経営層、マネージャ、営業、人事など、あらゆるレイヤーと職種で必要とされるプレゼンテーションスキル。
プレゼンテーションスキルが向上すると、アイデアやフィードバック、目的を効果的に伝えることができるので、チーム力の向上や従業員のモチベーションアップ、ビジネスの達成など、様々なメリットがあります。
近年は従業員のプレゼンテーションスキルを高めるために、車内でプレゼンテーション研修を行う企業が増えています。
本記事では、プレゼンテーション研修を行うメリットとおすすめの研修会社を紹介します。
目次
プレゼンテーション研修とは
プレゼンテーション研修とは、自分の考え方や意見を分かりやすく伝えるスキルを取得するための研修のこと。
ここではプレゼンテーション研修とはどんなものかを解説します。
プレゼンテーションに必要なスキルとは
そもそも、プレゼンテーション力を向上させるために必要なスキルとはどんなものなのでしょうか。
1. 論理的思考能力
プレゼンテーションを成功させるには、相手を論理的に納得させる必要があります。
複雑なアイデアや考えを整理して相手に伝えるには、論理的思考能力は欠かせません。
また論理的思考能力は、物事の本質を捉え、課題や施策の優先順位をつけるのにも役立ちます。
2. 相手をひきつける話し方
プレゼンテーションの目的は、相手を説得したり、納得したりしてもらい、自分が望んでいる行動を促すことにあります。
そのため、まずは相手が自分の話に興味を持つことが不可欠です。
プレゼンテーションにおいて、相手が興味を持つような声量や抑揚、テンポで話せることは大きなメリットになります。
3. 相手が求めているものを把握する力
人は、明確なメリットがあると感じたときに行動します。
そのためプレゼンテーションをするときは、相手がどんな課題やニーズを持っているかを知っている必要があります。
ニーズが分かっていないと、的外れなメリットを提示してしまい、ビジネス成果が得られません。
プレゼンテーションをするときは、相手がどんなものを求めているかを事前に調査するようにしましょう。
4. 臨機応変な対応力
プレゼンテーションを行うときは、相手の反応に合わせて話す内容や話し方を臨機応変に変えることが求められます。
また、トラブルや予期していなかった質問など、思わぬ対応が迫られることもあるでしょう。
はじめから覚えていることをそのまま読み上げるのではなく、その場の雰囲気に合わせてメッセージを変える対応力を持つことで、プレゼンテーションの成功確率は高まります。
5. デリバリー・スキル
デリバリー・スキルとは、相手に伝えたい情報を的確に伝える能力のこと。
言葉だけではなく、姿勢やジェスチャー、表情などもたくみに操りながら、自分が伝えたいメッセージを表現するスキルを指します。
例えば、謝罪などを行うシリアスな場面で笑顔を見せていた場合、相手から不信感を持たれてしまうこともあるでしょう。
その場に合わせて適切な振る舞いをすることも、デリバリー・スキルのなかに含まれます。
6. シナリオ・スキル
シナリオ・スキルとは、様々な相手の立場にとっても論理的に理解しやすいロジックを構築する能力のことです。
例えば、株主総会や役員会議などでは、立場の違うさまざまな視点を持つ人たちが参加しています。
そのような場では、誰にとっても納得できる前提を基礎として、共通認識を作り上げながら自分の主張を話す必要があります。
シナリオ・スキルの高い人は、ある主張をしたときに「それを裏付ける根拠・事実」をわかりやすく伝えることで、多くの人を納得させることができます。
7. プレゼンス
プレゼンスとは、相手に情熱や誠実さを伝える能力のことです。
人の心を動かすには論理だけではなく、時には情熱も必要です。
特に不確実性の高い意思決定になればなるほど、話し手の情熱や思いに共感し、信頼できる人物かどうかを重視します。
そのため、プレゼンテーションを行う際には、携わる人の思いやコンセプトを簡潔に伝えるようにしましょう。
プレゼンテーション研修の目的
社員のプレゼンテーション能力が向上することで、会社にどんな利益がもたらされるのでしょうか。
ここではプレゼンテーション研修を行う目的として主なものを解説します。
1. 取引先からの受注を増やす
様々な職種の中でもプレゼンテーションスキルを必要とする職種が営業職です。
