管理職になり、社員の指導やマネジメントをする立場になると、ハラスメントに関する問題に直面することが増えます。
「部下とどのように接すればよいか分からない」
「どこからが指導でどこからがハラスメントになるのか、判断が難しい」
と悩む方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ハラスメント研修を受ける上でのポイントや役職者が身に付けるべきこと、そして管理職に求められる役割について詳しく解説します。
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目次
ハラスメントとは?
ハラスメントとは、職場やコミュニティで起こる「嫌がらせ」や「いじめ」によって相手の尊厳を傷つける行為を指します。
広義には「人権侵害」を意味し、性別や年齢、職業、民族、宗教などの属性に基づいて相手に不快感や不利益を与える行為を指します。
近年、職場でのハラスメントが増えており、社会問題化しています。
労働者の権利と企業ブランドを守る観点からも、職場におけるハラスメント対策の重要性が増しています。
組織のハラスメントへの理解を高めるためには、集合型研修の実施もおすすめです。
バヅクリのハラスメント研修の内容や実施方法についてはこちらの資料をダウンロードしていただくことでご覧いただけます。
ハラスメントの実態
2021年に厚生労働省が実施した「個別労働紛争解決制度の施行状況の調査」によると、民事上の個別労働紛争の相談のうち「いじめ・いやがらせ」の件数は年々右肩上がりの傾向にあります。
上記のグラフから、ハラスメントの件数は年々増え続けていることが窺えます。
近年ハラスメントが増えている理由として、
- かつてハラスメントとは認識されていなかった行為が今ではハラスメントに該当するようになったこと
- インターネットやSNSの発達によりハラスメントが可視化され、社会に共有されやすくなったこと
が挙げられます。
一方、2020年から「労働施策総合推進法」の改正法が施行(中小企業は2022年から施行)され、ハラスメントに対する防止措置が企業の義務となりました。
この改正法により、職場におけるハラスメント撲滅への取り組みへの機運は高まっています。
職場における3大ハラスメント
職場における3大ハラスメントとは、以下の3つを指します。
- セクハラ(セクシュアルハラスメント:他の者を不快にさせるような性的な言動・行為を行うこと)
- パワハラ(パワーハラスメント:職場における優越的な関係を背景とした不当な言動・行為を行うこと)
- マタハラ(マタニティハラスメント:妊娠・ 出産・ 育児などのライフイベントの最中にある女性労働者に対する不当な嫌がらせ)
これらの3大ハラスメントは、労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)や男女雇用機会均等法、育児・介護休業法などの法律で禁止されており、企業による防止措置が義務付けられています。
ハラスメントの影響
職場にハラスメントが蔓延すると、当事者だけではなく企業全体にも大きなダメージがあります。
ここでは企業がハラスメントを放置することで起こる負の影響を解説します。
被害者
ハラスメントを受けた被害者は、精神的・身体的な悪影響を被り、本来のパフォーマンスを発揮できなくなります。
またメンタル不全や疾患、体調の悪化などによる退職・休職が発生する事態も起こりえます。
また当事者間での問題が解決した後も、PTSDなどの後遺症に悩まされることもあります。
加害者
職場でハラスメント行為を行う加害者は、どんなに仕事で成果を上げたとしても「ハラスメントを行うモラルのない人物だ」と評価され、職場での信用を失います。
またハラスメントが発覚した場合、懲戒処分や降格などの処分を受けたり、退職に追い込まれたりする可能性もあります。
またハラスメントされた被害者から訴えられることもあります。
企業
職場でのハラスメントを放置する企業は、経済的・社会的不利益を被る可能性が高いです。
ハラスメントが蔓延する職場では、労働者は仕事の意欲が低下し、生産性が下がります。
また被害者が退職・休職などに追い込まれると業務を行う人員が足りなくなり、企業経営が立ち行かなくなることもあります。
被害者からの損害賠償請求により、金銭的な損失が発生する可能性もあります。
さらに、ハラスメント問題が公になると、企業イメージの低下や人材の流出など、多方面に影響が出ます。
ハラスメント防止のために管理職に求められる役割
ハラスメントは決して当事者間の問題ではなく、管理職や企業が率先して防止策に取り組む責任があります。
ハラスメントの発生を防ぐために、管理職にはどんな役割が求められるのでしょうか。
ここでは管理職に必要なハラスメント防止のための配慮や視点を解説します。
1. 働きやすい職場環境を作る
管理職が行うべきこととして、ハラスメントになりうる言動や行為に対しては毅然とした態度をとることが挙げられます。
そのためにも
- 普段から職場内の雰囲気に気を配る
- 従業員と積極的にコミュニケーションを取る
- ハラスメントの兆候を早期にキャッチしたら、迅速に対応する
などのことが求められます。
2. ハラスメントに関する相談の対応
管理職は、部下からの相談を積極的に受けたり、部下の体調や様子を気にかけたりすることが求められます。
一方で、ハラスメントの相談を受ける際には、以下のような対応をすることが肝要です。
- 公正中立な立場で相談にのること
- 相談者の秘密を厳守すること
- 相談者がどのような解決を望んでいるか把握すること
- 問題をもみ消さない、対応の進捗を知らせるなど、誠実な対応をすること
- 「君の対応が悪い」など、相談者を責めないこと
- 必要であれば心療内科や精神科などの受診を促すこと
3. 指導方法の改善
部下の指導・育成も、管理職の仕事の一部です。
しかし行きすぎた指導は、パワーハラスメントになってしまう可能性もあります。
自身が部下に対して優越的な立場にあることを自覚し、ハラスメントと取られかねない行動は慎むようにしましょう。
上司・部下間の立場の違いを利用したハラスメント(=パワーハラスメント)を起こさないようにするためのポイントとして、下記が挙げられます。
- 性格や人格の非難、感情に任せた指導は行わない
- 指導を行う際にどのような点が悪かったのか、今後どのように行動を改めるべきなのかを具体的に提示する
管理職がハラスメント研修で得られる効果
ハラスメント研修とは、職場のハラスメント防止・対策を目的として管理職向けに行われる研修のことです。
ここでは管理職がハラスメント研修を受けることで得られる効果を解説します。
ハラスメントに対する理解が深まる
ハラスメント研修を受けることで、ハラスメントの基礎的な知識を習得するとともに、どこからがハラスメントになるのか、ハラスメントの線引きについて判断できるようになります。
また部下からハラスメント被害の相談を受けた際も、指導とハラスメントの境目を適切に判断した上で、ベストな対応ができるようになります。
自身の指導を見直す機会になる
ハラスメント研修を受けることは、自分の指導方法を見直す機会にも繋がります。
研修を受けることで、自身が普段どのような言葉遣いや態度で接しているかを客観視できます。
自身の言葉遣いや態度を改善することで、部下とのコミュニケーションがスムーズになり、職場全体の雰囲気にも良い影響を及ぼします。
ハラスメント研修ならバヅクリ
バヅクリ株式会社が提供するハラスメント防止研修では、パワハラやセクハラの基礎知識を学び、自身のパワハラリスクを認識できるようになります。
現場でよく起こりがちな事例も扱い、ハラスメントが起こらない職場づくりのヒントを習得できるようなコンテンツを用意しています。
オンライン/対面など、幅広い研修形式で対応できます。
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まとめ
この記事では管理職に向けたハラスメント研修について解説しました。
管理職が職場に及ぼす影響は大きいため、ハラスメント研修を受けることで職場に良い影響をもたらすことができるでしょう。
良い企業づくりのためにもハラスメント研修を受けてみてはいかがでしょうか。
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