近年新卒採用において、内定承諾率が低下する傾向がみられています。
その背景には、内定者の選択肢が多様化するなか、企業側の内定者へのサポートが不十分であることや、内定者の不安や疑問に対する解消策が不明確であることなどが挙げられます。
そこで本記事では、内定承諾率を上げるために有効なアプローチと具体的な施策を紹介し、内定者との信頼関係構築や、最終的な採用力を高める方法について考察します。
目次
内定者が内定を辞退する理由
内定者が内定承諾を辞退する理由はさまざまですが、以下に一般的な理由をいくつか挙げてみます。
より志望度の高い他社の内定を受けたため
より志望度の高い他社の内定をもらってしまったため、他社を選択するケースがあります。
業界や職種への関心が薄れたため
内定を受けた企業の業界や職種に関心が薄れ、他の業界や職種に進むことを決めるケースがあります。
給与や待遇面での不満があるため
内定を受けた企業の給与や待遇面に不満がある場合、他社の条件がより良いため他社を選択するケースがあります。
転勤や勤務地が遠いため
内定を受けた企業の勤務地が遠く、転勤が必要である場合、内定者がその条件に納得できない場合に辞退するケースがあります。
その他の理由
内定者にとって不利益な条件があったり、内定後に企業のイメージが悪くなったり、内定通知や内定後の対応に不満があるなどの理由も考えられます。
内定辞退率は上昇傾向!内定企業への不満とは?
2022年にかけて、オンライン採用の普及により複数内定を持つ学生が増加傾向にあるため、内定辞退率は上昇傾向にあり、内定者フォローを強化する企業が増えていますが、効果的な施策がわからない担当者も多いかと思います。
学生が内定通知を受けた企業に対して、何に不安を感じ、内定辞退に至るのか、アンケート調査を行い企業に対する不満点をまとめました。
調査結果は下記からダウンロードできますので、内定者フォロー施策の参考にしてみてください。
内定承諾の決め手とは
内定者が最終的に内定を承諾する決め手は、個人によって異なりますが、以下のような要素がある場合が多いです。
就業条件の良さ
給与や待遇、福利厚生など、自分にとって魅力的な就業条件が整っているかどうかが、内定承諾の決め手となることがあります。
仕事内容や業務環境の魅力
内定をもらった企業の業務内容や、自分が担当する業務にやりがいや興味を感じるかどうか、また職場環境や社風に適合するかどうかが、内定承諾の決め手となることがあります。
就業先のイメージ
自分が内定をもらった企業のイメージや、その企業が扱う商品やサービス、または企業の社会的責任やCSR活動などが、内定承諾の決め手となることがあります。
キャリアアップの可能性
内定者が、将来的に自分自身のスキルアップやキャリアアップが期待できると感じることができる場合、内定承諾の決め手となることがあります。
HR研究所で実施した調査では、内定承諾の決め手として、条件面と並んで「人事がキャリアイメージを一緒に考えてくれた」という回答が多く集まっています。
内定後のフォロー体制
内定者が、内定承諾後にも十分なフォローやサポートを受けることができると感じる場合、内定承諾の決め手となることがあります。
内定承諾率を上げるためのアプローチ
内定者とのコミュニケーション
内定者とのコミュニケーションは、内定承諾率を上げるために欠かせないアプローチの1つです。
内定者が自社に興味を持って応募してくれた背景や、採用決定の理由などを丁寧に伝え、内定者に対する期待や希望を確認することが大切です。
また、内定者からの質問や要望に迅速かつ的確に回答することで、内定者との信頼関係を構築することができます。
内定者に対するサポート体制の整備
内定者に対するサポート体制を整備することも、内定承諾率を上げるために重要です。具体的には、内定者の不安や疑問に対する解消策を提供することや、内定者のニーズに合わせたオリエンテーションや交流会の企画や実施を行うことが挙げられます。
また、内定者に対するキャリアアップ支援を提供することで、内定者が長期的に自社に貢献し、企業との関係性を深めることができます。
内定者の不安や疑問に対する回答や解消策を提供する
内定者の不安や疑問に対する回答や解消策を提供することも、内定承諾率を上げるために重要です。
