リーダーシップ研修は、企業の未来を担うリーダー候補を育成するために必要な人材育成施策です。目標設定や意思決定、チームマネジメントなど、リーダーとして必要なスキルを体系的に習得できるのが研修の強みです。

特に会社の未来を担う若手社員に対するリーダーシップ育成は、組織の持続的成長に不可欠と言えるでしょう。

本記事では、リーダーシップ研修の基本から、研修の内容・カリキュラム設計のポイント、若手向け研修のメリットまでを体系的に解説します。担当者が研修設計を進める際の参考としてご活用ください。

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令和の研修

リーダーシップ研修とは

リーダーシップ研修は、企業がその組織の中でリーダーシップを発揮することが期待される人材に対して行う教育です。

企業を支えるリーダー候補となる、若手から中堅社員までの幅広い層を対象に実施されます。

リーダー研修ではリーダーシップの基本やリーダーシップスキル、組織マネジメントの知識を深めることができます。

リーダーシップ研修を通じて、受講者は自らが組織の中でどのように貢献し、成長していくべきかを考えるようになるため、結果として企業全体のパフォーマンス向上に寄与します。
HR総研の「次世代リーダー育成に関するアンケート」によると、次世代リーダー育成に取り組んでいる企業は大企業で7割、中小企業では3割と、大規模なビジネスを行う企業を中心に、会社の未来を支えるリーダーの育成に意欲的な企業が増えています。

引用:HR総研

リーダーシップ研修の目的

リーダーシップ研修の主な目的は、リーダーとしての役割と責任を明確に理解することです。

「ビジョンや目標の設定」「チームメンバーの動機づけ・育成」「意思決定」など、リーダーが果たすべき役割は複雑かつ多岐に渡ります。

昨今は不確実性の高い状態が続いているVUCA時代と言われる中でもチームを束ねるために、リーダーにはより高いリーダーシップのスキルが求められるようになりました。

そのため、リーダーシップ研修を通じて組織内で自分が果たすべき役割を把握し、リーダーとしてどのような行動や判断が求められるのかを具体的に学ぶことが肝要になっています。

リーダーシップ育成の課題

現代におけるリーダーシップ育成の課題の一つは、若手社員のリーダーシップへの意欲の低下です。

日本能率協会マネジメントセンター「管理職の実態に関するアンケート調査」によると、約77.3%の一般社員が「管理職になりたくない」と回答しました。

多様な働き方が実現できる現代社会は、若手社員を中心に会社への帰属意識が低下しており、リーダーを担うことへの魅力を感じない人が増えているのが現状です。

若手の意欲を高めるには、1on1ミーティングやリーダーシップ研修を通じて自らのキャリアプランを見つめ直してもらい、リーダーになる選択肢をポジティブに捉えてもらうことが求められます。

リーダーシップの主な種類と理論

リーダーシップには複数の理論・スタイルがあり、研修設計の前提として把握しておくことが重要です。自社が求めるリーダー像に合ったスタイルを理解した上で研修に臨むことで、学びが実務に直結しやすくなります。

変革型リーダーシップ

メンバーに対して明確なビジョンを示し、内発的な動機づけによってチームを導くスタイルです。1980年代にバーンズとバスが提唱し、現在も多くの企業研修で基盤理論として用いられています。

変革型リーダーが発揮する行動は、主に以下の4要素で構成されます。

  • 理想的な影響力(Idealized Influence)
    リーダー自身がロールモデルとして高い倫理観・行動規範を示す
  • 動機づけ(Inspirational Motivation)
    魅力的なビジョンを言語化し、メンバーが「なぜこの仕事をするか」を自分事として捉えられるよう働きかける
  • 知的刺激(Intellectual Stimulation)
    現状の前提を疑い、創造的な問題解決を促す
  • 個別的配慮(Individualized Consideration)
    一人ひとりのニーズや強みに応じた関わりを持つ

組織変革・新規事業推進・事業ターンアラウンドなど、「現状維持では立ち行かない」場面で特に有効です。一方で、強いビジョンがメンバーの意見を圧倒しやすいという側面もあるため、心理的安全性の確保とセットで扱うことが求められます。

サーバントリーダーシップ

「リーダーはメンバーに奉仕する存在である」という逆転の発想から生まれた概念で、1970年にロバート・グリーンリーフが提唱しました。従来の「トップダウンで指示を出すリーダー」像とは対照的に、メンバーの成長・自律・働きやすさを支援することを最優先とします。

サーバントリーダーが重視する行動特性として、以下が挙げられます。

  • 傾聴(Listening)
    メンバーの言葉に耳を傾け、背景にある感情や意図まで理解しようとする
  • 共感(Empathy)
    相手の立場に立って状況を捉え、評価や批判なく受け容れる
  • 癒し(Healing)
    心理的な安心感を提供し、メンバーが失敗を恐れず行動できる環境を整える
  • 気づきの促進(Awareness)
    メンバー自身が自分の強みや課題を発見できるよう問いかける
  • 概念化(Conceptualization)
    日々の業務の先にある大きな目的・意義をメンバーと共有する
  • コミュニティの構築(Building Community)
    チーム内の信頼関係・帰属意識を育む

