若手社員のなかで、ビジネスマナーは不要と考える人もいるそうですが、ビジネスマナーは社会人として信頼を得るための基本マナーです。
ビジネスマナー研修には、身だしなみや敬語、立ち居振る舞いや、電話応対やビジネスメールの作り方など実務に直結するものまで、さまざまな種類があります。
これらのマナーはテクニックとして覚えるのではなく、接した相手にどのような印象を持たれるかをイメージすることが大切です。
今回は、ビジネスマナー研修とは何か、その必要性や身につけるべき項目、ビジネスマナー研修を成功させるポイントについて解説します。
目次
ビジネスマナー研修と実施目的
ビジネスマナー研修とは、相手を気遣い信頼し得るビジネスパーソンになるための基本マナーを身につける研修です。
ビジネスマナー研修は、表面的なテクニックを習得するためではなく、以下の目的で実施します。
- 取引先や協力会社、仕事で関わる人との信頼関係を構築する
- 会社のイメージを向上させる
社会人としてあるべき立ち居振る舞いや取り組み姿勢、ルールを体得することで、仕事で接する相手から信頼してもらうためにビジネスマナー研修を行います。
仕事で接する相手とは、社内の社員に加えて取引先や協力会社も含みます。
さまざまな人と、気持ちよいコミュニケーションをとれれば、会社のイメージ向上にも役立ちます。
ビジネスマナーとは
そもそもビジネスマナーとは何を指すのでしょうか。
ビジネスマナーとは、社会のビジネスパーソンとして活きるうえで、必ず身につける社会共通のマナーです。
どの世代にも共通するコミュニケーションがビジネスマナーなのです。
従来は、ビジネスマナーは社内で教育され、「会社の顔として恥ずかしくない所作をするため」に身につけるものと認識されていました。
しかし、副業や転職など自由な働き方が増えている今、「会社としてのビジネスマナー」ではなく「個人ブランドにつながるビジネスマナー」の必要性も増しています。
ビジネスマナーは不要という意見もある
若手社員のなかには、無駄なビジネスマナーがあると感じている人も多いようです。
会社都合の古い無駄なルールをビジネスマナーと勘違いしてしまうと、社員は「ビジネスマナーは不要」とネガティブにとらえてしまうケースもあるので注意が必要です。
株式会社ビズヒッツが全国の男女500人を対象に行なった調査によると、「不要と思うマナーがある」と答えた割合は、10~20代で67.6%。30代の中堅社員で69.5%、40代以上のベテラン層で69.8%となり、どの世代でも「このビジネスマナーはいらないのでは」と疑問をもっていることが分かりました。
ビジネスマナーは不要説がある一方で、ビジネスマナーを知らなかったあまり恥ずかしい体験をした人は全体の3割、ビジネスマナーに自信がないと回答した人は各世代で過半数となっています。
何が必要で、不要なのか、正しく見極めをしたうえでビジネスマナー研修を実施していくことが大切です。
ビジネスマナー研修を行うメリット
ビジネスマナー研修の実施は社員本人の成長につながるだけでなく、顧客との関係性の向上や売上アップも期待できます。
ビジネスマナーを習得しただけで事業売上がアップする、とまでは言わないものの、日々の顧客とのやり取りの積み重ねが大きな信頼へとつながります。
事業売上の拡大と同様に、企業ブランディングの向上もビジネスマナー研修の最終ゴールといえるでしょう。1本の電話対応、1回のコミュニケーションの質を上げることで、信頼できる企業ブランディングを確立できます。
研修で行うべきビジネスマナー
研修で習得すべきビジネスマナーは以下のような種類があります。
◇ビジネスマナー全般
- 身だしなみ(服装/髪型/メイク/持ち物)
- 挨拶(名刺交換/お茶出しなど来客対応)
- 言葉遣い
- 聞く姿勢
- 表情や態度、立ち居振る舞い
◇実務に必要な基礎マナー
- 電話応対
- ビジネスメールの作成
- 訪問時のマナー
- クレーム初期対応
- 席次の理解(会食の場/タクシーなど)
上記以外にも、業界や職種に応じた独自のビジネスマナーも存在します。
業界ごとのビジネスマナーを習得は、顧客への提案力やサービスの質などに直結する場合もあるでしょう。
研修方法
ビジネスマナー研修は、講師を企業に派遣する方法と、不定期に開催される公開研修に参加する方法に分けられます。
◇研修方法
- 講師派遣型
- 公開研修
