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本選考の前に、学生たちに職業体験の機会を与えるために行われるインターン。
最近では、本選考を合格した内定者に対して内定者インターンを実施する企業が増えています。
本記事では内定者インターンのメリット・デメリットや、企画運営時のポイントについてご紹介していきます。
ぜひ、内定者インターン導入時の参考にしてみてください。
目次
内定者インターンとは
内定者インターンとは、内定を出した学生に限定して行うインターンを指し、主に内定後~卒業までの期間に内定者フォローの一環としても実施されるものです。
内々定をもらっていれば、内定承諾をしていなくても全員参加できるものと、内定承諾をした内定者のみ参加が認められているものがあります。
また、近年では新型コロナウイルスの影響で、内定者インターンをオンラインで実施する企業も増えています。
通常の春夏などに期間限定で行われるインターンも、ほとんどの企業がオンラインとオフラインを掛け合わせて開催しているそうです。
なお、22卒学生にとったアンケートでは、9割以上の学生がオンラインインターンに参加したことがあると言われています。
(参考:22卒学生700名に聞く「オンラインインターンシップ」実態調査―『iroots』ユーザーアンケート―)
内定者インターンの他に内定者フォローの施策が知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
内定者フォローのポイント!内定辞退を防止するコミュニケーション施策
内定者インターンのメリットデメリット
内定者インターンは、通常のインターンとは異なり、内定辞退防止や新卒研修の前倒しなどの目的があります。
内定者インターンを実施することのメリットとデメリットについて確認していきましょう。
内定者インターンのメリット
内定者インターンを実施することで、入社前後に起きるイメージギャップを少なくし、早期離職を防止することが可能です。
選考から内定をもらうまでの期間は、どうしても企業の良い情報を伝えることが多くなる傾向もあります。
学生向けにつくられた良いイメージの企業像が、入社後すぐに崩れることでギャップを感じ、離職につながることも多いです。
そのため内定者インターンで、現場のよりリアルな情報を伝えれば、入社後ギャップを少なくすることができるでしょう。
また、企業側も選考中の限られた時間内で、内定者の性格や適性まで理解しきれていない場合もあります。
内定者インターン期間を設ければ、内定者のスキルや性格などを再度確認することができるので、入社後の新入社員の配属にも役立てることができます。
ほかにも、ここ数年で新卒採用が長期化・通年化している影響で、多くの学生が卒業ギリギリになって内定辞退をするケースもあります。
内定者インターンを実施すれば、定期的に学生とコミュニケーションをとることができ、内定辞退者を減らす効果も期待できるのです。
内定辞退率は上昇傾向!内定企業への不満とは?
2022年にかけて、オンライン採用の普及により複数内定を持つ学生が増加傾向にあるため、内定辞退率は上昇傾向にあり、内定者フォローを強化する企業が増えていますが、効果的な施策がわからない担当者も多いかと思います。
学生が内定通知を受けた企業に対して、何に不安を感じ、内定辞退に至るのか、アンケート調査を行い企業に対する不満点をまとめました。
調査結果は下記からダウンロードできますので、内定者フォロー施策の参考にしてみてください。
内定者インターンのデメリット
一方、内定者インターンのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ひとつめに、内定者インターンは人的コスト・教育コストがかかる点がデメリットと言えます。
一般的に内定者インターンを実施する期間は、翌年の新卒採用が動き始め、入社直後の研修準備にも追われる忙しい時期です。
新卒採用担当のほかに、内定者フォロー担当、内定者インターン担当、入社後研修担当など複数名いれば良いですが、実際は1人の担当者がすべてを管理するケースも多いでしょう。
また、内定者はまだ身分上は学生です。
入社前はまだ気持ちが社会人モードに切り替わっておらず、受け身だったり、インターンに集中できなかったりする場合があります。
1人ひとりモチベーションが異なる中で育成していくため、入社後研修よりも教育コストがかかる可能性もデメリットかもしれません。
そのほかにも、コンプライアンスの意識が低い学生であれば情報漏えいの危険性がある点や、内定者インターン中に「やっぱりこの会社は違うかも」とネガティブにとらえられる可能性もあります。
いずれにせよ、内定者に対してコンプライアンス研修など必要なものは実施したうえで、内定者インターン中も面談機会を設けてコミュニケーションをとることが重要になっていきます。
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満足度高いインターンを企画・運営するためのポイント
内定者インターンの満足度を高めるために、どのような点に注意して企画をしていけば良いのでしょうか?
