女性社員は、ライフイベントの発生による生活の大きな変化や、女性活躍がまだ十分に推進されていない社会環境などにより、キャリア形成が難しい立場にあります。
そこで実施したいのが、女性向けのキャリアデザイン研修です。
キャリアデザイン研修を実施することで、受講者だけでなく、企業側も様々なメリットが得られます。
女性向けキャリアデザイン研修を行う際のポイントや、を実施する会社やサービスをご紹介します。

よりよい条件を求めて転職をする女性が増えている

増加傾向が続く転職者の状況 / 総務省
出典:増加傾向が続く転職者の状況 / 総務省

近年、女性の転職者数が若干ではありますが増えています。
また、その数は男性よりも多いことが上のグラフから分かります。

増加傾向が続く転職者の状況 / 総務省
出典:増加傾向が続く転職者の状況 / 総務省

離職理由は前職の人間関係によるものや、生活上の都合などではなく、「より良い条件の仕事を探すため」に離職した女性が増えているという結果が、総務省が令和2年に発表した調査結果により明らかになりました。

働く環境においてより良い条件を求めている女性人材を確保するため、組織は女性の働きやすさや、やりがいを提示しアピールする必要があります。

女性の活躍推進や、女性リーダー増加を目標に掲げる組織も多い中、現状、それらがあまり進んでいない組織もあり、結婚や出産などのライフイベントにより、働き方を考え直さなければならない女性社員が、まだまだ多いことは事実です。

女性自身、結婚後や出産後も仕事をしたいと思う人も多く、そのためには結婚や出産、転勤などのライフイベントの発生を踏まえたキャリアビジョンを形成しなくてはいけません。

キャリアデザイン研修がもたらす効果

キャリアデザイン研修が成功した企業

女性活躍の推進や、ダイバーシティ推進のためぜひ実施したいのが、女性向けのキャリアデザイン研修です。

女性社員を対象にキャリアデザイン研修を実施することで、企業側は従業員に「女性にとって働きやすい環境を作ろうとしている」「働く女性に理解のある企業だ」というイメージを持ってもらうことができ、良い人材の獲得、確保に繋がります。
また、仕事に対するモチベーションの向上や、従業員が今の業務にやりがいを見つけることも叶うでしょう。

ここからはキャリアデザイン研修を行うことにより、女性の従業員が得られるメリットをご紹介していきます。

1. 自己理解が深まる

キャリア形成のためには、どのような人生を歩みたいかビジョンを持つことが大切です。
そのためには、自分自身が望むこと、何を幸せと思うか、自分の強みを知らなくてはいけません。

キャリアデザイン研修を通して自己理解を深めることで、キャリアビジョンを描く際だけでなく、普段の生活の中で何かを選択する時も悩むことが少なくなるでしょう。

2. 主体的なキャリア形成意欲を育む

変化の時代に応じたキャリアデザインの知識を身につけ、主体的・自律的なキャリア形成意欲を育むことができます。

3. 女性の活躍推進

女性が将来のことを思い描き、自律的にキャリア形成を行うようになり、社会で女性の活躍推進を後押しします。
女性の管理職の増加や、ダイバーシティの推進などに繋がります。

キャリアデザイン研修実施の現状や、進め方について詳しくはこちら

キャリアデザイン研修の内容

キャリアデザイン研修の内容

研修プログラムの例をご紹介します。

また、研修やワークショップの企画・運営サービス・バヅクリを利用し、実施できる、キャリアデザイン研修のプログラムも合わせてご紹介するので、研修を企画する際の参考にしてください。

1. 「キャリアデザインとは」を学ぶ

座学の講義のような形式で、キャリアデザインとは何かや、キャリアデザインの重要性を学びましょう。
それらを知ることで、前向きに研修に取り組んでもらえるようになります。
また、このコンテンツを実施することは、受講者のキャリア形成に対する意識を変化させることにも繋がります。

2. 自己理解を深める

まずは、自分自身の価値観、強みなどを知り、自己理解を深めましょう。
自己理解を深めることで、理想のキャリアを形成するために今何をするべきか、何を選択すればいいか分かるようになります。

① キャリアデザイン研修(未来創造編)