講師派遣型の場合、元客室乗務員や百貨店の販売員など接客のプロ講師を招き、研修実施するものが定番です。
研修講師は研修会社に登録しているケースが多いため、研修会社に相談しながら自社に合った講師をアサインしてもらうとスムーズでしょう。
公開研修を利用する際は、各研修会社のビジネスマナー研修の講義日程から参加可能日を選びます。
研修会社によって定員や金額、開催場所やオンライン対応の有無は異なります。
また、研修内容としては講義を聞く座学スタイル、トレーニングやロールプレイングなど実践式のものに分類されます。
◇研修内容
- 座学スタイル
- トレーニングやロールプレイング
名刺交換や挨拶の仕方などは、ロールプレイング型を利用して、手足を動かしたほうが習得しやすいでしょう。
すべてが座学スタイルにならないよう、インプットとアウトプットのバランスを見ながらカリキュラムを選ぶのが大切です。
研修を行うときのポイント
ビジネスマナー研修を実施するポイントは、マナーをテクニックとして覚えるのではなく、マナーの背景や考え方を理解することです。
例えば、「名刺交換の行い方」という型だけ習得した場合、名刺交換を行わない相手に出会ったときに、どういった挨拶をすればいいか分からないなど、イレギュラー対応が難しくなる可能性があります。
ビジネスマナーには、相手と信頼関係を築く目的があり、相手目線で行動すべきと背景を理解していれば、イレギュラーの際も柔軟な対応ができるはずです。
名刺交換の目的や、名刺を差し出す順番の意味などテクニック面だけでなく、ビジネスマナーそのものの意味を深く理解させることが重要といえます。
ビジネスマナー研修の失敗事例
ビジネスマナー研修の失敗事例としては、やはり「型」や「テクニック」だけインプットする研修が挙げられます。
ただ単純に「目上の方がいるときの席次」「名刺交換のルール」を型で教えても、なぜそのルールが存在するかを理解しなければ、仕事のときに実践しようと思いません。
また、おもてなしの意義や、相手目線の行動など「思想」ばかりを伝えてしまい、具体的なアクションに落とし込めない失敗事例もあります。
ビジネスマナー研修を行う際は、研修目的とマナーの考え方とあわせて、実践的なシチュエーションを挙げてロールプレイングを繰り返すなど、アウトプットの訓練も行うと良いでしょう。
効果的なビジネスマナー研修例を紹介
会社からの一方的な押し付けでビジネスマナー研修を行うと、「こんなマナーは無駄なのに」と逆効果になる可能性もあります。
ビジネスマナー研修の目的やメリットを伝えながら、効果的に研修実施をした企業事例を取り上げます。
1. バヅクリ
バヅクリでは、チームビルディングやオンボーディングをテーマに個性的な研修を提供しています。
バヅクリのビジネスマナー研修では、オフラインのビジネスマナーとテレワーク下に求められるオンラインならではのビジネスマナーを同時に学ぶことができます。
現役アナウンサーによる印象アップの方法や、敬語の使い方などベーシックなビジネスマナーを、対面でもオンラインでも受講することができ、特にオンラインでは気軽にビジネスマナーを習得できる点が魅力です。
2. リンクアンドモチベーション
リンクアンドモチベーションのビジネスマナー研修では、陥りがちなビジネスマナー研修の失敗をカバーできる企画内容が特徴です。
- マナーを実践する意味の理解
- 基本マナーの型と背景をセットで押さえる
- 型をロールプレイングで習得する
- マナーを実践するうえで大事な覚悟を学ぶ(思想のインプット)
- マナーを日常で実践する際の目標を決める
ビジネスマナー研修で失敗しがちなポイントを適切に押さえつつ、日常業務に戻ったときにスムーズに実践できるよう、目標設定を行う点がポイントです。
https://solution.lmi.ne.jp/hr_development/c/newcomer/darwin_manner
まとめ
ビジネスマナー研修は、世代をこえて共通する社会人の基礎マナーです。
小さなビジネスマナーの積み重ねが、顧客や周囲との信頼関係を築き、事業売上の拡大や個人ブランドの強化などにつながります。
なかにはビジネスマナーは無駄と感じている人もいるため、社員アンケートを実施するなど、研修対象の価値観を確認しながら慎重に研修企画を練ると良いでしょう。
オンラインならではのビジネスマナーを身につけたい方は、ぜひバヅクリのオンライン研修を利用してみてください。