エンゲージメントの高い組織づくりや、心理的安全性の醸成を目的とした研修との相性が良く、近年のZ世代マネジメントにも適した考え方です。なお、サーバントリーダーシップは「メンバーに何でも合わせる」ことではなく、メンバーの長期的な成長と組織の目的達成を両立させる点が本質です。

SL理論(状況対応型リーダーシップ)

1969年にポール・ハーシーとケン・ブランチャードが提唱した理論で、「唯一正解のリーダーシップスタイルは存在しない」という考えに基づきます。メンバーの能力(できるか)と意欲(やる気があるか)の組み合わせによって成熟度(発達レベル)を4段階に分類し、それに応じてリーダーの関わり方を変えるという実践的なフレームワークです。

発達レベル 能力 意欲 適したリーダーシップスタイル 
D1(初心者) 低い 高い 指示型:具体的な手順・ゴールを明確に指示する 
D2(成長期) 少しある 低い コーチング型:指示を与えながら、背景や理由を丁寧に説明・対話する 
D3(習熟期) 高い 不安定 支援型:意思決定はメンバーに委ねつつ、精神的なサポートを提供する 
D4(自律型) 高い 高い 委任型:目標のみ共有し、遂行はメンバーに一任する 

SL理論を研修で扱う際の最大のポイントは、「メンバーによってスタイルを変える」だけでなく、「同じメンバーでもタスクによってレベルが変わる」という視点です。例えばベテランのAさんでも、新しいシステムの導入時にはD1(初心者)として関わる必要があります。

現場のリーダーが最もつまずきやすいのは、D2→D3のフェーズです。「少し自信がついたが、まだ不安」な状態のメンバーに対して委任型に切り替えてしまうと、放置されたと感じ意欲が急落するリスクがあります。研修では、このフェーズ移行のタイミングを見極める観察力と、状況に応じたコミュニケーション技法を合わせて学ぶことが実務上の効果につながります。

リーダーシップ研修の主な内容・カリキュラム例

リーダーシップ研修の内容は、対象者の階層や自社の課題によって異なりますが、多くの研修に共通して含まれるテーマは以下の通りです。

研修テーマ主な学習内容対象階層
リーダーシップ理論の理解変革型・サーバント型・SL理論など基礎知識全階層
目標設定・ビジョン策定OKR・MBOを活用した目標管理の実践若手・中堅
コミュニケーションスキル傾聴・フィードバック・アサーション全階層
意思決定・課題解決フレームワーク活用と実践的ケーススタディ中堅・管理職
チームビルディング心理的安全性の醸成、メンバーの動機づけ管理職
コーチング・部下育成1on1設計、フィードバック技法管理職

研修の実施形式

リーダーシップ研修の効果を高めるには、座学だけでなく実践的な手法を組み合わせることが重要です。

座学・講義形式

リーダーシップに関する理論や概念を体系的にインプットする形式です。変革型リーダーシップやSL理論など、研修全体の土台となる知識を短時間で整理できるため、他の実践形式と組み合わせる際の「共通言語づくり」として機能します。

一方で、知識として理解できても行動変容につながりにくいという限界もあります。「わかった」と「できる」の間には大きな差があるため、座学単体で研修を完結させず、後述の演習・体験型プログラムと組み合わせる設計が重要です。

ロールプレイ・ケーススタディ

実際の場面を想定したシナリオをもとに、リーダーとしての発言・判断・行動を演じる形式です。座学で学んだ理論を「自分の言葉・行動」に変換するアウトプットの場として機能し、即効性の高い学習が期待できます。

ケーススタディでは、「メンバーが突然離職を申し出た場面」「チームの意見が割れたときの意思決定」など、リーダーが実際に直面しやすい場面を題材にすることで、研修後の実務への転用がしやすくなります。また他の参加者のアプローチを観察・比較できるため、「自分とは異なるリーダーシップスタイル」への気づきも得られます。

フィードバックの質が効果を左右するため、ファシリテーターが観察ポイントを明示した上で振り返りを構造化することが、研修設計上のポイントです。

グループワーク・ワークショップ

少人数のグループで課題に取り組み、議論・協働を通じてリーダーシップを体験する形式です。参加者それぞれが異なる考え方・行動スタイルを持ち寄るため、「自分のリーダーシップの癖や強み」への気づきが生まれやすい環境です。

特に、グループ内で自然とリーダー役・フォロワー役が分かれていく様子を振り返ることで、「肩書きのないリーダーシップ」の本質を実感しやすくなります。普段の業務では接点の少ない部門・年次のメンバーと同じチームで動くことで、組織横断的な関係構築にもつながります。

ワークショップの設計では、「成果物を出すこと」よりも「プロセス(どのように意思決定し、誰がどう動いたか)」の振り返りに時間を割くことが、リーダーシップ育成における学習効果を高めます。

