新入社員研修をオンラインで行う場合、どのようなメリットやデメリットがあり、成功させるための注意点にはどんなものがあるのでしょうか?
今回は、新入社員研修をオンラインで行う際のコツを、事例も交えご紹介していきます。

オンラインで新入社員研修を行う企業が増えてきている

オンラインで新入社員研修を行う企業が増えてきている

近年、多くの企業で導入され始めているテレワーク。
働き方が見直されつつある今、オンラインで新入社員研修を行う企業は、これからさらに多くなっていくでしょう。

しかし、まだこの流れは始まったばかり。
自社でオンライン研修に関してノウハウを持っていない企業の方が多いです。
また社会人経験がない新入社員へのオンライン研修は、企業側がしっかり気を配りたい点も多々あります。

新入社員研修をオンラインで実施するメリット・デメリット

まずは、新入社員研修をオンラインで行うことの、メリットもデメリットをご紹介します。
意義のあるオンライン研修を行うには、メリットとデメリット両方を理解することが大切です。

メリット

程よい緊張感がある

会場で話を聞いているよりも、画面越しではあるものの大きく顔が映り、相手を近くに感じられるため緊張感を持ちながら研修を受けることができます。
また、研修の際は画面上には受講者の顔も映るようにしておくといいでしょう。

またチャットで質問を求めたり、ボタンでリアクションを求めるなど、受講者になんらかのアクションをさせることも、緊張感を保ちつつオンライン研修を進めていくカギとなってきます。

場所のコストがかからない

大人数になればなるほど、その人数を収容できる場所の手配が大変になってくるもの。
しかし、オンラインでの研修なら場所に関係なく研修を開催することができます。

ただ、オンライン研修を行うとなると、機材やオンライン研修に合わせたプログラム作りなど、新たに必要となってくるものがあるのも事実です。
初めてのオンライン研修でノウハウがない場合は、オンライン研修の運営代行サービスを行う企業に依頼するなど、プロの手を借りるのも1つの方法です。

場所を選ばず参加できる

オンラインでの研修には受講者側にもメリットがあり、まず場所を選ばずに参加できるという点が挙げられます。

現在新型コロナウイルスの影響により、なるべく大きな移動は避けたいと思う人も多いでしょう。
特に遠方に住んでいる新入社員が、研修が行われる会場まで移動せずに済むのは大きなメリットと言えます。

後日、再度視聴することができる

オンラインで研修を行うことにより、アーカイブに残すことができ後日、再度視聴することが可能になります。
受講者は理解が足りないと感じる部分のおさらいができ、研修内容の理解をしっかり深められます。

デメリット

同期間での交流が難しい

新入社員は、新入社員研修を通して同期との関係性を深めていくものです。
しかし、オンラインでの研修となるとなかなか合間の雑談などの、何気ないコミュニケーションが取れる機会が少なくなってしまうもの。

新入社員研修を行うことの目的の1つとして、同期間の人間関係を形成することがあげられますが、オンラインで研修を行う場合、オフラインで研修を行う場合よりも、研修後の関係性は希薄になってしまうかもしれません。

実習型の研修は行いにくい

実習型の研修は行いにくいという点もデメリットとして挙げられます。

画面越しでの指導になるので、細かい部分までは受講者の指導ができないこともあります。
内容によっては、後日オフラインでの研修が必要になったり、今までとやり方を変えなくてはいけない部分もでてくるでしょう。

