テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)が普及したことで、コミュニケーション不足や孤独感の増大など、従業員のメンタル不調の課題を抱える企業が増えています。
従業員のメンタルヘルスが悪化すると企業の生産性や業績にも影響するため、人事部門にとって悩ましい問題なのではないでしょうか。
本記事では企業の人事部門の方向けに、テレワークにおけるストレスの実態やメンタルヘルスケアの方法を解説します。
目次
テレワークにおけるストレスの実態
月刊総務が2020年9月に行った「メンタルヘルスケアに関する調査」によると、「テレワークの推進によってストレスが増えているか」という質問に対して、「とても増えた」「やや増えた」と回答した人の合計は54.6%となりました。
新型コロナウイルスをきっかけにテレワークに移行した多くの人が「テレワークでストレスが増えた」と感じていることが分かります。
また独立行政法人労働政策研究・研修機構が2015年5月に実施した「情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査結果」では、テレワークのデメリットとして38.3%の人が「仕事と仕事以外の切り分けが難しい」、次いで21.1%の人が「長時間労働になりやすい」と回答しました。
新型コロナウイルス流行以前から、テレワークでは仕事のオンとオフの切り替えが難しくなることが指摘されています。
さらに2020年に実施されたパーソル総合研究所による調査では、テレワーク勤務を行う約4割の人が「人事評価」「コミュニケーション」に関して不安を持っていると回答しました。
テレワークでのストレスの原因として、コミュニケーション不足なども影響しているようです。
さらに、テレワーカーのマネジメントに関する上司の不安を調査したところ、「業務の進捗状況が分かりにくく不安に思うことがある」という回答が46.3%と最も多く、次に「非対面のやりとりは、相手の気持ちが察しにくく、不安だ」という回答が44.9%で続きました。
従業員をマネジメントする側でも、メンバーをうまくマネジメントできるか不安に感じていることが分かります。
コミュニケーション不足の解消、チームビルディングの強化に「バヅクリ」
バヅクリとは、チームの関係構築や社員の行動変容を目的としたオンラインイベントサービスです。
相互理解のワークショップやコミュニケーションを活性化させるイベント、マインドフルネス体験など、企業研修やワークショップのプロが教えるプログラムが80種類以上用意されています。
メンタルヘルスケアのためのイベントの企画に不安を感じている方におすすめのサービスです。
自社は大丈夫?ストレスチェック方法
従業員のメンタルヘルスの現状を把握するには、どうすればいいのでしょうか。
ここでは従業員のストレスサインとストレスチェック方法、ストレスチェックにおすすめのツールを紹介します。
従業員のストレスサイン
ストレスサインとは、ストレスを抱えている人によくある行動面のストレス反応のことです。
ここでは従業員のストレスサインとして代表的なものをいくつか紹介します。
1. チャレンジをしなくなっている
ストレスを抱えるとチャレンジ意欲が低下しやすくなります。
今までは仕事に前向きに取り組んでいたのに、最近意欲が失われているように見える場合にはストレスサインを疑いましょう。
2. 仕事の生産性が目に見えて低下している
ストレス状態に陥っていると、集中力が続かず、注意力も散漫になるため仕事の生産性が下がりやすくなります。
ミスやロスが増えるようになるのも、ストレスサインの一つです。
以前と比較して仕事の能率が下がっている、またケアレスミスが増えている場合にはストレスサインを疑いましょう。
3. 会話の中でネガティブな発言や不安・不満を訴えることが増える
ストレス状態ではイライラや怒り・不安といった負の感情を抑制したり、うまく解消したりするのが難しくなる人もいます。
ネガティブな発言や不安・不安が急激に増えている従業員は、大きなストレスを抱えてメンタル不調に陥っているのかもしれません。
4. 急に周囲とのコミュニケーションを避けるようになる
メンタルヘルスが悪化している人の中には、他者とのコミュニケーションにもストレスを感じてしまうようになる人もいます。
今までは飲み会や社内のイベントにしていたのに、急に周囲とのコミュニケーションを避けるようになった従業員がいた場合には、早めに声をかけてみて状況を確認しましょう。
また、チャット上のコミュニケーションでも変化がないかチェックするのも大切です。
ストレスチェック方法
従業員全員のストレス状況の把握を行う際には、ストレスチェックサービスを利用するのも一つの手です。
