厚生労働省が調査した「令和元年版 働く女性の実情」によると、すべての年齢階級で女性の労働力率は過去最高の水準を達成しました。
女性の社会進出が進む一方で、女性にも男性同様のビジネスマナーが求められています。
今回は女性社員に求められるビジネスマナーについて、女性のキャリア観の変化とともに解説します。
目次
女性社員のキャリア観は変化している
女性社員向けのビジネスマナーについて触れる前に、女性社員のキャリア観の変遷について解説します。
以前は「女性=結婚したら退職」という風潮が強かった
かつて、日本の女性労働力率の特徴を示すものとして「M字カーブ」という言葉がよく用いられていました。
M字カーブとは、女性の年齢階級別労働力率を表す折れ線グラフの中で、20代後半〜30代後半の部分に現れるへこみのことです。
産休・育休制度の整備が進んでいなかったかつての日本企業では、女性は結婚や出産といったライフイベントを機に退職し、子育てがひと段落したら再び働き出す傾向がありました。
M字カーブはそのような日本の女性の働き方の特徴を表現しています。
また企業側も、若くして退職してしまう女性社員に対して責任あるポジションを任せられないという考えから「女性には比較的責任が重くない事務仕事を任せる」という風習が定着してしまっていました。
1986年の男女雇用機会均等法施行をきっかけに男女別の雇用管理が撤廃され、性別ではなく個人の希望に応じた働き方ができるようになりました。
しかし、「総合職」「一般職」という職種の分類がかつての男女の役割分担のなごりとして残っており、総合職の業務サポートを行う「一般職」は依然として女性社員が中心となっていました。
しかし、現代では高いキャリア志向を持つ女性が増加
男女雇用機会均等法の制定により、徐々に企業側の意識改革がなされ、企業における男女格差が解消されてきました。
さらに、2015年には女性活躍推進法が制定され、従業員が301人以上(2022年10月現在は101人以上)の事業主に対して自社の女性の活躍状況について把握・分析を行い、改善することを義務化しました。
これらの法律により産休・育休を取得しやすい環境の整備や、女性管理職の登用が進み、結婚や出産を機に退職する女性は減少しました。
また同様のタイミングで終身雇用制が崩壊し、男性一人の稼ぎ手だけで家族全員を養うことが難しくなる世帯が増加しました。
女性も家計の担い手として働く共働き世帯が増えていることもあり、高いキャリア志向を持つ女性は珍しくなくなっています。
男性、女性の区別がない時代に
ライフイベント期の女性でも働きやすい環境が整ってきている今、徐々にビジネスシーンにおいて男女の区別はなくなってきています。
実際に、以前まで女性が就業する職種は事務職が中心でしたが、現在は営業職・企画職などさまざまな職種で女性割合が増加しています。
それに伴い、女性社員が社内会議やクライアントとの商談に出席する機会も増加しているため、男性・女性関係なくビジネスマナーを身に付けることが重要になっています。
一般的に身に付けるべきビジネスマナー
ここでは男性・女性にかかわらず、一般的に身につけるべきビジネスマナーについて解説します。
1. 挨拶・言葉遣い
身につけるべきビジネスマナーとして最も基本的なものがあいさつです。
社内外の人に率先して笑顔であいさつをすることで、相手に良い印象を与えられるため、円滑に業務や取引を行えるようになります。
また、正しい敬語を使う・学生言葉を使わないといった、適切な言葉遣いもビジネスマナーとして身につけるべきでしょう。
適切な言葉遣いが身についていないと、社会人として信頼されるのが難しくなるため、仕事のトラブルやネガティブイメージに結びつきやすくなります。
2. メール対応・電話対応の仕方
社会人になると、メールや電話など相手の顔が見えない状態でコミュニケーションをとる機会も増えていきます。
現代の新入社員はSNSなどのテキストコミュニケーションに慣れていますが、目上の人にメールをする機会は少ないです。
そのためしっかりと研修を行い、正しいメールの書き方を身に付けることが重要です。
また電話対応も同様に、正しいメモの取り方や、相手に自分の言いたいことをなるべく柔らかく伝える「クッション言葉」などを研修を通して学ぶのがおすすめです。
3. オンライン商談・会議での振る舞い
またビジネスマナーにおいて学ぶ必要性が増しているのが、オンライン商談・会議における振る舞い方です。
近年、急速にリモートワークが浸透し、さまざまなビジネスシーンにおいてオンライン化が進んでいます。
そのため、オンラインでビジネスマナー研修をおこなうことでより実践でも活用できるスキルを学べるでしょう。
オンラインビジネスマナー研修ならバヅクリ
オンラインビジネスマナー研修を実施する場合におすすめなのが、研修サービスのバヅクリが提供する「オンラインビジネスマナー研修」です。
コロナ禍を経て増えてきているオンライン下での会議や商談時に身につけておくべきマナーを習得することができます。
ロープレを通してマナーを学ぶとともに、受講生同士の絆を深めることができるので、新入社員におすすめの研修です。
女性社員のためのビジネスマナー
ビジネスにおいて男女の差は徐々になくなってきているものの、女性が実践することでより好印象を得られる振る舞いや所作も存在しています。
ここでは女性社員ならではのビジネスマナーについて解説します。
1. TPO(時間、場所、場合)に応じた服装選び
女性ならではのビジネスマナーとして、TPOに応じた服装選びがあります。
特に女性が気をつけるべき服装のマナーとして、下記のものがあります。
①露出度が高い服はNG
露出度の高い服装はビジネスシーンにふさわしくないため、節度を持った上品な服装を心がけましょう。
具体的には、下記のような服装は避けるのが無難です。
- 胸元が開いた服装
- 短すぎるスカートや短パン
- ストッキングを履かず、素足を出している
②色づかいへの配慮
職場や商談の場では、きちんとして落ち着いた印象を持ってもらえるような服装が適しています。
そのため、蛍光色やメタリックなど、派手すぎる色味の服装は避け、ブラック・グレー・ベージュ・ホワイトなどのベーシックカラーを取り入れるようにしましょう。
また、服の一部にパステルカラーを使うことで、女性らしく柔らかい印象を与えることができます。
③アクセサリーや香水は控えめにする
主張が強すぎる煌びやかなアクセサリーは、ビジネスの場では避けるようにしましょう。
強い香りが苦手な人も多いため、相手に対する配慮という観点からも香水をつけすぎないようにするのが重要です。
④汚れや毛玉の無い服を
汚れや毛玉のついた服は、どうしても清潔感やきちんとした印象に欠けるものです。
相手に良い印象を与える観点からも、服に汚れや毛玉がついていないかきちんとチェックするようにしましょう。
⑤足音のするヒールは避ける
カツコツという高いヒール音を不快に感じる人もいます。
相手に悪い印象を与えないためにも、高すぎるヒールを避けたり、ヒールの先のゴムを定期的に交換するようにしましょう。
⑥適切なメイクアップを
女性ならではの身だしなみとして重要なのがメイクアップです。
ビジネスの場に適したメイクアップという観点からは、濃すぎるメイクアップも、すっぴんも印象がよくないと言われることが多いです。
肌に馴染む色を中心に、明るく清潔感のあるメイクアップを心がけましょう。
またラメが目立つアイシャドウや派手なカラーコンタクトなど、流行を取り入れすぎているメイクアップも避けるようにしましょう。
まとめ
本記事では女性社員に求められるビジネスマナーを解説しました。
女性の社会進出が盛んになっていることもあり、男性・女性関係なくビジネスマナーは求められています。
本記事を参考に、オンラインでのビジネスマナー研修を取り入れていきましょう。