ここでは内定者インターンの企画・運営ポイントを4つご紹介します。
1. 実際の業務を体験させる
ひとつめのポイントは、内定者に実際の業務体験できる内容を企画することです。
多くの内定者はインターンでビジネスに通じる知識や社会人スキルを学びとりに来ています。
ごくまれに、誰でもできるデータ入力や雑用などを内定者に任せる企業がいますが、それでは内定者の期待に応えることができません。
本選考前のインターンでは模擬的な内容だったとしても、内定者インターンは本格的に実務に近いものを体験させるようにしましょう。
本格的な業務を体験させることで「この会社の一員になれた」と受け取ってもらうことができます。
※ただし実務を任せる場合、インターン生が労働者扱いになり、賃金支払いが発生する可能性があります。
くわしくは次の章「内定者インターンをおこなう際の注意点」をご確認ください。
2. 学生目線に立った企画をする
内定者インターンの企画をするときは、必ず学生目線に立って企画をつくりましょう。
内定後~入社するまでの期間は、学生は「この会社に馴染めるかな」「業務についていけるかな」と不安を感じています。
これらの不安に寄り添い、不安解消できるような企画をしていくよう注意が必要です。
3. 社員と接点をもてる企画をする
内定者時代に学生が感じる不安の中には「入社後、先輩社員や同僚とうまくやっていけるか」というものがあります。
この不安を内定者インターンで解消するために、社員と接点をもてるよう企画するのがポイントです。
4. 成長実感を持てるよう運営をする
内定者インターンを実施する際は、参加した学生が少しでも成長実感をもてるようフィードバックの質と量を意識することが大切です。
メンターやバディ制度を取り入れて、1人ひとりに丁寧にフィードバックできる体制をつくる、学生がすぐに対応・改善できるような内容をフィードバックするよう心掛けるなど工夫をしてみましょう。
内定者インターンを成功させるためには
内定者インターンを経て、内定辞退が起きてしまうことはめずらしくありません。
内定者に「この会社でもっと働きたい」と思ってもらうためには、気をつけなくてはいけないポイントがあります。
HR研究所では、「成長支援」や「辞退防止」の観点で、受け入れから退社において気をつけるべきポイントをフローに沿ってまとめました。
資料は下記からダウンロードできますので、ぜひ貴社の内定者インターンの実施にお役立てください。
内定者インターンをおこなう際の注意点
内定者インターンをおこなう際に、インターン生の給与支払いや契約形態、ほかの部署との連携はどのように進めていけばいいのでしょうか?