内定者に対するFAQ(よくある質問集)の作成や、内定者からの問い合わせに迅速かつ丁寧に回答することで、内定者が自社に対して安心感や信頼感を持つことができます。
内定者のキャリアアップや成長につながる情報提供やイベントの実施
内定者のキャリアアップや成長につながる情報提供やイベントの実施も、内定承諾率を上げるために効果的です。
自社のビジョンや社風を伝えるだけでなく、内定者に対して自社のビジネスについて深く理解してもらうための研修や、社員との交流会などを企画し、内定者に自社の魅力をより具体的に伝えることができます。
これにより、内定者が自社に貢献するためのモチベーションが高まり、内定承諾率を上げることができます。
内定承諾率を上げるための具体的な施策
内定者への情報提供
内定者に向けた情報提供を充実させることで、内定承諾率を上げることができます。
具体的には、会社のビジョンや社風、社員の声などを、ウェブサイトやSNSを通じて発信することが挙げられます。
また、内定者向けのイベントや研修などを実施することで、自社の魅力をより深く理解してもらうことができます。
内定者と社員の交流
内定者と社員が交流する機会を設けることで、内定者が自社に対する理解を深め、モチベーションを高めることができます。
具体的には、社員とのランチ会や、現場見学会、社員とのメンタリングプログラムなどを実施することが挙げられます。
内定者のキャリア支援
人事担当者等が内定者と一緒に、内定者のキャリアについて考えることは、内定承諾率を上げるために非常に効果的な施策です。
具体的には、内定者に向けたキャリアデザイン研修や、社員とのマンツーマンキャリアカウンセリングなどを実施し、内定者が自身のキャリアについて深く考える機会を提供することが挙げられます。
内定者とキャリアプランを共有することで、内定者は自分自身のキャリアについてより深く理解することができ、自社に対する関心を高めることができます。
また、社員との交流を通じて、内定者は自社のビジネスや社風について深く理解し、自身のキャリアアップに必要なスキルや経験を理解することができます。
内定者のキャリア支援ならバヅクリ
研修サービス「バヅクリ」では、内定者のキャリアを支援するための様々なプログラムが用意されてます。
研修として内定者自身が自分と向き合うものだけでなく、先輩社員との交流を通じて自身のキャリアをイメージするワークショップ型のプログラムもあり、様々な観点からしっかりと内定者にキャリアイメージを掴んでもらう事が可能です。
キャリアデザイン研修
キャリアデザイン研修(未来創造編)は、1年後、3年後には何を成し遂げるべきか、成長シナリオを紙芝居にする『私の成長未来日記』作りを行い、未来の展望を描く、ワークショップ中心のカリキュラムです。
ゲーム要素を取り入れた座談会
内定者座談会に、人気ゲーム『人狼ゲーム』の要素を取り入れた座談会プログラムです。
先輩社員には内定者のフリをして座談会に参加してもらい、会社や仕事等に関するテーマに沿って対話を楽しむ中で、内定者に誰が先輩社員かを当ててもらうといった内容です。
クイズ形式でキャリアデザイン
こちらのプログラムは、先輩社員のエピソードを元にしたクイズを解くことを楽しみながら、入社後の様子や、自分の数年後の姿のイメージを持てるプログラムとなっています。
新入社員の待遇改善
内定者/新入社員の待遇改善を行うことで、内定承諾率を上げることができます。
具体的には、初年度の給与や福利厚生の改善、社宅や社員旅行などの特典の充実などが挙げられます。
ただし、内定者の待遇改善は、会社の財務状況などを考慮した上で行う必要があります。
まとめ
内定承諾率を上げるためには、内定者の関心や課題に対応する施策を行うことが大切です。
本稿では、内定者へのアプローチと、それに基づく具体的な施策を紹介しました。
これらの施策を実施することで、内定承諾率上昇に寄与することが可能です。また、内定者の関心に応えることで、内定者のモチベーション向上にもつながります。
今後も、内定者中心のアプローチを継続し、内定者の関心に対応しながら、内定承諾率を上げる取り組みを進めていくことが企業や人事担当者に求められます。