ストレスチェックサービスとは、厚生労働省が労働安全衛生法で50名以上の事業所を対象に義務付けているストレスチェックを効率化するサービスです。
ストレスチェックアンケートの自動集計や未受験者への催促メールなど、ストレスチェック実施の負担をサポートする機能が多くあります。
おすすめのストレスチェックツール5選
ここではおすすめのストレスチェックサービスを紹介します。
1. ストレスチェッカー
【料金】0円〜
【URL】https://stresschecker.jp/
【内容】
ストレスチェッカーとは、株式会社HRデータラボが提供するストレスチェックサービスです。
官公庁や大手上場企業などを含む4000社以上の導入実績があるサービスです。
無料でストレスチェックができ、有料のWEB代行プランや紙プランでは専任コンサルタントによる提案を受けられます。
2. ジンジャーワーク・バイタル
【料金】月額料金:300円/ユーザー
【URL】https://hcm-jinjer.com/workvital/
【内容】
ジンジャーワーク・バイタルとは、jinjer株式会社が提供するストレスチェックサービスです。
週に一度従業員にアンケートを行い、従業員のコンディション変化を定点観測できます。
アンケートの回答結果は自動的に集計・分析され、コンディションに大きな変化があった際にはシステムが検知してお知らせします。
3. ひかりクラウドスマートスタディ
【料金】初期費用:5,500円〜/契約、月額利用料:198円〜/ID
【URL】https://business.ntt-east.co.jp/service/e-learning/
【内容】
ひかりクラウドスマートスタディとは、NTT東日本が提供するe-ラーニングプラットフォームです。
従業員へ簡単に情報共有ができるプラットフォームで、社員研修やweb会議などさまざま業務を効率化します。
ストレスチェック用の設問もあらかじめ設定されており、導入することで簡単にストレスチェック診断ができます。
4. COCOMUストレスチェックサービス
【料金】要問い合わせ
【URL】https://www.cocomu.co.jp/stresscheckservice/
【内容】
ここむ株式会社が提供するCOCOMUストレスチェックサービスは、2011年のサービス開始以来国内1500社以上のストレスチェックを支援しています。
職場環境改善に精通する専門家のチーム体制によって、有効的なストレスチェックに加えて、分析の実施、さらには企業の職場環境改善モデルの構築・実施をサポートします。
5. priskHR
【料金】要問い合わせ
【URL】http://www.stc-note.com/lp/
【内容】
株式会社ラフールが提供するストレスチェックシステムであるpriskHRでは、ストレスチェックの一括代行・分析に加えて従業員の勤怠データなども活用することで、企業にとって重要な人材の離職率を予測できます。
さらに問題となっている要因を明確化し、労働環境の把握と改善までをサポートしてくれます。
メンタルヘルスの予防・対処に「バヅクリ」
オンラインでできる社内イベント/研修サービス「バヅクリ」では、従業員のメンタルヘルス不調の予防・対処に役立つプログラムを実施しています。
ここではおすすめのプログラムを紹介します。
1. ストレスとの付き合い方を学び生産性を安定させる 社員の絆も深まるストレスケア研修
【人数】50人程度
【時間】3時間程度
【内容】
「ストレスケア研修」では、従業員の方一人ひとりに自分の心の癖やストレスになりやすい要因を分析し、その対処方法について考えてもらいます。
また研修のラストは、学びを通した行動変容を確実なものとするために、参加者同士の相互コミットメントの時間も設けています。
仕事や人間関係で悩みが尽きない若手社員の方におススメの研修プログラムです。
2. お坊さんが教える不安解消マインドフルネス 〜ポジティブは、つくれる〜
【人数】50人程度
【時間】1.5時間程度
【内容】
マインドフルネスとは、仏教の瞑想をもとにマサチューセッツ工科大学が宗教的要素を除いて開発したストレス軽減法のこと。
ストレス軽減、集中力アップ、チームワークの改善にも効果が認められ、Google、Apple、Facebookでも採用されています。
バヅクリのマインドフルネスプログラムでは、マインドフルネスの基礎的な瞑想方法を学習するとともに、内省・共有・対話を通して、お互いの心の不安を整理し合う相互理解ワークショップを行います。
3. 仕事がスイスイ進む!相談力向上ワークショップ〜打ち明けづらさを突破しよう!〜
【人数】50人程度
【時間】1.5時間程度
【内容】