ここでは、内定者インターンに関するよくある質問を5つ取り上げて解説していきます。
1. インターン生への給与
内定者インターンを実施するとき、賃金支払いに関するトラブルが散見されます。
本来、インターンは職業体験が目的となっていますが、職業体験を超えて単なるアルバイトのように労働を強いる悪質な企業も存在するのです。
内定者インターンであっても、インターン生が労働者に当てはまっているか、実態をもって判断されます。
具体的には、労働者の条件として「インターン生が会社の指揮命令下に置かれているか」や、「会社本来の業務を行っているかどうか」といった項目を確認し判断します。
また、内定者インターンに賃金を支払っていたとしても、最低賃金以下の金額で雇うことは最低賃金法違反となるため注意しましょう。
もし内定者にも社員と同様の業務量、業務責任を任せていきたい場合は、アルバイト雇用として迎え入れることをおすすめします。
2. 内定者インターンの契約書
内定者インターンは、必ず契約書を交わす義務はありません。
しかし、インターン中に知り得た情報を漏えいしないことや、インターン中になにかトラブルがあった際にどう対処するのかを取り決めて、文書に残しておくことをおすすめします。
■内定者インターンの契約書に記載する内容例
- インターンの期間、実施場所、実施方法
- インターンの実施内容
- インターン中の欠席連絡、途中で辞める場合の連絡方法
- インターン生の故意による情報漏えいや損害事故の賠償責任
- インターン生の秘密保持契約
- 賃金支払いの有無
- 緊急連絡先 など
繰り返しになりますが、企業がインターンと主張したとしても、個別実態からインターン生が労働者と認められる場合は賃金支払いが必要になります。
インターン生に職業体験を超えて、具体的な業務について欲しい場合は、個別に説明をして短期雇用契約(アルバイト契約)を結ぶようにしましょう。
3. 学生の授業の都合への配慮
企業は内定者全員に参加してほしいと思っていたとしても、内定者の本業は学生です。
学業をおろそかにして内定者インターンに打ち込んだ結果、単位を落として卒業できなかったら本末転倒です。
また、コロナ禍で大学のスケジュールも変わる可能性があるため、急に学校の予定が入ったときの連絡先や連絡方法も事前に決めておくと良いでしょう。
4. 他部署の理解を得る
内定者インターンをスムーズに進めるために、日ごろから他部署との連携をはかり、協力依頼をしておくことが大切です。
内定者インターンの直前になって依頼をするのではなく、毎年この時期に、何名程度の内定者インターンを行いたいので協力してくださいと伝えておくと良いでしょう。
5. 内定者インターンに参加できない学生のフォロー
先にご紹介した通り、内定者の本業は学業であり、学生期間中はアルバイトやゼミ、サークル活動や卒業旅行に時間を割きたい方もいます。
内定者インターンの参加を強制しすぎないこと、また参加した子と参加できなかった子のあいだに差が生まれないよう、フォロー体制を強化するようにしてください。
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内定者インターンの他社事例
最後に、内定者インターンを実施している他社事例を3つご紹介します。
これから内定者インターンの企画をする企業はぜひ参考にしてみてください。
事例1:株式会社ユーザベース
ソーシャル経済メディア「NewPicks」などを展開するユーザベースでは、サマーインターンと合わせて内定者インターンを実施しています。
会社のカルチャーである「オープンコミュニケーション」にのっとって、内定者の方にも率直に意見することで、内定者の企業文化の理解がより深まった事例です。
下記記事で、内定者インターン生の気持ちがリアルに読み取れます。
事例2:株式会社じげん
株式会社じげんは、転職サービスや住居にかかわるサービスまで、幅広いプラットフォームを創出している企業です。
じげん社の内定者インターンでは、経営推進部に配置され、新卒採用の学生向けのインターンシップの企画、設計に携わることができるそうです。
自分が体験した就職活動を振り返りながら「こんな企画があったらいいな」と、当事者目線で企画提案をできる点が魅力です。
企画発表の際は、先輩社員から丁寧なフィードバックを行ったことが、内定者の満足度向上につながっている事例です。
事例3:ディップ株式会社
「労働力の総合商社」としてバイトルやはたらこねっとなどの求人サービスを提供する企業です。
ディップでは多数の内定者がインターンを行っており、採用活動の一環として、内定者へのインタビュー記事も発信しています。
また、ディップではオンラインインターンも積極的に行っている点や、ライター職のインターンでは取材から執筆まで内定者に裁量を与えている点が特徴です。
まとめ
内定者インターンは、内定辞退を防ぎ、職業体験を通して内定者の成長をうながす貴重な機会ということがわかりました。
入社までの期間でさまざまな不安を抱えている学生も多いので、内定者インターンを通して学生の不安を取り除き、良いコミュニケーションの場としていきましょう。
また、内定者インターンの実施内容によっては、きちんと短時間労働者として雇用契約を結び、トラブルのないように運営をしてくださいね。
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