クライアント企業の課題やニーズを捉え、自社の製品の強みや特徴を説明した上で、導入を納得してもらえるようなメリットを提示しなければいけません。
営業担当一人ひとりのプレゼンテーションスキルの向上は、会社全体の売上増加に大きく貢献するでしょう。
2. 社員の提案力を向上させる
プレゼンテーション研修を行うことで、社員の提案力が向上します。
プレゼンテーションスキルが低い人が集まる組織では、「先輩がOJTで後輩とうまくコミュニケーションが取れない」「仕事を効率化するための提案が生まれても、社内で合意が取れない」など、組織が停滞しやすくなります。
プレゼンテーション研修を行い、社員の提案力を向上させることで、社員教育や業務改善などのチーム運営が円滑に行われやすくなります。
3. 入社希望者を集める
プレゼンテーションスキルは、採用シーンにおいても重要なスキルです。
会社説明会などで自社の魅力や入社するメリット、どんな未来が待っているかをしっかり伝えると「入社したい」と思ってくれる人も増えるでしょう。
会社説明を行う人事担当者や経営者のプレゼンテーションスキルを向上させることが、人手不足解消につながることもあります。
4. より良質なアイデアを発掘する
プレゼンテーション研修の目的として、社員の創造性やアイデアを引き出し、より良いコミュニケーションを促進させる目的があります。
より良いアイデアを持っていたとしても、それを論理的に伝える力がなければ新しい価値は生まれません。
社員のプレゼンテーションスキルを養うことで、ボトムアップの改善やアイデアの活性化につながります。
プレゼンテーション研修のメリット
業務の中でプレゼンテーションスキルの向上を意識するのはなかなか難しいもの。
短期間で知見の獲得・スキル向上を狙いたい場合は、研修を行うのが有効です。
ここではプレゼンテーション研修のメリットを解説します。
研修を導入すべき理由
ワークを通してスキルを身につけることができる
一般的な研修では、座学で知識を学習した後ワークを行い、実践できるかどうか確認を行います。
座学と実践を繰り返すことで、単なる知識ではなく実践可能な「スキル」を身につけることができます。
社員の一体感・相互理解が深められる
研修を導入するメリットの一つに、社員の一体感・相互理解が深められることがあります。
研修は何名か集まって行うのが一般的です。
研修中、受講者は研修の中で自分の学びを発信したり、他者に対してフィードバックを行ったりする中で、お互いの価値観や視点の違いを理解することもあるでしょう。
このように研修という機会を提供することで、受講者が他の社員のことを知るきっかけになります。
プレゼンテーション研修で身につけられること
論理的思考力が身につく
プレゼンテーションでは、相手に自分の考えを納得してもらい、行動にうつしてもらうことが求められます。
相手に行動してもらうには、「提案の内容」「提案を裏付ける根拠」「提案通りに行動してもらうことで、どんな未来が待っているか」を、相手の理解度に合わせて伝えることが重要です。
相手に理解してもらうためには「何をどこまで説明すれば過不足がないか」を考えなければならない一方で、「伝えた物事の因果関係におかしいところはないか」などにも気をつける必要があ
ります。
魅力的なプレゼンテーションを行うには「簡潔さ」と「論理的な矛盾のなさ」が求められるからこそ、論理的思考力が大きな鍵になります。
第三者視点に立つ能力が身につく
聞き手に最終的に行動してもらうには、相手の感情を無視してはいけません。
「今相手が何を考えているか」を読み解き、疑問点や不満・不安を晴らすことが非常に重要になります。
例えば、どれだけ緻密に論理を構築したプレゼンテーションでも、相手に飽きられ「聞きたくないな」と思われてしまったら、目標を達成することはできません。
そしてそういった聞き手の思いを読み解くのに必要なのは、第三者視点に立って自分を客観的に見る力です。
また、この第三者視点に立って物事を見る能力はプレゼンテーションだけではなく、商品開発や事業計画にも役立ちます。
プレゼンテーション研修の内容
ここではプレゼンテーション研修の内容を解説します。
自社でプレゼンテーション研修を実施する際の参考にしてみてください。
プレゼンテーション研修の実施方法
プレゼンテーション研修の実施方法として、大きく下記の2つがあります。
- 自社で行う
- 研修会社に依頼する
