優秀な学生から内定承諾を得るためには、内定者フォローは欠かせないものです。
しかし、時間のコストがかけられなかったり、コストの割には上手く効果が出なかったりする場合も。
そこで今回は、押さえておきたい内定者フォローの目的や事例、おすすめのサービスをご紹介していきます。
目次
そもそも内定者フォローの目的とは?
そもそも内定者フォローはどのような目的があって行われているのでしょうか?
まずは内定者フォローの意味・目的を知り、意義のある内定者フォローが行えるようにしましょう。
内定辞退を阻止する
内定者フォローの目的の1つは、内定辞退を阻止するためです。
就活市場は、買い手市場から売り手市場へ変化しており、優秀な学生ほどいくつか獲得した内定の中から、入社する企業を選ぶ傾向にあります。
企業が学生に内定を出してから、学生の内定承諾を獲得するまで長い期間、時間があく場合もあります。
その間、企業と学生の間で何もコミュニケーションがないと、学生が他の企業へ流れていく可能性が高くなります。
優秀な学生の獲得のチャンスをロスすることは避けたいものです。
しっかり内定者フォローを行い、学生が他の企業へ流れるのを防ぎましょう。
内定辞退率は上昇傾向!内定企業への不満とは?
2022にかけて、オンライン採用の普及により複数内定を持つ学生が増加傾向にあるため、内定辞退率は上昇傾向にあり、内定者フォローを強化する企業が増えていますが、効果的な施策がわからない担当者も多いかと思います。
学生が内定通知を受けた企業に対して、何に不安を感じ、内定辞退に至るのか、アンケート調査を行い企業に対する不満点をまとめました。
調査結果は下記からダウンロードできますので、内定者フォロー施策の参考にしてみてください。
学生の不安を解消する
学生の内定承諾を獲得するには、内定者フォローを通して親身に学生に寄り添い、社会人になることから生まれる学生の不安を取り除くことがポイントになってきます。
入社にあたり同期とうまくやっていけるのか、先輩にはどんな人がいるのか、マナーやスキルは社会人として必要最低限のことは得られているのか、学生は多くの不安を抱えています。
内定者フォローを通してそれらの不安を取り除きましょう。
入社式まで放っておかれる企業よりも、自分のことをサポートし、考えてくれているなと感じる企業の方が、誰でも働きたいと思うものです。
また、勤務が始まってからもいい環境であるだろうと想像するでしょう。
採用の際、企業側も学生側も、お互いの相互理解を深めるため、時間を費やしてきたとは思いますがそれではまだ不十分な部分もあります。
内定者フォローを行う時間は、お互いをもう一度深く理解する機会にもなります。
内定者同士の一体感を高める
内定者同士の一体感を高めることで、入社後の研修などがスムーズに進みやすくなります。
入社式やその後の研修がスタートしてから、人間関係をゼロから構築するのではなく、入社前にどのような同期がいるかを把握しておけるためです。
また、どのような同期や先輩がいるかを知りたいと思う内定者も多くいます。
採用活動の時には、なかなか知れない部分でもありますから企業側は、グループワークや懇親会を行うなど、内定者同士や先輩社員と交流ができる時間を設けるようにしましょう。
そこで、「この人と一緒に働きたい」「この先輩の元で成長したい」と入社への意思が固くなることもあります。
内定者フォローのポイントについては以下の記事をご参照ください
内定者フォローの事例まとめ
それでは、内定者フォローの事例をご紹介します。
実際に企業ではどのような内定者フォローが行われているのでしょうか。
参考にしてみてください。
1. 内定者懇親会を行う
内定者懇親会は、内定者フォローの定番の企画です。
内定者が集合し、食事や雑談などをして交流を行います。
同期となるその他の内定者や先輩社員と繋がりを作れ、入社へ向けての不安が少し解消されるでしょう。
新型コロナウイルスをきっかけに現在、オンラインで内定者懇親会を行う企業も多く見受けられます。
2. 研修を行う
内定者フォローとして研修を行う企業も多くあります。
講義やグループワークを通して、社会人としての最低限のマナーや、業界の知識を研修で習得することを目的とするものが多く、数時間から数日時間を共にすることで、内定者同士の結束も強くなります。