ゲーム型研修

ゲームの構造(ルール・制限時間・役割・競争または協力)を活用し、参加者がリーダーシップを「楽しみながら自然に発揮する」ことを促す形式です。ロールプレイとは異なり、「研修らしさ」を感じさせないため、リーダーシップへの苦手意識がある若手社員にも取り組みやすいのが特徴です。

チームで協力して課題をクリアするゲームでは、誰かがリーダーシップを取らなければ前に進めない場面が自然に生まれます。その体験を振り返ることで、「自分がリーダーシップを発揮できた瞬間」や「チームをまとめるために何が必要か」を言語化できます。

対象者別のリーダーシップ研修設計

リーダーシップ研修は対象者の役割・経験によって設計を変えることが重要です。以下に階層別のポイントを整理します。

管理職(課長・部長クラス)

管理職研修の中心テーマは「人を通じて成果を出す」スキルの強化です。自らがプレイヤーとして動くのではなく、メンバーの力を引き出してチーム全体のパフォーマンスを最大化することが求められます。コーチングや1on1の設計・運用、OKR・MBOを活用した業績管理を実践レベルで習得することが研修の核となります。

加えて、Z世代の若手や専門性の高いベテラン、育児介護と仕事を両立するメンバーなど、多様な価値観を持つ人材が共存するチームのマネジメントも現代の管理職には必須です。SL理論を組み込むことで、メンバーごとに関わり方を使い分ける柔軟性を体系的に習得できます。

中堅社員(係長・主任クラス)

中堅社員研修の最大のテーマは、「優秀なプレイヤー」から「チームを動かすリーダー」への意識転換です。成果を出してきた社員ほど「自分でやった方が早い」という感覚に陥りやすく、権限移譲や部下育成に踏み込めないケースが多く見られます。

具体的には、目標設定とメンバーへの腹落とし、フィードバックの技法、自律的な行動を促すコミュニケーション設計を集中的に学びます。特にフィードバックは「指摘する」と「育てる」の違いを実践演習を通じて体感させることが定着への近道です。

若手社員(入社3〜5年目)

若手向け研修は「将来のリーダー準備」ではなく、「今の業務をより主体的に進めるための視点と姿勢を身につける機会」として設計することがポイントです。遠い将来の話として捉えさせると参加動機が下がるため、現在の業務に直結する学びとして落とし込みます。

身につけさせたい内容は、自分の業務が事業全体につながる経営者視点、問題の本質を掴む課題発見力、指示を待たずに動く自走する姿勢の3点です。これらを「今日から実践できる行動習慣」として研修内で体験・言語化させることが定着への近道です。

リーダーシップ研修の効果を高めるためのポイント

研修を実施しても「現場が変わらない」という声は多くの企業で課題となっています。研修効果を定着させるには、研修設計と事後フォローの両面が重要です。

研修前:目的と期待値の明確化

研修効果を左右する要因の一つが、受講前の準備です。受講者が「なぜこの研修を受けるのか」を理解しないまま参加すると、学びへの主体性が生まれにくく、知識が定着しません。事前に研修の目的・ゴール・期待する変化を受講者本人に伝え、動機づけを整えてから臨ませることが重要です。また上長が研修の意図を共有し、「研修後に何をアウトプットしてほしいか」を事前に伝えておくことで、受講者の学習姿勢が格段に変わります。

研修中:実践的な演習の組み込み

座学による知識インプットだけでは行動変容につながりにくいため、自社の実際の課題を素材にしたケーススタディやロールプレイを組み込むことが効果的です。「学んだ理論を自分の言葉で使う」経験を研修内で積ませることが、実務への転用を早めます。グループワークやゲーム型研修を活用すると、リーダーシップを「発揮する場面」を自然に作り出せるため、苦手意識のある受講者にも取り組みやすい環境になります。

研修後:アウトプットと振り返りの仕組み化

研修後に振り返る機会がなければ、学びは数週間で薄れます。行動計画シートの作成・共有、上長との1on1での振り返り、OJTとの連動など、研修内容を日常業務に橋渡しする仕組みをあらかじめ設計しておくことが重要です。さらに360度評価やエンゲージメントサーベイなど定期的な効果測定と組み合わせることで、育成の進捗を定量的に把握し、次の研修設計や個別フォローに活かすことができます。

若手向けリーダーシップ研修ならバヅクリ「令和の研修」

令和の研修のリーダーシップ研修は、聴講型のカリキュラム中心ではなく、様々なワークを通じてリーダーシップへの理解を深めます。

ワークによって参加者それぞれに合ったリーダーシップの取り方、チームへの貢献の仕方がわかるようになり、自分が得意なスタイルでリーダーシップを発揮できるようになります。

研修の最後には、今後の行動目標をシェアし合うワークを行い、ただ受講しただけで終わらない、次に繋がる学びや時間を提供します。

まとめ

リーダーシップ育成において、特に会社の次世代を担う若手の教育は大きな課題となっています。

リーダーシップ研修を通じて、若手社員がリーダーの重要性やリーダーシップを発揮するメリットについて学ぶ機会を提供するのがおすすめです。

令和の研修では若手向けのリーダーシップを育成する研修を用意していますので、ぜひこの記事を参考に受講を検討されてみてはいかがでしょうか。

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