自社でおこなう場合、研修費用を抑えられること、ニーズに合わせて柔軟に研修内容を変更できるのが大きなメリットです。
一方で、企画や運営に研修担当の工数がかかる、社内にプレゼンスキルや教育スキルが高い人がいない場合、講師を依頼する人材がいないというデメリットもあります。
研修会社に依頼すると、自社で研修を企画・実施する工数を省けるとともに、プロの外部講師からの高品質な研修を受けることができます。
ただし、研修会社によって講師や企画、運営のスムーズさなどは変わってくるので、研修を研修会社に依頼する際は慎重に検討しましょう。
プレゼンテーション研修の相場料金
個人で公開講座に参加する場合、1日の参加では約5万円、2日では約9万円が相場になります。
講師をオフィスに派遣してもらう場合は、約10万円〜30万円が相場になります。
また遠方で研修が行われる場合、受講費とは別に交通費や宿泊費が発生します。
プレゼンテーション研修の種類
プレゼンテーション研修と一口に言っても、研修の内容は様々です。
ここではプレゼンテーション研修の種類について具体的に紹介します。
目的別の研修
- プレゼンスを習得するための研修:相手に誠意や情熱、信念を伝えるスキルを学習する
- インタビュースキルを磨く研修:インタビュー相手に信頼してもらい、話を引き出すテクニックを学ぶ
- シナリオ制作スキルを磨く研修:相手にとって魅力的でわかりやすいシナリオを構築するスキルを獲得する
- デリバリー・スキルを磨く研修:相手に自分の思いや伝えたいことを的確に伝える術を習得する
- アフターフォローの研修:プレゼンテーションを終えた後、相手へのアフターフォローや振り返りのやり方を知る
階層別の研修
- 新入社員向けの研修:ビジネスで必要な論理的思考力や人前で緊張せず相手に考えを伝える方法を知る
- 中堅社員向けの研修:異なる立場の人に寄り添った上で、自分のアイデアや思いを周囲の人に理解してもらい、影響力を高める方法を学ぶ
- 管理職向けの研修:組織やチームを束ねる存在として、方針や理念を伝えるスキルを習得する
職種別の研修
- 営業職向けの研修:クライアント企業向けのヒアリング力と提案力を身につける
- 技術職向けの研修:開発進捗会議や社内稟議など、主に社内向けのプレゼン能力を学ぶ
- 製造業向けの研修:チームメンバーの結束を促すためのコミュニケーションを学ぶ
- 事務職向けの研修:社内コミュニケーションを円滑に行うやり方を習得する
プレゼンテーション研修の相場は、個人で公開講座に参加するか、それとも講師を派遣してもらうかによって変わります。
プレゼンテーション研修のプログラム内容
ここでは具体的なプレゼンテーション研修のプログラムを紹介します。
自社で研修プログラムを設計する際の参考にしてください。
1. プレゼンテーションに必要な知識と心構え
「相手に納得してもらい、動いてもらう」ことがプレゼンテーションの目的であること、プレゼンテーションスキル向上のために必要な要素など、プレゼンテーションが上手い人が身につけている知識や心構えを学びます。
2. 事前準備とシナリオ構成
良いプレゼンテーションを行うには、相手に納得してもらうためのシナリオが重要です。
プレゼンテーション研修では「何を、どんな順番で伝えるか」というシナリオの組み方を学びます。
3. プレゼンテーションのポイント(トレーニング)
相手に良い印象を持ってもらったり、メリットを端的に理解してもらったりするための話し方やボディランゲージを学びます。
4. 相手を納得させるプレゼンテーション
相手に納得してもらい動いてもらうためには、論理と感情の2つの面からアプローチすることが肝要です。
プレゼンテーション研修では、人を惹きつけるために抑えておきたいプレゼンのポイントも解説します。
5. 実践!プレゼンテーション
今まで学んだことを実践し、講師や他の受講生からのフィードバックをもらいます。
実際にプレゼンテーションを行うことで、自分自身に足りないスキルや強みを自覚できるので、プレゼンテーションスキル向上へと繋げることができます。
まとめ
プレゼンテーション研修の内容をもとに、業務に持ち帰りたい学びやプレゼンテーションスキル向上のために継続したいことなどを互いに発表し合います。
最後に学びを共有することで、研修で学んだことを研修後にも生かせるようになるとともに、他の受講者の視点を知ることができ、より深い学びが生まれます。