テレワークにおいては、コミュニケーションの中でも特に「相談」が重要です。
しかし実際には、部下は上司へ相談することに躊躇いがあったり、適切な相談の仕方が分からずに、コミュニケーションロスが発生するケースが散見されます。
このプログラムは、不明点の質問や問題の解消、調整や提案といった相談のケースを実際に体験し、現場でも生かせる相談テクニックを身に付けることをゴールとしています。
新人・若手社員の研修におすすめのプログラムです。
企業が行うべきメンタルヘルスケア
健康経営や働き方改革などの言葉が一般的なものとなる中で、企業側のメンタルヘルス対策の重要性が高まっています。
ここでは企業が行うべきメンタルヘルスケアを紹介します。
企業が行うべき対策
ここでは企業が行うべきメンタルヘルス対策の施策を紹介します。
1. 相談窓口の設置
従業員がメンタルヘルスの不調を自覚したときに自発的に相談できるように、相談窓口を設置しましょう。
常勤の産業医が窓口になるのが望ましいですが、人事担当者が窓口となっている企業も多いようです。
2. 管理職研修
管理職が従業員のメンタルヘルス不調を察知して適切な対応ができるように、普段から研修を行うのもおすすめです。
部下からの相談、職場復帰支援などを、安全配慮義務に則って対応できる管理職を育成しましょう。
3. ストレスチェック集計のデータ分析・活用
ストレスチェックの結果高ストレスと診断され、かつ面接指導を希望した従業員には、産業医との面接をセッティングするなどの対応を行いましょう。
またストレスチェックの集計結果から職場環境を分析し、産業医やクリニック・外部の機関と連携しながら改善策を考えましょう。
メンタルヘルスケアを行う企業事例
国内外に広く展開するIT企業のA社では、グループ全体の方針として健康宣言を公表・健康推進本部を設置するなど、従業員のケアに力を入れています。
ストレスチェックの結果、 健康リスクが高いと判断された職場では「皆で、職場の強みを再発見し、強みを伸ばして、ストレスに強い『いきいき職場』を目指す」ことを目的として、現場社員が参加する「健康いきいきワークショップ」を開催しています。
またストレスチェックで複数年高ストレス判定を受けている者には産業保健スタッフの側から体調確認や面談の勧奨を行うなど、ストレスチェックの結果を生かしてフォローを行なっています。
さらに、管理職の所属部門出身のシニア層(役職離任後のベテラン幹部社員)を「職場づく
り支援スタッフ」として任命し、忙しい 管理職をフォローするなど、健康的な職場づくりを包括的に支援する取り組みを行なっています。
これらの取り組みにより、直近の数字ではメンタルヘルス疾患による休業者が減少しているようです。
ストレスを生じさせないテレワークの仕方とは
ここでは在宅勤務のストレスを防いだり、解消したりするための方法をご紹介します。
1. 定期的なサーベイの実施
テレワークでは従業員の状況把握が難しく、ストレスケアが遅れてしまう傾向にあります。
ストレスチェックなど定期的なサーベイを実施することで、従業員のストレス状況を可視化し、過度なストレスを未然に防いだり、適切なケアを行なったりすることができます。
2. 定期的なイベント開催
テレワークではコミュニケーション不足や孤独感がストレスの原因になることも多いです。
定期的に社内イベントを開催することでコミュニケーション不足や孤独感の解消につながります。
3. 関係性の構築を意識する
テレワークでは業務に関係ある最低限の事柄以外は話すことが少なくなる傾向があるため、居心地の悪さや孤独感につながりやすいです。
そこで、意識的に雑談や質問の時間を設けたり、常時コミュニケーションが取れる体制を整えたりして、コミュニケーションのハードルを下げるのがおすすめです。
社員同士が自発的にプライベート面も語り合ったり、分からないことを上司に気軽に聞ける職場づくりを意識しましょう。
コミュニケーション不足の解消、チームビルディングの強化に「バヅクリ」
バヅクリでは、従業員間のコミュニケーション不足を解消し、相互理解やチームワークを深めるためのプログラムを用意しています。
企画から当日の運営までを一括で代行するため、担当者様の負担を少なくしながら社内イベントをスムーズに実施できます。
社内コミュニケーションに課題を感じている方は活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
本記事ではテレワークにおけるストレスの実態やメンタルヘルスケアの方法を解説しました。
ひとりで黙々と仕事をしているだけでは孤独感を感じてしまうのは当たり前です。
また、従業員のメンタルヘルスは会社にとっても大きな影響を与えます。
従業員のストレスが深刻化してしまう前に対策を行うようにしましょう。