キャリアデザイン研修(未来創造編)
出典:バヅクリ

やりがいや、自分らしさを求めるZ世代に対して、変化に柔軟に対応できるキャリア形成の方法や考え方を、内省・可視化・整理・相互理解を通して伝える研修です。
グループワーク形式で行うので、参加者の横の繋がりを作り出すことも可能です。

3. 理想のキャリアを描く

どのような働き方がしたいか、人生を送りたいか、ビジョンを描く時間を設けます。
自分で考える時間を設けることは、自律的にキャリアビジョンを考えるクセをつけるために大切なことです。

① キャリアデザイン研修 実践編

キャリアデザイン研修(現在&未来創造編)
出典:バヅクリ

Z世代向けのキャリアデザイン研修です。
自己理解を深めるワークに取り組んだ後に、「自分の未来に役立つこと」を見つけるワークと「今の業務を面白くする」ワークを行い、どうしたら現実と理想の自分とのギャップを埋めることができるのか考え、現在をじっくりと見つめ直します。その後「私の成長未来日記」と題し、キャリアビジョンを考え、5年後の目標から逆算して具体的なアクションプランを立て未来に向けての行動を変容させるため研修です。

② 未来準備日記ワークショップ

未来準備日記ワークショップ
出典:バヅクリ

1年後、3年後、5年後、どんなことをしているか、または、どんな自分になっていたいか、未来の脚本を作ります。未来の脚本ができたら、5年後の自分を主人公にした絵日記を作ります。カジュアルに楽しく、自分の未来やキャリアプランを改めて見つめ直す時間を提供するプログラムです。

③ おえかきコミュニケーションワークショップ

出典:バヅクリ

おえかきのテーマを「これまでの私、これからの私」と設定し、絵を描いて表現します。言葉ではなく絵を使うことで、深層心理を引き出します。
また、絵を描くという非日常体験を楽しむことが、受講者の本音を引き出すきっかけになります。

4. 今後のキャリアアップのために

今後のキャリアアップに繋がるような取り組みを実施します。
リーダーシップを取れるようになる、マネジメント能力を身に着ける、業務に活かせる技術を習得するなど、目的により実施するべきプログラムが異なります。

また、その目的を達成するため、PDCAを回すことも大切にしなくてはなりません。

① 行動変容ワークショップ

行動変容ワークショップ
出典:バヅクリ

「アクションプランは立てることがゴールではなく、実行して成果を出すことがゴール」ということを前提に、理想のキャリア形成を実現させるための、DCAサイクル構築を目指します。

5. グループワーク

その他の受講者と意見交換をしたり、自分のキャリアビジョンや、アクションプランをシェアしたりすることで、さらに深くキャリア形成に関する意識を自身の中に根付かせることができます。

また、ただアウトプットするだけでなく、横の繋がりを作る目的もあります。
共に頑張る仲間がいるという意識はモチベーションの向上にも繋がります。

6. 社内と他者の事例から学ぶ

ダイバーシティの推進例や、女性管理職の増加例、女性リーダーの育成方法など、自社やその他の組織の事例から学びを得ましょう。
先輩社員などの事例を知ることで、自分のお手本となる、ロールモデルを持つことができます。

7. 研修のまとめ

研修のまとめに、振り返りや、講師からのフィードバックを行いましょう。
また、自分の意見や目標などをシェアしたり、アウトプットすることで、さらに深い学びが得られたり、アクションプランを自分の中に深く落とし込んだりすることができます。

さらに深く振り返りや、学んだことの落とし込みがしたい場合は、面談の実施もおすすめです。

研修を実施するときの注意点

女性向けキャリアデザイン研修の注意点

研修を実施する際、ポイントを押さえ注意点に気をつけなくては、思ったような効果を得られなかったり、逆に参加者の研修や仕事に対するモチベーションを下げかねません。

以下の点に注意して、研修を実施しましょう。

1. 従業員目線で研修を行う

「こういう人材になってほしい」という企業の思いを押し付けるような研修ではなく、従業員に「受講したい」「ためになる」と思ってもらえる研修を設計しなくてはいけません。
従業員目線の研修を設計することで、研修に対するモチベーションが向上し、最後まで前向きに意欲を持って受講してもらえるはずです。
アンケートなどを実施して従業員の要望を聞き、研修内容を設計するのもおすすめです。

