機応変に対応できる

変化の多い現代では、ビジネスシーンの状況に応じて企業戦略を変えなくてはいけないことも多く、柔軟に対応しなくてはいけません。
レジリエンスが高いことで、変化が多く起こる状況でもめげずに業務を遂行することができます。 

レジリエンスを高い人の特徴や高めるメリットについて詳しく

レジリエンスを高める方法

レジリエンスを高める方法

最後にレジリエンスを高める方法を見ていきましょう。
レジリエンスを高めるためにはいくつかのスキルを身に付ける必要があり、また、その手法も様々あります。
あなたに合った効果の出やすい方法を見つけ出し、レジリエンスを高めていきましょう。

個人で高める方法

まずは、レジリエンスを構築する6つの要素の中にもあった自己効力感を高めましょう。
繰り返しになりますが、自己効力感とは目標を達成するための力が自分にはあると信じる心を指します。
自分自身を信じられるようになることで、レジリエンスは格段に高まります。

自己効力感は、成功体験を重ねることや、成功している他社を見ることに加え、過去の成功した体験を再認識することで得られることもあります。

また、自己効力感を高めるために、思考パターンを変えることも必要になるでしょう。
「どうせ自分なんて」「きっとまた失敗する」などのネガティブな感情を払拭します。

その他、困難や不安に思うことが起こった場合、誰かに相談をしたり、コーチングやカウンセリングを受けたりと、周囲との繋がりを持ちサポートを得るのも1つの方法です。

組織で高める方法

組織でレジリエンスを高めるには、まず、企業文化の醸成や独自性追求を行います。
従業員1人1人に自己肯定感や自尊感情があり、それぞれの個性を尊重する文化のある組織を目指しましょう。
そしてシナリオプランニングを行うことをおすすめします。
シナリオプランニングとは、将来起こることが予想される複数のシナリオを描き、その上で企業の経営方針や、出来事への対処方法を考えることを言います。
シナリオプランニングを行うことで、将来に備え、自社の従業員はレジリエンスを高める6つの要素のうちどれを強化すればいいかがより明確になるはずです。

ミスをした時に助けを求めやすかったり、自分の意見を言いやすかったりする心理的安全性の高い職場作りも大切です。
心理的安全性は相互理解を深めることにより高まります。

組織でレジリエンスを高めるための取り組みをする際に、注意点があります。
それは、現場主役の組織・取り組みになるよう努めるということです。
やらされている感のある取り組みや、組織の在り方では、思ったような効果が期待できないでしょう。

レジリエンスの高い人材育成のために、研修やセミナーを実施するのも1つの方法です。
研修などを通してしっかりレジリエンスについて学ぶことで、効果的にレジリエンスの高い人材を育成できます。

レジリエンスを高めるトレーニング方法について詳しくはこちら

おすすめサービス『バヅクリ』

研修やセミナー、ワークショップを実施するには、時間や人など多くのコストがかかります。
社内負担を削減し研修などを実施したい組織は、社外サービスを活用することがおすすめです。

バヅクリ
出典:バヅクリ

バヅクリを活用することで、企画から運営までをお任せできるため社内負担を85%削減させることができます。
また、司会や講師を務めるのはその業界のプロ。
オンラインでの実施でもしっかり学べるうえ、「楽しい」と受講者に感じてもらえる楽しい研修を提供します。

レジリエンスを高める研修の実施方法について詳しくはこちら

レジリエンスを高めるため、バヅクリで実施できる、おすすめのプログラムをいくつかご紹介します。

① レジリエンス研修
レジリエンス研修
出典:バヅクリ

この研修ではレジリエンスを高めるための10の方法を学びます。
研修の最後には、参加者同士の相互コミットメントの時間を設け、学んだだけでは終わらせないカリキュラム内容となっています。

② オンラインストレスケア研修
オンラインストレスケア研修
出典:バヅクリ

この研修を受講することで、自分の心のクセを知ることができます。
受講者1人1人のストレッサー=ストレスになりやすい原因を見つけ出し、その対処方法を学びます。

③ マインドフルネス
マインドフルネス
出典:バヅクリ

Google、Apple、Facebookなど、有名企業でも取り入れられているマインドフルネス。
瞑想から宗教的要素を取り除いたストレス軽減方法です。

バヅクリのマインドフルネスワークショップの講師はお坊さん。
マインドフルネスの基礎的な瞑想方法を学習することに加え、内省・共有・対話を通して、お互いの心の不安を整理し合い、参加者同士の相互理解も深めます。

バヅクリでは、不安解消マインドフルネスの他、

  • 打ち解けマインドフルネス
  • 目標設定マインドフルネス

など様々なプログラムを用意しています。

まとめ

レジリエンスは

  • 自己認識
  • 自制心
  • 精神的敏捷性
  • 楽観性
  • 自己効力感
  • 繋がり

の6つの要素を強化することにより高まります。

レジリエンスを高める要素は、トレーニングを行うことなどによって、得たり伸ばしたりすることができます。
どのような心の在り方を目指すのか、どの能力を伸ばしたいかなど目的を明確にしてから、トレーニングや研修などを実施・受講しレジリエンスを高めてください。