受講者のネット環境が必要になる

研修を行う企業側だけでなく、研修を受講する新入社員側も、スムーズにオンライン研修を受けられるネット環境や、機材が必要になります。

全ての受講者の家にその環境があるとは限らないので、オンラインで新入社員研修を行う際は配慮が必要になります。

オンライン研修を成功させるためにおさえておきたいポイント

オンライン研修を成功させるためにおさえておきたいポイント

それではここから、オンラインでの新入社員研修を成功させるためのポイントをご紹介していきます。

事前準備

事前準備として、研修の流れを新入社員に共有するようにしましょう。
どんな内容の研修が行われるのかあらかじめ分かっていた方が、受講者は安心できます。

また、テキストなど教材を利用する場合、新入社員の自宅まで郵送をするか、データを送付するなど、企業側はどのように研修に必要な物を届けるかも考える必要があります。

そのほか、何分前に入室するのか、服装、用意するもの、マイクやカメラははオンにするかオフにするかなどの細かい決まり事も忘れず共有してください。

ポイント

・事前に研修内容や、決まり事を共有する
・必要なものをどのように配布をするか考えておく

通信環境チェック

特に受講者が大人数の場合、サーバーが重くなりスムーズにオンライン研修が進まない場合も考えられます。
通信環境は整っているかのチェックは必ず行うようにしましょう。

ポイント

・1度、通信環境のチェックを

運営について

研修は1コマにつき50〜60分程度で行うのがいいでしょう。
受講者の集中力が途切れないように、間に10分程度の休憩を挟むことをおすすめします。

また研修中は、一方的に研修を行うだけでなく、どこまで作業が進んでいるか、どこまで理解したかなど、受講者に進捗を確認するようにしましょう。

1人で行うワークだけでなく、グループワークも取り入れると研修内容にメリハリがでます。
オンラインで研修を行えるサービスによっては、数人でオンラインで通話ができる機能があるものもあります。
上手にツールを利用し、メリハリのある研修を行なってください。

ポイント

・1回50〜60分程度で間に休憩を入れる
・受講者に進捗確認をする
・メリハリのある研修内容にする

研修後のフォロー・フィードバックなど

オンライン研修では研修後のフォローや、フィードバックも重要になってきます。
研修内容を実務に落とし込めるところに行くまでフォローをしましょう。

企業側が新入社員に向けてフィードバックを行うのはもちろん、新入社員に研修後、レポートを提出してもらうのもいいでしょう。
そのような声を聞くことで、研修を行う側もオンライン研修の改善点がわかり次回に活かせます。

また、人間関係構築に関するフォローとして、同期間の交流ができるように研修とは別に、コミュニケーションを取れる機会を設けるのもおすすめです。

ポイント

・フィードバックは企業からも新入社員側からも
・新入社員同士で交流ができる機会を設ける

オンライン新入社員研修を行う際、工夫すべきことは?

オンライン新入社員研修を行う際、工夫すべきことは?

続いては、オンライン研修を行う上でのノウハウをご紹介していきます。

グループワークにおける工夫

オンライン研修では、研修内容にメリハリを持たせるためにもグループワークを上手に利用しましょう。
グループワークを行うことで新入社員同士の交流にもなります。

また、その際は研修をに利用するサービスの機能を上手に利用しましょう。
サービスによっては数人に別れ会話ができる機能があるものもあります。

グループワークの内容としては、新入社員同士が交流のでき、実務にも使える名刺交換や、電話対応のロールプレイイングを行うのがおすすめです。
グループを組んでから、数分自己紹介をする時間を確保してもいいでしょう。

集中力を持続させるための工夫

チャットや、スタンプなどで受講者がアクションを行えるようにしましょう。
そのようなツールを使い受講者にアクションを求め、研修に参加させることで当事者意識を持ってもらえます。

また、休憩時間も設けてください。
何時間も集中力は持たないものです。
オンライン研修となると、長時間モニターを見続けたり、イヤホンをつけ続けたり、同じ体勢での受講が続いたりするので、休憩は集中力を持続させるためにとても大切になってきます。

主体的に取り組ませるための工夫

受講者にコメントを求めるなど、積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
ずっと受け身で研修を受け続けるのではなく、受講者が頭を使い行動するような仕組みを作ることが大切です。

また、この研修を通して、どのような人物になって欲しいのか、何を学んで欲しいかなどゴールを明確にすることも重要になってきます。

一体感を出すための工夫

研修の最初と最後のあいさつはしっかりと行ってください。
声を出すことで、気持ちの切り替えやリフレッシュにもなります。

また、研修を始める前の朝会や、研修後の夕会を開き、その日1日の反省点の共有などを行うのもおすすめです。
アイスブレイクにもなり、スムーズに研修に取り掛かりやすくなるでしょう。

オフラインの研修では困っている同期に声をかけ、そこかな仲が深まるなどというようなことも起こりますが、オンライン研修ではなかなか、突発的な会話やコミュニケーションが生まれにくいもの。
相互理解を深め、関係を築くために業務や研修内容以外のことを話せる時間を設けるのもおすすめです。
時間外にそのような会を開く企業もあります。

