「仮説思考」をご存知でしょうか。昨今、仕事のスピードアップのために必須の思考法とされており、不確実性が高まっているこれからの時代にもより必要とされる考え方です。本記事では、そんな仮説思考について、またメリットやデメリットについて解説していきます。

仮説思考とは?

仮説思考の定義

仮説思考とは、限られた情報から最も可能性の高い結論を「仮の結論=仮説」として設定し、その仮説に基づいて根拠探しを行い、正しいことを確認していく思考法のことです。

根拠(=情報やデータ)から問いに対する答えを探しにいくのではなく、最も確からしい「仮の答え」を先に想定した上で、「逆算」するような形で、その答えに必要な根拠を探しに行きます。

ロジカルシンキングとの違い

ロジカルシンキングは、物事を体系的に整理して筋道を立て、矛盾なく考える思考法のことで、「論理的思考」と呼ばれます。
これは、課題や問題について様々な視点から情報やデータを収集し、分析して解決策を検討する方法です。

先に、結論にある程度の「当たり」をつける仮説思考とは逆の方法であると言えます。

仮説思考がビジネスシーンで重要視されている理由

続いて、仮説思考がビジネスシーンでなぜ、重要視されているのかについてご紹介します。

限られた時間の中で最大の成果を出すことができる

仮説思考は、必要なすべての情報を集めてから解決策を導き出すロジカルシンキングと異なり、問題をスピーディーに解決することに向いています。
企業や組織にとって早急に対処したい問題の場合、例えそれが確実に正しいと言える根拠が揃わなくとも、仮説を立ててそれに絞って検証し、検証の結果間違っていたらまたやり直すというフローで、いち早く解決へつながる可能性を持っています。

生産性が向上する

仮説を立てることで仕事がスピーディーになるだけでなく、仕事のクオリティが向上し業務効率化にもつながります。

仮説を立てることは、仕事のゴールを先にイメージすることであり、そのゴールに向かって必要な業務、タスクをリストアップするため、無駄な作業が減少します。
具体的な行動にもつながり、仕事のやり直しが激減し、仕事も効率的にスピードアップします。

仮説思考のデメリット

仮説思考のデメリット

仮説思考も、万能な思考法ではありません。ここでは、仮説思考のデメリットについてもご紹介します。

最適解を見逃す可能性がある

仮説思考では最適な答えよりも、最適ではなかったとしても早く行動し、解決することを重要視します。
そのため、必要な情報をすべて集めた状態で思考し、解決策を導く方法に比べると、情報が欠けている分、「実は別にあったベストな結論」を見逃してしまう恐れがあります。

また、最適解だけでなく、他の有用な情報や可能性を見逃すというデメリットもあります。

クリエイティブな発想、イノベーションが起こりにくい

イノベーションはいろいろなものを試す中で偶然新しいものを発見したり、新しい発想に気づいたりするなど、思考錯誤の中で生まれることが多いです。
そのため、特定の結論=仮説を立て、それに絞って検証を行う方法では、どうしてもクリエイティブな発想や、イノベーションを阻害してしまいます。

状況に合わせて「仮説思考」と「探索的思考」を組み合わせると良いでしょう。

仮説思考の立て方

それでは、仮説思考を行うためにはなにが重要なのでしょうか。ポイントを見ていきます。

仮説の引き出しを作っておく

様々な仮説を立てるためには仮説の引き出し=(経験+学習)を身に着けて置くことが
重要になります。引き出しを多く持っている方が初期化説を立てやすいです。
これらは、普段の業務や日々の学習、読書やニュースでの情報収集などで身に着けることができます。

具体的な行動につながる仮説を立てる

ビジネスでは、言うまでもなく、分析だけでなく実際にアクションし成果を出すことが求められます。
そのため、仮説を立てる際には具体的な解決策、アクションにつながる仮説を立てることが重要です。現実離れした仮説では意味がないため、そうした仮説を設定しないように注意してください。

仮説思考研修ならバヅクリ

仮説思考を身に付ける方法の一つとして有用なのが、研修サービスを用いることです。

仮説思考基礎研修

研修サービス「バヅクリ」の仮説思考研修は、経験や情報が不足している状況で思考停止に陥らずに、日常業務を効率的に進めるために、仮説思考の必要性や手法を学習します。ワークを通じて様々な状況での仮説思考を実践し、グループでの議論を通じて気づきを得ながら学習を進めます。

情報が足りない状況を設定し、いきなり調べずに、まずは仮説を考えてみる、そのあと仮説を検証してみる、という流れでのワークを通じて学習効果を高めています。

特に、新入社員、2〜5年目の若手社員、30代若手社員など、日常業務における仮説思考を身に付けたい方におすすめです。

まとめ

本記事では、仮説思考について解説してきました。
仮説思考を学ぶことで時間の短縮や本質・要点の理解につながるため、ビジネスシーンで役に立つ思考法であることがご理解いただけたかと思います。
メリット・デメリットがあるため、場合によってはほかの思考法と分けて使用することでよりよい成果が期待できます。