3. 泊りがけの研修を行う
先ほどの研修を数日、宿泊をしながら行う企業もあります。
数日でも共に生活をすることで短時期間で深い相互理解を期待できますが、ただ入社前の学生の時間を数日確保することは難しい場合が多いでしょう。
内定を獲得してから、社会人になるための準備よりも、旅行や勉強など学生の間しかできないことを行いたいと思う学生も多いので、長すぎる期間の拘束は内定辞退を招く可能性もあります。
4. 人事や、先輩社員と面談を行う
入社に向けてどんなビジネスパーソンになりたいかや、企業に入ってから叶えたいことなど、人事や先輩社員と面談を行い、自己分析を深めていきます。
学生にメンターとして、1人担当の社員を当ててもいいでしょう。
また、個別で面談をすることで、不安に思っていることや、人に聞きづらいことも相談しやすい雰囲気になり、内定者の本音を引き出すことも可能になります。
5. 会社の情報を発信、社内報の送付
定期的に社内の情報を学生に向け発信することで、組織のことを身近に感じてもらうことができます。
コストがあまりかからずに行える内定者フォローでもあります。
紙媒体で行なってもいいですが、メールやSNSなどを利用してもいいでしょう。
ただ、送るだけでは読了率を確認することは難しく、内定者に見てもらい、そのうえ内容を理解してもらうには、見せ方や内容に工夫が必要になってきます。
6. eラーニングを利用し内定者フォローを行う
eラーニングの教材を使い、内定者フォローを行う企業もあります。
ビジネスマナーや社会人としての知識を、各自で教材を使い勉強してもらうことができ、教材費は必要ですが、社員の時間コストや、会場費などがかからないというメリットがあります。
最後はレポートや、テストを行い、理解度を確認する企業が多いです。
7. 資格取得支援
入社までに、入社後に必要となる技術や知識を得るため、資格習得のための費用などを支援する企業もあります。
資格を習得することで、学生たちの自信やモチベーションにも繋がります。
8. 自社でのアルバイトの実施
内定承諾後から、自社でアルバイトとして学生に働いてもらい、内定者フォローとする企業もあります。
入社後の雰囲気がよくわかるだけでなく、必要な知識やスキルも身につき、学生も企業側も入社後の業務をスムーズに進めることができます。
しかし、学生によっては内定獲得後、学業や学生のうちにしかできないことに取り組みたいという人もいるので強制はしないほうがいいでしょう。
9. 会社や現場の見学会
アルバイトとして働いてもらうには、指導が必要となりメンターや担当となる社員への負担が大きくなることも考えられます。
社内の様子を知ってほしいけれど、アルバイトとして働いてもらうのが難しい場合は、見学会を行うといいでしょう。
肌で会社の雰囲気を感じてもらうことで、入社後の自分の姿を想像しやすくなります。
10. 社内イベントへの参加
内定者に、運動会や、新年会などの社内イベントに参加してもらうという方法もあります。
見学会や、座談会、懇親会よりもフランクで開放的な場ですから、社員の人柄や、社員同士の関係性などが感じ取りやすくなるでしょう。
内定者フォローの他社事例
様々な内定者フォローの方法があることがわかったところで、実際に企業がどのような内定者フォローを行なっているのか、事例をご紹介していきます。
1. 株式会社常陽銀行
株式会社常陽銀行はオンラインでも相互理解を深めたり、チームビルディングを行えたりするサービス・バヅクリを活用し内定者フォローを実施しました。
通常は研修を実施し内定者フォローを行なっていますが、新型コロナウイルスの流行もありオンラインでの実施となりました。
80種類以上ものワークショップを提供するバヅクリの講座の中から株式会社常陽銀行がチョイスしたのは演劇。
演劇という非日常な体験を通して、リミッターを外し素の自分をさらけ出すことで、参加者同士の相互理解を深めることに繋がりました。
参考:演劇を通してコミュニケーションの壁を突破!唯一無二の楽しさを実感
バヅクリ
2. 株式会社イージーエス
住友化学のグループ会社のイージーエスは、環境に関する事業や警備防災事業、教育事業などを展開している企業です。