オンライン研修の事例

オンライン研修の事例

実際にオンラインで新入社員研修を行なっている企業は、どのような内容の研修を行い、どのような点を注意しているのでしょうか?事例をご紹介します。

1. 株式会社NTTファシリティーズ

2〜3ヶ月かけ新入社員研修を実施していた株式会社NTTファシリティーズ。
新型コロナウイルスが流行しオンライン研修に切り替えたものの、受講者は1日中、座って話を聞いている状況になり、懇親を目的としたプログラムも実施が難しくなりました。

そこで、新入社員の心理的安全性を高めることを目的としたプログラムを、バヅクリを活用し実施。
まだ固さの残る新入社員でも取り組みやすいよう

のプログラムを選択しました。

このプログラムの実施を通してコミュニケーション機会の提供に成功し、新入社員同士が雑談を行う姿も見受けられました。
その後の研修でも、質問が多くあがるようになりました。
また、「自分と違う考え方やモノの見方の人がいると実感しました」との感想も多く上がっています。

2. 凸版出版株式会社

凸版出版株式会社は27日間に渡り、420名の新入社員を対象にオンラインで新入社員研修を行ないました。

動画コンテンツの視聴や、ライブ配信、朝昼夕の1日3回にわたる先輩や新入社員同士の交流をを目的とするライブコミュニケーションなどの内容でオンライン研修を行い、99%もの新入社員が、満足の行く内容のものであったと回答しています。
この満足度は、オフラインでの研修よりも高い数字となりました。

また、研修内容の理解度を確認するテストでも、過去8年間の中で最も高い平均95.9点、約92%の社員が90点以上を獲得するという結果となりました。

3. 株式会社シグマクシス

コンサルティングや事業投資を行う株式会社シグマクシスも、2020年の新入社員に対してオンラインで研修を行なっています。

PCなど必要となる機器をを各新入社員の自宅まで郵送し、オンラインで研修を行いました。
また、オンライン研修を受けられるだけの十分なネット環境がない社員には、会社が費用を負担し環境を整えるよう指示をしています。

そのほか、オフラインでの研修よりも綿密にコミュニケーションを取るということを心がけ、ファイル共有システム、日報、朝夕会、面談、時間外イベントなど、コミュニケーションを取るためのツールをフル活用しています。

オンライン研修に役立つサービスは?

オンライン研修のノウハウがなく、自社でオンラインでの研修を行うのが不安な場合は、オンライン研修の運営を行う企業に依頼をするのも1つの方法です。
最後に、オンライン研修の運営サービスをご紹介します。

バヅクリ

出典:バヅクリ

バヅクリは、バヅクリ株式会社が運営する研修やチームビルディングワークショップを提供するサービスです。
プレゼンや図工、マインドフルネスなど、企業研修やワークショップのプロが教えるプログラムが150種類以上用意されています。

アソビと学びをブレンドしたプログラムになっており、スキルを身に付けるだけでなく、カジュアルな雰囲気の中、お互いのことを深く知ることができます。

1人で体験するプログラムばかりではなく、数人での参加型プログラムが中心であることも特徴です。

・料金:250,000円〜

https://buzzkuri.com/

グロービス学び放題フレッシャーズ

グロービス
出典:株式会社グロービス

eランニング教材、セミナーなどの教材を提供する、株式会社グロービスが運営する内定者、新卒向けのフォローサービスです。

動画を視聴して、社会人として必要な知識を身に付けることができます。
アプリを通しスマートフォンで視聴ができるので、PCがなくてもオンラインで研修が行えるというのも大きなメリットです。
進捗状況も確認できるので、企業側も新入社員のフォローがしやすくなっています。

また、SNSのような機能もあり、新入社員同士がコミュニケーションを取ることもできます。

・料金:1つのIDにつき 9,000円(申込数により割引あり)

https://gce.globis.co.jp/service/online/freshers/

各種サービスの比較表

サービスバヅクリグロービス学び放題フレッシャーズ
料金250,000円円〜9,000円
(1つのIDにつき 申込数により割引あり)
対象人数1イベントあたり50名まで制限なし
コンテンツ分類マインド系マインド系
サービスリンク詳細はこちらから詳細はこちらから

まとめ

新入社員へのオンラインで研修を行う際は、注意点もいくつかありますが、メリットもあります。オンライン研修を行う際は、

・PCなどの機器や、ネット環境は整っているか
・丁寧にコミュニケーションを取れているか

などの点に注意し、オンラインならではの良さを生かした意義のある研修にしてください。