2. 階層別のプログラムを用意

新入社員、中堅社員、管理職などの階層ごとに、キャリア形成のため考えておきたいことや、伸ばしたいスキルは異なります。

階層に合わせ将来を思い描きやすい内容の研修にしましょう。

年代別のおすすめ研修内容はこちら

3. 従業員の状況に合わせてサポートする

1人1人、キャリアについての悩みや、抱く課題は違うものです。
出産を控えている人、結婚したばかりの人、子育てと仕事を両立させたい人、女性リーダーを目指している人など、状況によっても変わってきます。
それぞれの悩みを払拭するため、1人1人に合ったサポートができるように心がけましょう。
個人個人にあったキャリア開発を行うため、少人数のセミナー開催などもおすすめです。

3. 研修後にアフターフォローを行う

研修後は、面談を実施したり、質問を受け付けたりとアフターフォローを実施しましょう。

4. オンラインでの実施も検討する

キャリアデザイン研修は、オンラインでも実施できます。
自宅などからでも受講できるオンライン研修は、出産を控えた女性社員や、子育て中の社員も受講しやすく、住んでいる地域による教育格差をなくすことができます。

女性向けキャリアデザイン研修を提供する会社

最後に女性向けキャリアデザイン研修を提供する会社やサービスをご紹介します。

研修は開催までに多くの手順を踏まなければならず、大きな社内負担になる可能性が高いです。
そのため、社外サービスを活用しての実施がおすすめです。
研修のプロや講師の手を借りることができるのでクオリティの高い研修が実施できます。

1. バヅクリ

バヅクリ

研修やワークショップの企画・運営を行うサービス・バヅクリ。
その他の参加者とコミュニケーションを取りながら行うプログラムや、楽しみながら受講できるプログラムが多いのが特徴で、対面でもオンラインでも研修が実施できます。

講師や進行を務めるのはその業界のプロで、盛り上がる研修を提供してくれます。
参加者満足度は97%を誇り、人事負担を90%もカットできるのも魅力です。

2. インソース

インソース
出典:インソース

数多くの研修を提供しているインソース。
研修スタイルを、講師派遣型、公開講座、e ラーニングなどから選択することができます。

女性向けのキャリアデザイン研修は、

  • 女性向けキャリアデザイン研修 自分の人生を主体的に現実的に考える(講師派遣)
  • 女性社員キャリアデザイン研修 自分らしさを発揮しながら長く働く編(講師派遣)
  • 女性向けキャリア研修 キャリアを「Must・Will・Can」で考える編(講師派遣)
  • 女性キャリアデザイン研修~ワークライフバランスを実現し、可能性を広げる(e ラーニング)
  • 女性向けキャリアアップ研修~一般職から総合職に職種転換する編(公開講座)

などが用意されています。

https://www.insource.co.jp/index.html

3. 益財団法人日本生産性本部

益財団法人日本生産性本部
出典:益財団法人日本生産性本部

益財団法人日本生産性本部では、『女性社員キャリアデザイン研修』と題し、

  • 自己理解を深める
  • キャリアビジョンを描く
  • アクションプランを考える

を行う講師派遣型の研修を運営しています。
その他に、公開講座として、『女性のためのジェンダー・バイアス&自信創出研修』を運営しています。

https://www.jpc-net.jp/

4. 日本コンサルタントグループ

日本コンサルタントグループ
出典:日本コンサルタントグループ

女性の活躍推進を目指した、女性社員向けのキャリアデザイン研修を運営。
先輩社員の声を研修内に取り入れ、ロールモデルを提示する研修を実施することも可能です。

研修内容は、目的・対象者から適切なものを提案してくれます。

https://www.niccon.co.jp/

5. SMBC コンサルティング

SMBC コンサルティング
出典:SMBC コンサルティング
  • 女性活躍推進研修
  • キャリアデザイン研修

をなどを提供しています。
公開講座型のセミナーも提供している同社では、不定期で、女性活躍を推進するためのセミナーも実施されているようです。

https://www.smbc-consulting.co.jp/#_ga=2.224853594.1372456770.1656984165-278473730.1656984165

まとめ

女性向けのキャリアデザイン研修は、女性の活躍推進や、ダイバーシティ推進のためにとても重要なものであり、受講者にとっても、企業にとってもメリットがあります。
サービスを活用するなどし、女性社員を対象としたキャリアデザイン研修を実施しましょう。

また、実施する際は、今回ご紹介した注意点に気をつけながら実施してください。