2020年の内定者フォローを、オフラインでの参加3名、オンラインでの参加3名で、オフラインとオンラインのハイブリッド型で実施しました。
事業内容の説明や、入社1年目の先輩社員との交流、同期同士での交流を実施。
その他、採用活動で使用する動画やパンフレットへの改善点を意見交換する時間も設けています。
株式会社イージーエス
3. 株式会社 大匠
大匠は神戸の住宅、店舗、事務所などの新装やリフォームを手がける企業です。
内定者の不安を取り除くことを目的として内定者フォローイベントを行い、学校では習うことのできないお給料や健康保険、厚生年金、雇用保などの話を聞いたり、建築関係の企業らしく賃貸情報、大工さんの道具などについて学んだりします。
株式会社 大匠
内定者フォローに役立つサービス
様々な内定者フォローの方法がありますが、より効果を期待するのであれば、プロの手を借りたり、サービスやシステムなどを内定者フォローのためのツールを導入してみてもいいかもしれません。
またそうすることで、担当者の負担を削減することも可能です。
それでは、内定者フォローを行う際におすすめのサービスをご紹介します。
ワーク型研修
まずは、内定者向け研修を行う際におすすめのサービスをご紹介します。
バヅクリ
バヅクリは、バヅクリ株式会社が運営する対面/オンライン型チームビルディングサービスです。
プレゼンや図工、マインドフルネスなど、企業研修やワークショップのプロが教えるプログラムが150種類以上用意されています。
アソビと学びをブレンドしたプログラムになっており、短時間で相互理解を深めることができます。
楽しみながら交流ができる、他にはないプログラムばかり。
座学や個人ワークではなく、参加型プログラムが中心であることも特徴です。
・料金:250,000円〜
https://buzzkuri.com/
Oh! TEAM(おうちーむ)
Oh! TEAM(おうちーむ)は、株式会社HEART QUAKE(ハートクエイク)と株式会社チームビルディングジャパンが共同開発したオンライン研修です。
両社の強みである「頭を使うゲーム」と「体を使うアクティビティ」の2種類をチームで実施し、メンバー間の相互理解や一体感を促進します。
在宅やオンラインでも十分にお互いを理解できるようなプログラムが用意されています。
・料金:10名 20万円~(キャンペーン特別価格)
https://www.teambuildingjapan.com/teambuilding-plus/remote-teambuilding/ohteam/
研修
オフラインの研修は、オンラインでは失われがちになる、突発的に生まれるコミュニケーションや、雑談の機会をロスすることなく研修を行えます。
オフラインの研修を行う際におすすめのサービスは以下です。
『BIZ-QUIZ』研修
株式会社アーベントが提供する、クイズを利用した新しいスタイルの研修です。
エンターテイメント要素を交え、楽しみながら研修を行うことができます。
チームでクイズを解いていくチーム戦ではチームビルディングやコミュニケーションの大切さを学べ、個人戦では得意な分野でチームに貢献することを学べます。
クイズ研修の前には座学研修を行い、そこでは社会に出て働くということや、会社に入ったらするべきこと、仕事で成果を出すために必要なことを考えます。
・料金:1 日コース : 40万円~50万円(+消費税)
半日コース : 30万円~40万円(+消費税)
http://biz-quiz.jp/
内定者辞退防止対策~課題チェックからご提案まで~ハートグリップサービス
内定者の面談を専門のキャリアカウンセラーが行い、そこで得た情報を人事にフィードバックします。
そのデータを元に、内定辞退を阻止するための対策まで一緒に考えてくれるサービスです。
株式会社サクセスボードが運営しており、『Points Of You』というカードを取り入れたワークで無意識の領域までアプローチし、内定者は自分の気持ちを表現しやすくなり、内定者の本音を引き出すことができます。
http://www.successboard.co.jp/
通信講座
続いては通信講座など、テキストを元に内定者フォローを行いたいときにおすすめのサービスです。
通信講座も各自、自宅で学習を進められるのでコロナ禍にあった内定者フォローのスタイルと言えるでしょう。
フレッシャーズ・コース
ダイヤモンド社が提供している、フレッシャーズ・コースでは6ヶ月間という長期に渡り内定者フォローを行うことができます。
雑誌のような冊子を読み学びを深めていくスタイルで、著名人のインタビューや、社会人になるまでに読んでおきたい本の紹介、内定者のためのQ&Aなどが掲載されています。
冊子を用い学びを深めていくことに合わせて、付録のコミュニケーション・ペーパーを使い人事と内定者がコミュニケーションを取ることで、内定者の不安を取り除いていきます。
Web版も用意されており、web版ではPCやスマートフォンで簡単にコミュニケーションペーパーのやりとりができます。
また、付録はコミュニケーションペーパーだけでなく、理解度を確認できるテストも。
・料金:1人 8,000円〜
https://jinzai.diamond.ne.jp/tools/fresherscourse/
【通信教育】社会人、やっていいこと・悪いこと
パナソニックを築き上げた実業家である松下幸之助が創立者のPHP研究所。
その研究所が提供する通信講座で、社会人としての物の見方や、考え方を21のケーススタディーから学べます。
周囲の人との良好な人間関係を築くために必要な、常識・良識を学ぶことを目的とし、漫画やイラストが豊富な読みやすいテキストで学習を進められます。
最後にはレポートを提出し、内定者とコミュニケーションを取ることで、理解度や不安に思っていることを企業は知ることができます。
・料金:一般受講料 10,000円 +税
特別受講料 9,000円 +税
https://hrd.php.co.jp/tra/detail.php?code=FFD
アプリ・SNS・Webサービス
最後はアプリや、Webサービスをご紹介していきます。
カジュアルに内定者とコミュニケーションを取りたい場合や、データを元により効果的な内定者フォローを行いたい場合におすすめです。
内定者フォローシステム『i-web 内定者フォローモデル』
株式会社Humanageが提供する、i-webは企業と応募者を繋ぐプラットフォームです。
新卒採用モデル、内定者フォローモデル、新入社員モデル、キャリア採用モデルの4つに別れており、新卒採用向け採用管理システムでは、導入シェア第1位を誇ります。
i-webに蓄積された各社のデータを元に、企業の採用動向や、マーケットの動向などが定期的に報告され、程的な採用活動のPDCAを回すことを支援してくれます。
また、採用活動に必要な業務のほぼ全てが網羅されているので、コンサルティング~業務遂行まで最適な採用活動を行うことができます。
https://www.humanage.co.jp/service/i-web/
TSUNAG
TUNAGは株式会社スタメンが運営する、会社と従業員のエンゲージメントを高めることを目的とし、様々な社内制度の運用を行うことができるサービスです。
TUNAGでは、社員に向けた社内制度の運用だけでなく、内定者にもアプローチができます。
SNSのような画面を通し、社内の様子などをカジュアルに内定者に向けて発信できたり、内定者同士を繋ぐことも可能です。
内定者同士が気軽に連絡を取り合え、繋がりを深められるなどのメリットがあります。
https://tunag.jp/ja/
エアリーフレッシャーズクラウド
EDGE株式会社が運営する、新卒採用のエンゲージメントを高めてくれるサイトです。
さまざまな用途で利用ができ、コミュニケーションをとるためのメッセージ機能や、内定者の声をデータ化して知れるアンケート機能、また、ビジネスマナーやエクセル講座などのeラーニングが追加料金なしで提供されているなど、内定者フォローにあると嬉しい要素がしっかり網羅されています。
・料金:10人パック125,000円〜
https://fresher.jp/index.html
まとめ
各企業、様々なスタイルで実施されている内定者フォローですが、
- 内定者の不安を取り除く
- 内定者同士や社員との交流を行う
など、内定者が求めていることを押さえ、お互いの理解を深め、採用活動の期間だけでは不十分だった部分を補う時間にしましょう。
企業側にも内定者側にも、お互いにメリットのある取り組みにしてください。